八戸市議会 2012-09-11
平成24年 9月 定例会-09月11日-03号
第3 認定第1号 平成23年度八戸市一般会計及び各特別会計決算の認定について
認定第2号 平成23年度八戸市
公営企業会計決算の認定について
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本日の会議に付した事件
議事日程に同じ
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出席議員(36名)
1番 高山元延 君
2番 伊藤一喜 君
3番 工藤悠平 君
4番 藤川優里 君
5番 高橋一馬 君
6番 西村吉晴 君
7番 夏坂 修 君
8番 田端文明 君
9番 秋山恭寛 君
10番 冷水 保 君
11番 三浦博司 君
12番 田中 満 君
13番 小屋敷 孝君
14番 森園秀一 君
15番 島脇一男 君
16番 壬生八十博君
17番 三浦隆宏 君
18番 大島一男 君
19番 坂本眞将 君
20番 松田 勝 君
21番 下田保夫 君
22番 古舘傳之助君
23番 石橋充志 君
24番 八嶋 隆 君
25番 豊田美好 君
26番 立花敬之 君
27番 吉田淳一 君
28番 松橋 知 君
29番 前澤時廣 君
30番 伊藤圓子 君
31番 田名部和義君
32番 五戸定博 君
33番 山口広道 君
34番 大館恒夫 君
35番 坂本美洋 君
36番 吉田博司 君
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欠席議員(なし)
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地方自治法第121条による出席者
市長 小林 眞 君
副市長 奈良岡修一君
副市長 田名部政一君
南郷区役所長 佐藤 卓 君
総合政策部長 大坪秀一 君
まちづくり文化観光部長
古舘光治 君
防災安全部長 石黒一之 君
総務部長 早狩博規 君
財政部長 高島 司 君
商工労働部長 沼畑龍男 君
農林水産部長 工藤良弘 君
福祉部長 田名部源一君
市民健康部長 梅内昭統 君
環境部長 妻神敬悦 君
建設部長 岩藤寿通 君
都市整備部長 工藤 哲 君
教育長 松山隆豊 君
教育部長 芝 俊光 君
交通部長 東森直人 君
病院事業管理者 三浦一章 君
市民病院事務局長 工藤 朗 君
監査委員 白川文男 君
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出席事務局職員
事務局長 池本伸也
次長兼庶務課長 岩澤昭治
議事課長 阿部寿一
副参事(
議事グループリーダー)
秋山直仁
主幹 細谷地幸夫
主査 鈴木 馨
主査 毛利誠司
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午前10時00分 開議
○議長(秋山恭寛 君)これより本日の会議を開きます。
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△日程第1 一般質問
○議長(秋山恭寛 君)日程第1一般質問を行います。
順次質問を許します。
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30番 伊藤圓子君質問
○議長(秋山恭寛 君)30番伊藤圓子議員の質問を許します。伊藤圓子議員
〔30番伊藤圓子君登壇〕(拍手)
◆30番(伊藤圓子 君)快挙。
ロンドンオリンピックにおける伊調馨さん、オリンピック3連続金メダル。小原日登美さん、初出場で金メダル。そして、甲子園3大会連続準優勝の光星学院野球部。さらには、
ロンドンパラリンピック陸上、視覚障がい部門に初出場で、メダルには届かなかったものの、八戸出身の天摩由貴さんの大奮闘。暑い夏を一層熱く燃えさせてくれましたアスリートたちに感謝を込めて、感動をありがとうと申し上げます。
くしくもきょうは東日本大震災より1年半、
アメリカ中枢同時テロから11年に当たります。双方の遺族のいえない心を思うとき、防災、減災を駆使した安全と、憎しみの連鎖を断ち切っての平和のとうとさを願い、肝に銘じずにはおられません。
それでは、平成24年9月定例会に当たり一般質問をいたします。
第1は、交通安全対策についてであります。今回は高齢者の交通安全対策について伺います。
マイカー世代で車を運転してこの方、無事故であったことを自負し、自分は大丈夫と言いつつ、自損事故で死亡する高齢者がふえております。また、老老介護ならぬ老老事故も危惧されておりましたが、現実に発生しております。判断能力や身体機能の低下に加え、認知症も
高齢者運転事故の危険性を高めています。生活に不便を来すなど、車生活から抜けられない事情も深刻であります。そこで、5点について伺います。
第1点は、高齢者の年齢区分ごとの
運転免許証所有状況について伺います。
第2点は、
高齢者ドライバーによる交通事故の発生状況についてです。
八戸警察署管内における人身事故、死亡事故について伺います。
第3点は、高齢者の運転免許証の返納状況についてです。平成10年より自主返納制度が導入されましたが、年齢区分ごとの返納状況を伺います。
平成14年6月からは、
運転免許証返納者には、免許証がわりの身分証として使える
運転経歴証明書が交付されることになりました。利用価値を高めて返納促進につながるような特典もあるとのこと。そこで第4点として、交付状況とその特典について伺います。
高齢になり、より慎重に安全運転を心がけているも、危ないと感じているという高齢者がかなりおられます。しかし、便利で楽な車という足のある生活を変える不便さと不安もあり、なかなか免許証の返納に踏み切れない実情があります。車にかわる生活の足となる公共交通等、交通環境を整えていかなければ、なかなかこの実情を変えることはできません。
本市でも公共交通の重要性から、その存続の経営のあり方、親しまれるみんなのバスとしてのあり方等々、戦略的政策に取り組んでいることを評価しているところであります。
迎える超高齢社会に即応し、高齢者が交通事故惨禍の犠牲者、加害者にならないよう、交通の環境整備が求められております。また、その環境整備について、その政策を考える場合、
防犯交通安全課、高齢福祉課、都市政策課等々が連携し協議する場が必要であります。
そこで第5点として、超高齢社会における交通環境整備とその協議の場の設置について伺います。
第2は、産業振興政策についてであります。
グローバル経済の中で、円高、高い法人税、電力不足等々、国内経済の背景の厳しさは、企業の海外流出を招いております。この経済環境の厳しさを受けての、自治体の企業誘致策は転換期を迎えていると言えます。
現に当市においても、優良と言われていた
アルバック東北株式会社の事業縮小、それに絡んで大量解雇につながっております。そして、誘致数よりも撤退数が多くなっているという現状から、誘致の厳しさ、冷たさ、むなしさを禁じ得ません。
ただ、一方では、東日本大震災による多大な被害を受けた後も、臨海工業地帯で操業する企業たちは地元に根を張り、困難を乗り越えようと頑張っている姿があります。地元企業としてエールを送りたい。
さて、市長は、前任者の産業政策の脆弱さを指摘し当選されました。そして、企業誘致策としてIT Lookout
Vision構想を掲げました。IT関連企業側からすばらしい景観の種差海岸で、ぜひというアプローチがあったとし、当時の担当者も胸を張って、夢あるビジョンと熱く語りました。産業振興の目玉として注目されたものでありますが、質問の第1点は、IT Lookout Visionについて、構想の現状と今後の見通しについて伺います。
第2点は、
桔梗野工業団地軟弱地盤の活用についてです。
この土地に発生した負債を、市の負担分として35年をかけて28億円をも返却することになったが、財政の厳しい中で、市民の税金を、何の生産性もないところに投入しなければならない結果になったことは、一議員といたしましても、いまだじくじたる思いであります。
そんな思いでいたところに、その軟弱地盤の活用について検討委員会を設置し、
プロポーザル方式で公募、プレゼンテーション、審査、評価を経て決定するというプロセス。負債原因の軟弱地盤を未来志向で検討したいゆえと、この検討委員会を設置したようです。
しかし、負債原因なのだから、負債軽減、市民の税による負担の軽減が第一であらねばならない。つまりは、活用のあり方以前に、より早く、全面積を、より高額で分譲することが、ずさんな経理運営で膨大に膨らんだ負債に対する責任のとり方であると思っております。
一連のプロセスは非公開のため不透明であり、議会の議決を得ない不手際もあり、1年以上もの時間を費やしスピード感がない等々も含めて、腑に落ちない結果であったと感じているのは私だけではありません。
そこで、5点について伺います。ア、検討委員会設置の意義について。
イ、プロセス等について。昨年6月の経済協議会に案件に上がってから、ことし7月10日の市長報告に至るプロセスは、一般常識的に、行政的に妥当と言えるものなのかを問います。
議会の議決を経ず、青森県新
産業都市建設事業団に委託すべき事業に関する計画の一部変更、つまり分譲を前提とするところを、賃貸でも可能とした募集要項で公募したこと。平成24年4月27日締め切りまでに
社会福祉法人吉幸会、
NPO法人グリーンシティ、
大和エネルギー株式会社の3事業者の応募があり、2事業者が分譲で応募されています。
本来なら、ここで分譲が優位であるはず。しかし、事業者の貸し付けが出てきた後の5月21日の経済協議会で、賃貸も可能にする変更について報告があり、これは順序としても全くおかしいことではないのか。
これは、さらに言えば、議決を経ない内容の募集要項での公募は有効なのか無効なのか。私は無効としてもおかしくないと思っております。
経済常任委員会、経済協議会への情報提供が十分でなく後出し。よって、議論を深めることができない。これらのことだけでも、このプロセスはわけがわからない継ぎはぎだらけのもの。時間をかけた行政の仕事にしては、こう言っては失礼ですが、大変お粗末と言わざるを得ません。
ウ、審査の評価基準設定と点数配分について。これは審査結果を左右するという重い認識を持って検討されるべきものであります。つまり、意図する結果を導くことも可能になるゆえに、公平を期するものでなければならないということであります。
価格の評価で100点満点の0点評価の吉幸会が、総合点数で第2位になれるという、この結果を生むこの評価基準設定、そして点数配分。
分譲と貸し付けを横並びで、しかも提示された額面だけを評価し、それも最低分譲価格との比較のみで評価し、運用利益に全く触れないこの評価というものはナンセンスである。
その結果、100点満点のグリーンシティは2.1点、大和エネルギーは2.9点、この点数を事業評価のほうにそのままプラスとする、その総合得点の出し方にも疑問があります。
そのほかにも多々問題視すべきところがありますが、今般の審査を公平に行うために、この評価項目、評価基準、あるいは点数配分が設けられたと思いますけれども、これは妥当だったのか、そして、そこから招かれた結果というものは妥当なものなのか、この順位は妥当なものなのか、確認したいので伺います。
今般の配点表は、国土交通省など国のほうの採点表に準じてつくったとのことですけれども、公共事業ではありません。軟弱地盤の処分であり、少なくてもこの基準は八戸市の独特のもので検討され、つくられるものであるべきだと考えます。
エ、7月10日、検討委員会の報告を受け、この結果に対する市長の見解を伺います。
オ、トップに評価された
大和エネルギー株式会社が、このトップの評価どおり、そしてこの事業を展開するとなったとき、2点について伺います。事業団のメリット及び市のメリットは何なのか。
もう1つは、市民の利益、不利益について考えを聞かせていただきたいと思います。
第3点は、
再生可能エネルギー産業推進についてです。
原発事故による放射能汚染の影響は、恐れていたとおり、本市においてもマダラの出荷停止に見るように、この先が見えない不安状況を抱えています。ここに来て脱原発への世論は一層高まりを見せており、
エネルギー政策の大きな転換期を迎えていることは確実と言えます。
本市においても、LNG基地の整備が進捗するのに加えて、新
エネルギー関連の産業の基地づくりを、地元企業、NPOの参入を容易にして産業振興を図ることを求めたいと思います。
しかし、本市の担当部署がこれに対応できるような部署なのか明確でなく、この分野での産業振興につなげる力がなきに等しい。よって、雇用を生まず、収益のほとんどを市外に持ち出されるような事態でも容認されるような状況となっているのは残念です。
そこで、3点について伺います。ア、改めて
担当セクションはどこか、現状のままで産業振興の戦略とすべくスピーディーに対応できるのか。ぜひとも、そうでなければ
担当セクションを設け、戦略的な産業振興が図れるような状況にしていただきたい。
全量買い取り制度によって
ソーシャルエネルギー革命とも言われるように、地域の市民、企業、NPO、自治体、この参入が加速しております。
そこで、イ、
再生可能エネルギー特別措置法等国の施策活用による推進についてお尋ねをいたします。
ウ、八戸市
地域自然エネルギー基本条例について提言をいたします。これは滋賀県の湖南市でこの9月定例会に上程された条例に倣ったものですが、実に時宜を得た取り組みであると、私は共感、同感し、提案するものであります。
湖南市では、市民による地域資源を生かした地域産業経済の活性化を図ることを目的とし制定するものであります。これについて検討、制定する考えはないか伺います。
第3は、熱中症等対策についてであります。
観測史上最も暑い夏だった昨年にも劣らず、八戸でもことしの夏も暑さが厳しく、9月に入っても残暑が続いていた状況でした。天気予報とともに熱中症への注意を喚起することがセットとなって報じられることが日常的になりました。今回は、学校における熱中症等の対策について伺います。
第1点は、熱中症等、暑さによる体調不良の発生状況についてです。暑かった昨年度と今年度8月末までの状況を、救急車搬送も含めて伺います。
第2点は、保健室への冷房設備の設置についてです。ぐあいの悪くなった生徒も、一たんは保健室に運ばれるのが通例で、その保健室も暑くては、さらにぐあいが悪くなってしまうという状況になるかもしれません。
近年の気象傾向から、猛暑、夏日と高温続きが予想されます。生徒の健康、安全のための環境整備の一環で、ぜひ、せめて保健室に冷房設備を設置することを要望し、所見を伺います。
第3点は、部活動における熱中症対策についてです。部活動は、授業のある平日であれば、一番暑くなる時間帯に当たり、校庭もさることながら、体育館内は相当熱く暖められているのではないかと思います。熱中症対策としてどのような指導、配慮がなされているか、また、外部コーチにも同様に対処していただくために、部活動担当教諭との連携はどのように図られているのかをあわせて伺います。
第4点は、熱中症暑さ指数計の設置についてです。既に設置されている学校もあるようであります。さまざまなタイプもありますが、いずれにしましても、客観的に判断する目安とするために各校にあればよいのではないかと設置を要望いたし、所見を伺います。
以上でこの場からの質問を終わります。前向きな御答弁を期待いたします。
〔30番伊藤圓子君降壇〕(拍手)
○議長(秋山恭寛 君)市長
〔市長小林眞君登壇〕
◎市長(小林眞 君)おはようございます。伊藤圓子議員にお答え申し上げます。
まず、高齢者の
運転免許証所有状況についてですが、八戸市における年齢65歳以上の高齢者の方々の
運転免許証所有者数は、平成23年末現在2万1878人となっております。
年齢区分では、65歳から69歳までが9424人、70歳から74歳までが6553人、75歳以上が5901人となっております。八戸市の
運転免許証所有者総数は14万8395人ですので、その14.7%を65歳以上の高齢者が占めております。
次に、
高齢者ドライバーによる交通事故の状況についてお答え申し上げます。
平成23年中、
八戸警察署管内では、人身交通事故が1085件発生しており、そのうちの約15%に当たる162件が
高齢者ドライバーが加害者的立場の交通事故となっております。
これらの事故の傾向としては、約半数を追突事故や出会い頭による事故が占めており、事故原因も前方不注意や動静不注視といった基本的な安全確認を怠ったものが多くなっております。なお、死亡事故の発生はありませんでした。
県内全体では、人身交通事故の総数は5842件で、そのうち
高齢者ドライバーが加害者的立場となった交通事故は875件発生し、全体の約15%を占め、
八戸警察署管内の割合と同程度となっております。
次に、高齢者の運転免許返納の状況についてお答え申し上げます。
運転免許の返納は、加齢に伴う身体機能の低下などにより運転を継続する意思がなく、免許を返上したいという全部返納や、大型免許だけ返上したいなどの一部返納の要請にこたえるため、申請による取り消し制度が平成10年から実施されております。
一般的には、申請による免許取り消しや自主返納と呼ばれており、青森県
運転免許センターや各警察署で受け付けしているものであります。
平成23年中、
八戸警察署管内で運転免許の全部返納は123件で、そのうち高齢者は104件となっており、年齢区分別では、65歳から69歳が17件、70歳から74歳が38件、75歳以上が49件となっております。
本年に入り全部返納件数は急増しており、8月末現在では既に昨年1年間の件数を超え、146件になったと伺っております。
次に、
運転経歴証明書の交付状況とその特典についてお答え申し上げます。
運転経歴証明書は平成14年から交付が始まり、加齢などを理由に免許証を全部返納した場合、返納者が申請することにより交付を受け、身分証明書としても活用できるものであります。
体裁は運転免許証とほぼ同様であり、返納による取り消しを受けた日から5年前までの運転経歴について、免許の種類や、優良運転者、一般運転者または違反運転者等の区分が表示されたもので、1000円の手数料が必要となります。
昨年、
八戸警察署管内では、この証明書の交付件数は5件でしたが、ことしは8月末で既に68件交付したと伺っております。
この背景としては、ことし4月の
道路交通法施行規則の改正により、これまで免許返納から1カ月以内に申請しなければならなかったものが、5年以内であればいつでも申請できるようになったこと、証明書の有効期間が6カ月しかなかったものが、生涯有効になったこと、さらには、免許証返納者の利便性向上のため、さまざまな特典が拡大されたことなどが考えられます。
この特典については、免許証返納時に配付するパンフレットや青森県警察本部のホームページで紹介しておりますが、八戸市内においては、一部のホームセンターでの
商品宅配無料券贈呈、お菓子や眼鏡の割引、灯油の割引などがあります。
次に、超高齢社会における交通環境整備と協議の場についてお答え申し上げます。
当市の65歳以上の高齢者人口の割合は、平成23年9月末現在で23.1%と過去最高となっており、今後もその増加傾向は続いていく見込みであります。
こうした中、安全安心な交通環境を整えていくためには、自動車の運転に依存することなく、高齢者が路線バス等の公共交通を利用できるよう促していくことが不可欠な課題であると認識しております。
その課題解決のためには、利便性が高い
公共交通サービスの供給が必要となります。しかしながら、当市における
路線バス利用者及び運送収入は減少基調にあり、バス事業者においては厳しい経営状況下、効率的なダイヤ編成を図るなど、サービス水準を維持するための自助努力を続けております。
その成果もあり、バス路線網の充足度合いについては、平成17年国勢調査のデータをもとに解析いたしますと、停留所から半径500メートル以内の居住人口割合が市内人口の9割を超えており、ある程度の利用環境が保たれているものと考えております。
今後は、
モビリティ・マネジメント等の施策を引き続き実施することにより、高齢者のみならず、あらゆる世代の人たちに対して需要喚起を図り、持続可能な公共交通体系が構築できるよう努めてまいります。
また、超高齢社会に対応した公共交通政策を進めていく上で、情報共有のための協議の場は重要であると認識しており、これまで以上に庁内関係課間の連携を図ってまいります。
次の2、産業振興政策については奈良岡副市長、商工労働部長並びに環境部長から、3、熱中症等対策については教育長から後ほどお答え申し上げます。
私からは以上でございます。
〔市長小林眞君降壇〕
○議長(秋山恭寛 君)商工労働部長
◎商工労働部長(沼畑龍男 君)私からは、産業振興政策についてのIT Lookout Visionの2つの質問についてお答え申し上げます。
まず、構想の現状についてですが、市では平成20年2月に、自然環境と融和した新たなビジネス環境のもとでのさらなるIT関連企業の集積を図るため、はちのへIT Lookout Visionを公表いたしました。
計画では、財団法人八戸地域高度技術振興センターが事業主体となり、種差地区に環境配慮型のオフィスを整備し、企業誘致を行い、雇用を創出するとともに、入居企業の協力により、種差地区の環境保全にも寄与していくというものでした。
これを実現するために、当時、関係機関及び企業との協議を続けていたところでしたが、平成20年秋以降、リーマンショック等の影響により世界的に経済が失速し、事業が困難となったことから、当ビジョンの推進を凍結し、現在に至っているものであります。
次に、IT Lookout Visionの今後の見通しについてお答え申し上げます。
当ビジョンにつきましては、現在の経済環境を考えると、当面再開することは困難なものだと考えております。ただ、既にIT関連企業が集積している中心街、八戸ハイテクパークにおきましては、引き続きIT関連企業の誘致に努めているところであります。今後ともこれらの地域においてIT関連企業の集積に努めていきたいと考えております。
以上でございます。
○議長(秋山恭寛 君)奈良岡副市長
◎副市長(奈良岡修一 君)
桔梗野工業団地軟弱地盤活用検討委員会設置の意義についてお答え申し上げます。
まず、検討委員会は、周辺環境に調和した、よりよい工業団地及び地域づくりを目的として、桔梗野工業団地の軟弱地盤を未来志向で前向きに活用する方策を検討するため、産官学民8名の委員で平成23年度に組織されました。
平成23年度から平成24年度にかけて3回の検討委員会を開催し、さまざまな視点で活用方策を検討したほか、広く市民等からの活用方策にかかわる意見募集、実際の活用提案募集を行い、平成24年7月10日に市長へ検討結果を報告いたしました。
各業界で活躍されている方々からの多方面からの検討と、市民等からの意見、提案をいただいたことで、公正で透明度の高い検討ができたものと考えております。
次に、プロセス等についてお答え申し上げます。
第2回の検討委員会を平成23年10月に開催し、活用提案の公募を行うことを決定し、平成24年3月に募集要項の公表及び活用提案の公募を行いました。さきの6月議会において、活用策の可能性を広げるため、桔梗野工業用地の取得及び造成事業の計画を変更し、賃貸も可能とすることを提案し、可決いただいたところでございます。
公募の決定から開始までに時間を要したことについて、当時、複数の活用提案希望者から意見を伺っており、すべての事業者が賃貸を希望していたことから、活用方法に分譲だけでなく賃貸も含める方向で検討いたしました。
このことに伴い、賃貸にかかわる法律面での問題点の整理及び協議を関係省庁等と行ったため時間を要したものです。
提案の事業性を考慮すると、極力早く公募を行うことが最善でありましたが、当時、事前相談があった事業は太陽光発電事業のみで、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法に基づく買い取り価格は、平成24年度の上期に決定するという情報もあったころから、その時期までには検討結果を出せるよう努力してまいりました。
事業計画の変更について議会の了承を得てから公募要項を公表することが本来の順序ではありますが、事業者からは早く公募を開始してほしいとの要望もあったことから、活用案の受け付けのみを行い、あくまでもその後の議会の決定に従い必要な手続を行う予定でございました。
当然、議会の判断が賃貸不可という結論であれば、分譲のみを前提とした活用を検討していかなければならないものと認識しております。
次に、審査の基準設定と点数配分についてお答え申し上げます。
平成24年6月に開催された第3回検討委員会において活用提案を審査し、結果、
大和エネルギー株式会社の太陽光発電事業が最も高い評価を得て、次に
社会福祉法人吉幸会の老人福祉施設整備、最後に特定非営利法人グリーンシティの太陽光発電事業という順序となりました。
審査基準についてでございますが、事業に係る評価点を200点、価格に係る評価点を100点の計300点を満点として、事業に係る評価については、事業実施主体の適格性、事業内容及び実施方法、事業の効果を委員に審査していただきました。
審査基準及び点数配分については、経済産業省及び国土交通省のガイドブック等を参考に決定し、分譲による活用の場合や高額な提案の場合、加点されるよう工夫しております。
吉幸会の提案につきましては、八戸市高齢者福祉計画に適合していないことを委員に事前に伝えております。吉幸会も、計画に適合していないことを承知の上で提案しており、平成26年度までの今期計画で難しい場合は、平成27年度以降の実現を目指すとプレゼンテーションの場で委員に説明しておりました。
実現可能性は低いものの、将来も見据えた上での60名ほどの雇用を生む提案を委員が評価したものと認識しております。
まずは、現時点において最も高い評価を得た
大和エネルギー株式会社との協議を進め、
桔梗野工業団地軟弱地盤の活用を図ってまいります。
次に、委員会報告についての見解についてお答え申し上げます。
当該報告は、第三者の有識者によって組織された検討委員会において、市民等の意見を広く聞き、オープンに議論した上で公募を行い、取りまとめたものと認識しております。
検討結果を尊重し、まずは最も高い評価を得た提案を実現させるべく、協議を進めてまいります。
次に、事業団、市のメリットと市民の不利益等についてお答え申し上げます。
まず、事業団及び市においては、軟弱地盤で通常の工場等の建設が難しい状態であっても、これを活用し、価値を生み出していく努力が必要だと認識しております。
桔梗野工業団地軟弱地盤は、大きな負債の原因となった土地ではありますが、活用によってわずかでも賃料や税が発生するのであれば、それは市民の負担軽減につながるものであり、事業団や市のメリットになるものと思います。
太陽光や風といった地域資源を地域で活用し、地域に還元することができると、地域での理想的な循環が生まれるものと認識しております。
今回、同じ太陽光発電事業で、市外の企業と市内のNPO法人が提案し、市外企業がより高い評価を得ましたが、NPO法人から地域への還元方策についての十分な説明がなく、事業実施主体の適格性、価格に係る評価などで劣っていたために、総合的な評価で劣後となったものと思っております。
一方で、再生可能エネルギーの買い取り価格が非常に高く設定されたことから、再生可能エネルギーによる発電事業に事業性が生まれ、多くの市内外の事業者からの相談を受けております。その中には、雇用や経済効果を生む提案も含まれていることから、そうした事業の実現や市内事業者の構想実現を推進し、地域の産業振興を図ってまいります。
私からは以上です。
○議長(秋山恭寛 君)商工労働部長
◎商工労働部長(沼畑龍男 君)次に、再生可能エネルギーに係る
担当セクションについてお答え申し上げます。
再生可能エネルギーに係る担当課につきましては、その普及啓発及び導入促進については環境政策課が、関連産業の創出及び振興等については産業振興課が所管しております。現在、再生可能エネルギー事業についての相談が多く寄せられておりますが、両課で連携をとりながら事業の推進を図っております。
次に、再生可能エネルギー特別措置法等、国の施策活用による推進についてお答え申し上げます。
平成24年7月1日より電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法による再生可能エネルギー固定価格買い取り制度が始まりました。
この制度は、再生可能エネルギーの普及拡大を目指すもので、①エネルギー自給率の向上、②地球温暖化対策、③産業の育成を目的としております。再生可能エネルギーによって発電した電気を電力会社に一定の期間、価格で買い取ることを義務づけ、発電事業者のコスト回収計画を立てやすくすることにより普及促進を図るものです。
そのほか、国の事業としては、再生可能エネルギー発電設備等導入促進支援対策事業、再生可能エネルギー出力安定化のための蓄電池導入促進事業、グリーン投資減税などがあります。
これらにより全国的に太陽光、風力、バイオマス等の再生可能エネルギーを利用した発電設備の導入が進んでおります。
市といたしましては、既に相談を受けている案件が複数ございますので、これらの制度を活用して再生可能エネルギーの導入を促進し、地域の振興に向け努力してまいります。
以上でございます。
○議長(秋山恭寛 君)環境部長
◎環境部長(妻神敬悦 君)次に、八戸市
地域自然エネルギー基本条例についてお答え申し上げます。
滋賀県湖南市では、湖南市
地域自然エネルギー基本条例案を同市9月議会に提出していると伺っております。この条例案は、自然エネルギーの活用について市、事業者及び市民の役割を明らかにし、地域経済の活性化につながる取り組みを推進することを目的としております。
当市におきましても、再生可能エネルギーの活用は重要であると認識していることから、湖南市や他都市の状況を研究してまいります。
以上でございます。
○議長(秋山恭寛 君)教育長
◎教育長(松山隆豊 君)次に、熱中症等暑さによる体調不良発生の状況についてお答え申し上げます。
昨年度、市内の中学校において体育祭を開催中、生徒が熱中症と見られる症状を訴え、10数名が救急車で搬送されたという事案がありました。
近年、熱中症は増加傾向にあることから、市教育委員会では熱中症の予防や緊急時の対応について、5月からこれまで計3回にわたって各学校に文書で通知するとともに、小中学校校長会等においても、安全対策に万全を期するよう指導してきたところでございます。
各学校においては、児童生徒に水筒等を持参させ、小まめに水分補給をさせたり、朝の健康観察を確実に行い、児童生徒の心身の状態を把握したりしております。
また、制服での登校ではなく、学校指定のTシャツやハーフパンツで登校させ、軽装で涼しく学校生活を過ごさせている中学校もあります。
このような各学校での適切な熱中症対策の結果、記録的なこの夏の暑さにもかかわらず、熱中症等の体調不良を訴える児童生徒数は減少しております。
続きまして、救急車により搬送された児童生徒数についてですが、熱中症に限らず、救急搬送された事案につきましては、その都度教育委員会に報告することとなっております。
その報告によりますと、今年度8月末現在、救急車で医療機関へ搬送され、医師により熱中症の診断を受けた児童生徒の数は2名となっております。いずれも医療機関で点滴等を受け、その日のうちに帰宅しており、熱中症発生後の学校の適切な対応により大事に至らずに済んでおります。
市教育委員会といたしましては、今後も各学校に対し熱中症における児童生徒の安全確保及び安全管理の充実が図られるよう指導してまいります。
次に、保健室への冷房設備についてお答え申し上げます。
現在、市内小中学校の保健室には冷房設備は設置されておりません。議員御指摘のとおり、保健室への冷房設備の設置は、熱中症が疑われる症状への応急処置を施す上で効果があるものと認識しております。
今後は、設置の必要性について学校との情報交換を実施するとともに、熱中症対策のほか、避難所機能の強化という観点からも、設置の可能性について研究してまいります。
次に、部活動における熱中症対策についてお答え申し上げます。
各学校では、部活動時にも、健康観察を通して常に児童生徒の健康状態を把握しながら指導しております。また、指導に当たる教員は、気温や湿度の状況を把握し、水分補給や休憩を適宜取り入れるよう努めております。
さらに、状況に応じ、練習計画を変更したり、練習時間を短縮したりするなどの措置をとり、児童生徒の体調管理に細心の注意を払って指導しております。
万が一、部活動中に児童生徒に異常が見られた場合は、迅速に応急措置を行い、症状によっては救急車の出動を要請するなど、初動体制についても万全を期しております
部活動の指導は、担当教員の監督のもと、児童生徒の活動状況を把握しながら、必要に応じて外部コーチと連携して指導を行っております。
その場合には、外部コーチとの間で常に児童生徒の健康状態や練習内容、練習量について綿密な打ち合わせを行い、熱中症防止に配慮した指導が行われております。
次に、熱中症暑さ指数計の設置についてお答え申し上げます。
熱中症の危険度を数値等で表示する機器については、比較的安価な機種もあることから、各学校の判断において独自に設置している状況でございます。
今後は、設置済みの学校から効果等を確認した上で、小中学校校長会等を通じて学校への情報提供を行ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(秋山恭寛 君)伊藤圓子議員
◆30番(伊藤圓子 君)お答えありがとうございました。それでは、幾つか再質問をさせていただきます。
桔梗野工業団地の軟弱地盤の活用についてのところであります。先ほど副市長からの御答弁をいただきました。実にすばらしい御回答だなと思ったのですが、やはり私が疑問と思っているところが全部解決したというふうには思っておりませんので、質問させていただきます。
とにかくこの検討委員会、あるいは一連のプロセスは、ほとんど非公開で行われていて、透明性を確保するという分には、私は疑問が残るところであります。しかも、
経済常任委員会、経済協議会などの報告とか情報提供は非常に消極的であって、あるときには後手に回っている、ずれているというような場面もあったように私は感じております。
それで幾つか質問していきますけれども、まず、この募集要項を
経済常任委員会、経済協議会のほうに報告したのはいつなのか。
それから、議会の議決を得なければならない、その事業団に委託すべき事業に関する計画の一部変更ということを、議会の議決を全く経ないで、分譲もしくは貸し付けというところを募集要項の中に記入にして、それで公募をしたという、このことの公募の、先ほど壇上でも申し上げましたけれども、有効か無効かとなったときには、私は無効だと思うのです。
先ほど私は、うまい答え方だなと思ったのですけれども、業者から早く出してと言われたから出した。そして、何ですか、活用案を出していただいたから、これは正式な公募ではないと聞こえるわけです。
もし正式な公募でないとしたならば、この3者だけで、これだけの慎重審議を重ねていく意味がどこにあるのでしょうか。やはりもう1回公募をし直して、新たなラインに立って、応募された方々を審査するということが筋ではないでしょうか。
そして、議会の議決を経るというような段階は5月21日の、協議会で初めて出されてきているわけです。そして6月定例会で議決を得たということで、先ほど議会の議決を得て、賃貸も可能にしたと言っておりますけれども、この辺の順序は全くおかしいし、これは議会軽視と言うか、この不手際についてまだ一言も触れていない。だから、議決というものはそんなに軽いものなのかどうか、この辺をどのようにお考えか。
それから、審査の評価項目の設定、そして評価基準と点数配分についてですけれども、特に価格に関するところは全体からすると点数配分が非常に低い。
先ほど市のメリットは何かと言ったら、わずかでも賃料が入り、そして税収があることだと言っておりましたけれども、しかし、それであれば、そのような設定をすべきであって、全体の事業に係る評価が200点、価格に係る評価が100点。これも譲って100点で仕方ないとしたとしても、では、その100点がどうふうな評価になっているかというと、それで出されてきた分譲あるいは貸し付けのところの分割による支払いと、その2つを全く同じレベルで評価していることがまずおかしい。
そして、その評価の仕方も、計算式がありますけれども、最低分譲価格に対して何%高く提示しているのかだけを比較しています。したがって、グリーンシティと大和エネルギーのところが2.1%と2.9%となっていますけれども、要は最低価格よりも2.1%高いものを表示してくれましたよ、大和さんのほうは我々の予定よりも2.9%高い価格を提示してくれましたよ。そのことだけで評価する。
そして、この2.1%、2.9%をそのまま、事業に係る評価の200点満点で評価された点数に加算している。これは、この点数そのものが同格ではないと。ここのところにどなたかが気づいて、100点満点に換算したときに、この2.1%、2.9%というものはどの点数になるかということをやり直さなければ、ここに並べてプラスするということはおかしいわけです。
しかも、この時点で吉幸会のほうはゼロでした。つまり、その最低価格のところを全くクリアしていないわけですから、もうここの段階でカットされてもよいわけです。
そうすると、太陽光発電の両者になるわけですけれども、まずこの点数の加え方がおかしい。
そして、よくよく見ると、土地に関するところは土地の活用として10点満点、価格の評価は100点満点だけれども、出てきた結果を見ると、土地の価格に関するトータルで最高点をとっても2.9点しかとれないです。それで本当に公平な審査ができたと言えるのでしょうか。これをどう説明するのでしょうか。
つまり、分譲でも貸し付けでも、多少の価格の差でも大した差はないはず、総合点に響かない、こういうものは、どこかに意図があるものとしか思えないと言われても仕方ないではないでしょうか。
それから、この価格に対する評価はこれらの評価ではなくて、本来は提示されたものを運用したときにどれだけの利益があるかというところで評価されるべきであります。
一般的には国債の運用ということに当てはめて考えることが多いようでありますけれども、国債の運用で20年物で利息1.642%の場合に、グリーンシティの3500万円一括支払いといったときには、利息は1149万4000円となります。
また、大和エネルギーのほうの207万4000円ずつを17年間払っていくというところで計算していきますと、437万2000円の利息になる。これだけをとってみても、その運用利益は半分以下であります。このようなことが出てくるものがその評価の中に全く入ってこないということは何なんでしょうか。
そして、先ほど市のメリットはと言いましたけれども、大和エネルギーになったときに賃料は入るかもしれません。しかし、分譲で出したトータルの運用利益も含めたものからしたら低いものである。譲ってそれを賃料としましょう。
しかし、では、大和エネルギーは八戸にどんな税収を払ってくれるのでしょうか。固定資産税、法人市民税は幾らになるのですか。
それから、吉幸会のことでありますけれども、先ほど八戸市の、これは副市長も担当のところでありますけれども、ここの計画は次の見直しのときに立てる可能性もあると言っても、これは非常に難しいことだと伺っております。
つまり、特別養護老人ホームというものが1つ建つことによって、八戸の介護保険料にどれほど響くかを考えたときに、これからはそういう形でないという方向のほうが強いと思います。
また、特別養護老人ホームを建てるということになっても、八戸の特別養護老人ホームをつくりたいと思っている事業者は山とあるわけです。そういったところとの競争に確実に打ち勝ってやれるかどうか、これもまたわからない。そういうものを同じ俎上に上げるということが、まずはおかしい。
そして、不確定かもしれないけれども、60人余りの雇用を生む可能性、そこのところは評価されたと思う。とてもではないけれども、こんなものが評価したと言えるのでしょうか。これらを含めてお答えいただきたいと思います。
○議長(秋山恭寛 君)奈良岡副市長
◎副市長(奈良岡修一 君)まず、募集要項でございますが、これは平成24年の3月に公表してございます。
それから、今この手続、価格の問題について委員からるる御指摘がございましたけれども、まず、そういう面からだけでなくて、私どもとしては、事業のまず実行性、それから、事業をするには資金等が要るわけですので、そういった財源の裏づけ、そういった面を含めて事業の内容その他をヒアリングのときにいろいろお聞きしてございます。そういったことについての御回答を得て各委員がそれぞれ判断したものと思ってございます。
ですから、一面だけでこれを評価したのではなくて、先ほど説明申し上げましたとおり、審査に当たっては事業実施主体の適格性、それから事業内容及び実施方法、それからもう1つは事業の効果といった点について、あらかじめ募集要項の中で記載してください、そういった点をヒアリングしますということで全体的にヒアリングをしてございます。私どもとしては出た結果は、それを尊重したいと思ってございます。
以上です。
○議長(秋山恭寛 君)商工労働部長
◎商工労働部長(沼畑龍男 君)補足いたします。検討委員会は非公開ということでございますけれども、第1回、第2回の検討委員会は公開ということにしております。第3回はプレゼンテーション等々、審査がありましたので非公開というふうな形でさせていただいております。
それから、検討を始めるということにつきましては、平成23年6月に協議会のほうで報告しております。ただ、提案募集を始めるということについては協議会のほうには報告しておらなかったというふうな状況でございます。(「聞こえません」と呼ぶ者あり)
3月に提案募集を始めるということにつきましては、協議会のほうには報告しておりません。結果として報告を申し上げているというふうなことでございます。
以上でございます。
○議長(秋山恭寛 君)伊藤圓子議員
◆30番(伊藤圓子 君)答弁漏れがたくさんあります。私がいろいろと質問したことをそっちのけで、そして、この結果はこういうことを評価した結果であるというふうなことを御丁寧に言っていただきましたけれども、やはりこの評価基準の中に価格はどう評価するかという項目があるわけです。その項目を設けながら、それが本当に適切なものかどうかということを伺っているわけです。そして、出てきた数字をそのまま使っていく、そのナンセンスさというのはどうなのかということを伺っているわけです。
本当にこの結論を導きたいがために、いろいろな策を、あるいは私が説明したものも全部するすると逃れていって答えているなというふうにとられても仕方のない御答弁だと私は思います。
副市長、あなたはこの軟弱地盤にかかわって負債を幾らかでも少なくしようと思って頑張ってきたのではありませんか。であれば、あそこでどういう事業が展開されるかということ以上に、やはり価格のところをしっかりととらえていくということが立場ではございませんか。検討委員会の一人ではあるけれども、その立場でしょう。
それにもかかわらず、今質問いたしました、この価格の評価、おかしいのではありませんか、それはどう考えますかと言っておりますので、後で御答弁いただきたいと思います。
それからもう1つは、その議会についての議決を全くやっていない公募を有効とするのかというところをお答えになっておりません。私はそれは無効だというふうに思います。そして私は市長にこの場所で、この検討委員会の報告をいただきまして、どのような見解をお持ちかということを質問しているわけです。市長の御答弁もあわせてお願いいたします。
○議長(秋山恭寛 君)市長
◎市長(小林眞 君)ただいま奈良岡副市長のほうからお答えがあったとおりでありまして、適切な、透明性のある審査が行われたというふうに思っております。
価格の問題にるる指摘がありましたけれども、総合的な判断、その応募された事業者に、信頼性等、資金繰りも含めた形での総合的な判断が行われた上で答申をいただいたと、私はそれをそのように受けとめております。
○議長(秋山恭寛 君)奈良岡副市長
◎副市長(奈良岡修一 君)価格の評価が適正かどうかということでございますが、私は適正というふうに思っています。それは、あらかじめ決めた方法でもって、皆様にそれを提示して公募してございますので、それ以上でも以下でもないと、決められたことに従って点数はつけた、こういうふうに思ってございます。
また、議会のほうにつきましては、これは応募が有効かということでございますが、募集の際にはそういったことを、条件を私どものほうで明示しながら募集してございますので、その辺については、手続上のことについてはいささか問題はあったかと思っていますけれども、この当時、事業者から、それからエネルギーの太陽光その他、自然エネルギーを早くという大前提、それから利活用についても早急にしなければだめだと、そういった判断で、この辺はやってございます。
手続等について、私は、公募が有効かどうかということについては、前提をつけて、事業者に了解を得て応募していただいたと、こういうふうに認識してございます。
○議長(秋山恭寛 君)以上で30番伊藤圓子議員の質問を終わります。
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1番 高山元延君質問
○議長(秋山恭寛 君)1番高山元延議員の質問を許します。高山議員
〔1番高山元延君登壇〕(拍手)
◆1番(高山元延 君)このたびは、平成24年9月定例会に当たり登壇する機会をいただきました諸先輩各位に心より感謝を申し上げ、自由民主・市民クラブの一員として通告質問をさせていただきます。
昨日の各質問の冒頭に、各議員並びにただいまの伊藤圓子議員が賞賛されたことを私も述べさせていただきます。それは、伊調、小原両選手の
ロンドンオリンピックの金メダルの活躍はもとより、光星学院高校の甲子園3季連続銀メダルの栄光のことです。
その光星学院高校の決勝に立ち阻む関門は、準々決勝での神奈川県の桐光学園戦とだれしも思っていたことでしょう。それはドクターKこと、本大会屈指の左腕、松井投手の存在でした。
案の定、初回から中盤までは、まさに三振の連続でしたが、その均衡を破ったのが8回表、3番、田村龍弘選手でした。その渾身の一撃を、野球解説者の元西武、また巨人の大投手、工藤公康氏が熱闘甲子園でこう解説したのです。
ビデオで初回三振と、そのヒットの打席でのスタンスとバットの振りを対比描写して、これは田村君の適応力のすごさにほかならない、と絶賛しました。
このとき、この解説を聞き、私はうなりました。それは、田村選手のすごさに脱帽するとともに、こう思ったからです。政治においても、政治に携わる者にとっても、まさに適応力とは何かということを突きつけられた思いがしたからです。
政治には果敢な適応力が求められ、行政においても人生においても、困難に立ち向かうときこそ、そのときに応じた適応力を発揮することなのだと。そこで、今回の私の質問に際しましては、この適応力という言葉を基本テーマに述べさせていただきます。
まず質問の第1点は、小中野公民館の改築についてです。
当公民館は老朽化が進み、時代の風雪に耐えながらも地域住民の活用度が高く、かねてより改築が叫ばれておりました。このたび国の東日本大震災復興交付金事業に基づき、小中野公民館が防災まちづくり拠点施設整備事業として、その成果を得たことは、まさに八戸市長及び市当局の前段で述べた政治適応力、行政的適応力の英知であると言っても過言ではありません。
ということは、当公民館は八戸市内における従来の公民館建設構想にとらわれない新しい形での防災拠点施設として、被災した小中野地区はもとより、八戸市や三陸沿岸の人々にも希望を与えられるモデル公民館的施設とならなければならないのです。
以上のことから、(1)復興交付金事業計画としての小中野公民館改築に対する市長の思いについてお尋ねいたしたく存じます。
次に、今般の当公民館改築は、防災拠点施設としての特色、特質が問われ、さらには、この防災施設の中に、地域の公民館としての複合的な施設であるところに最大の特色があります。
このことは、防災拠点施設が主であり、社会教育施設公民館が従であるというものではありません。どちらも主なのであります。どちらの特性も兼ね備えたものでなければならないと思うのです。
この両者の構想の肝要とするところは、津波避難施設として3階建てとし、1階部分は津波浸水にも備えて駐車場化するということです。それと、多くの避難住民に対する受け入れ態勢も備えなければならないという、つまり高層化と平面延べ床面積という二面的な合致である施設の適応力なのであります。
そこで、この3階建てと床面積の合致構想について、小中野住民の心を述べてみたいと存じます。その論拠となるものが、当地区で試算した公民館への避難住民の推計と、それに基づく避難所面積の推計であります。
つまり、昨年の3・11大震災時における実際の小中野地区の避難民の数は、小中野中学校が約1800人、同小学校が約200人、計2000人でありました。そのときの小中野地区全人口は9464人でありまして、その比率は約20%となります。
そこで、小中野公民館が津波避難ビルとなれば、公民館より沿岸部あるいは新井田川沿いの各町内数は14町内、3802人が対象となります。そこに昨年の事例から20%の住民が避難するとなれば、約760人となり、1人当たりの最低限必要な避難面積は、「公民館における災害対策ハンドブック」によると1.6平米とありますから、760掛ける1.65でイコール1254平方メートルとなります。
これに階段や調理室、トイレ、玄関などの共用スペースを400平方メートルとすると、合計約1600平方メートルが必要になります。
当然1階の駐車場部分は津波浸水がありますので、避難収容者の観点からはこの平米数に入れるわけにはいきませんので、2階と3階、両階の避難延べ床面積は1600平方メートルとならなければならないのです。
そればかりでなく、国や八戸市においては率先避難の啓発を推進していることからも、さらに避難者数は増大すると想定され、20%どころか、それが30%にも40%にもなるかもしれません。
つまり、率先避難の推進は、避難所スペースの規制や抑制化という枠を取り払った、きちんと整合化された論理でなければなりません。
また、本改築に当たりましては、1階部分を空洞とする駐車場化と高層化とする建築は、耐震構造上からすれば矛と盾でもあります。それをクリアするには、狭小高層化よりも底辺の広い床面積を有しなければならないことは自明の理であります。
ただし、やみくもに広げればよいということではなく、住民の要望を踏まえた適正な面積を構築した施設であって、一番あしきことは、小ぢんまりとした形で事足れりとしてはならないことです。
そのことからも、八戸市長はもとより、国や市当局におかれましては、大いなる適応力をもって対応してもらいたいものと期待いたします。
よって、避難住民の安心安全を確保する避難面積を考慮した施設として、ア、防災拠点施設、津波避難ビルとして、あるいは社会教育上の地区公民館、また住民コミュニティの愛される公民館として、その複合施設の構造や設備等はどのような内容であるのかについてお尋ねいたします。
次の質問は、防災拠点施設と社会教育施設の両者複合型であり、復興庁からの資金活用ということからも、この現小中野公民館のネーミングはどのようになるかということです。つまり、小中野公民館という名称の冠とか、中ほどに防災という意味の名を付加するかという点です。例えば防災センター小中野公民館とか、あるいは小中野防災公民館とかになるのでしょうか。
さて次は、今回の公民館改築に対しては、前述したとおり小中野住民にとりましては長い間切望してやまないものがありました。そして八戸市の努力によって今着手することになり、小中野住民の喜びはひとしおのものがあります。そして多くの期待が寄せられています。
その根底とするところは、住民の住民による住民のための誇れる公民館を建設してほしい、みんなの、みんなによる、みんなのための公民館をつくってほしいという願いです。そこには、住民の声を聞き反映させることが最も肝要でありましょう。
そこで、小中野地区町内連合会では、全住民を対象に今月6日から15日まで、各所で住民説明会を実施しているとのことです。このことからも、八戸市においては地域住民の意見要望をどのように反映させていくのか、そしてまた八戸市の考えを情報公開し、多くの声を受け入れ、基本設計に生かしてもらえるのかどうか、お尋ねいたします。どうぞ八戸市長には、また市当局におかれましては、大いなる住民への適応力を発揮してもらいたいものです。
次に第2の質問として、河川行政についてお伺いいたします。
昨年9月22日、23日の台風15号による増水と、その勢力によって新井田川諏訪地区の老人いこいの家諏訪荘付近の護岸が約200メートルにわたり損壊するという大きな被害が発生しました。
このとき八戸市においては、いち早く住民の安全安心の確保に尽力し、河川管理者である青森県は大型土のう等による仮復旧工事を迅速に行ったわけです。
そして、本年7月より本格的に復旧工事が開始され、またあわせて近接及び対岸の護岸を調査した結果、損壊につながるおそれがある亀裂や損傷の著しい箇所が数多く発見されたため、その護岸改修工事が同時進行しております。
そこで、ア、諏訪荘付近の護岸復旧工事と近接及び対岸の護岸改修工事の進捗状況と、これからの工程の見通しについてお伺いいたします。
また、今般の災害関連工事を進めるに当たっての工事用仮設道路や川に盛り土しての護岸工事の必要性は十分認識しているところではありますが、場所によっては大量の盛り土の重さにより、川底のヘドロや土砂が川の中央付近にまで押し出され、水質の汚濁や川底への影響が懸念されるところであります。
そこで、イ、この関連工事による川底の変動について、その現状把握と対応についてお伺いいたします。
次に(2)新井田川柳橋から上流塩入橋までの水深についてお伺いいたします。
先月8月20日、新井田川で八戸市の夏の終わりを告げる初秋の風物詩とも言える灯龍流しが行われましたが、本年は昨年の大津波や台風15号の影響で川の状況がどのようなものか、その開催に先立ち6月11日、北奥羽ボートクラブの会員による水深調査が実施されました。
場所は柳橋から上流塩入橋までの約1.5キロメートルの区間であり、東西両岸40カ所ずつ、中央部分35カ所であります。
そのとき判明したことが、水面から川底までの浅いところは1メートルを切り70センチから80センチ、最も深いところは、さきにも述べた諏訪荘付近は、台風の影響によりましょうか、2.8から3メートルでありました。
川岸部分は平均約1.2メートル、中央部分は1.5メートルであり、これは川水が最終的に集積する河口においてはかなり水深が浅いという指摘がなされたのであります。
このことは、上流や小さな河川からの流下土砂の恒常的な堆積と合わせ、昨年の大津波の遡上により堆積した土砂も相当量と推測されるところであります。
このような水深が浅い状況下で、本年春の九州地方を襲った豪雨や、昨年の台風のような集中的豪雨に見舞われると、当然のことながら水かさが増大し、またもや大きな被害につながるのではないかという地元住民の不安は解消されておりません。
よって、この治水対策、水深対策を講じて、新井田川の川自身の適応力を回復しなければならないと思いますが、今後どのように対応するものか、また八戸市民の安心安全の確保のためにも、減災、防災の観点からも、八戸市より県当局へ強く要請してもらいたいと思いますが、その所見をお伺いいたします。
次に第3の質問として、地域活性化促進についてお伺いいたします。
当八戸市においては、中心街及び各地域のまちづくり文化の向上に鋭意努力を推進しております。それは、八日町にある旧長崎屋ビルが仮称・八日町地区拠点複合施設整備運営会社の発足により、その閉じられたシャッターが今まさに開かれようとしていることからも如実です。
このことは、まちづくりやにぎわい形成に、あるいは活性化について大いなる意義と意味を持つものであり、それは中心街ばかりではなく、各地域の町並みにても同様でありましょう。つまり、やむなく閉じられたシャッターをいかに上げるかなのです。
湊地区はかつて漁業基地として、あるいはそれに伴う商業地域として発展し活況を呈していましたが、時代の推移とともに衰退してきていることも現実のことであります。
そのことは、湊町本町にあった青森銀行本町支店が支店統廃合によってシャッターが閉じられたことにも象徴されます。
そこで同質問の第1点として、湊町の地域活性化について、湊地区再生まちづくり促進のために、アとして、今般八戸市に寄贈された旧青森銀行本町支店の活用についてお伺いしたいのであります。
現在の当該施設は、さきに述べたごとくシャッターが閉じられ、通りに面する駐車場には鉄さくが頑丈に設置されており、周囲にも違和感のある空間となっております。つまり、小さいとはいえ、以前の旧長崎屋ビルのような様相を呈しているのです。
ここにおいて、湊地区再生まちづくり促進協議会においては、同建物を当地区の活性化拠点施設として利活用できないものかと検討していきたいと考えておりますが、八戸市としては今後同建物を、構造上提供していただけるものか至急調査し、使用にたえられるものかの判断を示していただきたく、お伺いいたします。
次にイとして、同建物の再活用についてですが、もし活用することができるとすればのこととして質問をいたします。
郷土の偉人、西有穆山は旧湊村、現在の湊町本町出身で、生誕の地は、同建物より200メートルぐらいしか離れていない男山八戸酒造の向かいに位置しております。
よって、同建物を湊地区再生まちづくり促進協議会あるいは湊商栄会や本町町内会の皆さんとともに、穆山顕彰館とか西有穆山記念館という施設と、湊の物産館的なまちなか施設との共用として活用できないかという西有穆山禅師顕彰会関係者や地域協議会の方々による思いがあります。
八戸市は多くの偉人、文化人を輩出しておりますが、その方々を顕彰し後世に伝え、あるいは現代の人々に知らしめるという場がないのが現状です。そういう見地からも、湊地区まちづくりの観点からも、同建物の活用策からも、湊地区再生拠点施設として考えてもらいたいものとお伺いいたします。
次にウとして、湊地区再生まちづくり促進協議会の会長は、その再生の目玉として、生誕地より同建物までの通称湊町本町通りをぼくざん通りとしてネーミングし、あわせて陸奥湊から本町通りの交差点までの駅前通りを、いさば通りとか、いさばのかっちゃ通りと名づけ連動したまちづくりを形成してみたいと考えているようです。
これらの愛称は、名実ともに人々や観光客が来るようになると自然に呼称されると思いますが、この点についても八戸市にはどのように考慮してもらえるものか、お伺いいたします。
最後の質問として、今まで述べてきたことにより、西有穆山の生誕地としての八戸の観光PRについて質問をいたします。
去る平成21年には西有穆山の没後100年ということで、その顕彰活動として八戸市美術館において墨跡展が開催され、また記念講演会等も開催されました。そのとき、県内外からも多くの方々が八戸市を訪れ、ついでに穆山ゆかりの地を訪れ、その足跡をめぐりたいとの声が寄せられたのであります。
しかし、残念ながらそのときはそのような足跡マップや紹介するパンフレットのようなものもなく、そして現在に至っています。
そこで、八戸市民も気軽に回り、また県内外の方々にも提示できる八戸観光の一つとしての、穆山足跡マップ的な紹介パンフレットの作成、またそのゆかりの地に対して標示的なものとか紹介的なものを設置できないかをお伺いいたします。
湊地区を中心にして、市内には多くの穆山ゆかりの地が多数存在しております。それらの点と点を結ぶと面となりそれに人という縦軸を掛けると、まちづくり、活性化、観光という立体になります。さらにそれに時という時間軸を掛けると、歴史あるいは夢やロマンとなる4次元の世界ともなるのです。まさにまちづくり、文化、観光の三位一体なる推進でしょうか。
以上、各項目にわたり質問をさせていただきました。どうぞ八戸市におかれましては、俊敏的確なる適応力を発揮してくれればと期待しまして、壇上からの質問を終わります。どうぞよろしくお願いします。
〔1番高山元延君降壇〕(拍手)
○議長(秋山恭寛 君)市長
〔市長小林眞君登壇〕
◎市長(小林眞 君)高山議員にお答え申し上げます。
まず、八戸市復興交付金事業計画としての小中野公民館改築に対する私の思いについての御質問でございますが、小中野公民館は昭和42年に建設され、小中野地区住民の社会教育、地域コミュニティの場として広く利用されております。
そのような中、築後40年以上を経過し、耐震性能に不安があることから、地域から長年にわたり施設改築への大きな期待が寄せられていたところであります。
また、小中野公民館は津波浸水想定区域内にあることから、津波避難所には指定されておらず、今回の東日本大震災においては避難所として利用できなかったものであります。
現在の小中野地区における津波指定避難所は、小中野中学校でありますが、新井田川沿岸部から中学校まではかなりの距離があり、加えて小中野地区は津波災害時に緊急避難が可能な津波避難ビルとして利用できる構造を有する高層ビルが不足している現状にあります。
そこで、新たに小中野小学校を津波避難ビルに指定したところでありますが、市内でも津波避難困難者が最大級である小中野地区においては、小学校のみでは依然として避難場所が不足しているところであります。
このようなことから、市では小中野小学校と同様に、地域住民に広く認知されている小中野公民館を、現在地に津波避難ビル、防災拠点施設として改築することとしたものであります。
改築に際しては、これらの趣旨を踏まえて、施設の内部のみならず、屋上スペースも含めて、可能な限り多くの住民が避難できるように最大限の努力をしてまいります。
小中野公民館の防災拠点施設への改築は、県による八戸階上線湊橋橋梁拡幅事業、小中野小学校の津波避難ビル指定とあわせて、津波災害時における小中野地区避難者の避難困難の解消に寄与するものであり、地域住民の安全安心の確保が期待されるものであります。
それと同時に、今回の災害の経験、教訓を生かし、さらなる災害に強いまちづくりに向けた計画的な復興を目指して策定した八戸市復興計画において取り組んでいる、より強い、より元気な、より美しい八戸の実現に向けた取り組みであると私は思っております。
次の(2)防災拠点施設としての公民館の位置づけについて及び(3)小中野地区住民の要望については教育部長から、2、河川行政については建設部長から後ほどお答え申し上げます。
私からは3、地域活性化促進についての(1)のア、当市に寄贈された湊町旧青森銀行本町支店の活用についてからお答え申し上げます。
当施設は、平成24年3月に株式会社青森銀行より寄贈され、現在は防災倉庫として利用しております。今後の活用につきましては、青森県が現在実施している津波シミュレーションの結果を踏まえて、利用に問題がなければ、地元の意向も考慮し、耐震診断の実施などを含めて検討してまいります。
次に郷土の偉人、西有穆山の顕彰館構想についてお答え申し上げます。
この建物の地域活性化の視点からの活用検討につきましては、防災面での活用方針が定まった後となります。さらに、耐震診断の結果によっては、更地化して緑地や広場として活用する場合なども考えられますが、現状の建物の活用が可能な場合、地域の皆様の意向を考慮した施設となるよう、整備方策について検討してまいります。
このとき、地域の皆様が中心となって、西有穆山顕彰館としての機能を含む施設の管理運営を行う体制が整った場合、そのような施設整備の可能性も高まってくると考えております。
市としては、地域の資源を大切にした、地域の皆様による自主的なまちづくりの推進について積極的に支援してまいります。
次に、湊町本町通り及び陸奥湊駅前通りの愛称名についてお答え申し上げます。
この通りは県で管理する道路路線の一部区間で、正式な名称は、主要地方道八戸階上線となっておりますが、愛称は地域の方々によって自然に名づけられる場合もあると考えております。
また、地域の多くの皆様に認知され、愛される名前が通りにつくことは、沿道地域のまちづくりの盛り上がりにも効果があると考えております。
市としても、地域の皆様により、十分な合意形成が図られて名づけられた愛称につきましては、地域におけるまちづくり計画等へ反映させていくなど、地域の活性化につながるように支援してまいります。
次の(2)西有穆山の生誕地の観光PRについては、
まちづくり文化観光部長から後ほどお答え申し上げます。
私からは以上であります。
〔市長小林眞君降壇〕
○議長(秋山恭寛 君)教育部長
◎教育部長(芝俊光 君)私からは、小中野公民館の施設の構造、設備等についてからお答え申し上げます。
防災拠点施設としての性格は、避難所機能に加え、防災備蓄機能や地域の自主防災会の活動拠点機能を持つものと考えております。
具体的にはこれから詰めていくことになりますが、現時点では鉄筋コンクリートづくり3階建てで、津波の浸水を想定して1階部分は駐車場とし、一時避難のために屋上スペースも設けます。
また、夜間休日等職員不在時にも緊急避難が可能となるように、屋外に非常階段を設け、屋上スペースまで避難が可能なものにすることも検討しております。
2階及び3階には事務室、和室、会議室、ホールや炊き出し機能を考慮した調理室を初め、毛布、水、保存食等を保管するための防災備蓄倉庫や、停電対策としての非常用自家発電設備等を設けるほか、高齢者、障がい者等に配慮し、エレベーターを設置することなどを計画しております。
市としましては、防災拠点施設としての公民館という位置づけから、その機能や使いやすさを考えた部屋の配置や設備の導入を行い、平常時には社会教育施設としての公民館機能はもとより、自主防災会による防災活動の拠点として、災害時には防災拠点施設としてその機能を十分に発揮できるモデルとなるような施設を目指してまいります。
次に、施設のネーミングについてお答え申し上げます。
市としましては、施設の名称は、現時点ではあくまで八戸市公民館条例に基づく小中野公民館と考えております。
小中野公民館は、防災拠点施設として避難所の機能を備えたものになりますが、津波災害時には、本来の津波避難所である小中野中学校に避難できない避難困難者のための一時的な津波避難ビルであり、避難所として長期使用を想定しておりません。
そのため、ネーミングが施設の性格を的確に示すものにならないと、地域住民に誤った情報を与え、津波災害時の住民避難に悪影響をもたらすことにもなりかねないものと考えております。このことから、施設の新たなネーミングにつきましては慎重にと考えております。
次に、小中野地区住民の要望についてお答え申し上げます。
平成23年9月、市議会定例会一般質問における議員の御質問に対し、市では公民館の改築に際しては、必要に応じ地域の意見要望を取り入れる場を設けながら進めてまいる旨のお答えをしており、小中野公民館の改築に関しては、その第1弾として、去る7月26日に町内会や公民館協力会などの主要団体の役員の方々に対して事業概要と今後の予定を説明する場を設け、あわせて一部要望等もお伺いしたところでございます。
また、地域におかれましては、7月に有志による期成同盟、公民館を支援する会が発足しているほか、議員の御質問の中にもございましたが、小中野地区町内連合会の皆様が市との打ち合わせを受け、自主的に町内会ごとに住民説明会を開催し、地域の意見要望の集約をする旨を伺っております。
地域の皆様の御協力に対し感謝いたしますとともに、大変心強く思っております。市では、これらの集約していただいた内容をもとに、地域の代表の方々や設計業者と協議しながら、施設の基本設計案を複数作成し、これらの案を地域の皆様にお示しする場を設け、より広く地域の御意見をお伺いし、それらを反映する形で公民館建設を進めてまいります。
以上です。
○議長(秋山恭寛 君)建設部長
◎建設部長(岩藤寿通 君)次に、河川行政の3件についてお答え申し上げます。
最初に新井田川諏訪地区の損壊護岸の復旧工事及び近接の護岸改修工事の進捗状況についてお答え申し上げます。
まず、損壊護岸の復旧工事の進捗状況についてですが、老人いこいの家諏訪荘付近の護岸復旧工事は、河川管理者である青森県が平成23年度に河川災害復旧事業の採択を受け、平成24年3月に災害復旧工事として発注したものであります。
この工事概要は、損壊した左岸190メートルの護岸復旧工事であり、発注額は1億2800万円となっております。工事の進捗状況は、現在、本体工事部分への水を締め切るため矢板の打ち込みが行われており、平成25年3月の完成予定と伺っております。
次に、近接の護岸改修工事の進捗状況についてでございますが、この工事は、県が昨年の大雨により損壊した箇所に近接する護岸を調査した結果、損壊につながるおそれのある亀裂や損傷が認められた箇所について、災害対策等緊急事業推進費として平成23年度予算に3億5000万円を計上し、現在4つの工区で護岸改修工事が実施されております。
この工事概要は、左岸側については、諏訪荘付近の災害復旧工区を挟み、上流部は1工区248.4メートル、下流部は柳橋までの区間について2工区、3工区合わせて370メートル、また、右岸側につきましては、八戸セメント付近において4工区308.4メートルとなっております。
この工事の進捗状況は、現在、矢板の打ち込み等が行われており、各工区とも平成25年3月の完成予定と伺っております。
次に、災害関連工事による川底の変動についてお答え申し上げます。
現在、新井田川諏訪地区において実施されております災害復旧等の工事の施工延長は、左岸側で808メートル、右岸側で308メートルと広範囲に連続して行われております。
本体工事の施工に先立って行われております仮設道路の影響により、その周辺の水深が浅くなっているという現状については県も認識しており、今後、工事と並行して水深調査及び土壌調査を行い、その結果を踏まえ、必要な対応策について検討を行うと伺っております。
市といたしましては、今後、県に対し対応策が早期に実施されるよう働きかけてまいります。
次に、新井田川柳橋から上流塩入橋間の水深についてお答え申し上げます。
自然災害に対する備えは、市民の安全安心にとって最も基本的かつ重要な取り組みであり、台風などによる集中豪雨の対策は万全を期す必要があると考えております。
議員御指摘のように、昨年の東日本大震災による津波の遡上や台風15号などの影響により、新井田川の河床の状況は大きく変化していることが予想されます。
青森県においては、このような状況にかんがみ、今後、現在実施しております工事の完成後、新井田川の水深調査を実施する予定とのことから、市といたしましては、調査が早期に実施され、新井田川において浸水被害が発生しないよう、県に対して働きかけてまいります。
以上でございます。
○議長(秋山恭寛 君)
まちづくり文化観光部長
◎
まちづくり文化観光部長(古舘光治 君)次に3、地域活性化促進についてのうち、(2)西有穆山の生誕地の観光PRについてお答え申し上げます。
まず、穆山足跡マップの作成についてでありますが、西有穆山禅師は明治時代の仏教界にあって比類なき傑僧と言われた方であり、当市が生んだ偉人の一人であります。
議員御指摘のとおり、市内には穆山禅師生誕の地や法縁の寺院、墨跡が残る中学校など、湊地区を中心にゆかりの地が点在しており、これらの地をPRしていくことは有意義なことであると考えております。
しかしながら、当市には穆山禅師のほかにも多くの先人がおられ、これらの方々との兼ね合いから、穆山禅師のみを対象とする全市的なマップ作成を市が主導して行うことは難しいと考えております。
このようなことから、穆山足跡マップについては、湊地区の魅力向上やまちづくりの一環として、または穆山禅師の功績を顕彰する中で、地元の湊地区再生まちづくり促進協議会や西有穆山禅師顕彰会を初めとする関係団体等で作成できないか協議してまいります。
また、穆山禅師ゆかりの地への標示、紹介的なものの設置につきましても、今後、関係団体等と協議しながら検討してまいりたいと考えております。
以上です。
○議長(秋山恭寛 君)高山議員
◆1番(高山元延 君)ありがとうございます。八戸市長初め担当部長からは、それぞれに詳細に、かつ御丁寧な御答弁をいただき、心より感謝申し上げます。私からは二、三要望だけを述べさせていただきます。今般は、それこそ俊敏なる適応力の、市長初め皆さんのそれぞれの御答弁をいただき、非常に得心いたしました。
特に小中野公民館に関してはいろいろとお考えをいただいているようですので、どうぞ地域住民の要望を聞いていただければと思う次第です。
要望の一つとして、先ほど最後のほうで述べさせていただきましたけれども、第1点は、現在の湊町の町並み形成からの観点と、それから地元の方々の声としてですけれども、あの旧青森銀行本町支店の現状である頑健な鉄さくは、歩道に面して直立しております。これがとても違和感があるものなんです。
先ほども質問の中で提示しましたけれども、小さいながらとはいえ、旧長崎屋ビルの以前のような状況であります。ですから、思うのは、建物自身は防災上、どうしてもあの頑丈な鉄さくを設けなければならないということであるならば、田名部組がやったように少し後退させることはできないかということです。
そのことを地域住民も何とか考えていただけないか、ちょっとだけでもバックさせていただけないか、そのようなことを検討していただきたく、要望いたします。
それから、先ほど
まちづくり文化観光部長のほうから言われました。確かに足跡マップ等は、その顕彰会、あるいは地域の方々として、湊地区を中心としたそういうマップづくりは、そちらで考えて、また、その辺をどのようにするかということは、お互いにそこは相談しながら進めていただければと思います。
あるいはまた、その標示的なもの、穆山だけを特別扱いということではないとしても、穆山禅師が生まれたのが1821年でございますので、今来るべき、あともう少し、8年すると、生誕200年が来ます。そういう準備も顕彰会のほうでは進めようとしているところでありましょうから、そういう意味でも、いろいろと今から、徐々にでも、そういうものを充実化させていっていただければなと思うところをいろいろと検討していただければと思います。
では、最後に第3の要望ですが、先ほど市長の答弁で、小中野地区は津波避難困難者が最大級であるというような認識を示されました。よって、災害時における避難困難者の解決に寄与し、地区住民の安全安心を確保する建物としたいというような意向を述べられました。
ここが今般の公民館改築に対する根幹とするところなのです。要するに防災面での充実化と、多くの避難者受け入れ施設の充実化と、そして社会教育施設の充実化とした、防災拠点施設の公民館にしてもらいたいという住民の要望と、まさに合致するところなんです。
それゆえに、今般の9月議会において小中野公民館隣接地駐車場用地購入費を計上していただいたわけですけれども、それに対して小中野地区では、その公民館を支援する会の方々は、八戸市の心を重く受けとめました。
そこで、それによって、心からなる誠意をもって示したいということで、その購入費分の300万円を八戸市に寄進するということです。
この金額は大変なんですよ。乾いたぞうきんを絞って、絞って、絞って、やっと捻出したお金なんです。どうぞ市長におかれましては、この小中野住民の心を十二分にお酌み取りいただいた上で、小中野地区ばかりではなくして、八戸市そのものがみんなに誇れる公民館にしてもらいたいものと思います。
市長の提唱するキャッチコピーをおかりするならば、より強く、より元気で、より美しい小中野公民館をお願いしたいと、そのことを要望して終わります。ありがとうございました。
○議長(秋山恭寛 君)以上で1番高山元延議員の質問を終わります。
この際、暫時休憩いたします。
午前11時45分 休憩
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午後1時00分 再開
○副議長(八嶋隆 君)休憩前に引き続き、会議を開きます。
一般質問を続行いたします。
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13番 小屋敷孝君質問
○副議長(八嶋隆 君)13番小屋敷孝議員の質問を許します。小屋敷議員
〔13番小屋敷孝君登壇〕(拍手)
◆13番(小屋敷孝 君)平成24年9月定例会に当たり、自由民主・市民クラブの一員として小林市長並びに関係理事者に、通告に従い順次質問いたします。
最初の質問は、防災行政についてであります。
東日本大震災からきょうでちょうど1年半を迎えることとなります。このときに思いますには、自助、共助、公助、それぞれの取り組みを点検し、地域全体の防災力を高めることが重要であり、地域のきずなで結ばれた自主防災組織のより強い協働体制の確立に期待いたします。
さて、八戸市地域防災計画では、市及び防災関係機関等の業務の大綱が定められております。市の防災組織としては、災害対策本部の運営及び総括に関する業務を実施する対策推進班を初めとし、各課ごとに平常時の業務にあわせ、災害発生時の業務においても、それぞれの分担事務が示されております。
しかし、災害発生時での分担事務については、何々に関することと表現されていることから、実際に何をどこまで担当するのか、庁内における役割分担が理解しにくい状況にあることが現実であります。
そのようなことからも、事実、東日本大震災発生時には、一部では機能していない部署があったとの声も聞こえており、今後はそれぞれの担当がみずからの役割をしっかりと把握し、行動する具体的内容、範囲を認識し、体制を整えておく必要があります。
また、災害発生直後から一定時間を経過して必要となる応急対策を時系列的や応急分野ごとに整理し、配置体制を構築することや、担当者連絡会議等の設置により、職員の意識啓発と円滑な推進体制も検討する必要があると考えます。
そこでお伺いいたしますが、以上のことから、今後東日本大震災の教訓を生かした体制づくりが必要であると考えますが、所見をお伺いいたします。
次に、避難道路の整備状況についてお伺いいたします。
当市では、迅速な復旧や災害に強いまちづくりに向けて計画的な復興を目指し、八戸市復興計画が平成23年9月に策定され、被災者の生活再建、地域経済の再興、都市基盤の再建、防災力の強化の基本方向に基づく復興施策が順次着手されているところであります。
また、復興計画では、復興の理念と目標に掲げる創造的な復興の実現に向け、8つの創造的復興プロジェクトに重点的に取り組むこととなっており、その中でも、今回の震災において津波被害を受けた方々や沿岸地域に居住する方々に、直面する課題の一つに、避難道路の整備が挙げられております。
東日本大震災において、津波で被災された方々を対象に実施した八戸市復興まちづくりアンケート調査によりますと、避難手段としては自動車が最も多く、次が徒歩という結果であり、避難の際に困ったことでは、道路が混雑して時間がかかったという回答が最も多く報告されているとのことであります。
また、津波に対し安心して暮らすために必要だと思うことへの問いには、30.4%の方が、避難に有効な道路の整備と回答していることであり、このようなことからも、災害時において広域的なネットワークを形成し、救援道路としての役割を担う高速道路や市街地等における幹線道路と同様に、被災された方々が安心して生活するための対策として、避難道路の整備が必要不可欠であり、早期整備を強く望むところであります。
そこで、現在避難道路として主要地方道橋向五戸線、八戸階上線の湊橋、市道蓮沼八太郎山線及び他の階段整備事業を進めているとのことでありますが、その整備状況についてお伺いいたします。
次に、空き家対策についてお伺いいたします。
この問題は、防犯、防火上の危険から市民の安心安全を確保するという観点から極めて重要な問題であり、多くの市民、町内会からも、その対策に大変苦慮しているという相談を市内各地でよく耳にいたします。
全国的にもこの問題が顕在化し、今後ますます増加する傾向にあると推測されており、全国の市町村の中には、空き家の適正管理に関する条例制定や、取り壊しに対する助成制度、空き家を利活用する空き家バンク制度など、さまざまな取り組みを始めた例も報道されております。
一方、空き家対策は、最終的には個人の財産権にかかわる問題であることから、行政がどこまで立ち入ることができるのかという法律上の問題も抱えているものの、市民生活の安心安全を確保し、健全で美しい市街地をつくる観点からも、早急に対策をとるべき問題であると考えております。
そこでお伺いいたしますが、第1点目として、対応の現状と課題についてであります。程度の差こそあれ、市内各所で老朽化が進み破損が目立つ空き家や倒壊寸前と思われる空き家が見受けられますが、それらに対しどのような内容の相談や苦情が寄せられているのか、そして現在どのような対応をしているのか、その現状についてお伺いいたします。
また、対応していく中でどのような問題が起こり、どのような課題が生じているのか、お伺いいたします。
2点目は、今後の取り組みについてであります。空き家に対する具体的な問題を考えますと、建物の破損などによる危険性の問題のみならず、防火上の問題、防犯上の問題、庭木の越境などの通行上の問題、ごみの散乱など衛生上の問題など、多方面にわたるものと考えられます。
そうした多岐にわたる相談に対応するには、庁内横断的な連携が必要であると考えます。また、問題解決のためには個人の財産権に立ち入るというハードルはありますが、県内にも条例制定に向けた取り組みを始めた市町村もあると伺っておりますが、このような状況を踏まえ、当市として今後どのように取り組んでいかれるのか、所見を伺います。
次は、環境行政について3点についてお伺いいたします。
まず、道路照明灯などにおけるLED灯の設置状況についてであります。当市でも現在、道路照明灯や防犯灯においてのLED化を進めているところであります。昨年はグリーンニューディール基金の活用により道路照明灯の一部についてLED化を実施したほか、防犯灯に関しても、今年度から市が補助対象とする防犯灯をLED灯に限定したものと伺っております。
LED灯は第4世代の光とも言われており、その効果には、これまでの蛍光灯や水銀灯と比較し寿命が長いこと、消費電力が低いことから、結果としてランニングコストが抑制され、CO2排出量が半減されるなどの効果が挙げられております。
このようにLED灯は地球環境に優しい照明であることなどから、今後ともLED化の推進に積極的に取り組んでいただきたいと考えるものであります。
そこで、当市においての道路照明灯や防犯灯のLED灯の設置状況並びに今後の進め方についてお伺いいたします。
次は、住宅用太陽光発電システムの普及促進についてであります。
太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーへの関心がこれまで以上に高まっている中、住宅用太陽光発電システムの設置数は近年急激に伸びている現状であります。
太陽光発電システムは、東日本大震災前は、二酸化炭素排出量を抑制できる地球温暖化対策として推進されておりましたが、震災後は、原子力発電にかわる発電システムとしての側面が強くなっており、最近では緊急時における非常用電源としての役割も期待されていることから、住宅用太陽光発電システムがこれまで以上に注目を集めており、設置数の増加にも拍車をかけているものと推測しております。
当市は日照量が多く、冷涼で、冬季においても降雪量が少ないことからも、太陽光発電の適地と言われております。そのことからも、当市では平成21年度から住宅用発電システムの設置に対し補助金を交付しておりますが、市民の関心が非常に高いことから、毎年度、補助予定数に達する件数の申し込みがあり、今年度は既に予定している補助件数に達したため受け付けを終了したとも伺っております。
当市においても再生可能エネルギーの普及促進にこれまで以上に積極的に取り組むことを期待しておりますが、その中でも当市における住宅用太陽光発電システムの普及状況と今後の普及促進策についてお伺いいたします。
次は、低公害車の普及促進についてであります。
地球温暖化やエネルギー資源の枯渇などに代表される地球環境の問題は、我々の生活に直結する極めて深刻な問題であり、東日本大震災以降、これまでの
エネルギー政策が大きく見直されている中、今後はより一層省エネルギーに関する取り組みを推進していく必要性に迫られている現状であります。
中でも自動車は、現代社会において生活に欠かすことのできない身近なエネルギー使用機器であり、国では平成24年7月31日に閣議決定された日本再生戦略を初めとするさまざまな計画等においても、電気自動車等の次世代自動車、低公害車の普及促進による省エネルギーの推進を重点施策として位置づけております。
そこで、当市の公用車における低公害車の導入状況と、その導入促進に向けた今後の取り組みについてお伺いいたします。
次に、是川縄文館についてお伺いいたします。
是川縄文の里整備構想の中核を担う埋蔵文化財センター是川縄文館は、本年7月開館1周年を迎えたところであります。同館は開館以来、国宝である合掌土偶をシンボルに、隣接する是川遺跡や風張遺跡から出土した文化財を保存、公開し、当市の縄文文化の魅力、歴史的価値観を内外に発信する役割を担ってまいりました。
特に児童生徒に対し、地域の持つ歴史や文化を伝え、ふるさとに誇りと愛着を持つ機会を提供できたことや、体験学習等により、人や地域のつながりを大切にした縄文人の心を学び、平和や命の大切さを導く役割の一端を担ったことは意義深いことであります。
また、同館は世界遺産登録を目指し、北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群の構成資産である是川石器時代遺跡と、長七谷地貝塚を全国へPRするという大きな役割を有していることからも、今後は当市の持つ多くの資源との連携、活用による情報発信についても検討すべきと考えます。
現在、是川地区振興会や連合町内会では、是川音頭の再興や縄文マップ作成など、これまでの知識と経験を生かした地元ならではの振興策が議論されており、その地域力を大切に育てる必要性とともに、現在整備が進められております高速交通体系を生かした施策の展開にも期待を寄せるものであります。
そこで、以下3点についてお伺いいたします。(1)として、開館から1年を振り返り、その成果と課題についてどのように認識しておられるのか、また、今後の情報発信の取り組みについて、特に観光に絡めた情報発信についてどのようにお考えなのかお伺いいたします。
(2)として、是川縄文館を支援する団体として是川縄文隊が新たに組織されておりますが、その概要と、設立により期待される効果について。
(3)として、世界遺産登録の現況についてお伺いいたします。
最後の質問は教育行政について、小中学校における特別支援教育についてお伺いいたします。
今日の小中学校においては、特別支援学級だけではなく、通常のクラスにおいても特別な教育的支援を要する児童生徒が増加傾向にあり、特別支援に対するニーズは日々高まっている現況であります。
特別支援教育支援員については、平成19年度から国による地方財政措置がなされ、それぞれの市町村においてもその配置を進めており、現在はその地方財政措置が拡充されている現況であります。今後とも、学校はもとより、地域社会全体が特別支援教育への理解を深め、児童生徒の障がいの実情に適した支援をしていくことが必要であります。
県教育委員会によりますと、平成24年5月1日現在での県内の特別支援学級設置数は小中合わせて377校、設置学級数は639、在籍人数1509名となっており、前年比では、設置学級数で10クラスの増、在籍人数では58名の増と報告されており、特別支援の必要性は顕著にあらわれております。
また、通常学級でもAD等の支援を要する児童生徒が増加しており、担任教諭だけではなく、支援員等を適切に配置し、児童生徒一人一人が効率的に学習できる教育環境の整備が求められております。
文部科学省におきましても、共生社会をより現実にするべく、特別支援教育のあり方の再検討が開始されており、すべての子どもたちは障がいの有無にかかわらず地域の小中学校の通常の学級に在籍することを原則とするインクルーシブ教育システムを推進する議論が進められておりますことは着目すべきことであります。
今後は教員の特別支援教育に対する研修制度の充実や、特別支援学校の動向に注視していくことも重要であります。
そこでお伺いいたしますが、当市における特別支援アシスタントの配置状況とその効果、今後の増員に向けての教育長の考え方をお伺いいたしまして、この場からの質問を終わります。
〔13番小屋敷孝君降壇〕(拍手)
○副議長(八嶋隆 君)市長
〔市長小林眞君登壇〕
◎市長(小林眞 君)小屋敷議員にお答え申し上げます。
まず、防災力の強化についての御質問ですが、当市の地域防災計画では、第2章において災害対策本部の班別の分担事務について記載しております。地域防災計画は、災害対策全般にわたり総合的に定めた計画であることから、班別の分担事務について項目のみを記載しておりますが、発災直後の職員動員と対処の実施要領として初動体制マニュアルを作成しているほか、各課ごとに災害時行動マニュアルを整備し、災害時に迅速、的確に分担事務を実施できるよう努めております。
しかしながら、東日本大震災の際には、業務分担が明確になっていなかった一部の業務においてスムーズな対応ができなかったものと認識しております。このたびの教訓を踏まえ、避難所班では連絡会議の開催や、施設管理者との打ち合わせ等を実施し、班単位で効率的に活動する体制の構築を進めております。
今後、すべての班がより円滑に分担事務を遂行できるよう、各班の役割分担を明確にするほか、連絡会議の開催及び図上訓練の実施等について検討してまいりたいと考えております。
次の(2)避難道路の整備状況については建設部長から、2、まちづくり行政については都市整備部長から、3、環境行政については環境部長並びに建設部長から後ほどお答え申し上げます。
私からは4、是川縄文館についての(1)成果と課題及び今後の情報発信についてからお答え申し上げます。
是川縄文館は、縄文文化を学び、体験し、発信していく施設として昨年7月10日に開館し、1年間に5万人を超える方々が利用されております。
縄文の漆文化を伝える是川遺跡や国宝の合掌土偶で知られる風張1遺跡の常設展示品は、多くの観覧者から八戸の縄文文化のすばらしさを示すものという高い評価をいただいております。
開館記念の特別展では、東日本各地の優品を集めた縄文至宝展を開催したほか、企画展・八戸の埋蔵文化財、掘りdayはちのへを開催しております。
教育普及活動としては講演会や考古学講座、八戸市遺跡調査報告会、各種の縄文体験講座などを実施し、縄文文化に触れる機会を提供してまいりました。
展示のガイドや体験講座の指導は、縄文是川ボランティアが行っており、平成23年度のボランティアガイドの利用者数は1万3000人余りと、開館前の約5倍に増加しております。
是川縄文館と地域との連携については、3月には地域懇談会を開催し、地元の方々との意見交換を行っております。
さらに、是川縄文館は、是川縄文の里整備事業の拠点施設でもあることから、史跡整備に向けた事業として是川遺跡の総括的な発掘報告書を刊行したほか、中居遺跡に遺跡解説板を設置してまいりました。
今後の課題につきましては、県外や海外へ是川縄文館や是川遺跡等の情報発信をさらに充実させていく必要があると考えており、田端議員の御質問にもお答えしたとおり、世界遺産登録に向けた事業の中で一層の広報宣伝に努めるとともに、新しいパンフレット、英語版ホームページの製作などを進めてまいります。
新規入館者やリピーターをふやすための施策としては、常設展示の更新、魅力ある特別展、企画展の開催、体験講座の充実、案内標識の整備など、集客に向けた取り組みを進めてまいります。
次に、今後の情報発信についてですが、観光戦略における取り組みとしましては、これまで是川縄文館の合掌土偶と櫛引八幡宮の2領のよろいという県内に3つある国宝すべてが八戸にあるという特徴を生かし、市の観光ガイドブックや観光ホームページで情報発信に努めているほか、テレビ、新聞、雑誌等のメディアの取材等においても、是川縄文館と合掌土偶を各種媒体に取り上げてもらえるように、取材に同行し、提案しております。
また、雑誌・SWITCH9月号の海と遺跡とウミネコに出会う旅と題した八戸特集ページで是川遺跡を取り上げたほか、交通アクセス等利便性向上の観点から、八戸市タクシー協会や八戸観光コンベンション協会等と連携し、八戸駅発で市内の観光スポットを2時間でめぐる、駅から観タクンで2コース、また、市内観光コースをめぐる観光タクシーで4コース、さらに定額で観光を満喫できるタクシーチケットプラン・八戸まちタクでも、同館をめぐることができるような取り組みもしております。
さらに今年度、市ではこれらの取り組みに加え、現在作成中の観光DVDと今後作成予定の外国語対応の観光DVDに同館を盛り込み、国内のみならず、国外に向けても情報発信することで、訪日外国人を初めとする多くの観光客の誘客を図ってまいりたいと考えております。
また、今月末発行予定の雑誌・自遊人11月号でも、16ページのとじ込み型のブックインブックを作成し、合掌土偶と是川縄文館も大きく掲載することとしております。
今後は、八戸観光コンベンション協会が企画実施している着地型旅行商品・八戸まちぐるに組み入れてもらうことを検討するとともに、観光面でのネットワークを最大限に活用し、首都圏や北海道などで行われる各種観光キャンペーンや大型イベントで県外に向け積極的にPRし、あわせて旅行エージェント等を訪問する際にも、重点的に紹介してまいりたいと考えております。
さらに、平成25年度には八戸南環状道路の八戸ジャンクションと八戸是川インターチェンジ間が新たに供用開始予定であり、八戸南道路の種差海岸階上岳インターチェンジとつながり、交通アクセス向上が図られることから、来年度、三陸復興国立公園に指定される種差海岸の自然と是川の縄文文化をパッケージにして売り込むとともに、是川遺跡を含む縄文遺跡群の世界遺産登録が平成27年度を目標に進められていることから、これらも見据えながら、さらなる情報発信に努めてまいります。
次に、是川縄文隊についてお答え申し上げます。
昨年7月の是川縄文館開館を契機に、是川地区の中居町内会では、縄文館を核とした地域振興について検討を進めてきております。
市では、同町内会から相談を受け、地域振興に向けた組織づくりや事業内容等を話し合う会合に職員を同席させ、住民みずからが取り組む地域づくりを支援してまいりました。
昨年12月からこれまで8回の会合を経て、ことし8月に中居町内会の有志により、是川地域住民の宝である是川縄文遺跡の保存、活用に寄与するとともに、是川縄文館を核とした是川縄文の里の地域振興を図ることを目的に、是川縄文隊が設立されました。
是川縄文隊では、今後、是川縄文館来館者へのおもてなしや地域のPR、地域特性を生かした活動などについて具体的な活動内容を検討し、実施していく予定と伺っております。
現在、是川縄文館の支援団体としては、是川文化財愛護会、八戸縄文保存協会及び縄文是川ボランティアがありますが、中居町内会の有志が中心となった是川縄文隊が設立されたことにより、各団体並びに縄文館と地域との連携強化が図られるものと考えております。
これら団体の連携や縄文隊の活動によって、縄文館や是川縄文遺跡の情報発信の強化や、来訪される方々へのおもてなしの充実が期待され、縄文館を核とした是川縄文の里の魅力向上につながるものと考えております。
次の(3)世界遺産登録については教育部長から、5、教育行政については教育長から後ほどお答え申し上げます。
私からは以上でございます。
〔市長小林眞君降壇〕
○副議長(八嶋隆 君)建設部長
◎建設部長(岩藤寿通 君)私からは、避難道路の整備状況についてお答え申し上げます。
昨年の東日本大震災において、当市では津波により沿岸部の市川地区、河原木地区及び湊地区等が大きな被害を受けております。震災時には、各地区において避難に利用した道路の幅員が狭かったり、歩道が整備されていなかったことにより、住民や車両の通行に支障を来したことから、復興交付金事業により避難道路として整備することにしております。
県が行う事業としましては、市川地区における主要地方道橋向五戸線の拡幅及び歩道整備、湊地区においては主要地方道八戸階上線の湊橋について橋梁の歩道拡幅を行うこととしております。
また、市が行う事業いたしましては、河原木地区の臨海工業地帯から自衛隊官舎のある高台や、日計ヶ丘小学校等へ向かう市道蓮沼八太郎山線を拡幅し、湊地区においては、館鼻公園や上ノ山地区への避難道路として階段4カ所の拡幅を行うことにしております。
現在の状況についてですが、橋向五戸線及び湊橋につきましては、県より今年度は調査、設計などを行い、平成25年度以降に用地買収、工事などを行う予定と伺っております。
また、蓮沼八太郎山線及び階段整備については、今年度測量、設計などを行っており、平成25年度から用地買収、移転補償、工事を行う予定であります。
避難道路の整備については、地域住民の方々の安心安全のため早期に努めてまいります。
以上でございます。
○副議長(八嶋隆 君)都市整備部長
◎都市整備部長(工藤哲 君)次に、空き家対策についてお答え申し上げます。
まず、対応の現状及び課題についての御質問ですが、市に寄せられております相談や苦情の内容は、トタンなどの建材の飛散や落下、倒壊のおそれがあるなど、建物に関することが大半ですが、窓や扉の破損によります不審者の侵入に伴う防犯、防火上の不安や、ごみの散乱、草木の繁茂といった衛生上のことなど多方面にわたっております。
相談や苦情が寄せられました場合、市では現地を確認の上、状況によりましては消防や警察とも連絡をとり合い、所有者に対策を講じていただくよう文書などで依頼しております。
平成21年度から平成23年度までの3年間の相談件数は42件で、そのうち約半数の20件は、所有者が除却や応急処置を行い、問題解消に至っております。
課題といたしましては、未登記物件の場合の所有者の特定や相続人の調査に時間を費やすこと、所有者、相続人に対処を依頼しても、高齢のため対応ができないことや、相続人の間で調整がつかないということなどが挙げられます。
次に、今後の取り組みについての御質問ですが、空き家対策は個人の財産権にかかわることであり、市がどこまで立ち入ることができるのか、非常に難しい問題ではございますが、老朽化が進み、危険な空き家が放置されることによりまして市民の安全安心が脅かされているため、市として取り組むべき問題であると認識しております。
このため、これまで関係課の担当者で勉強会を行ってまいりましたが、関係課長で構成する連絡会議を立ち上げ、条例を含めた対応策の検討に着手しております。
国土交通省によりますと、平成24年4月1日現在、空き家などの適正管理に関する条例を定めているのは全国で54自治体となっております。その条例で規定しております内容は、勧告、命令が大半ですが、所有者の氏名の公表や行政代執行を定めている自治体もあり、条例の内容もさまざまとなっております。
今後、他都市の条例を参考に、実効性や効果を検証し、老朽危険空き家の実態把握を行いながら、条例の必要性を検討し、今年度中に対応方針を取りまとめたいと考えております。
以上でございます。
○副議長(八嶋隆 君)建設部長
◎建設部長(岩藤寿通 君)次に、道路照明灯などにおけるLED灯の設置状況についてお答え申し上げます。
LED灯の設置状況といたしましては、市の管理である道路照明灯は、平成23年度にグリーンニューディール基金事業として、ゆりの木通りの57灯がLED化されたほか、交通安全施設整備事業により11灯のLED灯が新設されております。
また、主に町内会管理の防犯灯につきましては、市からの補助金を活用し、平成21年度から平成23年度までに458灯、今年度からは補助対象をLED灯に限定しておりますが、これまでに285灯がLED化されております。
LED灯の特徴といたしましては、従来の蛍光灯や水銀灯と比較して寿命が長く、消費電力が低いこと、そのためランニングコストが低く抑えられ、また、二酸化炭素排出量が削減されると言われております。
このようなことから、今後は道路照明灯は、新設の場合はLED灯とするほか、灯具が壊れるなど交換の必要が生じた場合にもLED灯に更新してまいります。
また、防犯灯につきましても、設置に対する町内会などへの補助を継続することによりLED化の促進に努めてまいります。
以上でございます。
○副議長(八嶋隆 君)環境部長
◎環境部長(妻神敬悦 君)次に、住宅用太陽光発電システムの普及についてお答え申し上げます。
市内における住宅用太陽光発電システムの設置件数及び設備容量は、平成20年度末においては403件、1278キロワットであったのに対し、平成23年度末には1243件、4530キロワットと、設置件数においては約3倍、設備容量においては約3.5倍と、その普及が進んでおります。
国では、住宅用太陽光発電システムの設置に補助金を交付しており、今年度の補助金額は、太陽光発電システムの価格に応じて、1キロワット当たり3万円または3万5000円で、上限は10キロワットとなっております。
当市では、住宅用太陽光発電システムの普及促進策として、1キロワット当たり2万円、上限7万円の補助金を、県内他市町村に先駆けて平成21年度から交付しております。
今年度は、補助金を昨年度の700万円から1890万円に拡大し、さらなる普及に向けて取り組んでまいりましたが、8月中旬には予定金額に達したため、今議会の補正予算案に補助金追加について計上したところであります。
次に、低公害車の普及促進についてお答え申し上げます。
環境省が公表している低公害車ガイドブック2011では、電気自動車、燃料電池自動車、天然ガス自動車、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、低燃費かつ低排出ガス認定車の6種類を低公害車として挙げております。
国では、低公害車の購入に係る各種支援措置を講じるなど、その普及促進に努めており、国土交通省東北陸運局によると、平成24年3月末時点における全国の低公害車普及状況は52.6%、青森県では41.8%と、いずれも上昇傾向で推移しております。
しかし、平成24年8月に実施した調査によると、市の公用車につきましては、旧型車両からの更新が進んでいないことから、低公害車の割合は約1割となっております。
当市では、八戸市グリーン購入調達方針におきまして、公用車の新規調達時には低公害車の導入に努めることとしており、平成21年度以降に購入した公用車のうち低公害車は約8割を占めておりますが、今後も引き続き低公害車の導入を推進してまいります。
以上でございます。
○副議長(八嶋隆 君)教育部長
◎教育部長(芝俊光 君)私からは、世界遺産登録についてお答え申し上げます。
当市は、構成資産を有する4道県12市町による共同推進体制の一員として、北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群の世界遺産登録を目指しております。
同推進体制では、平成25年の推薦書提出、平成27年の登録を目指し、目下推薦書案について検討作業のほか、保存管理体制の検討を行っております。
是川石器時代遺跡、長七谷地貝塚という2つの構成資産を有する当市としましては、今後も会議の進捗に合わせ、推進本部と協力して登録に向けた取り組みを行ってまいります。
市民へのPRにつきましては、八戸縄文保存協会が毎年8月に開催している、これかわ縄文まつりにおいて、登録についての認知向上を目的とした縄文体験スタンプラリーや縄文遺跡群パネル展を実施しております。
また、現在、市庁本館1階の市民ホールと是川縄文館1階において縄文遺跡群ロゴマーク地域投票を実施するなど、普及啓発の事業展開を行っております。
今後も積極的に世界遺産登録への機運醸成に向けた各種PR事業に取り組んでまいります。
以上です。
○副議長(八嶋隆 君)教育長
◎教育長(松山隆豊 君)次に、特別支援アシスタントの効果と増員についてお答え申し上げます。
議員御指摘のように、本市でも特別支援学級の在籍人数と通級による支援を必要としている児童生徒の人数、さらには学級担任が教育的配慮を必要としているととらえた児童の人数は増加し続けております。
その中には、障がいが重複していることで、落ちついて集団生活に適応できない児童生徒や、教室から突然飛び出したりパニックを起こしたりして学習を中断させる児童生徒も見られ、各学校では指導に苦慮しているのが実情でございます。
特に通常の学級では、支援を要する児童生徒への対応に加え、他の児童生徒に対しても学習を保障する必要があるため、担任1人での対応では困難が生じております。
また、障がいのあるなしにかかわらず、ともに生活し、ともに学ぶというインクルーシブ教育理念が拡大することにより、今後ますます通常の学級で行われる特別支援教育を充実させることは必須であると考えております。
そこで、通常の学級における特別支援教育に対応するための教員の指導力を高めるとともに、複数の人的配置により児童生徒一人一人の教育的ニーズに応じた支援を行うことが必要であると考えております。
市教育委員会では、今年度から3年間かけて市内小中学校の全教員が特別支援教育に関する研修を受講するようにし、特別支援教育についての理解と指導力の向上を図ることに努めております。
また、平成19年度から特別支援教育アシスト事業として特別支援アシスタントの配置を行い、年々人数をふやしながら支援を要する児童生徒への対応を行っております。
配置している学校からは、次のような効果があると報告されております。個別の声がけや対応が継続して行われることで、落ちついて学習できる。支援を要する児童生徒だけでなく、学級全体の学習が保障されるようになった。複数の目で見守ることから、児童生徒の安全が確保される。
このように配置校からは具体的な成果が寄せられる一方、要望にこたえられなかった学校からは、配置を強く求める声が上がっております。
今年度の配置は、59校からの要望に対して30校となっており、要望が上がっているすべての学校にはまだこたえられていない状況であることから、特別支援アシスタントを増員していく必要があると考えております。
また、特別支援アシスタントの有効な活用に向けて助言を行ったり、年々増加し、内容も多様化、複雑化している学校や保護者から寄せられる教育相談に対応する教育相談員の確保についても、今後検討してまいります。
市教育委員会といたしましては、今後も特別支援教育アシスト事業の拡大を図るとともに、特別支援教育が一層充実するように努めてまいります。
以上でございます。
○副議長(八嶋隆 君)小屋敷議員
◆13番(小屋敷孝 君)詳細にわたりまして御答弁をいただきましてありがとうございました。意見要望を申し上げたいと思っております。
まず、防災行政についてでございますけれども、東日本大震災の教訓を生かして、また今後予想されます南海トラフ大地震であるとか、首都直下型地震に対して備えていくという取り組みは各自治体で出ているように伺っております。
当市におきましても、今だからこそやれることであると思いますし、やらなければならないことだと思っておりますので、さっき市長からも御答弁をいただきましたけれども、この役割分担の明確化ということはぜひ必要だと思っておりますから、これは早急に取り組んでいただきたいと思っております。
そしてまた、国のほうでは自治体職員の防災専門家を育成する制度を来年度から開始するということで、この間報じられておりましたけれども、その研修では、地方自治体の職員が消防庁や防衛省で災害時の初動体制を学んだり、内閣府で防災訓練の計画の策定に参加し、食料の調達や医療チームの派遣の手順を確認したりするというふうな中身であると伺っております。
ぜひそういう制度を活用いたしまして、防災力を高める、そしてまた、職員の意識を向上していくということも大変大事だと思っておりますので、そのように努めていただきますように御要望いたします。
次に、避難道路でございますけれども、県では下北八戸沿岸津波浸水想定委託事業というものを今しておりまして、津波のシミュレーションを今委託をしてやっているそうでございます。
間もなくその結果が発表されると伺っておりますけれども、その結果を踏まえて、避難所のあり方、そしてまた、それに伴う避難道路の整備を、地域ときちっとキャッチボールをしながら整備をしていただきたいと思っております。以上を要望いたします。
そしてまた、次に空き家対策でございますけれども、これは今までもずっと議会でも何度も取り上げられてきた課題でございますけれども、これに対しましては、市民課であったり、資産税課であったり、担当課の皆様方で連絡会議ができたということは大変前進したなと思っております。
今までも、一番問題になっておりましたのは、相続の問題で、なかなか所有者が特定できないということが挙げられておりましたけれども、この連絡会議をつくったという中で、その対応にスピード感が出てくるということがあるのだろうと思います。
条例化した54の自治体の中で行政代執行を含んだものは12市町村と伺っておりますけれども、この行政代執行については、るる検討していかなければならないこともあるのだと思いますけれども、私は市民の安心安全のために、効率的な、どういう条項にすると、その効果が出るのかをよく検討していただいて、前に進んでいただきますように御要望いたします。
そして、環境行政の中で、住宅用太陽光発電システムの補助についてでございますけれども、このことにつきましては、他の自治体でも、政府の買い取り制度ができたということで、中には補助のあり方を検討し始めた、要するに補助自体をなくするということも検討を始めている自治体もあるやに伺っておりますけれども、当市では、これは県内でもいち早くこの補助システムをやりまして、そういう効果が出ている、この補助自体がその宣伝効果になっているということもございますので、そのことについては、やはり検討をする時期であるということは認識をしておりますけれども、いろいろなことを勘案しながら検討していただきたいと思っております。
そして次に、教育行政についてでございますけれども、先ほども申し上げましたけれども、インクルーシブ教育という視点からの取り組みが、私はこれから大変重要になってくるのだと思います。
現在アシスタントを配置している学校でも、例えば、まだ必要であるという学校もあると思いますし、そういう中で、やはりきっちりと対応していく中で増員をしていくという考え方をぜひお願いしたいと思っております。
そしてまた、今年度から新学習指導要領が完全実施になりまして、今先生方も大変御苦労なされていると伺っておりますけれども、そういう意味でも、やはり子どもたちがきっちり学習できるような体制づくりに努めていただくようにお願いをしたいと思っております。
最後に是川縄文館についてでございますけれども、まず、是川縄文隊が設立になったということは、私は大変うれしく思っております。
実は8月9日に恒例の縄文まつりがございました。今まではいろいろな地域の方々、そして縄文保存会の方々が、いろいろなブースを出しまして、いろいろなにぎわいを出していたわけでございますけれども、今回この是川縄文隊ができまして、地元の野菜であったり、お花であったり、そういうふうな部分を店頭で販売したということがあったようでございます。
今までは、縄文保存会が地域の方々から、野菜とか、いろいろなそういうものを購入して、職員が販売していたという状況になっていたはずですけれども、やはり今まで、例えば片町の朝市であったり、いろいろ長い経験を持った地域の方々が直接そこに立って、地域の言葉で、今までの縄文に対するいろいろな知識とか経験を生かした情報発信をしていくということは大変有意義なことであると思っております。
今年度は、聞くところによりますと、あと1回か2回ぐらいは、何かそういう行事に合わせた、地元の野菜であったり、例えばお花であったり、そういう部分を提供するような機会があるやにも伺っておりますけれども、いずれにいたしましても、その窓口になってくるのは是川縄文館ということで、来年度は4月、5月ごろからでも、地域の方々はそういう機会をいただいて情報発信をしていきたいと考えておるようでございますので、ぜひそういう機会を、これは地域振興ということで、是川縄文館と担当課がかぶってくるところがあるのですけれども、ぜひその情報発信、そしてまた地域振興という視点からも、これについては育てていただきますように要望をしたいと思います。
そして、最後でございますけれども、世界遺産に登録を目指しているわけでございますけれども、これは登録をするということはなかなか、いろいろこれから取り組んでいかなければならないことがあるのだろうと思います。
関係機関と地元住民が一体となって、知恵を絞って努力していく、その協働自体が大変大事だと私は思います。そして、そのことによってまちづくりがあり、そして地域振興につながっていくのだろうと思います。
私も今まで何回も、この是川縄文館については申し上げてまいりましたけれども、このコーディネートをきっちりとしていただいて、そしてまた、是川縄文館の役割は役割としてよく理解しておりますけれども、市長からも御答弁いただきましたけれども、観光に絡めた視点でのこれからの取り組み、例えば高速交通体系を生かした観光という部分はあるのでしょうけれども、例えば南郷地域と種差、このフィールドを結ぶという、いろいろなそういう考え方もあるのだろうと思いますし、夢がある発信、取り組みをしていただきたいと思っております。
これからも、この是川縄文館に関しましては、私は第5次の計画の中にも位置づけておられますし、そういう中で、縄文館ができたということは、新たなスタートであると認識しておりますから、期間の途中であるかもしれませんけれども、やはり1回きちっとその検証をしていただいて、どのように発信をしていけばよいのかを検討していただければと思っております。
ぜひこれからもそういう部分で御検討していただくようにお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○副議長(八嶋隆 君)以上で13番小屋敷孝議員の質問を終わります。
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11番 三浦博司君質問
○副議長(八嶋隆 君)11番三浦博司議員の質問を許します。三浦博司議員
〔11番三浦博司君登壇〕(拍手)
◆11番(三浦博司 君)平成24年9月定例会に当たり、民主クラブの一員として一般質問を行います。発言の機会をいただきました諸先輩方に感謝申し上げます。
さきの市議会議員選挙におきまして市議会に復帰をさせていただきましてから2年目に入っています。震災直後の混乱の中の選挙にもかかわらず、有権者の皆様方からいただきました一票一票を大切に、選挙でお約束をした公約、議員マニフェストの実行とその実現に向けて、選挙公約を活動の柱として力いっぱい取り組んでまいります。
それでは、通告に従いまして順次質問いたします。
まず、行財政について伺います。(1)行財政改革についてですが、現在、第5次行財政改革が進められています。市民の要請に対して行政があれもこれもとかかわれなくなった昨今の財政状況の中で、それらの要請にこたえるべく、第4次行財政改革の取り組み等を通して最大限の努力を続けているところと認識しております。
重点的に取り組むべき施策は何か、今日的課題に対応すべき新しい事業をどのようにして盛り込んでいくのか、また、行政各課で今ある事業をどのように評価して、毎年の予算要求に反映させていくべきか、そのような視点が市政発展のスタートであると思っております。
当市における行財政の構造的な長所や短所といった特徴から、でき得る限りの財源を見出して、知恵を絞り、市政を前に進めていかなければなりません。
そこで、これまでの行財政改革の取り組みの経緯と現在進めている第5次行財政改革の現状と課題について伺います。
当市の行政を形づくる最小単位は何かと考えますと、それはやはり事務事業であるという見方もできます。事務事業を通して、行政職員だけではなく、多くの市民がかかわっています。単独予算による事務事業など、それらの事務事業が集まり施策となり、政策が前に進められています。
その最小単位である事務事業を評価する体制が行政各課にあれば、議会はもちろん、さまざまなチャネルにおいて共通言語による建設的な話し合いが可能になり、単なる事業仕分けにとどまらない確固たる市政発展の基盤ができるのではないか、そのように考えています。
しかし、事務事業レベルで行政各課にまたがる統一的な様式での評価表が存在していない現状にあるのではないでしょうか。
そこで、統一的な様式で評価を行う体制をつくることに対する認識を伺います。
次に、黒字決算について伺います。平成23年度決算報告によると、平成23年度一般会計の黒字が27億222万3000円あります。翌年度の財源として14億5282万9000円を繰り越していますが、その分を差し引いてもなお27億円以上の黒字を出しています。
少なくとも、調べられる限り、平成18年度から17億円以上もの黒字決算が続いていますが、その意図について伺います。
もちろん、予算を使い切ることが正しいと言いたいわけではありません。果たして行政各課の事業評価が適正なのかという視点から、過小な予算要求により当該年度の事業に対して市民ニーズが満たされないままに1年が過ぎているとしたら、とても遺憾なことではないでしょうか。これからの事業評価のあり方を展望するためにも質問する次第です。
次に(3)政府の予算執行抑制による影響について伺います。
我が国日本の政治経済は、たった一つの政党が政権を長期にわたって担い続ける時代が終わり、私たち国民は政権を担当する政党を選んで国づくりに参加し、働きかけていくという、より成熟した新しい時代に突入しています。
その時勢の節目にあって、国の決められない政治に対し、どのように知恵を絞り、答えを見出し、未来志向で、これからの日本政治の常識を形づくっていくのかが今問われていると思っています。
そういった時勢の節目の混乱の中で、平成24年度予算の約4割、38.3兆円を賄う赤字国債の発行に必要な特例公債法案が通常国会で廃案となり、政府は戦後初となる予算執行の抑制を決めました。
今後、この法案成立がおくれれば、財源枯渇を防ぐためのさらなる抑制は避けられません。それでも11月には財源がほぼ枯渇すると見込まれています。1995年にアメリカ合衆国で起きました政府の窓口封鎖のような事態に陥ることのないように、国民生活への影響を考えていく必要があります。
そこで、予算執行抑制によって当市にはどのような影響があるのか、その見通しを伺います。
次に2、福祉のまちづくりについて伺います。
ロンドン2012年パラリンピック競技大会が8月29日水曜日から9月9日日曜日の12日間で行われ、20競技、503種目を通じて一心にベストを尽くす選手の姿は、私たちに勇気と感動を与えてくれました。
ロンドンでは、パラリンピックのチケットがオリンピックよりも早く完売したのだそうです。先ほど小屋敷議員も御指摘されておりましたが、インテグレーション教育の取り組みなど、ハード面だけではなく心のバリアフリーにも踏み込んだ社会基盤の充実を目指しているロンドンは、バリアフリーの最先端を走っている都市としても知られています。
日本では、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律、バリアフリー新法が平成18年、2006年12月20日に施行され、市区町村がつくるバリアフリー基本構想に国が交付金や補助金などで支援していますが、策定が進んでいません。約16%という低い水準にあります。青森県では青森市のみにとどまっております。
多くの市町村にとって、バリアフリーの必要性に対して優先順位が低いのか、それとも基本構想を策定したくなるほど国の財政的な支援などが十分とは言えないのか、ある意味で各市町村の善意にゆだねられているのが現状ではないでしょうか。そして、当市はどのような認識を持っているのか、気になるところです。
そこで、バリアフリー法による基本構想策定について伺います。
当市では、八戸市健康と福祉のまちづくり条例という基本条例が平成19年に施行されており、お年寄り、障がい者、妊産婦、子どもなど、日常生活や社会生活を営む上で何らかの配慮を必要とする方々と市民、事業者が協働して、住みなれた地域で安心して健やかに生活を営むことができるまちづくりを目指しています。その点、当市はバリアフリーの必要性を強く感じているまちであることは確かです。
しかしながら、その理念の実現が、対象者別に策定された健康福祉関連計画により推進される、そういう体制になっていることによって、逆に横断的な要素の強いバリアフリーの視点が薄れてしまっているように見受けられます。
よって、ア、バリアフリーの現状と課題について伺います。そしてイ、バリアフリー新法による基本構想を策定する見通しについて伺います。対象者ごとに計画を策定しているため、包括的な視点であるバリアフリーの実現そのものが計画としてうやむやになっているこの分野を、基本構想を策定することによって補完してくれるのではないでしょうか。
最後に、子どもの人権について伺います。
大津市のいじめ問題が社会問題として大きく取り上げられ、いじめ問題にどのように取り組んでいけばよいのかという難しさが、教育を取り巻く構造的な限界も含めて、今改めて問われています。
国による過度な現場介入よりも、権限と財源を現場に託してもらいたいと、これからの国の対応を危惧している一人ですが、国と地方での責任のなすりつけや、教育現場における関係者同士での責任のなすりつけは絶対に防いでいかなければなりません。
そのためには、当事者である子どもの人権に焦点を当てて、子どもを取り巻く環境に対して、その人権の保護をどう確保していくのかを考えることが抜本的な解決となるのではないでしょうか。
今の社会では、核家族化や少子高齢化の進行などにより、人と人とのつながりが薄れ、地域社会で子どもを温かく見守る力が弱まってきています。また、共働きの家庭がふえ、ひとり親家庭も珍しくありません。
そのため、どうしても家庭での養育や教育をする力が弱まり、最悪の場合には児童虐待につながるなど、子どもが心身ともに健やかに育つ環境が失われつつあります。
だからこそ今、社会全体で子どもの学びを支える協働の必要性が改めて求められています。子どもたちの目が輝き、親が安心して働ける環境を八戸につくっていかなければなりません。私にとって選挙公約で有権者と約束した政策課題でもあります。
そこで(1)子どもの相談環境について伺います。現状と課題等の評価についてですが、まず(ア)相談窓口の取り組みについて現状を伺います。そして(イ)スクールカウンセラーと心の教室相談員による取り組みについて現状を伺います。そして最後に、それらの相談環境の課題や評価について伺います。
次に(2)スクールソーシャルワーカーの導入について伺います。現在の社会状況において、教育現場を取り巻く環境をサポートする体制にスクールソーシャルワーカー制度というものがあります。学校での生活を基盤として、ソーシャルワーク、つまり福祉の観点から子どもたちの生活の質を向上させようという制度です。
当市でも平成20年度にスクールソーシャルワーカー事業が行われました。よって、アとして、その必要性をどのように認識しているか伺います。
そして、来年度の国の予算において、文部科学省はスクールカウンセラーの大幅な増員や、スクールソーシャルワーカーも倍増するなど、子どもや学校の相談機能を強めるための予算要求に動いています。当市としてこのような動向も踏まえ、スクールソーシャルワーカーの導入についてどのように考えているか、今後の見通しを伺います。
以上で壇上からの質問を終わります。
〔11番三浦博司君降壇〕(拍手)
○副議長(八嶋隆 君)市長
〔市長小林眞君登壇〕
◎市長(小林眞 君)三浦博司議員にお答え申し上げます。
まず、行財政改革の現状と課題についての御質問ですが、当市の行財政改革の取り組みは、昭和54年からの事務事業の総点検に始まり、昭和60年の大綱策定を経て、現在の第5次行財政改革へとたゆみない取り組みを進め、それぞれ一定の成果を上げてきております。
中でも第4次の行財政改革においては、基金の枯渇及び歳入不足を回避するため、平成17年度からの5年間を財政再建集中期間と位置づけ、歳入に見合った財政運営と、基金に依存しない財政体質の構築を目的に具体的な数値目標を掲げ、徹底した歳出削減に全力で取り組んでまいりました。
その結果、効率的な組織体制づくりや事務事業の見直し等により、約66億2000万円の歳出削減効果を生み出し、枯渇が懸念されていた基金残高についても目標額を確保するなど、健全な財政規律を維持することができてきております。
現在取り組んでいる第5次の行財政改革は、経済雇用環境の低迷、少子高齢社会の到来、扶助費の増加といった課題を抱える厳しい行財政環境のもと、従来のような徹底した歳出削減にはおのずと限界があるという認識に立ち、第4次の行財政改革での成果であるスリム化された組織体制と健全な財政規律を維持しつつ、組織や職員の資質を高めることにより諸課題へ対応し、市民サービス向上を図ることを目標としております。
この実現のため、定員管理、基金残高及び財政健全化指標の3項目について遵守すべき数値を設定するとともに、毎年度進行管理を行いながら、一部署一改善を含む140項目以上の取り組みを着実に実施しております。
なお、平成23年度末時点での各指標の現状ですが、職員数では着実に定員適正化が進んでいるほか、基金残高も前年度より増加し、また財政健全化指標についても、財政健全化法に基づく基準よりも厳しい独自の数値をいずれもクリアしてきております。
次に、事務事業における統一的な評価表づくりについてお答え申し上げます。
行政評価には、その対象のとらえ方により、政策評価、施策評価、事務事業評価の3つがあり、このうち事務事業評価は、政策目的を達成するための個々の事業を対象に、活動指標や成果指標等を活用しながら、その必要性や妥当性などの視点から評価を行うものであります。
当市においては平成15年度から3カ年にわたり事務事業評価を試行しておりましたが、現在は第5次八戸市総合計画の進行管理において、戦略プロジェクト事業を中心とした施策に関する評価を行っております。
具体的には、第5次総合計画後期推進計画における33項目の大施策ごとに、主要事業の進捗状況や関連する注目指標の推移、市政モニター及び有識者への満足度調査の結果をもとに、第三者機関である八戸市総合計画推進市民委員会から今後の方向性などについての御意見をいただいております。
なお、各事業の担当課は、いただいた御意見に基づき事業計画を見直すなど、次年度の予算編成に反映させております。
一方、総務省の統計から全国的な傾向を見ますと、さまざまな形で行政評価を実施している自治体の数はふえてきているものの、評価指標の設定や予算編成等への活用の難しさ、行政評価事務の効率化といった課題も多くの自治体から挙げられているところであります。
そのようなことから、議員御提案の統一的な評価表づくりについては、評価を実施する目的を明確に設定する必要があることや、制度導入の実効性を持たせるためにも十分な検討が必要であることなどから、当市の現状も踏まえつつ、他都市の実例等も調査しながら今後研究してまいります。
次の(2)黒字決算について及び(3)政府の予算執行抑制による影響については田名部副市長から、2、福祉のまちづくりについては福祉部長から、3、子どもの人権については教育長から後ほどお答え申し上げます。
私からは以上でございます。
〔市長小林眞君降壇〕
○副議長(八嶋隆 君)田名部副市長
◎副市長(田名部政一 君)私からは行財政についてのうち(2)と(3)についてお答え申し上げます。
まず(2)の黒字決算についてでございます。実質収支が黒字となる仕組みについて申し上げますと、予算では歳入歳出は同額となっておるわけですけれども、歳出については予算を超えた執行はできませんので、歳出決算額は予算額を必ず下回るということになります。
一方、歳入ですが、これは予算割れを起こさないように慎重に見積もっておりますので、一般財源ベースでは通常、予算を上回ることになります。したがいまして、特別な事情がない限りは実質収支は黒字になるという仕組みになっております。
また、年度末までは補正予算を定めまして、歳入歳出の予算額を決算見込みに近づけていくということはできるわけですけれども、税収ですとか歳入の一部につきましては、年度末あるいは出納閉鎖まで金額が確定しないものもございます。そうしますと、その確定額と予算額にはどうしても乖離と言いますか差額が生じますので、これは避けられないところでございます。
これらの黒字につきましては繰越金として翌年度に繰り越して、補正予算の財源として活用させていただいているところでございます。
特に昨年、東日本大震災を受けまして、復旧復興に取り組むべく数次にわたって補正予算を編成いたしましたが、貴重な財源として活用させていただきました。
以上のとおり、市民サービスを抑制した結果ということではなく、適切な財政運営を行っている結果、実質収支が黒字となっているものでございます。
なお、平成18年度に比べまして繰越金の額が大きくなっているという御指摘がございました。ただ、平成18年度に比べますと、一般会計の決算額自体が非常に大きく伸びまして1000億円台に上がっております。あるいは標準財政規模につきましても500億円程度まで伸びております。そういったことから、額そのものは多少伸びておりますけれども、それ自体が特段大きいとは思ってはおりません。
次に、政府の予算執行の抑制による影響についてお答え申し上げます。
国では、歳入不足を補てんするために毎年度、公債の発行の特例に関する法律、いわゆる特例法でございますが、これを国会に提出いたしまして、その議決を経て特例公債を発行しております。
今年度ですと、国の一般会計歳入予算90.3兆円のうち特例公債は38.3兆円、総額の42.4%を占めておるわけですが、特例法はさきの通常国会においては成立しませんでしたので、現時点では大幅な財源不足が生じる見込みということについては御承知のとおりでございます。
そこで、国ではその対応策といたしまして、9月7日に、9月以降の一般会計予算の執行についてを閣議決定いたしまして、予算の執行を抑制するという方針を打ち出しております。
これによりますと、9月4日交付予定でありました地方交付税につきましては、道府県分につきましては月割り交付とされましたが、市町村分につきましては分割しないで全額交付ということになりまして、実は昨日、全額交付されております。
また、医療、介護、生活保護などの地方公共団体向け負担金につきましても、当面は抑制の対象外とされております。
したがいまして、当市におきましては、現時点では特段の影響は出ておりませんが、市民生活の安定のためには、地方交付税や負担金等にかかわらず、国の予算執行が滞りなく進められることを強く望んでおります。
私からは以上でございます。
○副議長(八嶋隆 君)福祉部長
◎福祉部長(田名部源一 君)私からは、バリアフリー法による基本構想策定についてのア、バリアフリーの現状と課題についてと、イ、基本構想の見通しについてお答え申し上げます。
初めに、バリアフリーの現状と課題についてお答え申し上げます。
福祉のまちづくりの推進に当たっては、市民のための安全安心な生活の確保と、高齢者や障がい者等に配慮した生活の支援が必要であると考えております。
このことから、市ではこれまで公共施設における障がい者用トイレの整備を初め、点字ブロックの敷設や、スロープの設置を進めてきたほか、道路関係では、歩道の段差解消や、くらしの道ゾーン形成事業として電線地中化、歩道の拡幅など、バリアフリー化の促進に努めております。
しかしながら、当市におけるバリアフリー化が現状ではまだ十分とは言えず、高齢者や障がい者等に不便をかけているところもあることから、これらを今後どのように解消していくかが課題であると認識しております。
次に、基本構想の見通しについてお答え申し上げます。
バリアフリー法は、高齢者や障がい者、妊産婦、けが人などの移動や施設利用の利便性、安全性の向上を促進することを目的とした法律であります。
この法律の目指すものは、1つには、旅客施設や一定の道路のほか、百貨店、病院、福祉施設などの特別特定建築物等を新設、増設または改修をしようとする際に、移動等円滑化基準への適合義務を課すことによって各施設のバリアフリー化を推進することであります。
もう1つには、旅客施設を中心とする地区や、高齢者、障がい者が利用する施設が集まった地区などを重点整備地区として指定し、基本構想を作成することで面的、一体的なバリアフリー化を推進することであります。
重点整備地区内の施設等の管理者は、基本構想に沿って特定事業計画を作成し、バリアフリー化に関する事業を実施していくことになります。
当市といたしましては、一部地区を重点整備地区として指定し、重点的にバリアフリー化を進めるのではなく、市全体のバリアフリー化を推し進めてまいりたいと考えております。
このため、バリアフリー法、青森県福祉のまちづくり条例及び八戸市健康と福祉のまちづくり条例に基づく移動等円滑化基準への適合義務によるバリアフリー化を推進するとともに、機会をとらえて関係団体から意見を伺いながら、人にやさしい福祉のまちづくりに努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○副議長(八嶋隆 君)教育長
◎教育長(松山隆豊 君)次に、子どもの相談環境としての相談窓口についてお答え申し上げます。
子どもたちのさまざまな悩みや問題に対する相談環境として、まず学校では、養護教諭を含め全教職員が児童生徒の相談に対応できるように、組織的な教育相談体制を構築しております。
さらに、市内の小中学校にスクールカウンセラーや心の教室相談員を配置するとともに、総合教育センターに教育相談うみねこを設置し、児童生徒及び保護者の相談に対応しております。
また、各家庭に対しても、国や県、警察等を含めた少年相談機関を紹介したリーフレットを配布し、相談窓口についての周知を図っております。
これらのことにより、悩みを抱えた児童生徒や保護者が気軽に相談できる窓口を選ぶことができるように環境を整えております。
次に、スクールカウンセラーと心の教室相談員による取り組みについてお答え申し上げます。
スクールカウンセラーについては、現在、小学校7校、中学校15校に県から配置、派遣されております。また、市教育委員会で行っている心の教室相談員については、スクールカウンセラーが配置されていない中学校10校に配置されております。
各学校においては、スクールカウンセラーの活用により児童生徒や保護者がより専門的なカウンセリングを受けることができ、心の悩みや抱えている課題を解決することができるようになっております。
また、心の教室相談員により、問題を抱えた生徒たちに寄り添い、心にゆとりを持たせることで、問題の解決につながる支援ができております。
さらに、市教育委員会では、総合教育センターの教育相談うみねこに臨床心理士や精神科医を配置し、専門的な視点からの助言を受けながら、多様な相談体制づくりに努めております。
このように、各校での相談体制の強化と学校への支援体制の構築や連携を強めるなど、子どもの相談環境の整備に努力をしております。
今後は、さらに各相談窓口やスクールカウンセラーを活用しやすくするよう、保護者への周知に向けての努力をしながら、環境づくりや相談体制の充実を図っていきたいと考えております。
次に、スクールソーシャルワーカーの導入の必要性への認識についてお答え申し上げます。
当市では、平成20年度に県の委託事業を受け、1年間スクールソーシャルワーカーを6小学校に配置いたしました。
スクールカウンセラーは、児童生徒本人への働きかけにより問題の改善を図ることに対し、スクールソーシャルワーカーは、福祉の視点で児童生徒を取り巻く環境にも働きかけを行い、問題の改善を図るという点で大変有効であったと認識しております。
今、児童生徒が抱える問題への対応には、家庭に対する働きかけや、虐待問題における児童相談所との連携、非行等の問題行動に対する警察等との連携など、児童生徒を取り巻く環境への働きかけや連携の必要性が高まっております。
このような現状を改善するために、各機関との円滑な連絡調整をし、問題を解決していくためにスクールソーシャルワーカーの必要性を強く感じております。
次に、今後の見通しについてお答え申し上げます。
全国市町村教育委員会連合会においては、平成25年度文教施策と予算に関する要望書の中で、全中学校へのスクールソーシャルワーカーの配置を国に要望しております。
市教育委員会といたしましては、教育課長連絡協議会等で県教育委員会に対して、スクールソーシャルワーカーの配置について強く要望しております。
今後も文部科学省や県の動向を注視しながら、スクールソーシャルワーカーの導入について国や県に要望してまいりたいと考えております。
以上です。
○副議長(八嶋隆 君)三浦博司議員
◆11番(三浦博司 君)大変丁寧に、そして誠心誠意な答弁をいただきました。ありがとうございます。再質問と要望、提言があります。
まずは再質問からですけれども、市長にこの場をかりて伺いたいと思っています。それは政府による予算執行抑制の非常事態と、これはまさに戦後初というタイミングの中にあって、現時点で当市に影響は出ていないという副市長からの答弁でありました。
ただ、国から県への場合は分割と。当市の財政も、県とのかかわりということもあるわけでありまして、また、この先この状態がずっと続くというわけにもいかないというところはあろうかと、どんなに頑張っても11月までが限度だよと言われているわけであります。この事態に対する市長の所見をまず伺いたいと思います。
○副議長(八嶋隆 君)市長
◎市長(小林眞 君)三浦博司議員の再質問にお答え申し上げます。
今回の予算執行抑制の影響について、当市に当面大きな影響はないということにつきましては、先ほど田名部副市長からお答え申し上げたとおりであります。
今回の事態についての私の所見ということでありますけれども、やはり地方自治体、とりわけ財政力の弱い自治体にとっては、地方交付税は本当に根幹となる財源であります。これが歴史的に初めて、執行が抑制されるということは、まさに前代未聞のことだと思っておりまして、そういう事態を招いたことについて非常に驚きを持って見ていました。
私も地方財政に長らくかかわってきた人間でありまして、どんなことがあっても、最低限、地方交付税だけは支出すると。ある程度余裕があった場合、あるいはいろいろな制度改正等があった場合には、年度途中に交付税を増加して、また配分するというようなことはこれまで行われてきたわけでありますけれども、配らないという事態に至ったということについては非常に驚きを持って見ております。
何か少し国の政治の心構えというものが非常に劣化したのではないかと思っております。国のいろいろな政策を進める上で、地方がやっていることの重要性、大事さということについての認識が非常に薄れてきているのではないかという、本当に危機的な状況にあるというふうに思っております。
私も国の役人をやっておりましたけれども、最終的に市町村がさまざまなことをやっているわけです。福祉の面も含めて、国民の最低限度の生活を守るための仕事をやっている、そこだけは必ず守るということが国の政治家たる者の最低限の矜持というか心構えではなかったかと思うのですけれども、その点について、マスコミも含めてでありますけれども、何か問題意識がないと受けとめざるを得ないような状況が続いていると、非常に憂慮しておりまして、しっかりと考えを、国民の生活を守るという基本に立ったような国政運営を強く望むというものが私の考えであります。
○副議長(八嶋隆 君)三浦博司議員
◆11番(三浦博司 君)ありがとうございます。市長の率直な思いに触れることができました。私もその市長の思いに触れて、本当にそのとおりだと思うわけです。
どこか劣化した矜持や心構えということ、国と地方の関係とか、内政または外交という中で、日本の政治の未来をどのようにつくり上げていくかという、今この過渡期にあって、まず今後、政権をどう安定させて、どう国益を追求していくのかと。そういう部分では、地方はいつまでも黙っていられないと思っていますので、この部分でも市長の発信力、リーダーシップを期待したいと思いました。
あとは、時間の許す限り要望と提言をさせていただきたいと思います。
まず行財政についてでございます。戦略プロジェクト、これは第5次総合計画の後期推進計画にしっかりと盛り込まれ、また、会派の先輩であります石橋充志議員による個別の政策評価というふうな中でも、戦略プロジェクトを中心に当市の体制ができているなということ、またホームページ上でもそれを見ることができる、公募の市民による第三者の評価も行っているという意味では、私は市民にとってとてもよいことだと思っておりますけれども、議会も議会全体として、この評価に加われる仕組みを検討していかなければならないと、それは私個人としても思うわけです。
まず一番は、同じ評価様式と形式を用いて、議会も評価を行う機会をつくるという点。というのも、例えば類似の自治体の議会として、行政改革推進課もその団体に挙げているのですが、神奈川県茅ヶ崎市議会では、まさにその総合計画の中で特に25事業を選んで、決算特別委員会等で事業評価を実施しています。
そしてその評価結果を市長に報告した後、どのように反映されたかという報告を、その後市長が議長に行って、そういう返しをしているんです。
その後、市議会では議会報告会という、そういう住民とのコミュニケーションの機会を使って地域住民に伝えるということによって、ああ、議会、やっているな、議会はこういうことで事業を評価し、予算にも反映させて、議会全体として頑張っているのだなということが市民に伝わりやすい環境を実現しているというところもあるわけです。
まず、当市議会も議会改革の検討が進んでいるわけですけれども、今後具体的な活動が行われていく中で、必要な視点になってくるのではないかと思っております。
また、類似のほかの都市では、決算特別委員会専用の事業評価シートをつくって、そのシートをもとに、行政と、そして議会議員との建設的な発展的な事業評価の話し合いの機会をつくり上げているというところもありますので、当市でも導入の必要性は高いのではないかと、その点、提言したいと思います。
そして、黒字決算についてでございました。仕組みは理解いたしましたが、ただ、金額が大きいと思うのです。27億円――そこで数百円とか、まあ、数百円というのはないかとは思うのですけれども、でも、億単位という、しかも何十億円という2けたの億の金額が、次期に繰り越した分を差し引いても残っているという実質収支黒字決算の状態が、もったいないなというのが私の印象です。
ただ、そうは言っても、壇上でも申し上げましたが、市民ニーズが満たされないままに1年が過ぎているとしたら、それは大変問題だと。そういうことは防がなければならないわけでありますけれども、そのような状況ではないと。
だとすれば、先ほども申し上げましたが、まさに事業評価という体制をどのように、より行政各課に浸透させて、予算要求の際に、より確度の高い予算要求、または積み上げにしていくかということの議論に尽きるのではないかと思いますので、例えば行政改革推進課が庁内で研修会を開いて、まず公共経営とまではないのか、そこまで踏み込むのかわからないのですが、そういう当市の財政の特徴などを伝えながら、予算要求をする際の建設的な議論に役立てるような工夫、これも最適な配分により近づけられるのではないかと思いますので、ぜひ検討していただきたいと思います。
次に、福祉のまちづくりについてです。当市には健康と福祉のまちづくり条例という大変評価すべき条例があります。それは、まさにバリアフリーの必要性に触れているのですけれども、一義的には、その実現に向けての基本構想策定は行政が行わなければならないということは道理だと思うのです。
ただ、現状では道半ばと、不便をかけているところもあるというふうな答弁でありましたけれども、一方で、では、やるかと言ったら、重点的にやるよりは、全市的にバリアフリー化を進めていきたいという慎重な対応の答弁でありました。
計画がなければ、そのバリアフリーが全市的にどのように進められていくのか、その進捗管理も含め、また我々議会、そして市民がその評価に対してどう意見をしていけばよいのかという部分もありますので、やはりここは法律、バリアフリー新法というものがありますので、それを上手に利用した策定の考え方を考慮していただけたらなと。
ただ、恐らく国の支援がまだまだかなというふうな行間を感じてはいます。現に青森市が、青森県で唯一策定しているわけですが、担当者に話を聞きました。やはり青森市でも財源、予算、そういうものがハードルになっているということを、策定しているほうでも、今頭を悩ませているということでありました。
そういう意味でも、市長がリーダーシップをとっていただいて、さまざまな部分で、バリアフリー推進のための国の支援が足りないぞというふうな声を強く出していただきたい、ここを提案させていただきます。
あとは答弁で、機会をとらえてバリアフリーのあり方の意見を伺いたいと言っておりました。私は賛成です。これはPRを充実させることによって、声なき声というものは必ずあります。どうしても、かなり泣き寝入りしている、そういう立場にあります。そういう意味においては、バリアフリーについて話し合う場をまず設けるということを始めてほしい。
今回この質問をつくるに当たって、いろいろなところで話を聞かせていただきましたが、バリアフリー新法での基本構想策定にかかわれるということも、または当市のこの条例が、平成19年という施行の期間でもあったので、その条例も知られていない、うまく現場に浸透していないという実感を持ちました。行政の担当課もしかり、市民、業者もそのような印象を持ったわけです。
そういう意味でも、こういう構想がありますよという情報発信やPRをすると、必ず地域のバリアを発見してみようとか、そのバリアフリー化に対してどういうことができるかという、まさに協働のまちづくりと言いますか、知恵を出し合う雰囲気ができるのではないか。その提案を受けて、どうしていけばよいかを考えていくということがまず大事ではないかと。
そういう意味では、国土交通省ではファシリテーターとしてバリアフリープロモーターというものを派遣しますと言っているわけですから、まずはそこから前向きに検討していただきたい。
恐らく各町内の防犯パトロールをしながら、側溝とか道路とか、そのような部分で、必ずいろいろなバリアを感じているわけですので、まずそういう声を拾うことを、こういう法律と条例があるということを現場に浸透させてみて、そのリアクションを感じていただきたいと提言します。
あと、そのバリアフリーをどうしたら進められるかと私なりにも考えたのですが、今、八戸市の市道の維持補修は毎年、各地域で更新依頼が多く、またふえているはずです。更新投資という需要がこれからますますふえていくという地方の現状も指摘されているわけです。
昨日も石堂・河原木地区の道路環境整備についての議論がございました。あちこちで30年以上という住宅街、また道路、側溝、歩道、そういうものが朽ちているというところをつくりかえていく時期という中で、まさに、ただそのまま修復するのではなく、そういうときだからこそ、バリアをなくしていく補修につくりかえていくという発想を、担当部また課は持っていただきたいと思います。
私は、このバリアフリー化というものは、まさにコンクリートにも人にもよい公共事業だと思っております。
高齢社会を迎えて、必ず今後重要な政策論点となり、国の支援も充実されていくと思いますので、今のうちに行政内部に、少なくとも福祉政策と都市政策が一体となった、コミュニケーションをとれる体制をつくっていただきたい。
現状、私はそこにちょっとした疑問を感じています。そういう横断的な施策と事業が推進できる評価体制を今から準備していくことは無駄ではないと思いますので、その準備をお願いいたします。
最後に、子どもの人権についてです。相談環境について、家庭に相談機関一覧を配布するという対応をとっているということでしたので、より一層の浸透に努めていただきたいと思います。
スクールカウンセラーを補完するために市の単独事業で行われている心の教室相談員の取り組み、現状は大変限られた予算の中で取り組まれているなというふうな印象を持っております。
スクールカウンセラーに関して言えば、1人のスクールカウンセラーに対して3校の学校を受け持つというふうな中で、大変厳しい状況にあるなと。そういう部分はぜひ予算措置をお願いしたい分野です。
そして、スクールソーシャルワーカーの導入について、これは教育と福祉の融合という分野では、子どもの人権を何よりも大切に守り、子どもを取り巻く環境をケアして、さまざまな問題に対して対応できる制度として、私は現状で一番の解決策だと思っております。
また、教育現場では、いまだにスクールソーシャルワーカーを導入したら学校の負担がふえるのだというふうな誤解もあると伺っています。決して負担になるのではなく、むしろ負担を分かち合える制度だという利点を教育現場に周知させていただきたいと思います。
ただ、まだ平成20年度1年間の1年きりの事業で、今行われていないわけで、財源をどう確保していくのかが大事なわけでありますけれども、文部科学省も充実に動くということですので、この部分が削られていくことのないように、繰り返しになりますけれども、市長にもまた機会があるごとに、この分野の充実を働きかけていただきたいと思っております。
まず一番は、市の単独事業でできればよいのでありますけれども、平成20年度は年間300万円で6人のスクールソーシャルワーカーを県から派遣してもらって、6つの小学校で実施されたと。年間300万円で6名ということは、例えば仮に中学校の学区に1人という形で配置できたら、年間大体1300万円程度かと思うわけです。
そうすると、先ほど触れた27億円の黒字決算を全額投入したら200年は継続できる事業になるのです。それを考えると、繰り返しますけれども、この事務事業の評価体制とか予算要求の積み立て方の整備、また、議会も含めて、第三者との建設的な議論ができる環境をよりよくしていただきたいと思うわけです。
そういうことが美しい八戸、心ときめく八戸、住みたくなる八戸をにどう実現させていけるかという話し合いの広場につながっていくのではないでしょうか。
最後に、スウェーデンから始まった、広まった考え方ということで紹介させていただきたいと思います。子どもオンブズパーソン制度という考え方が日本でも広まっているということで、兵庫県の川西市の取り組みが有名です。
子どもの味方になってくれる、とことん味方になるという制度で、この制度のあり方も今後ぜひ調査研究していただきますようお願い申し上げます。
この時間で、るる要望を申し上げさせていただきました。一番は事業の評価体制をどのようにつくっていくのか、議会も含めて考えていくことで、どこに、どの分野に事業を重点配分していくかという意見の交換の場を構築していくことが、八戸の新しい未来を切り開いていく、そして八戸に移り住みたくなるまちづくりになっていくのではないかということを改めてここの場でお伝えいたしまして、私の一般質問とさせていただきます。ありがとうございました。
○副議長(八嶋隆 君)以上で11番三浦博司議員の質問を終わります。
この際、暫時休憩いたします。
午後2時46分 休憩
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午後3時00分 再開
○議長(秋山恭寛 君)休憩前に引き続き、会議を開きます。
一般質問を続行いたします。
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7番 夏坂修君質問
○議長(秋山恭寛 君)7番夏坂修議員の質問を許します。夏坂議員
〔7番夏坂修君登壇〕(拍手)
◆7番(夏坂修 君)平成24年9月定例会に当たり、公明党の一員として市長並びに関係理事者に質問をいたします。
世界じゅうが熱狂と感動の渦に包まれた
ロンドンオリンピック。日本じゅうでロンドンに届けとばかりに、眠い目をこすりながら熱い声援を送り、その期待にこたえた日本人選手の活躍に、多くの国民が大きな感動と勇気をいただいたことでしょう。
過去最多の13競技で38個のメダル獲得という輝かしい成績もさることながら、日本人選手のパフォーマンスの質の高さというものに多くの国民が魅了されたのではないでしょうか。
その選手たちの活躍の原動力となったのは、国を挙げて整備された練習環境があったのはもちろんのこと、何よりもコーチングスタッフや家族の支え、そして震災を経験して深まった人とのきずなをバックボーンにできたことによるメンタルの強さだったのではないかと感じております。
また、オリンピックの興奮さめやらぬ中行われたパラリンピックにおいても、障がいのハンディを物ともせず、表彰台を目指し奮闘を続けた選手の姿に、ただただ敬意と称賛の拍手を送りたいと思います。
パラリンピックの開会式でホーキング博士が、すばらしい達成、友情、そして互いへの尊敬をともに祝おうと語ったように、オリンピック、そしてパラリンピックは選手、観客、スタッフ、ボランティアなど多くの国境を越えた人々が、人種や宗教に関係なく参加し、楽しみ、ともに盛り上げる、みんなの、みんなによる、みんなのためのスポーツの祭典であるということを改めて痛感させていただきました。
このすばらしい祭典が永遠に続くこと、そして近いうちにここ日本で開催されることを強く念願し、以下、質問に入らせていただきます。
最初はスポーツ振興について、1点目にスポーツによる地域活性化について伺います。
ロンドンオリンピックでは、何といっても女子レスリングで地元八戸出身の伊調馨選手、小原日登美選手の金メダル獲得は八戸市民に大きな感動を与えてくれました。
そして、それに続けとばかりに、光星学院高校野球部が夏の甲子園大会で3季連続となる準優勝という快挙をなし遂げ、八戸市全体が歓喜と興奮のるつぼと化しました。
伊調、小原両選手の活躍ぶりが紹介されるたびに、出身地である八戸という言葉がキャスターから発せられ、また、光星学院野球部の選手たちが試合に出るたびに、ユニフォームの右そでに刻まれた八戸という文字がテレビ画面に映し出されたことで、八戸という地名が全国にとどろき渡り、一躍全国区となりました。
しかも、全国そして世界で活躍できる選手を輩出している八戸とはどういうまちなのかという、一目置かれる存在になったことは間違いないと思います。
それだけスポーツにおける地元選手の活躍は、地元地域社会に及ぼす影響が大きく、地域を活性化させる原動力になると考えます。
近年、まちおこしのコンテンツの一つとしてマラソンなどの市民参加型スポーツイベントや、観戦型スポーツイベントの開催、あるいはスポーツ合宿、キャンプ誘致などを実施することで生まれる経済波及効果に地域が注目し始めています。
電通と早稲田大学による共同調査、地方自治体におけるスポーツ施策のイノベーション調査によると、多くの自治体がスポーツを通じた地域活性化に高い関心を持ち、従来の健康や教育といった効果に加え、観光・スポーツ関連産業振興といった経済的な効果をスポーツ施策の目的とする自治体がふえつつあり、スポーツによる地域活性化とその経済効果を求める自治体が今後増加すると予想しております。
国においては昨年6月にスポーツ基本法が制定され、観光庁がスポーツ観光推進室を設置するなど、スポーツを取り巻く新しい動きが活発化しております。
当市も復興計画の中においてスポーツ振興の施策を掲げているように、復興におけるスポーツと観光の果たす役割は大きく、優秀なスポーツ選手の輩出で全国から注目をされている当市としても、スポーツと観光を融合したスポーツツーリズムの推進により地域活性化を図っていくべきと考えます。
そこで、アとしてスポーツツーリズムの必要性と取り組みの考えについて市長の所見をお伺いいたします。
スポーツによる地域の活性化には、スポーツと地域の関係性をいかに高めていくかが重要なかぎとなります。そのためにはスポーツの大会やイベントを通じた地域住民との交流はもちろんのこと、魅力あるコンテンツづくり、大会、合宿の招致や受け入れのコーディネートなどをワンストップで担い、観光施設や商店などの企業、観光団体、スポーツ団体などと連携し、行政側とも意識を共有しながらスポーツツーリズムを推進するエンジン役が必要になると考えます。
当市のスポーツ振興のかぎを握る八戸スポーツ振興協議会は、現在アイスホッケーチーム東北フリーブレイズなど、地元を活動拠点とするスポーツチームへの支援をしながら、地域住民との交流を図る活動を展開しておりますが、今後はスポーツと観光を融合させ、地域の集客マーケティングを行う推進母体のような機能を持たせ、スポーツツーリズムを推進するエンジン役としての活躍を私は期待をしております。
そこで、イとして、今後の八戸スポーツ振興協議会の機能強化について市長の所見をお伺いいたします。
2点目に、長根公園のスポーツ施設の再編について伺います。
スポーツによる地域の活性化には、携わる人や組織などのソフト面の充実はもちろんのこと、スポーツ施設の整備というハード面の充実も重要であります。
長い間、市民の健康維持と幾多のスポーツ競技の開催により記録と記憶を残してきた、歴史と伝統のある長根公園が、屋内スケート場の整備構想を契機に、新たな形に生まれ変わる、そのための再編計画が現在検討されております。
長根公園再編プラン検討委員会に出された長期的なプランイメージによれば、長根公園を、緑と水をテーマにしたセントラルパークを目指す一方、野球場、プール、運動場、多目的広場などの体育施設、さらには武道館、相撲場、弓道場までもがなくなる見通しになっているようです。
出された計画はあくまで暫定案ということのようですが、これまで多くの市民が汗をかきながら幾多の思い出を刻んだ体育施設がなくなってしまうのか、またどこに移転されるのか、このことは市民にとっての大きな関心事となっていることは間違いありません。
検討委員会の委員からは、体育施設の移転や代替も一緒に考えるべきとの意見が出されており、今後パブリックコメントの実施も考えているようですが、移転する体育施設や代替地の検討を今後どのように進めていかれるのか、その考え方、方針についてお示し願います。
次は、医療行政について、1点目にドクターヘリの広域連携について伺います。
平成21年3月に八戸市立市民病院に配備されたドクターヘリは、多くの劇的救命を積み重ね、県内の救命率の向上に多大な貢献を果たしながら、市民病院と県立中央病院との共同分担運航を経て、いよいよ来月10月1日から2機体制での運航が開始されます。
2機体制になることにより、青森県内の大部分が2つの基地病院から50キロ圏内となり、重複要請にも対応可能となることで、県内の救急医療体制のさらなる充実が大きく期待されております。
加えて、ことしになって秋田、岩手両県でもドクターヘリの運航が開始されたことで、3県のドクターヘリの県境を越えた運航による広域連携への期待が高まっております。
この北東北3県による広域連携については、救急医療連絡会議において、他県への出動範囲を原則として基地病院から半径100キロ圏内とする基本事項が合意されたようですが、運航の条件としては、あくまで災害時や出動要請が重複した場合などの、自県で対応できない場合に限られ、相互乗り入れの開始時期についても明確になっておりません。
また、通常時の八戸市民病院から岩手県北への運航についても、時期尚早であるとの判断を受け、先月27日に小林市長を会長とする北奥羽開発促進協議会が青森県に早期の連携開始を要望したようですが、県の前向きではない対応を見ると、ドクターヘリが県境の壁を超えるにはまだまだ時間の経過が必要なようです。
小林市長が、県境があるから飛んでいけないのはナンセンスと指摘されているように、いつでも飛んでいける体制にある市民病院配備のドクターヘリが、県境のすぐ向こう側で苦しんでいる命を、目に見えない県境の壁に阻まれ、救うことができないことは、それこそ本末転倒であります。
そこで、ドクターヘリの北東北3県の広域連携について、相互乗り入れ運航の課題と見通しについてお示し願います。
2点目は、脳ドック検診について伺います。
日本人の死亡原因として、がん、心臓病に次いで第3位を占めているものが脳卒中であり、死亡者は年間14万人にも上り、入院患者数や外来患者数もともに年々増加している現状にあります。
また、寝たきりのお年寄りの約4割が脳卒中患者であるように、脳卒中は寝たきりになる疾患の第1位で、心筋梗塞の発症率と比べても、脳卒中の発症率は3倍から10倍となっていることからも、いかに予防と治療が重要であるかは疑う余地がありません。
脳卒中は突然発症して、一瞬のうちに生命を奪ったり、言語障害や麻痺などの重い後遺症を残すこともあるため、ふだんから脳卒中の3大危険因子とされる高血圧、糖尿病、高脂血症などにならないようにするために、生活習慣の改善を図り、また脳ドックなどの定期的な検診を受けることが脳血管疾患の予防につながると言われております。
特に脳ドックは、自覚症状がない段階で小さな脳梗塞を発見したり、クモ膜下出血の原因となる脳動脈瘤や奇形を見つけることで早期の発見にすぐれた成果を上げております。
しかしながら、検診費用が現状3万円から4万円という高額なこともあり、簡単に受診できる体制にはなっておらず、そのため自治体によっては検診費用を助成しているところがあります。
そこで、当市としても脳卒中の早期発見、早期治療につながる脳ドック検診を気軽に受けられる体制を整備するべきと考えますが、当市の脳ドック検診の受診状況と検診費用の助成の考えについて所見をお伺いいたします。
次は福祉行政について、1点目に高齢者の買い物支援について伺います。
少子高齢化や過疎地域の拡大が進む中、移動手段がない高齢者を中心に買い物弱者がふえており、最近では中山間部だけでなく、地方都市や首都圏近郊の団地にも広がっており、経済産業省の推計によると、買い物弱者は全国で600万人にも上っております。
支援策として経済産業省は宅配サービスや移動販売、交通手段の提供などを挙げ、民間で採算がとりにくい地域では自治体の補助や公的施設の活用を提言し、流通業者には、自治体や商店街との連携や、店舗撤退時の後継者確保などを求めており、全国の各自治体ではこうした提言を受けて、地域の実情に合わせたさまざまな買い物支援事業を展開されているようです。
当市においても郊外型店舗の拡大による小売商品店舗の縮小や公共交通の路線廃止、また家族構成の変化などに伴う買い物弱者が顕在的にも、また潜在的にもふえているのではないかと推察いたします。
一部の流通業者では既に宅配サービスなどを実施し、それを実際に利用されている高齢者もおり、また介護保険サービスによる福祉的な支援の中で対応がなされているケースもあるようです。
しかしながら、買い物に不便を感じ、また支援を必要としているのにもかかわらず、我慢やちゅうちょによりそのニーズを外に発信できない高齢者もいると考えられます。そのためにも、その実態を把握し、きめ細かなサポートをしていく必要もあると考えます。
そこで、買い物支援を必要としている高齢者の現状把握を含めた支援の現状と今後の取り組みについてお伺いいたします。
2点目は、障がい者の就労継続支援について伺います。
2006年に障害者自立支援法が施行され、さらに翌年の2月に取りまとめられた成長力底上げ戦略において、「福祉から雇用へ」推進5か年計画の策定により、障がい者の地域における福祉的就労から一般就労への移行を推進することとされました。
できないことに目を向けることから、できることに着目し、能力を仕事に結びつけ、発揮してもらおうという考えは、就労を通じた社会的評価を得られることからも、障がい者にとって大変有意義なことであると認識しております。
実際、障がい者の就労状況は、障害者雇用促進法などの法整備や、社会全体の障がい者への意識変革もあり、相対的によくはなってきているようですが、通常の事業所での雇用が困難な障がい者のための就労継続支援についてはさまざまな課題があるように見受けられます。
当市においては、雇用契約を結んで就労支援するA型の事業所が先進都市に比べまだまだ少なく、運営上の問題も抱えているように思われます。
そこで伺いますが、1点目に、当市のA型、B型それぞれの事業所の就労継続支援サービスの現状について、2点目に、就労継続事業所が抱える課題についてそれぞれお伺いいたします。
次は教育行政について、1点目に領土問題に関する学校教育の現状と課題について伺います。
このところ、ロシアや韓国の最高指導者が日本領土に足を踏み入れたり、中国や台湾関係の漁船や活動家による領海侵犯、上陸騒ぎが頻発するなど、日本と隣接する国家との間で領土をめぐる問題が大きく取り上げられております。
竹島、尖閣諸島、北方領土は紛れもなく日本固有の領土であり、領有権をめぐっては相手国に対し一歩も引かない姿勢と、未来を見据えた戦略的な外交が必要であることは言うまでもありません。
しかしながら、政府関係者が繰り返す、歴史的にも国際法上も我が国固有の領土という言葉の意味するところを、日本でどれだけの人が理解し、また正当な根拠を示し、自信を持って日本の領土だと言える人が一体どれだけいるのか、疑問に思うところがあります。
韓国の小学校では、竹島は韓国の領土という歌を歌わせ、中国では1990年代から愛国主義教育を始め、愛国は無罪という共通認識が定着しているようです。
日本においては、教育現場での行き過ぎたナショナリズムの植えつけは絶対に避けなければなりませんが、領土についての歴史的な事実と正しい知識を学校教育の中でしっかりと教えていかなければならないと考えます。
そこで、領土問題が学校教育の中でどのように教えられているか、現状と課題についてお伺いいたします。
2点目は、いじめ対策について伺います。
いじめの苦しさから抜け出そうと、みずからの命を絶つ子どもが後を絶ちません。親の目の届かないところでいじめに遭い、みずから命を絶つという事態に直面した親御さんの心情は、容易に推しはかることはできません。
こうした事件が起きるたびに問われるべきは、関係者が子どもの悲痛な叫びを受けとめ、いじめに真正面から対処しようとしたかという点であります。
そういう意味では、滋賀県大津市で起きた中学2年生のいじめ自殺事件は、関係者の対応に大きな疑問と憤りを感じざるを得ません。
特に学校側と市教育委員会のずさんな対応が際立ち、その典型的な例が、学校側の、本人に確認したらいじめを否定した、けんかだと判断したという発言で、いかに日ごろのいじめの実態を重く受けとめていなかったかが露呈されました。
また、自殺直後の2回のアンケート調査の中で、男子生徒の、自殺の練習をさせられていた、葬式ごっこなどの回答を無視し、その言葉の存在すら遺族に説明しなかった市教育委員会の責任感の欠如には、ただただあきれるばかりであります。
もちろん多くの学校関係者がいじめ撲滅に向けて取り組んでいることは間違いありません。一方で問題に真っ先に対処すべき教員を取り巻く環境は厳しく、残業時間がふえ、授業の準備時間が制約されるなど、教育以外にも多くの労力を割かれている問題があります。
文部科学省は5日、いじめ問題で学校や児童生徒を支援する専門家の組織を全国200地域に設置することを柱とする総合的ないじめ対策を発表し、第三者機関の設置や外部人材の活用、またスクールカウンセラーの大幅な増員を図ることとしましたが、私は教員が一人一人の子どもと丁寧に接することができるよう、教員数の増加や教員各自の役割分担の明確化など、現場の負担軽減と効率化を急ぐことも重要であると考えております。
いじめは、どの学校でも起こり得ます。しかも、根が深く、簡単に解決はできません。だからこそ学校関係者には何よりも子どもの視点に立ち、個々の事例を検証し、いじめの予兆を見逃さない体制の整備に全力を挙げていただくことを強く要望し、以下4点についてお伺いいたします。
1点目に、定期的なアンケート調査及び今回の文部科学省の緊急実態調査におけるいじめの実態調査の内容とその結果について、2点目に、いじめの認識や定義を明確化し、教職員や生徒がいじめの兆候を早期に発見できる体制をどのように構築しているか、3点目に、いじめがあった場合の被害者の保護や心のケア及び加害者への措置など、再発防止にどのように取り組んでいるか、4点目に、いじめを未然に防ぐ、また、いじめが認知され、最悪の事態を回避するためにも、学校と行政が速やかに連携をとることが肝要でありますが、教職員、学校長、教育委員会の情報の共有化について、それぞれお伺いいたします。
以上で壇上からの質問を終わります。
〔7番夏坂修君降壇〕(拍手)
○議長(秋山恭寛 君)市長
〔市長小林眞君登壇〕
◎市長(小林眞 君)夏坂議員にお答え申し上げます。
まずスポーツツーリズムの推進についての御質問ですが、観光庁では観光立国推進基本法に基づき、平成23年6月14日にスポーツツーリズム推進基本方針を策定しております。
スポーツツーリズムとは、1点目として、スポーツを通じて新しい旅行の魅力をつくり出し、我が国の多種多様な地域観光資源を顕在化させ、訪日旅行、国内観光の活性化を図り、「より豊かなニッポン観光の創造」を目指すものであります。
2点目として、スポーツと観光の垣根を越えて地方公共団体や各種団体間で連携協働し、大会、合宿招致等を観光まちづくりにつなげるものであります。
スポーツツーリズムにより期待される効果として、訪日外国人旅行者の増加、国際イベントの開催件数増加、観光旅行の宿泊数の増加、観光旅行の消費額増加の4点を挙げており、当市においてもその効果があると期待され、必要であると認識しております。
当市のスポーツツーリズムに対する現在の取り組みについては、スポーツツーリズム推進基本方針の内容を精査している状況であり、具体的な活動は行っておりませんが、議員からの御提案を踏まえまして、今後各関係機関と協議しながら検討してまいりたいと考えております。
次に、八戸スポーツ振興協議会の機能強化についてお答え申し上げます。
まず、八戸スポーツ振興協議会の現在の活動内容につきましては、当市を活動拠点とするスポーツチームを応援、支援するとともに、地域スポーツの振興と地域経済の活性化を図ることを目的に、アイスホッケーチームの東北フリーブレイズ、サッカーチームのヴァンラーレ八戸フットボールクラブを支援対象として活動を行っております。
事業内容は、知名度の向上を図る広告宣伝事業、市民との交流を図るイベント支援事業等を行っており、また、協議会加盟団体及び市内各施設にチームPRポスター等の掲示、広報はちのへに特集記事の掲載、市内各小中学校にスポーツ教室の選手派遣の紹介等を行っております。
当市のスポーツについては、
ロンドンオリンピックにおいて伊調馨選手、小原日登美選手が見事金メダルに輝き、特に伊調馨選手はオリンピック3連覇という偉業を達成されたこと、また夏の甲子園大会では光星学院高校が3季連続の準優勝に輝いたことにより当市のスポーツが注目を浴びているところであり、市といたしましても各種競技の底上げがなされるよう、スポーツの一層の振興に努めてまいりたいと考えております。
スポーツによる地域活性化については、地元選手の活躍等もあり、必要であるものと認識しておりますが、現在の各種大会、合宿招致等の窓口や招致チームの受け入れ対応は、一部を除きまして各競技団体が行っているのが現状であり、市としての一括した窓口機能や取り組みがないのが現状であります。
八戸スポーツ振興協議会に、スポーツツーリズムと絡めた各種大会、合宿招致等の窓口機能を持たせることについては、各競技団体や観光部門を初めとした各関係団体間の連携を密にして進めていく必要があり、時間を要するものと認識しておりますが、これまでの冬季国体や冬季アジア大会等の開催時における実行委員会の実績や議員からの御提案を踏まえまして、今後関係各機関と協議しながら取り組んでまいりたいと考えております。
次に、長根公園のスポーツ施設の再編についてお答え申し上げます。
現在、長根公園内には体育館、スケートリンク、市民プール、野球場、運動場、多目的広場などの施設が設置され、多くの市民の皆様に利用していただいております。
長根公園の再編に伴う既存施設の移転や代替地については、現在、長根公園再編プラン検討委員会を設置し、県立屋内スケート場の建設に伴う施設の再編及び長根公園の今後のあり方について検討しているところであります。
このうち多目的広場と運動場の敷地や公園内のスポーツ施設については、将来的に移転等が必要となってきますが、現在のところ移転や代替地に確保については、具体的な検討まで至っておりません。
既存のスポーツ施設の機能移転や代替地等の確保につきましては、これまでの長根公園に関する検討の経緯や、本年12月までに終了予定である長根公園再編プラン検討委員会の検討結果を踏まえ、今後検討してまいります。
次に、ドクターヘリの広域連携についてお答え申し上げます。
まず、北東北3県のドクターヘリ運航事業についてでありますが、青森県は平成21年3月に運航を開始し、以来1200回を超える出動実績があり、本年10月には東北で初めて、また全国では5番目となるドクターヘリ2機配備の予定となっております。
また、秋田県は本年1月、岩手県は本年5月より運航を開始しており、北東北3県における広域連携が可能な環境が整ったところであります。
北東北3県によるドクターヘリの広域連携について、3県の担当者による事務レベルでの情報交換会がこれまで4回行われ、本年7月には3県及び運航関係者による北東北3県ドクターヘリ及び救急医療連携会議が開催されたところであります。
当会議において、北東北3県における運航連携の早期実現について基本的合意がなされ、その合意の中で、県境を越えた出動については、大規模災害時や自県のドクターヘリが出動できないとき等、現時点では限定的な内容となっております。
ドクターヘリは15分50キロメートル圏内が最も効果的にその能力を発揮するものであり、さらに救急医療用ヘリコプターを用いた救急医療の確保に関する特別措置法において、地域の実情に応じ、都道府県の区域を超えた連携及び協力の体制が整備されることと規定されております。
当市といたしましても、救急医療に県境はないとの観点から、北東北3県連携による相互乗り入れが早期に実現されるべきものと考えております。
また、当市を含み隣接する青森・岩手・秋田県の24市町村で構成される北奥羽開発促進協議会では、北東北3県連携の先駆けとして、青森・岩手両県知事に対し、両県におけるドクターヘリ広域連携の早期実現に向けた要望書を提出し、救急現場に最も近い基地病院からの出動が可能となるよう働きかけてまいりました。
当市といたしましては、北東北3県それぞれの運航調整委員会の議論等を注視しながら、少しでも早く県境を取り払ったドクターヘリの広域連携が実現されるよう、今後とも北東北3県に強く働きかけてまいりたいと考えております。
次の(2)脳ドック検診については市民健康部長から、3、福祉行政については福祉部長から、4、教育行政については教育長から後ほどお答え申し上げます。
私からは以上でございます。
〔市長小林眞君降壇〕
○議長(秋山恭寛 君)市民健康部長
◎市民健康部長(梅内昭統 君)私からは、2、医療行政についての(2)脳ドック検診についてお答え申し上げます。
当市の死因別死亡状況を見ると、脳血管疾患は、ここ数年、悪性新生物、心疾患に次ぐ第3位で、平成20年の死亡者数は273人、平成21年は272人、平成22年は291人で推移しており、全死亡に占める割合は毎年12%程度となっております。
市内における脳ドック検診は、公的3病院及び脳神経外科の開業医等で実施していますが、このうち公的3病院の平成23年度の合計受診件数は206件で、その1件当たりの費用は約3万円から5万円と聞いております。
また、206件のうち共済組合あるいは会社などから検診費用の助成を受けているものは91件で、全受診件数の約44%を占めています。
当市では、健康寿命の延伸を目的とした市の健康増進計画である健康はちのへ21計画で、脳血管疾患予防対策を重点戦略の一つに掲げ、その危険因子であります過食、運動不足、喫煙など不適切な生活習慣の改善や、メタボリックシンドロームの予防などに関する正しい知識の普及啓発とともに、特定健康診査の受診率の向上と特定保健指導の充実を図ることで発症の予防に努めております。
脳ドック検診は、脳血管疾患の早期発見に効果的であると考えておりますが、検診費用の助成制度の創設につきましては、助成対象者や脳ドック検診を実施している医療機関の受け入れ体制などを考慮しながら、今後検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(秋山恭寛 君)福祉部長
◎福祉部長(田名部源一 君)私からは福祉行政について、高齢者の買い物支援についてと、障がい者の就労継続支援についてお答え申し上げます。
初めに、高齢者の買い物支援についてですが、買い物が困難となっている高齢者の現状についてですけれども、買い物の困難さについての単独の調査は実施しておりませんが、平成23年3月に行った介護保険に関するアンケートの中で、介護保険の認定を受けていない65歳以上の高齢者1200人を対象に、買い物の困難さについて調査を実施しております。
アンケート結果と高齢者人口をもとに推計すると、買い物が困難な高齢者は、平成23年3月時点で約1600人いるという結果となります。その方々は身内や親族の協力、民間事業所のサービスを利用しているものと推測されます。
民間事業所のサービスとしては、八戸中心商店街まごころ宅配サービス、スーパー等による宅配サービス、タクシー会社によるお使いタクシー、牛乳配達業者による買い物支援などがあります。
なお、介護保険の認定を受けている方の中で、買い物が困難な高齢者は、訪問介護サービスを利用し買い物支援を受けております。平成24年7月末現在、2890人の方が訪問介護サービスを利用しております。
これからも高齢者人口が増加するに伴い、さらに買い物が困難な方もふえていくものと思われます。市は今後も引き続き介護保険に関するアンケートの中で、買い物が困難な高齢者の実態把握に努めていく予定です。
また、買い物の支援については、民間事業所が行っている買い物支援サービスの情報収集に努め、広く高齢者に周知してまいります。
次に、障がい者の就労継続支援についてお答え申し上げます。
就労継続支援サービスは、自立支援法に基づく事業であり、就労継続支援事業A型、B型の2種類に分かれております。
A型は、通常の事業所に雇用されることが困難であるが、雇用契約に基づく就労は可能な方を対象として、就労訓練を受けながら最低賃金が保障される事業です。また、B型は、雇用契約を結ばないで工賃が支給される事業です。
八戸市のA型利用者数は、平成20年度と平成23年度を比較すると45人から129人、B型については131人から453人と大幅に増加しております。
また、現在、市内にはA型事業所が4カ所、B型事業所が23カ所サービスを提供しております。
A型の事業所では、シイタケの栽培や販売、レストラン業務、墓石の掃除など多様な業務が行われており、賃金は1人1カ月当たり平均2万円から4万円程度となっております。
B型の事業所では、内職的な作業が多く、工賃は1人1カ月当たり平均数千円から2万円程度となっております。
次に、就労継続支援事業所が抱える問題としては、安定的な収益を確保しながら事業を継続させることが難しいという点であります。
その要因として、1つ目は、障がい者が従事している仕事のほとんどは簡易で単純作業が多く、利益率が低いことから、工賃が低額であること、2つ目は、事業所が経営的側面より福祉的側面に重点を置いていること、3つ目は、障がい者の特性等により継続就労が難しく、安定した労働力の確保が困難なことであります。
県では、平成20年3月に青森県工賃倍増計画を作成するとともに、中小企業診断士や専門家を事業所に派遣し、必要な知識や技術を提供する青森県工賃向上支援事業を実施しております。
また、当市におきましては、特定随意契約により、就労継続支援事業所を含む障がい者支援施設等に公園の草刈り作業等を優先的に発注しているところです。
最近では、新たなニーズを掘り起こし、サービスに結びつけた事例もあることから、今後も事業所が主体となり、経営改善や販路の拡大、新規事業の展開等がさらに進むよう関係機関と連携を密に支援してまいります。
以上でございます。
○議長(秋山恭寛 君)教育長
◎教育長(松山隆豊 君)次に、領土問題に関する学校教育の現状と課題についてお答え申し上げます。
平成20年3月に告示された学習指導要領では、中学校社会科の学習内容として、領土問題の特色と変化については、北方領土が我が国の固有の領土であることなど、我が国の領域をめぐる問題にも着目させるようにすることと示しております。
また、平成20年9月に発行された中学校学習指導要領解説社会科編では、北方領土については、その位置と範囲を確認させるとともに、北方領土は我が国固有の領土であるが、現在ロシア連邦によって不法に占拠されているため、その返還を求めていることなどについて的確に扱う必要があること、また、我が国と韓国の間に竹島をめぐって主張に相違があることなどにも触れ、北方領土と同様に、我が国の領土、領域について理解を深めさせることも必要であると指導内容を示しております。
さらに、小学校学習指導要領及び解説においても、社会科において、北方領土の問題についても取り上げることとしており、領土問題については小中学校を通じて繰り返し指導するよう内容が配置されております。
八戸市が採用している小学校及び中学校社会科の教科書では、これまでも領土問題を取り上げておりましたが、新学習指導要領及び解説を受けて、領土問題については、より詳しく取り上げております。
まず、小学校第5学年の教科書では、北方領土は我が国固有の領土であるが、ロシア連邦に占拠されていることを取り上げております。
また、中学校では、地理の教科書で第1学年の学習内容として、北方領土と竹島は日本の領土であるが、外国によって占拠されていることを取り上げております。
また、歴史の教科書では、第2学年から第3学年での学習内容の明治初期の外交やサンフランシスコ平和条約の締結、日ソ共同宣言を扱う際に、北方領土が日本とロシアとの間でどのように扱われてきたかという歴史的経緯を取り上げております。
さらに、公民の教科書では、第3学年の学習内容として、日本は北方領土、竹島、尖閣諸島などの領土問題を抱えていることを取り上げております。
小学校及び中学校の地理、歴史、公民のいずれの教科書においても、文章による説明に加え、地図や写真、年表などの資料をあわせて掲載するなど、児童生徒が理解しやすいように工夫しております。
各小中学校では、このような教科書の内容をもとに、地図帳を活用したり、市販の資料集を活用したりするなど、児童生徒の発達に応じて適切に指導を行っていると認識しております。
市教育委員会では、日本の領土問題について、学習指導要領に基づき適切に取り扱うよう、今後も各小中学校を指導してまいります。
次に、いじめの実態調査についてお答え申し上げます。
まず、各学校におけるいじめの実態調査については、いじめの早期発見、早期対応を目的に、教育相談などの他の取り組みと連動させて、月ごと、あるいは学期ごとなど、それぞれの実情に応じて行っております。
また、いじめを認知した際には、詳しい実情を把握するために緊急の実態調査を行うこともあります。
さらに、児童生徒が発する小さなサインを見逃すことのないよう、教職員と児童生徒の間で日常的に行われている日記指導、日常会話や教師による観察、家庭訪問等を通して実態把握に努めております。
市教育委員会におけるいじめの実態把握については、学校や関係機関と連携を図って、いじめにつながる情報を収集整理するとともに、毎年実施している文部科学省の児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査により、各校のいじめの実態について集約しております。
同調査の結果によりますと、平成22年度の当市におけるいじめの認知件数は、小学校26件、中学校106件となっております。
市教育委員会といたしましては、各校に対して、いじめはどの学校でも、どの子にも起こり得るという視点に立ち、早期発見、早期対応に努めるよう指導しております。
次に、いじめを早期発見するための体制づくりについてお答え申し上げます。
いじめについては、当該児童生徒が一定の人間関係のある者から、心理的、物理的な攻撃を受けたことにより精神的な苦痛を感じているものと文部科学省は定義づけており、いじめに当たるか否かの判断は表面的、形式的に行うことなく、いじめられた児童生徒の立場に立って行うものとされております。
これらいじめについての定義やとらえ方が正しく理解されてこそ、早期に発見できるものであり、各校では教職員のいじめに対する正しい認識のもと、児童生徒に指導しております。
市教育委員会でも、児童生徒がいじめの問題を正しく理解し、その根絶に主体的に取り組むことができるよう、平成6年度から、いじめ等の問題に関する対話集会を開催して現在に至っております。
この集会では、いじめの実態や、いじめとは何かについて考え、全員でいじめ根絶宣言を唱和するなどして、各校での主体的な取り組みの意欲を高めております。
このようないじめに対する正しい認識のもと、各校では実態把握のアンケートや、個別相談、生活ノート等を活用し、いじめを早期に発見できる体制を構築しております。
次に、いじめがあった場合の被害者の保護及び加害者への措置についてお答え申し上げます。
いじめにつきましては、あくまでもいじめを受けている側、つまり被害者の立場に立ってとらえるべきものと認識しており、いじめがあった場合には、被害者への支援を最優先としております。
当然、教育現場としては、いじめた側への指導も適切に行われなければなりませんが、加害者側への指導に傾注した結果、被害者のケアがおろそかになることのないよう、学校に対して指導を行っているところであります。
被害者支援につきましては、被害者本人はもちろん、被害者の保護者とも十分に相談しながら、本人や家族が受けた心身の苦痛に十分に寄り添って、問題の根本的な解決に向け、さまざまな対応策を講じております。
必要に応じては、スクールカウンセラーや教育センターの相談員を活用して心のケアに当たっております。
次に、加害者側に対する措置につきましては、表面的な指導や一時しのぎの指導であっては、いじめの根本的解決には到底結びつかないことから、加害者本人及び加害者の保護者がいじめに対して十分理解し、問題の解決に向けて取り組めるよう指導しております。
また、再三の指導に対しても理解されずに繰り返される場合、関係機関と連携するなどして加害者への粘り強い指導を行いますが、被害者保護の観点から、出校停止の措置をとることもあり得ます。
なお、先ほど申し上げましたスクールカウンセラーについては、現在小学校7校、中学校15校に配置、派遣されておりますが、いまだ全校配置されていない状況でございます。
未配置の学校においては、必要性が生じた場合には、県から緊急的な派遣をしてもらうこともありますが、早い時期での全校配置が望まれるところであります。
県としてもスクールカウンセラーの配置拡充を目指していると伺っておりますので、市教育委員会といたしましては、今後もスクールカウンセラーの必要性及び重要性を訴え、増員配置について要望してまいります。
次に、教職員、学校長、教育委員会の情報の共有化についてお答え申し上げます。
各学校では、さまざまな児童生徒の問題行動を含め、いじめの問題についても、学級や学年内にとどまらず、校長を含めた全職員が共有できる校内体制を整えております。
市教育委員会では、児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査や、生徒指導に係る学校訪問により、各学校のいじめの未然防止への取り組みや、いじめの実態把握に努めております。
特に生徒指導に係る学校訪問では、すべての小学校を年1回、すべての中学校を年2回訪問しており、いじめへの取り組み方や各校が抱える実情に対して指導助言をしております。
また、日ごろから市教育委員会と学校は情報を共有し、連携して取り組めるような関係構築に努めており、学校が対応の仕方に悩んだり苦慮したりしたときでも、すぐに支援できるような体制を整えております。
さらに、警察や児童相談所等の関係機関とも連携を図りながら対応しております。
市教育委員会といたしましては、学校及び関係機関との連携による取り組みが、いじめの問題解決に大変重要であるととらえております。
今後もさらに連携強化を図り、いじめの早期発見、早期対応に努めてまいります。
以上でございます。
○議長(秋山恭寛 君)夏坂議員
◆7番(夏坂修 君)詳細にわたりまして御答弁いただきまして、大変にありがとうございました。それでは、市長に再質問を1点だけさせていただきます。よろしくお願いいたします。
スポーツによる地域の活性化についてでございます。壇上で、スポーツツーリズムの推進役として八戸スポーツ振興協議会の機能強化というお話をしましたが、なかなかそういう推進機関として、今の振興協議会に役を持たせることは、確かにハードルが高いかと思います。
では、別組織として、そのイベントや大会のプロモーション、また企画運営のコーディネート、地域のスポーツマーケティングみたいなものをワンストップで担う専門機関、いわゆるスポーツコミッションみたいな組織を構築して、そういう機能を持たせていくことはどうかという考えを持っているのですが、まずその組織の必要性の認識、市長はどのように思われるかという点と、今回のオリンピック、また光星学院の活躍もございまして、地元出身者、地元チームのこの一連の活躍を踏まえて、スポーツによって八戸を元気にする、その市長の意気込みを、ぜひ一緒に聞かせていただければと思います。よろしくお願いいたします。
○議長(秋山恭寛 君)市長
◎市長(小林眞 君)それでは、夏坂議員の再質問にお答え申し上げます。大きく2点ほどあったと思います。
まずスポーツツーリズムとの関連で、八戸スポーツ振興協議会は、先ほど壇上での御提案を踏まえて今後検討していくと申し上げたわけでありますけれども、それとはまた別組織の形でスポーツコミッション、イベント、大会等のプロモーションを専門的にワンストップで担うような、そういう組織をつくったらどうかということであります。
こちらのほうがさらに課題が大きいのではないかと思っています。こういう取り組みをしている自治体は、埼玉県を初め、あるということは伺っておりまして、相当の大施設を所有し、そういうスポーツ関係者の横の連携がしっかりできたような中で、本当に地域の活性化のための大きな取り組みをしているということで、非常にすばらしい取り組みだと思っております。
なかなか我々にしてみると、かなりハードルの高いところがあって、我々も学びながら、そういう方向に向けてどういったことができるのか、少し勉強させていただきたいと思っております。すばらしいものだという認識は持っております。
それから、さきの
ロンドンオリンピックでの伊調馨、小原日登美両選手の快挙、そしてまた光星学院の本当にすばらしい成績を踏まえた中で、その今般の夏の一連の活躍を踏まえて、地域におけるスポーツ振興についてどのような考えを持っているかということであります。
私は、突然こういうことが起こったわけではないと思っておりまして、レスリング関係者は、本当に歴史がある中で、レスリング競技を愛して、本当に子どもたちに伝えてきた、そういうすばらしい関係者の努力、特にちびっ子レスリング等で子どもたちに教えてきた。
また環境整備についても、市がああいう施設もつくったわけでありますけれども、どういうものが必要であるとか、マット等を含めて、どういう環境にすべきかという働きかけを粘り強くやった上で、そういう経緯の中で今回の世界の頂点をきわめる選手が出てきたと思っております。
光星学院につきましても全く同様でありまして、本当に目的を持って、子どもたちを育てていくという熱意の結果が今般の快挙につながったと思っております。
それがまた、本当に八戸市民に勇気と元気を与えましたし、八戸は大変明るい話題で包まれた、スポーツの持つ力というものは本当に大きいと思っております。
両競技だけでなくて、八戸では本当に多様な競技が行われておりますので、スポーツには、そういうまちづくりにおいてのすばらしい大きな役割があるということを改めて認識しながら、今後、関係者とも、今回の結果を踏まえた、よりすばらしいまちづくりにつながるようなスポーツ振興に努力していきたいと思っております。
○議長(秋山恭寛 君)夏坂議員
◆7番(夏坂修 君)ありがとうございました。市長のスポーツ振興にかける思いを私も理解いたしました。ぜひ誠意を持って、今後も熱心に進めていただければと思います。
では、最後は意見要望を申し上げてまいりたいと思っております。
まず、長根公園のスポーツ施設についてでございますが、屋内スケート場の計画によって移転される体育施設をどこに持っていくかという議論は、やはり検討委員会の委員の指摘もあったように、同時並行で考えるべきだと私も思っております。
いざスケート場ができました。でも、なくなったその多目的広場とか運動場がありません。また、そのない状況が何年も続くということはやはりなるべく避けていただくように考えていただきたい。
極端に言えば、スケート場建設と、そういった代替の施設整備を同時に進めるぐらいの意気込みを持って、その代替の施設の整備にぜひとも取り組んでいただきたいと思っております。
きのうも石橋議員からサッカー場の整備への熱い熱い思いがございまして、そのサッカー場の整備を検討するというふうな答弁もあったわけでありますが、私はそれに加えて、早期に代替地の確保という部分をぜひ強く訴えさせていただきたいと思っております。
実際その代替地をどこにするかという問題は、公有地なのか民有地なのか、購入なのか賃借なのか、さまざま議論が及ぶことかと思いますが、私は3月の予算特別委員会でもお話ししました。代替地については、これはサッカー場も含めて、将来的な新総合運動場として、ぜひ八戸駅西地域に持ってくるべきだと思っております。
我田引水と言われるかもしれませんけれども、駅の近く、交通利便性、アクセスの問題にも、非常に便利でございますし、また、やはり今区画整理がなかなか進まない中で、運動場ができることによって活性化も図れるわけであります。公共施設があって初めて、民間の動きも加速するという流れもあるかと思います。
県立施設も、八戸、青森、弘前の地域バランスがあって、今、八戸だけがないという中で、当然市内の運動施設も地域バランスがあると思います。今の長根公園の中央、そして既存の今の東運動公園、そうすると、やはり西の運動場というような、市内においても運動施設の地域バランスというものをしっかりと考えていかなければならないと私は思っております。
ただ、これは決して私個人の思いだけではなくて、地域住民、また市内の多くの市民の声だと思っておりますので、ぜひとも最良の代替地を検討していただければと思っております。
それと、もう1つは、障がい者の就労継続支援についてでございます。先ほどの答弁ですと、A型の利用者がふえているということですが、ただ、事業所の数が4カ所ということは、やはりまだまだ少ないという印象があります。
また、A型の賃金が月2万円から4万円ということは、やはりこれも少ないな、この利用者の方が非常にかわいそうであると。その月2万円から4万円プラス障害年金だけでは自立した生活ができない。そういう意味では、この賃金も改善していく必要があるのかなと。
それと、ぜひ市として御検討いただきたいことが、利用者のアセスメントの期間についてであります。当市は1カ月を基準にしているということですけれども、ほかの自治体によっては2週間、短いところは3日というところもあるようでございます。
これは利用者の能力とか特性を見て判断しているところですが、やはりアセスメントの期間が長ければ長いほど、その利用者の就労意欲はうせていくかと思いますので、ぜひとも、当市としても一律の期間でなくて、いわゆる利用者の能力、特性に合わせた、アセスメントの期間を短くするという弾力的な運用を検討していただければと思っております。
いじめについては、教育長、いじめる側が100%悪いと、学校関係者、そして生徒の方々には、基本的にはいじめはいじめる側が100%悪いんだと、そういう意識をぜひとも浸透させていただきたいと思っております。
日ごろからの取り組みには大変敬意を表したいと思います。どうかいじめ対策に徹底して取り組んでいただきますよう要望して、質問を終わらせていただきます。
以上です。
○議長(秋山恭寛 君)以上で7番夏坂修議員の質問を終わります。
この際、あらかじめ会議時間を延長いたします。
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20番 松田勝君質問
○議長(秋山恭寛 君)20番松田勝議員の質問を許します。松田議員
〔20番松田勝君登壇〕(拍手)
◆20番(松田勝 君)2012年9月八戸市議会定例会において、私は日本共産党議員団の一員として、市長及び理事者各位に質問いたします。
最初の質問は、マダラの放射性セシウム検出問題の経緯についてであります。
やはりおどかしだった、原発再稼働なしでも電力は足りていたのではないか、夏場の電力不足を宣伝し、福井県大飯原発の再稼働を強行した野田内閣と関西電力に対して怒りの声が上がっています。原発再稼働なしでも電力不足がないことがわかり、原発ゼロへの決断を求める声がますます高まってきております。
大飯原発再稼働反対、原発ゼロを求める運動は、草の根から首相官邸前行動、そして今、全国に広がってきています。
八戸においても、8月24日から毎週金曜日午後6時に市庁前広場に集まって、中心街を原発要らない、子どもを守ろうなどと訴え、デモ行進を行い、市民の共感を集めています。
ところが、今月7日、民主党がまとめた方針は、2030年代までに稼働原発ゼロを目指すというもので、余りにも遅く、内容もあいまいで、早期に原発ゼロを求める国民世論とかけ離れていると言わざるを得ません。改めて私は速やかな原発からの撤退、再稼働方針の撤回、再生エネルギーへの抜本的な転換を強く求めるものであります。
東京電力福島第一原発事故による放射性物質の放出量は、放射性セシウム137だけでも、広島型原爆の168個分に相当するとされ、海洋に流出した放射性物質は1.5京ベクレルという、私たちの想像をはるかに超える放射能汚染をもたらしました。
これによって水産物についても、放射性物質による汚染を招いております。ことし初めの時点で500ベクレルを超えたものは、アイナメ、ヒラメなど14件、そのうちで1000ベクレルを超えたものが6件に及んでいると聞いております。
ことし4月になって暫定規制値の見直しが行われ、魚については基準値がそれまでの500ベクレルから100ベクレルになりました。
こうした中で、6月に八戸港で水揚げされたマダラから116ベクレル、8月には132.7ベクレルの基準値を超える放射性セシウムが検出されました。出荷自粛要請が県から出されたのに続いて、8月28日に国が出荷制限を出すに至っております。
現在、八戸市が簡易検査を行い、50ベクレルを超えた場合に精密検査をする体制がとられているようであります。
関係者からは、しっかりとした検査を行って、早期に出荷制限が解除されることを求める声が上がっております。また、それまでの休漁補償や、混獲したマダラの処分について、その費用を東電に求める動きも見られております。
そこで1つ目の質問として、今回のマダラの放射性セシウム検出問題についての経緯について伺います。
今後、検査体制の問題や補償についての相談などなど、県や市の役割は大きなものがあると考えられます。そこで2つ目として、当市の対応について伺います。
次は、地域主権改革についてであります。
御案内のように、民主党政権が2010年6月に地域主権戦略大綱を閣議決定いたしました。その内容は、自公政権時代の地方分権改革、構造改革路線を継承し、それをさらに徹底させるものだと言えます。
具体的には、小さな政府、市場原理、規制緩和を基本として、地域主権という名で国の責任と役割を限定し、住民の暮らし、福祉、教育、安心安全などにかかわる役割と実行責任を市町村にゆだねていくものであります。
この間、政府は法令による義務づけ、枠づけに見直し、都道府県から市町村への権限移譲を内容とする第1次、第2次一括法を成立させました。並行して国の事務権限の地方移譲、出先機関改革も急ピッチで進め、一括交付金の対象も拡大するなど、地域主権改革を着実に進めています。
この改革は、住民要求の実現、自治の発展につながる側面も持っておりますが、財界の21世紀戦略に沿って、この国の形、国と地方のあり方を再構築するものであります。
今必要なのは、結果責任を住民に押しつけるのではなく、憲法に規定された国民主権、地方自治の発展の展望と具体策を示して、格差と貧困の広がりが深刻化している中で、ナショナルミニマム保障における国の責任の役割、財政負担を明確にするべきだと考えます。
そこで、権限移譲された業務の現状についてであります。
第2次一括法によって本年4月1日より23項目の事務権限が当市に移譲されています。これにかかわる本年3月議会の一般質問において、職員体制については、負担は少なからずふえているものの、事務の効率化などによって現在の職員数で対応できる、財政支出については、職員の時間外手当や消耗品など事務的経費への影響は出てくると答弁しています。
4月の施行から半年を迎え、新たに移譲された事務権限の業務についての現状は今どうなっているのか、事務量や職員の執行体制、財政支出の状況について伺います。
さらに、今回の移譲に伴って、県では市に対してどのようなフォローアップを行っているのか、あわせて伺います。
2つ目は、義務づけ、枠づけの見直しについてであります。
これは国が定めていた施設等の設置管理基準の一部を本年4月1日より市の条例に委任するものであります。当市についても28項目の基準について本年度末までに条例で定めていくと伺っています。
そこで、アとして、保育所などの児童福祉施設及びその運営基準について、策定状況と今後の予定について伺います。
イとして、介護保険サービスの基準条例の内容について伺います。
ウとして、公営住宅の整備に係る基準について、策定に当たっての考え方と、制定に向けてのスケジュールについて伺います。
次の質問は、自殺者対策についてであります。
内閣府及び警察庁公表による平成23年中における自殺の状況によりますと、我が国における年間自殺者数は、平成10年に3万人に達して以来、14年連続で3万人を超える状況になっています。平成23年の自殺者数は3万651人、人口10万人当たりの自殺者数は24.0となっております。
こうした中にあって、平成18年10月に自殺対策基本法が施行され、内閣府に自殺総合対策会議が設置されるとともに、政府が推進するべき自殺対策の指針として、自殺総合対策大綱が制定されました。平成20年10月には自殺対策加速化プラン、同23年11月には特命チームが内閣府に設置されました。
他方、東日本大震災からの復旧復興が現在進められておりますが、その過程の中で、被災者の孤独や不安が増大するなど、自殺者が増加する可能性も指摘されています。
さらに、雇用の非正規化などを通じて、それまで低かった若者層の自殺率が上昇傾向にあるとも言われています。
先月28日、政府は国の自殺対策の指針となる自殺総合対策大綱の見直しを行いました。若者の自殺が増加傾向にあることを踏まえて、いじめ対策や若者向け雇用対策支援を打ち出しております。
大綱は、自殺対策の基本的な考え方や政策の方向性をまとめたものであり、関係省庁や地方自治体の取り組みの土台となるものであります。
警察庁の調べでは、本県の自殺者数は14年ぶりに400人を切り、2年連続で減少、自殺率は26.2となっております。しかし、依然として全国平均の22.9を上回る状況は続いていると指摘しています。
先日、はちのへ九条の会の講演会で、講演をされた反貧困ネットワーク事務局長の湯浅誠氏は講演の中で、当八戸地域の自殺率の高さを指摘いたしました。講演会に参加した方々からは政治の役割の重要性が改めて指摘され、当市における施策の強化を求めているところであります。
そこで1つ目に、当市における自殺者の状況について、2つ目に、当市における自殺者防止対策の現状について伺います。
次の質問は、公園整備、都市公園安全・安心対策緊急総合支援事業の進捗状況と施設改築の進め方について質問いたします。
先ごろ、柏崎地区地域づくり情報交換会の中で、柏崎小学校移転後の跡地利用について市に要望した経過に関して、校庭については、憩いの場としての公園、緑地を要望したという説明がありました。
その後の懇親会の中で公園に話題が移り、最近、地域の公園内にあった子どもの遊具が撤去されているが、市のほうから情報がなかなか入ってこない。今後どうなっていくのかよくわからない。国の財政面での支援があるはずだが、等々の意見が出されておりました。
確かに私の近所の公園でも、以前、いすブランコがありましたが、危険だということで数年前に撤去され、その後の遊具の手だてが現在までされておりません。
調べてみますと、国では2009年度から都市公園安全・安心対策緊急総合支援事業で、地方自治体が管理する公園において施設の改築に要する経費の2分の1を補助しているようであります。
この事業の推進によって公園の遊具が改築され、公園が子どもたちにとって安全で楽しいものになっていくこと、周辺の住民初め地域の人々に親しまれ、よく利用され、大切にされることを切に願うものであります。
そこで、都市公園安全・安心対策緊急総合支援事業の当市における進捗状況と施設改築の今後の進め方について伺います。
次の質問は、県立高校再編問題についてであります。
青森県教育委員会は、7月末に八戸市内において、県立高等学校教育改革第3次実施計画後期案についての説明会を開きました。この計画案は、教育には切磋琢磨できる環境が必要であり、少子化に伴う中学校卒業予定者の減少に対応して、一定規模以上の学校となるように整備するという考え方に基づいております。
望ましい学校規模として、県内3市の普通高校は1学年当たり6学級以上とし、その他のすべての学校は1学年当たり4学級以上としております。
そして、さらにこの案の中で三八地区の高校の学校規模として出されているものが八戸水産高校と八戸商業高校であり、現在の学級数4から3に減らす計画案になっております。
特に水産高校の場合、関係者からは、県内に1つしかない貴重な高校であり、単純に4クラスを3クラスに減らすことは難しい。地域の水産業に与える影響も大きいのではないか。そして、鮫地区は県立八戸南高校の廃校に続くものであり、地域の活性化にとって少なからず影響があるなど、もろもろの懸念が出されております。
今、全国各地で学校統廃合が急ピッチで進められております。その背景には少子化や児童生徒数の減少もありますが、政府によって推進される構造改革によって地方財政の悪化が進み、地方自治体がそれに対処していることも要因と考えられます。
さらに、教職員を含む公務員全体の削減を推進する行政改革や、小規模校は財政的に非効率的とする財務省の学校規模の見直し論などが、学校統廃合を進める力の背景となっていると考えます。
そこで伺います。1つ目として、今回の県立高等学校教育改革第3次実施計画後期案についてどのように受けとめているのか伺います。
8月17日には、この計画案について県市長会と県町村会が合同で県教育委員会との意見交換を行っていると聞いております。当市もその場において2点について意見を述べたと聞いております。
そこで2つ目として、この意見交換会で当市が出した意見の内容について具体的に伺います。
以上で壇上からの質問を終わります。
〔20番松田勝君降壇〕(拍手)
○議長(秋山恭寛 君)市長
〔市長小林眞君登壇〕
◎市長(小林眞 君)松田議員にお答え申し上げます。
まず、マダラの放射性セシウム検出問題の経緯についての御質問ですが、水産物の放射性物質検査は、原子力災害対策本部が定めた、食品中の放射性物質に関する「検査計画、出荷制限等の品目・区域の設定・解除の考え方」及び水産庁の「水産物の放射性物質検査に関する基本方針」に基づき、国県及び関係団体が連携して実施しております。
国の定める水産物の放射性セシウムの基準値は、本年4月1日より1キログラム当たり100ベクレルとなりましたが、八戸漁港で水揚げされた水産物で、この基準値を超えた事案は、これまでマダラについての2件が発生しております。
まず6月19日、県のモニタリング調査において、八戸漁港で水揚げされたマダラにより116ベクレルの放射性セシウムが検出されたことから、県では漁業生産者等に対して、青森県太平洋海域で漁獲したマダラの出荷自粛を要請いたしました。
この出荷自粛については、自粛後の検査により、1カ月以上基準値を下回ったことから、7月25日に解除されております。しかしながら、その後、8月9日には盛岡市中央卸売市場において、八戸漁港で水揚げされ、加工の上出荷されたマダラから132.7ベクレルの放射性セシウムが検出されました。
これを受け、県では前回と同様に、8月7日以降に漁獲したマダラの出荷自粛を要請していたところですが、国ではこの2件の事案を踏まえ、8月27日に県に対し出荷制限の指示をいたしました。
現在、出荷制限に伴い、マダラを漁獲する主な漁業のうち、影響の大きい小型底びき網漁業及びはえ縄漁業は休漁を余儀なくされております。
また、沖合底びき網漁業はスルメイカ主体の操業をしておりますが、マダラが混獲されることから、これについては八戸清掃工場で一般廃棄物として処分されております。
今後の出荷制限解除の見通しについてですが、「検査計画、出荷制限等の品目・区域の設定・解除の考え方」では、解除しようとする区域において、おおむね1週間に1回、複数の場所で少なくとも1カ月以上検査を実施し、その結果が安定して基準値を下回っていることが解除の条件となっております。
現在、県では継続して検査を行っており、市としてもその推移を注視しているところであります。
次に、当市の対応についてお答え申し上げます。
県からマダラの出荷自粛の要請がなされたことにより、出荷したマダラの回収やその処分等の問題が発生したことを踏まえ、市では県とともに水産関係団体等が設立した八戸港放射性物質対策協議会に参画し、諸問題の解決に向けて協議を重ねております。
具体的には、1、魚市場における販売前の放射性物質検査体制の構築、2、東京電力株式会社への損害賠償請求、3、出荷自粛に伴う水産物の処分についてであります。
このうち、1、魚市場における販売前の放射性物質検査体制の構築については、当市水産物の安全性を確保するため、市が機器整備及び検査を実施することとしておりますが、市の体制が整うまでの間、青森県産業技術センター食品総合研究所が販売前検査を行っております。
2、東京電力株式会社への損害賠償請求については、当事者同士の交渉ではありますが、市としては漁業者等へスムーズかつ十分な損害賠償が行われるよう、県とともに側面から支援してまいります。
3の出荷自粛に伴う水産物の処分については、これまでの実績を踏まえ、関係部署が連携して対応してまいります。
現在、青森県太平洋沖で漁獲されたマダラについては、出荷規制が指示されているところでありますが、市としては、今後も事態の推移を見ながら、県及び関係団体と連携して適切に対応してまいりたいと考えております。
次に、権限移譲された業務の現状についてお答え申し上げます。
昨年8月に公布された地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律、いわゆる第2次一括法等により、本年4月1日から新たに23項目の事務権限が当市に移譲されております。
今回移譲された事務は、市民や事業者から申請を受けて行うものや、毎年一定の時期に行う立入検査などで、年間を通じて常時発生する性質のものではなく、これまでの県での実施状況から、いずれも従前からの職員体制で対応可能と判断しております。
なお、幾つかの事務が既に行われておりますが、時間外勤務が発生するなどの大幅な事務量の増加は見られておりません。
また、移譲事務に関する財政支出の状況につきましては、権限移譲に伴い配置した身体障がい者相談員及び知的障がい者相談員の謝礼として約37万円を予算措置しておりますが、これ以外にまとまった財政支出は見込まれておりません。
移譲に伴う県のフォローの状況につきましては、移譲前における説明会の開催や、移譲後の情報提供等がなされており、現在のところおおむねスムーズに引き継ぎが行われ、問題なく事務が執行されているものと認識しております。
次の(2)義務づけ、枠づけの見直しについては福祉部長、市民健康部長並びに建設部長から、3、自殺者対策については市民健康部長から、4、公園整備については都市整備部長から、5、県立高校再編問題については教育長から後ほどお答え申し上げます。
私からは以上でございます。
〔市長小林眞君降壇〕
○議長(秋山恭寛 君)福祉部長
◎福祉部長(田名部源一 君)義務づけ、枠づけの見直しについてのうち、児童福祉施設の設備及び運営に関する基準についてお答え申し上げます。
昨年5月に公布された地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律、いわゆる第1次一括法により児童福祉法が改正され、児童福祉施設の設備及び運営に関する基準は、平成24年度末までに都道府県が条例で定めることとされました。
保育所に限定して申し上げますと、条例の制定に当たっては、職員配置基準、保育室等の居室に係る面積基準、虐待の禁止等の人権に直結する基準は国の基準に従うこととされたほか、それ以外の保育時間や健康診断の回数、園庭の設置等の基準は、都道府県が国の基準を参酌した上で、地域の実情を踏まえて定めることができるとされております。
なお、特例として、保育室等の居室に係る面積基準のみは、あらかじめ厚生労働大臣が指定している東京都の一部市区や大阪市等の35自治体では、待機児童解消等に資するための合理的な理由のもと、国の基準とは異なる基準を定めることができるとされておりますが、青森県はこの特例は適用されません。
条例の制定状況及び今後の予定について青森県の所管課に確認したところ、現在、青森県保育連合会等の関係団体からの意見を踏まえた原案を策定中であり、その後は、パブリックコメントを経た上で、年度内に条例を制定する予定であるとのことです。
市といたしましては、原案公表後、内容を精査した上で、必要に応じて意見を述べてまいりたいと考えております。
以上です。
○議長(秋山恭寛 君)市民健康部長
◎市民健康部長(梅内昭統 君)私からは、義務づけ、枠づけの見直しについてのうち、介護保険サービスの基準についてお答え申し上げます。
国が推進する地域主権改革の一環として、昨年、地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律、介護サービスの基盤強化のための介護保険法等の一部を改正する法律が施行されたところであります。
この法律により介護保険法の改正が行われ、市が指定、指導監督の権限を有する地域密着型サービス及び地域密着型介護予防サービスの事業に係る、申請者の法人格の有無に係る基準、地域密着型介護老人福祉施設の入所定員に係る基準、人員、設備及び運営に関する基準の3つの基準については、改正前は厚生労働省令で定められておりましたが、改正後は市が条例で定めることになりました。
また、これらの基準は項目ごとに、国の基準に従い定めるもの、国の基準を標準として定めるもの、国の基準を参酌して定めるものに分類され、条例の制定に当たっては、これを踏まえ、市の実情に応じて内容を定めることになっております。
市が条例で定める地域密着型サービス及び地域密着型介護予防サービスの基準は、項目ごとに見ると、延べ270項目余りにわたっております。
当市では、条例案の検討に資するため、先月、市内の地域密着型サービス及び地域密着型介護予防サービスを行っている全52事業所にアンケート調査を実施し、現在、条例案の作成に向け検討を進めているところであります。
今後は、八戸市健康福祉審議会の介護・高齢福祉部会及び地域密着型サービス運営委員会における審議を経た上で、12月定例会に条例案を提案する予定となっております。
以上でございます。
○議長(秋山恭寛 君)建設部長
◎建設部長(岩藤寿通 君)次に、義務づけ、枠づけの見直しの、公営住宅の整備に係る基準についてお答え申し上げます。
これまで公営住宅に要求される品質や性能等の整備に係る基準については、公営住宅法により、公営住宅等整備基準として国が定めておりましたが、第1次一括法による公営住宅法の一部改正に伴い、この整備基準を参酌して地方公共団体が条例で定めることとされております。
これを踏まえ、既に施行している青森県公営住宅法施行条例も、この整備基準に準じていることから、当市においても国の整備基準に準拠した条例とすることで考えております。
今後のスケジュールといたしましては、平成25年4月1日の施行に向け、本年12月定例会において、新たな条例案として提出する予定でございます。
以上でございます。
○議長(秋山恭寛 君)市民健康部長
◎市民健康部長(梅内昭統 君)私からは、3、自殺者対策について2点の質問に対しましてお答えいたします。
まず、当市における自殺者の状況についてお答え申し上げます。
我が国の自殺者数は、厚生労働省の人口動態統計によると、平成10年に年間3万人を超え、その後も3万人前後と高い水準で推移しております。
青森県の自殺者数は、平成14年から年間500人を超えておりましたが、平成18年からは400人台で推移し減少傾向にあります。
当市の自殺者数は、平成18年は59人、平成19年は79人、平成20年は67人、平成21年は78人、平成22年は66人で、5年間の総数は349人となっております。
5年間の総数の349人を男女別で見ますと、男性が250人、71.6%、女性が99人、28.4%となっております。5年間の総数で比較しますと、男性の割合は、国は71.5%、県は75.9%で、県よりは低く、国とほぼ同様となっております。
また、年齢別では、39歳以下は71人、20.3%、40歳から64歳は170人、48.7%、65歳以上は108人、31.0%となっており、40歳から64歳が最も高くなっております。40歳から64歳の割合は、国は46.0%、県は49.7%で、国や県も同様に最も高くなっております。
男女別に年齢別の割合を見ますと、男性では39歳以下が20.8%、40歳から64歳が53.2%、65歳以上が26.0%で、女性では39歳以下が19.2%、40歳から64歳が37.4%、65歳以上が43.4%となっており、男性では40歳から64歳が、女性では65歳以上が最も高くなっております。
人口10万人当たりの自殺死亡率につきましては、平成22年におきまして、当市は27.3で、国の23.4より高く、県の29.4より低い状況にあります。
都道府県別順位では、全国ワースト3位で、男女別では、男性がワースト2位、女性はワースト9位となっております。
次に、自殺者防止対策についてお答え申し上げます。
自殺に至る背景には、健康問題、経済・生活問題、家庭問題などさまざまな社会的要因が挙げられておりますが、自殺に至る直前には、大多数がうつ病などの心の病気を発症していると言われております。
このようなことから、当市では平成20年度に健康はちのへ21計画の重点戦略の一つとして自殺防止対策を掲げ、事業を実施しております。
具体的には、心の病気に関する健康教室や健康相談の開催、個別に支援が必要な方への家庭訪問、特に東日本大震災の発生後は、被災者訪問を実施し、気持ちの落ち込みや睡眠不足など、心身の不調や生活などについて相談に応じ、医療受診のアドバイスや相談窓口に関する情報提供を行っております。
また、自殺死亡率の高い地区を対象に、県立保健大学と共同で、うつ病早期発見のためのスクリーニングを実施し、うつ傾向のある方には、精神保健福祉士などによる健康相談を実施し、必要に応じて相談機関や医療機関へ紹介しております。
さらに、平成22年度からは、国が創設した地域自殺対策緊急強化基金を活用し、自殺予防週間に合わせた講演会の開催、自殺防止街頭キャンペーンや多重債務対策担当者研修会の開催、ラジオ広報による相談窓口の周知などを行っております。
また、小中学校教員を対象とした、子どもの心のケア研修講座なども計画しており、自殺防止の普及啓発の強化や人材育成に努めております。
今後も引き続き、心の健康に関する普及啓発や相談窓口の周知に努めるとともに、地域、職域、学校など関係機関と連携して自殺防止対策を進めてまいります。
以上でございます。
○議長(秋山恭寛 君)都市整備部長
◎都市整備部長(工藤哲 君)次に、都市公園安全・安心対策緊急総合支援事業の進捗状況と施設改築の進め方についてお答え申し上げます。
この事業は、国土交通省所管の都市公園に係る国庫補助制度の一つでございます。制度の内容ですが、平成21年度から平成25年度の期間内で、都市公園内の耐用年数が過ぎた施設や、危険度判定等で改善が必要だと判断された施設の改築を行うものでございます。
事業費総額は約8億円のうち、平成23年度までに約3割の事業が完了しており、残りの7割につきましては今年度と来年度の2カ年で対応してまいります。
施設改築の進め方につきましては、毎年実施しております施設の点検調査におきまして改善が必要だと判定されたものの中で、危険度、重要度の高いものから計画的に改築しております。
具体的には、防犯面において重要な公園灯の設置を優先し、今年度は遊具の改築を重点的に行っておりまして、来年度までに東屋やベンチ等も順次改築してまいります。
改築の必要な公園の多くは、開設から長期間が経過しておりまして、施設も古くなり、利用者が少なくなってきている現状にあります。このことから、このたびの改築工事が、再び地域住民の方々が公園を身近に感じ、親しみを持っていただける契機となりますよう、施設の撤去に当たりましては、施設の状況をわかりやすく解説した文書でお知らせしております。
また、施設の更新に当たりましては地元の意見を取り入れるなど、地域とのかかわりに留意して事業を進めております。
今後も地域の大切なコミュニティの場であり、また、子どもたちの安全な遊び場でもあることから、だれからも親しまれる公園となりますよう、地域の皆様とともに安全安心な公園づくりに努めてまいります。
以上でございます。
○議長(秋山恭寛 君)教育長
◎教育長(松山隆豊 君)次に、県立高等学校教育改革第3次実施計画後期案についてお答え申し上げます。
県教育委員会では、本年7月12日付で県立高等学校教育改革第3次実施計画後期案を発表いたしました。
まず、計画の期間でございますが、中学校卒業予定者が今後徐々に減少していき、平成30年度から急激に減少することから、それ以前の平成26年度から平成29年度までの4年間としております。
内容といたしましては、この期間中に中学校卒業予定者が962人減少することが見込まれることから、県内の高等学校の学級数を19学級減らすものとなっております。
その中で八戸市においては、八戸水産高等学校及び八戸商業高等学校が4学級から3学級への1学級減、八戸北高等学校南郷校舎が募集停止となっております。
県教育委員会では、生徒数減少による学級減についてはやむを得ないとしておりますが、市教育委員会といたしましては、改革を進めるに当たっては、中学校から進学する生徒の多様なニーズにこたえるとともに、通学に関する負担が増大することによって進路選択の機会が狭められることがないよう、十分配慮してほしいと考えております。
次に、当市の意見内容についてお答え申し上げます。
8月17日に行われた市町村長への説明会及び意見交換会において、八戸市から次の2点を要望いたしました。1つ目は、八戸水産高等学校及び八戸商業高等学校については、生徒の多様な希望に対応するために、これまで設置されている学科で履修できた教科や科目等が継続して学習できるようにすること。
2つ目は、募集停止や閉校を計画している高等学校については、他地域の高等学校に通学する場合に、交通費その他の面で生徒や保護者の負担がふえることのないよう十分配慮することの2点であります。
特に八戸水産高等学校につきましては県内唯一の水産高校であること、また、八戸市の基幹産業である水産業の担い手を育成する学校であることから、学習内容や人材育成に悪影響が出ないよう十分な配慮を望むものであります。
市教育委員会といたしましては、今後も県立高等学校改革について注視し、八戸市の子どもたちがよりよい高校生活を送ることができるよう要望していきたいと考えております。
以上でございます。
○議長(秋山恭寛 君)松田議員
◆20番(松田勝 君)答弁ありがとうございました。それでは順次、意見要望と再質問をさせていただきたいと思います。
最初のマダラの問題でありますけれども、この問題をいろいろ調べていく中で、被害を受けた漁業者を初め関係者の方々の思いは、本当に身を切るようなと言いますか、大変な思いだろうということが想像できます。
自分たちがとってきた魚を処分せざるを得ない、漁師が漁に出られないというその悔しさは、あのときに海に放射性物質を投棄した、そういうところまで含めて、本当に私自身も怒りがわいてきます。
これはもうこれ以上の被害は出さないということと、やはり原発そのものの廃炉に向けた動き、取り組みが必要だと改めて強く思った次第です。
陸の汚染の問題や除染の問題については、農地やその他、住宅地においてもあちこちで今進められておりますけれども、つまり海の中の海水や海底土、つまり今回のマダラは底のほうの魚だと伺っておりますが、当初、放射性セシウムが発見されたのは、海面のところからの小さな魚という話でした。
ですから、この魚のメカニズムと言いますか、汚染がどのように進行していくのかは、私もよくわからないのですけれども、そういう問題や、海底土そのものを除染できるかという問題など、これは本当に困難な問題が横たわっているということも感じていました。
そういう点では専門家の力も総結集して、これは国の責任で、しっかりとした除染対策も含めてやっていくことが求められているのではないかと思います。
当市の対応として、先ほど検査の問題、損害賠償の問題、処分の問題、3つ挙げておりました。私はそれに加えて、しっかりとした情報公開を、消費者初め流通関係者、加工場の皆さんも含めて行っていただきたいと思っております。
検査体制についても、この検査体制の問題で私が本当にじくじたる思いであるのは、やはり安全神話がずっとあったために、こういうことを想定していない、そのために基金も何もおくれていく、備えがないというところにも、我々はもう一回思いをする必要があるだろうとまず思っております。
さらに損害賠償については、最近のニュースでも風評被害の問題について、中間指針の見直しその他があって、観光の風評被害についての賠償の問題が新たに出ているようでございます。
魚についても、もう既に八戸の魚だということで、いろいろな話が出ているようでございますので、この風評被害も含めた全面賠償を、やはりしっかりと求めていく。そのために県や市が、被害を受けた漁業者の方々、関係者の方々の相談にしっかりと乗っていくことが今必要ではないかと思います。これは意見要望にさせていただきます。
2番目の地域主権改革についての問題でございます。先ほども壇上でちょっとお話ししましたけれども、地方自治体に権限が移譲されて、条例制定の問題が今、日程に上っているようでございます。
ですから、これを活用して福祉のサービスを向上させていくということも、やはり可能性としてはあるだろうと思っています。
その点で1つ、介護保険の問題でございます。先ほど、八戸市が条例で定めることができるものは、地域密着型のサービスについての基準の問題だとお話がありました。
私も認知症に対応している通所介護の事業所の方から御意見をいろいろ伺ったのですが、現在定員が10名となっているのが、今回のような条例制定の中で、厚生労働省の基準が、上限が12名になっているので、八戸市の条例でそこまで、現在の10名を12名に上げてもらえれば、経営上も、利用者にとっても便利がよいのだがという話がございました。
先ほど、12月の議会に向けて、事業者からのアンケートを市として、52の事業所からとっているということでしたけれども、そのアンケートにあらわれている事業所からの要望や意見がございましたら、御紹介をいただきたいと思います。
12月の条例制定に向けて、やはり現場の声をしっかりと取り入れた改善策をとることを希望しての再質問であります。
次に、公園整備の問題でございます。公園整備については、7割がこれからの事業です、今年度と来年度で7割が配置されていくといいますか、予算的にもそういうことになるということですので、これからが正念場と考えます。
私は、この公園についてはいろいろな思いがありますが、この事業をきっかけにして、単に遊具を取りかえたとかということだけではなしに、住民の方々、周辺の方々の関心なり、そういうものをぜひ呼び起こしていただいて、例えば子どもが安心して公園で遊べると。
私も地域の方々から相談を受けるのですけれども、例えば6月から7月になって、雑草がどんどん、子どもの背丈よりもずっと大きくなっていくと。ですから、子どもだけ公園で遊ばせたいのだけれども、自宅の窓からは子どもの姿が見えなくなるのだというお話がございました。
そういう点で、あそこの公園の草刈りはやっていただきましたけれども、我々も例えばそういう問題を、住民の方々から御意見をいただきます。トイレが非常に壊れていて、もう改修ができないとか、夜、騒々しいことになっているとか、いろいろなことがあります。
しかし、日常的にそれを管理したり運営したりするという点では、私は市の職員だけでは、ちょっとこれは無理ではないかと。
それで、今草刈りとか管理については、一部住民の、町内会その他に委託してやっているようでございますけれども、そういう部分的だけではなくて、公園の管理、あり方について、日常的な地域の取り組みを進めていく、そういう考える場なり、そういったものを、この事業のきっかけの中で、ぜひつくれないものかどうか、より進めることができないかという感じを持っています。
ですから、ふだんから地域の方々の中で公園が守られていく。そして、そこで子どもたちが安心して遊べる。そういう安全な公園、楽しい公園になるという公園づくりがこの機会にできないかということをちょっと考えておりますので、その辺の考え方について、ございましたら教えていただきたいと思います。
最後に県立高校の再編問題についてであります。この問題については壇上でも言いました。ただ、先ほど八戸市の意見を聞きますと、これまで履修してきた教科などに支障がないようにということで、県のほうでは4クラスを3クラスにするという案が既に出ています。
そうした場合に、果たしてこれまで履修してきた教科がそこで十分にこれからも保障されていくのかどうかというような心配がございます。
そして、一番大事なことは、水産業のまちである八戸にとって、地域にとって、この水産高校のクラス減が、地域に与える影響があるというふうなことを感ぜざるを得ません。
そういう点では4クラスを3クラスにして、そこの中で履修ができるように調整したり改善するということではなくて、やはり4クラスを3クラスに減ずること自体を、私は県にやめるように申し入れる必要があるのではないかという意見がちょっとあります。その辺にちょっと教育長の考え方があったら、教えていただきたいと思います。お願いします。
○議長(秋山恭寛 君)市長
◎市長(小林眞 君)松田議員の再質問にお答え申し上げます。私からは公園の遊具の整備等についての再質問にお答え申し上げたいと思います。
今御提案がございました。今後、公園の改修をしていくに当たって、地域の住民としっかりと、意見交換と言いますか、協議をしながら進めていくべきだと。
そして、それだけでなくて、いわゆる管理運営についても住民の協力を得るような体制づくりについて検討すべきではないかということでございます。
行政改革の絡みもございますけれども、まさに市が直営ですべてを賄っていくということは、今の時代では大変難しいことがございます。
それと同時に、やはり地域のことを地域の皆さんが知恵出ししながら、自分たちも参画しながらかかわっていくということも非常に重要でありまして、まさに八戸市が進めている協働のまちづくりの考え方に沿うものだと思ってございます。
具体的にどういう形でこの議員の提案を具現化していくかにつきましては、今後市の中で十分検討いたしまして、一定の方向性を出していきたいと考えてございます。
○議長(秋山恭寛 君)市民健康部長
◎市民健康部長(梅内昭統 君)それでは、私のほうから松田議員の、事業者アンケートの内容についてお答え申し上げます。
先月、事業者アンケートを行いまして、52事業者、全事業者から回答がありまして、それに対して意見が4件ほど寄せられてありますが、その中の1件として、先ほど議員お話のありました認知症対応型通所介護の施設の利用定員の上限についても意見がございましたが、これについては八戸市の基準も12名ということになっておりますので、そこはこういう形でお答えさせていただきます。
それから、そのほかにも、運営推進会議の開催回数の見直し等についても、ちょっと検討いただきたいといった意見がございました。
以上でございます。
○議長(秋山恭寛 君)教育長
◎教育長(松山隆豊 君)今、学級減によって学科が減っていくというふうな問題についての御質問でした。答弁の中でもお答えいたしましたけれども、近年の少子化の急速な進展が非常に進んでいるということにつきましては、私も小中学校を管轄していて非常に実感しております。
それともう1つは、高等学校につきましては、高校を卒業した後、大学に進学するとか、即戦力として職場に出るというふうなことで、専門の教員の配置は欠かせないと。中学校、小学校のように免許外とかいう概念でやれない部分があるということなどもあって、適正規模ということはやむを得ない部分があろうかと思います。
それともう1つ、八戸市の場合は、建学の精神にのっとって、伝統ある、特色ある教育をしている私立高校の存在も無視できないということもあろうかと思います。
そういうふうなことで、学級減ということは非常につらいことではありますけれども、県教育委員会の中では、産業構造を考慮したという項目もあって、学科の再編なども考えるということも言っております。
そういう意味で4学科でやっていた内容を3学科の中でやれるような、新しい再編ができるかどうかということにも注目しております。
本当に学級減になることについては悔しい思いもありますし、そのままの状況でやらせたいという気持ちは十分にあるのですけれども、そういうことで、今、県のほうの学科の再編をちょっと期待したいと思っています。
○議長(秋山恭寛 君)松田議員
◆20番(松田勝 君)市長のほうから協働のまちづくりの一環としてということでお話がございました。あくまでも市としての責任をきちっと果たしながら、しかし、住民参加をどのように取り入れていくのかという意味での私の提案でございますので、ぜひ取り組んでいただきたいと思っています。
特に私、思うのは、小さい子どもたちが安全に、安心して、お母さんたちがそこで遊べる環境をつくるということが、公園の1つの大きな役割ではないかと思っています。
どちらかといえば、公園が余り利用されていかないと、危険な、全く無人化するようなこともちょっと心配されます。そういう意味で、これをきっかけに公園に目が向いて、住民の方々も子どもも含めて、みんなが利用して、公園に目が行くというふうなところも、やはり必要だろうと思っていますので、ぜひお願いしたいと思います。
介護保険の問題では、ちょっと気になったことは、先ほど部長の答弁だと、52の事業所からアンケートをとったけれども、たしか4件という答えだったのかなと。
つまり52の事業所にアンケートを送ったのだけれども、4事業所だけからという意味なのか、そこをちょっと確認して、もし少ないようであれば、これからのこともありますので、ただ単にファックスで、なかなかあれはマル・バツではなくて、筆記式なんですよね。文章を書かなければならないと、私からすれば、ちょっと難しい部分もあるのかなと。
それと、今の地域主権改革の問題について、皆さん、事業所の方がどの程度理解しているか、ちょっとその辺もあったものですから、もし必要であれば、単にペーパーのやりとりだけではなくて、そういう懇談なり話し合いの場を設けるとかいうことも、今後ぜひ考えていただきたいと思っています。
それから、教育長のお話がございました。つまり、生徒が減少して、少子化になって、適正な規模のクラスの配置ということでちょっとお話をしていました。
確かにその問題が今非常に大きな問題として、我々の前に突きつけられているんです。少子化は進んでいきますから、水産高校に限らずに、すべてのそういう状況が今進んでいきます。
そして、適正規模ということについては、抽象的な話ですけれども、果たしてどこが適正規模なのかという論拠が、私は十分に語られていないと1つ思っています。
先ほど壇上でも言いましたけれども、日本の教育は切磋琢磨だと。ある程度の人数がいて、ある程度の人数の中でもまれて、競争してはい上がっていったり勝ち抜いていくのだというふうなところがあるわけです。受験戦争がその端的な例です。
ですから、果たして少人数のところで十分な高校の教育、特にこういう職業教育が行われるということも、私は視点としては外してはいけないということをちょっと感じたものですから、教育長に、まさに口幅ったいのですけれども、御意見を申し上げたいと思っています。
最後に、ちょっと時間がありますので、地域主権改革の問題で、国の出先機関の問題、この廃止については、今回の国会では法案が見送りにされました。これからも出てくる可能性がありますので、地域の安全のためにも、こういったことも市長にしっかりと取り組んでいただくことを要望して、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(秋山恭寛 君)以上で20番松田勝議員の質問を終わります。
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4番 藤川優里君質問
○議長(秋山恭寛 君)4番藤川優里議員の質問を許します。藤川議員
〔4番藤川優里君登壇〕(拍手)
◆4番(藤川優里 君)本日7人目、最後の登壇となります。皆さん、お疲れのところとは存じますが、時間いっぱい使わせていただきますので、そのお覚悟で、いま一度顔をお上げになって、とことんおつき合いいただきたいと思います。
では、早速質問に入らせていただきます。初めに行財政改革について伺います。
1990年代後半のバブル経済崩壊後、顕著になった競争社会は、小泉・竹中体制下の経済財政政策によって助長され、その後、安倍政権のもと、交付税制度改革や地方債制度の完全自由化に向けた改革、市場化テストの本格導入等が進められ、その結果、競争社会への構造改革がさらに進み、社会の不安定化が心配される中で、自治体はそれに見合った新しいセーフティーネットの構築の導入が必要不可欠となりました。
こういった意味でも、税の公平性を確保しながら収入を安定的に確保することがより厳しく求められ、さまざまな政策ツールを駆使し、多様化する地方財政の安定的歳入確保策をいち早く研究、導入することが、各自治体の将来を大きく左右することになります。
まず、納税者の利便性向上について伺います。
国民の生活スタイルの変化とともに納税方法も多様化し、従来の庁舎窓口や銀行での納入のほか、コンビニ収納、インターネットバンキング、クレジットカードでの決済といった、24時間対応可能で場所を選ばない、納税者の利便性を考えた収納方法をとる自治体が増加傾向にありますが、当市での利便性の高い納税方法導入についての現状の認識と、将来のありようをどのように想定していらっしゃるのか、お答え願います。
次に、滞納整理について伺います。
平成24年2月の内閣府公共サービス改革推進室の資料によると、自治体の主な公金の滞納状況は、平成20年度の地方税約2兆473億円、平成22年度国民健康保険料・介護保険料は約3942億円、平成21年度公立病院未収金は約6228億円と深刻な状況に陥っており、また、青森県の国保税を除く市町村税の徴収率は、平成21年度実績で90.1%と全国第42位であり、平成11年度の22位からの低下が進んでおります。
県内においては高い徴収率を上げている当市においての、市税滞納整理の取り組みについて伺います。
次に、広告収入について伺います。
当市では、集中改革プランを中心に、歳出削減、歳入確保に努力を重ねており、行政サービスや市民からの意見等から、その成果を感じることができます。
税源確保やファシリティマネジメントといった財源確保、財産活用から見た公有財産の適正配置、行政財産の目的外使用、課税自主権の行使といった歳入確保と、自治体の財源確保策は多様化し、その中でも広告収入においては、さまざまな媒体を対象として掲出できるもので、当市でも封筒やホームページのバナー等、既に導入がなされているところであります。
最近では庁舎の玄関マットやエレベーターの内と外のドアへの広告が導入されているということで、以前なら、人に踏まれる玄関マットに自社の広告を載せることにはためらいがあったものの、いかに見てもらえるかという視点で選ぶ企業がふえたようです。
そこで伺いますが、玄関マットやエレベーターのドアの広告収入への利用について御所見を伺います。
次に公共交通について、まず路線バス上限運賃化実証実験について伺います。
平成23年10月より開始されたこの実証実験において、2月の協議会で報告された速報によると、実験実施の前後の短期的動向としては6.7%の増加という報告がされております。ことし9月末で実験開始よりおおむね1年が経過しますが、現在までにどのような効果が得られたのか、今後どのように反映させていくのか、利用促進策、また今後の継続実施の方向性についてお答え願います。
次に、はちナビ娘・はちこについて伺います。
7月より、八戸駅やイベントにて、白と水色の制服に身を包んだ女性を見るようになりました。はちナビ娘・はちこと呼ばれているバスのアテンダントだと伺っております。
彼女たちが八戸駅に配置されてから、その制服の凛とした姿、利用者に目線を合わせる姿、初々しさに、駅の雰囲気も大変明るくなった印象を受けております。今後このはちナビ娘・はちこをどのように育成、展開していくのか、お答え願います。
次に、公共交通を生かしたまちづくりについて伺います。
公共交通は住民の生活上の移動のみならず、観光客の目的地までの移動にも欠かせない交通機関であり、この公共交通がわかりにくい場合、観光地としての評価が下がることも多く、多くの自治体において長年大きな課題の一つとして認識されています。
本年は東北新幹線八戸駅開業から10年という節目の年でありますが、開業当初、観光客をターゲットとし運行されていた八戸駅と中心街を結ぶシャトルバスの路線は維持困難となり、撤退に至り、現在は南部バス、市営バスが共同で10分間隔の等間隔運行を行っております。
このように、公共交通機関は時代や利用者のニーズにより変化、成長を重ねながら、ふだんの地域住民の生活の利用に維持され、観光客も使える路線となることが実証されております。
東北新幹線八戸駅開業から10年が経過し、今後の地域活性化に向けて地方鉄道、路線バスなどの公共交通を生かしたまちづくりに対するお考えをお聞かせ願います。
次に、高齢者特別乗車証について伺います。
当市では、公共交通が果たす役割は、経営面だけに着目するのではなく、お金でははかれないようなさまざまな価値を生み出しており、そこに着目しながら育て、確保していくという考えのもと、全国的にも厳しい地方の公営バスの維持に努めております。
維持のための政策、投資先はさまざまありますが、その中でも4億8000万円という巨額な税金を投じている、この高齢者特別乗車証の交付状況とその認識について伺います。
次に、モビリティ・マネジメントの視点による駐車場の割引処理について伺います。
当市では、地球温暖化対策や公共交通の利用促進の観点から、モビリティ・マネジメントを推進しています。そのような中、市庁舎に車で来た方には、市の駐車場が1時間無料になるサービスを行い、その一方で、料金を支払い、環境負荷の少ない公共交通を利用して来庁する人には、そういったサービスを行っておりません。
駐車場の1時間無料のために、駐車場の特別会計の歳入約6000万円のうち、市の一般会計から4500万円の支出がなされており、この不公平な税金の使い方と、環境先進都市を目指す宣言と逆行する取り組みに疑問を感じざるを得ません。
平成22年6月議会にて早狩総務部長は、実態として自動車を利用している方とバスを利用されている方の取り扱いが違うという認識がおありになると示され、現在の割引処理のあり方も含め、再度勉強、研究したいという力強い御答弁を示されて、私も大変期待してまいりました。あれから2年、その勉強と研究の成果についてお聞かせ願います。
最後に、環境政策について伺います。
国内の再生可能エネルギーを利用した電力は総発電量の1%にすぎず、脱原発を掲げるドイツの17%を初め、北欧諸国に比べると大きくおくれをとっております。
また、日本の貿易黒字の約3割がエネルギーを買うコストで流れている等、決してエネルギー強国とは言えない我が国では、将来にわたって持続可能なエネルギーを求め、長年議論、研究がなされてきたことは御周知のとおりです。
そのような中、2013年度の一般会計の要求額約97兆円のうち、政府が日本再生戦略で掲げたエネルギー・環境など重点分野の要求額は2兆円前後と見られ、また、再生可能エネルギー法や原発問題、今月6日に示された革新的エネルギー・環境戦略の素案をきっかけに、国内の自然エネルギーの普及や節電といった国民の環境リテラシーが急速に上がっている今、全国的に各自治体の動きも活発になり、いかにその自治体の特色や資源に合わせたエネルギー生産を見出し、関連産業集積による地域経済の発展に結びつけるかが大きな関心となっております。
そこで、以下3点について質問いたします。
まず、メガソーラーについて伺います。再生可能エネルギー特別措置法の成立により、自然エネルギー普及を促すための電力固定価格買い取り制度導入が決まり、地方自治体の間でメガソーラー普及への意欲が急速に盛り上がりを見せております。
しかしながら、太陽光発電施設の建設だけでは、一般的な工場誘致や箱物建設に比べて投資額が低く、長期的な雇用の創出も難しく、地域経済の発展に結びつけることは難しいとも言われております。
新潟県では、民間業者との共同事業のほかに、県単独で出力1メガワット、2基合わせて750世帯の消費電力量を発電しており、平成27年7月には、これまでの実績と固定価格買い取り制度の開始を踏まえ、3基目が完成する予定で、3基目は今までの1メガワットではなく15メガワット、約5000世帯の年間消費電力量相当の発電が見込まれており、これに伴う予算案が今9月議会に提出されているとのことです。
そこで伺いますが、当市が事業主体となることへの御認識と、その課題について伺います。
次に、環境に優しい公共施設の整備について伺います。
LEDの省エネ効果や長寿命等の有効性は国民全体に認知されるところとなり、この利用、導入率も上がってまいりました。しかしながら、そのイニシャルコストの高さや、製品としての規格が定められていないこともあり、気軽に導入できるものではないとも言われております。
行政では、購入の補助金等の施策や公共施設への導入により、その有効性を示す施策で、民間企業や一般家庭での導入を促進する動きが見られますが、当市の公共施設へのLED導入への現状と必要性の御認識について伺います。
最後に、クリーンパートナー制度について伺います。
クリーンパートナー制度とは、市民の皆さんと市が協働で進める環境美化プログラムで、ボランティアとして、まちをきれいにしようという活動を市として積極的に支援していこうという取り組みですが、その登録団体数と活動状況、この取り組みを将来にわたってさらに有効にするための方策について伺います。
以上、壇上からの質問とさせていただきます。
〔4番藤川優里君降壇〕(拍手)
○議長(秋山恭寛 君)市長
〔市長小林眞君登壇〕
◎市長(小林眞 君)藤川議員にお答え申し上げます。
最初の1、行財政については、総務部長並びに財政部長から後ほどお答え申し上げます。
私からは2、公共交通についての(1)路線バス上限運賃化実証実験についてからお答え申し上げます。
まず、昨年10月から、南部バス、十和田観光電鉄及び市交通部の3つのバス事業者とともに、市内及び八戸圏域8市町村内において実施している実証実験の実施効果ですが、昨年9月と11月の実験開始前後に行った乗降実態調査では、平日ダイヤ1日分の乗車人員の短期的動向として6.7%の増加という結果が得られております。
実験開始1年経過時点における効果測定については、ことし9月と11月に乗降実態調査を行うこととしており、その結果につきましては、まとまり次第報告したいと考えております。
乗降実態調査以外に実施効果を示すデータとしては、事業者がまとめている実験期間6カ月を含む平成23年度の乗車人員があります。3事業者の乗車人員の合計では、平成14年度から平成22年度までは、対前年度平均でマイナス3.3%の減少基調にあったものが、平成23年度にはプラス4.6%の増加に転じる結果となっております。
また、実験開始後の定期券の販売数につきましても、平成24年4月から6月までの3カ月を対前年同期で比較すると、定期券全体で16.6%、通学定期券に限定すると15.6%の増加となっております。
今年度の利用促進策についてでありますが、緊急雇用創出事業を活用した路線バス1便1人乗客アップ運動推進事業において、これまで、はちのへホコテンなどのイベントで広報活動を実施してきたほか、現在高校進学を控えた中学3年生への説明会を開始したところであります。
また、主婦層、中心街企業の従業員などを対象に、バスの賢い使い方などを周知する利用促進活動を行うこととしております。
今後の継続実施の方向性についてでありますが、実験開始1年経過時点の乗降実態調査の結果や、バス事業者の運送収入等の動向も勘案しながら判断をしてまいりたいと考えております。
次に、はちナビ娘・はちこについてお答え申し上げます。
市では今年度、国の緊急雇用創出事業を活用し、バスと鉄道の乗り継ぎ案内等を行う地域公共交通ステーションアテンダント育成・活動事業を実施しております。
はちナビ娘・はちこは、あらゆる世代から親しまれる存在になることを目的として名づけたアテンダントの愛称であり、はちこの活動を通じて戦略的にイメージアップを図り、路線バス等の利用促進につなげていきたいと考えております。
業務内容につきましては、まず7月から八戸駅に拠点となるブースを設置し、来訪者に対するバスや鉄道の乗り継ぎ案内等を実施しております。
八戸駅における7月と8月のアテンド実績は、2カ月間の合計で4138件となっており、その内訳は、バス・鉄道の乗り継ぎ案内が40.2%、次いで駅構内や付近の情報案内が39.8%、その他としてパンフレット類の配布や観光案内などが20%となっております。
また、9月から本格的に路線バスにも乗車し、バス車内や停留所において目的地案内や、体の不自由な方への乗降支援等を実施しております。
加えて、路線バスの情報を盛り込んだテーマソング「みんなのバス あなたのはちこ」を制作し、イベント等でのライブのほか、市内全小学校にCDを配布するなど、バスのイメージアップにも取り組み、市民や利用者から好評価をいただいております。
はちこの育成につきましては、これまでアテンド開始前に約1カ月間、基本となる公共交通の知識に加え、身だしなみや接遇等の研修を実施する一方で、八戸ふるさと検定を受験するなど、業務を遂行する上で必要となる市の歴史、文化、観光などの幅広い知識の習得に努めてまいりました。
また、より高度なサービス接遇能力の修得を目的として、サービス接遇検定の受験を予定しており、サービス業務に対する心構え、態度、振る舞いなどの接遇能力の向上を図ってまいります。
今後の展開についてですが、9月下旬からアンケート調査を実施し、市民や利用者の評価、意見等をアテンド業務に反映させ、より充実させていくとともに、はちこの保育園や学校等への出前によるテーマソングの披露や振りつけ指導等も実施し、路線バスの利用促進のためのPRを行っていきたいと考えております。
また、次年度以降の事業継続の可能性につきましても、八戸駅等での乗り継ぎ案内の必要性、観光振興への貢献度、バスの利用促進に対する効果等を勘案しながら検討していきたいと考えております。
次に、公共交通を生かしたまちづくりについてお答え申し上げます。
中心市街地活性化や環境負荷対策、少子高齢化への対応などの政策課題を踏まえ、当市のまちづくりはコンパクト&ネットワークの観点から進める必要があります。その意味で、公共交通はネットワーク形成の根幹となる重要な移動手段であると認識しております。
中でも幹線的バス路線は重要な都市基盤であり、例えば八戸駅と中心街間では、路線バスの等間隔運行や最終新幹線接続の乗り合いタクシー・シンタクンの運行等により利便性の向上を図り、地域住民の利用はもとより、来訪者にも利用可能な
公共交通サービスを提供しているところであります。
こうした当市の取り組みが国に評価され、昨年7月、地域公共交通活性化・再生優良団体大臣表彰を受賞したところであり、今後もさらなる創意工夫を重ねてまいります。
一方、東北新幹線八戸開業後、民間では、八食センターが南部バスと連携し、八戸駅や中心街から八食センターにアクセスするバス路線を開設し、観光客からも好評を得て、継続的な運行を行っております。
また、八戸観光コンベンション協会では、タクシー事業者と連携し、当市の観光特性を生かして、朝市や朝ぶろをめぐる、八戸あさぐるを運行しております。
こうした東北新幹線八戸開業後10年間の取り組みを振り返るとともに、有識者等の意見も踏まえ、地域活性化につながる交通政策のあり方を探るため、来る11月29、30日に東北新幹線八戸開業10周年記念・交通まちづくりシンポジウムin八戸を開催いたします。
本シンポジウムを通じて、多様な主体が公共交通を生かした地域振興策に取り組めるよう研究を進めるとともに、今後も公共交通ネットワークを基盤としたまちづくりを推進してまいります。
次の(4)高齢者特別乗車証については福祉部長から、(5)モビリティ・マネジメントから見た駐車場の割引処理については総務部長から、3、環境行政については環境部長から後ほどお答え申し上げます。
私からは以上でございます。
〔市長小林眞君降壇〕
○議長(秋山恭寛 君)財政部長
◎財政部長(高島司 君)私からは、1、行財政についての(1)納税等の利便性向上についてからお答え申し上げます。
当市の市税については、納税者の利便性を考慮し、口座振替による納付を推進しているほか、毎週月曜日と金曜日に窓口業務を延長したり、休日や夜間の納税相談等でも納付を受け付けております。
このほか、利便性向上を図る手段としては、コンビニ収納やネットバンキング等がございますが、県内でコンビニ収納を実施しているのは、青森県のほか青森市、弘前市、十和田市等の8市町村となっております。
コンビニ収納を実施するに当たりましては、取扱手数料や新たなシステム導入のための初期投資費用、さらには新たな納付書の作成、個人情報保護対策等といった課題もございますが、当市といたしましては、その導入について調査研究してまいりたいと考えております。
一方、ネットバンキングは、インターネット経由で銀行等の金融機関のサービスを利用することでございますが、ネットバンキングを利用した収納事務は全国的にもまだ普及していないことから、今後の課題としてその動向を注視してまいりたいと考えております。
次に、滞納整理についてお答え申し上げます。
市税の滞納整理につきましては、滞納者と面談し、納税交渉を行うことを基本としており、文書や電話での催告のほかに、夜間や休日の戸別訪問、休日納税相談の実施、毎週月曜日と金曜日の窓口業務の時間延長など、納税者の利便性の向上を図りながら、よりきめ細かい滞納整理に取り組んでまいりました。
また、平成16年度からは、高額滞納者や困難事案を専門に担当する特別整理グループを設置し、徴収体制の強化を図ったほか、平成19年度からは、税の徴収に関して豊富な知識と経験を有する市税徴収指導員1名を任用し、職員の徴収技術の向上を図り、困難事案等の解決に努めてまいりました。
平成22年7月からは、行政サービスの給付等の制限要領を制定し、市税滞納者への補助金等の給付を制限することで、滞納を抑止するための対策も講じております。
さらに、昨年10月からは民間事業者に委託し、八戸市納税コールセンターを設置して、新規滞納を防止するために現年課税分の納め忘れ等に対し、電話による早期納付の案内を実施しております。
今後とも市税の滞納整理については効率的かつ効果的に取り組み、税収確保に向けて努力してまいります。
以上でございます。
○議長(秋山恭寛 君)総務部長
◎総務部長(早狩博規 君)私からは、広告収入についてお答え申し上げます。
当市では、新たな自主財源の確保を目的に、平成17年度より、市が保有する財産を広告媒体として提供し、民間企業などから収入を得る有料広告事業を実施しており、これまで広報はちのへや市ホームページを初め、年々掲載媒体をふやしながら事業の拡大を図っております。
議員御案内のとおり、全国的にも自治体のメッセージや風景などを掲載した玄関マットや、エレベーターの内壁やエレベーターホールを媒体とし、広告事業を展開している自治体がふえております。
このような中、当市としても現在、広告による収入確保に向け、広告つき玄関マットやエレベーターへの広告掲載について導入の可能性を検討しているところでありますが、今後、庁舎としての公共性や景観保全に留意しながら、実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(秋山恭寛 君)福祉部長
◎福祉部長(田名部源一 君)私からは、公共交通についての(4)高齢者特別乗車証についてお答え申し上げます。
市では、高齢者の生きがいづくりや社会参加促進のため、70歳以上の高齢者に対し、1年間利用できるバス特別乗車証を交付しております。
この特別乗車証は、昭和49年度から市営バスの乗車証として交付されておりましたが、平成19年7月からは市営バス及び南部バスの共通乗車証となっております。特別乗車証は、当初は無料でしたが、平成15年7月に有料化され、現在は所得に応じて4000円または8000円となっております。
交付者数は、平成21年度は1万5917人、平成22年度は1万5880人、平成23年度は1万5822人と、ほぼ横ばいで推移しております。この理由としては、70歳以上の高齢者のうち、自動車運転免許証の保有割合がふえていることから、自家用車を利用しているためと推測されます。
高齢者人口はこれからも増加するものの、交付者数の傾向はほぼ横ばいで推移するものと考えております。今後は、特別乗車証の交付者数の動向や、路線バス上限運賃化実証実験の結果等を踏まえ、制度のあり方について研究してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(秋山恭寛 君)総務部長
◎総務部長(早狩博規 君)モビリティ・マネジメントから見た駐車場の割引処理についてお答え申し上げます。
平成22年6月議会においての答弁でも申し上げましたが、現在の中央駐車場の割引処理は、昭和59年に当時の旧館わきの無料駐車場の廃止に伴い、そのかわりの来庁者用駐車場として中央駐車場を利用することとし、1時間に限り無料としたもので、その処理に当たっては、駐車券に用務課で押した認印をもって確認し、行っております。
また、他都市の状況について申し上げますと、東京都や宮城県庁など一部の大都市を除き、特に車への依存度が高い地方都市にあっては、時間の長短の差はあるものの、県内はもちろん、ほとんどの都市において来庁者の駐車料金を無料または割引処理としているのが現状でございます。
先ほどの議員御発言の中で、この割引処理について環境先進都市を目指す宣言と逆行するもの、また来庁する際の駐車場利用者と公共交通機関利用者とでは、その取り扱いについて不公平ということの御発言がございましたが、解消のための方策といたしましては、駐車場利用者の割引処理の廃止が、まず1つ考えられます。
当市の割引処理は昭和59年から実施しているものであり、廃止するとなると駐車場を利用する方々に新たな負担を求めることになり、各地区市民サービスセンターなどを初め他の市の施設において駐車料金を御負担いただいていない現状においては、なかなか利用者の理解を得ることは難しいものと考えております。
また、もう1つの解消策といたしましては、公共交通機関などを利用しての来庁者に対しても割引処理に相当するような同様の措置を講ずるという方策も考えられますが、これにつきましては、まずバス等の公共交通機関を利用して来庁された方かどうかの確認が難しいことに加え、新たな歳出の増につながることから、現時点では難しいものと考えております。
先ほど勉強と研究の成果についてということでございましたが、割引処理に関して不公平であり、環境先進都市を目指す宣言と逆行するという議員のお考えを踏まえつつも、現時点では、このように考えているところでございます。
以上でございます。
○議長(秋山恭寛 君)環境部長
◎環境部長(妻神敬悦 君)それでは、私から環境行政についての3点の質問についてお答え申し上げます。
まず、メガソーラーについてですが、ことし7月から再生可能エネルギー固定価格買い取り制度が始まり、全国的にメガソーラー発電を初めとした再生可能エネルギーによる発電設備の導入計画が進んでおります。
群馬県太田市では、全国で初めて自治体単独でメガソーラー発電所を建設し、ことし7月から運転を開始しております。また、盛岡市や京都市を初め複数の自治体では、市有地でのメガソーラー発電事業者の公募を行っております。
市が事業主体となることは、未利用の公共用地の有効活用が図られるほか、他の発電事業者の参入を促進する効果が期待されると考えております。
課題としては、広い用地が必要なこと、送電線の整備や太陽光パネルの設置に多額の初期投資が必要であり、その費用回収に時間がかかることが挙げられます。
今後は、先進地での事例を参考に、市が事業主体となることも含め、メガソーラー事業の推進について研究してまいります。
次に、環境に優しい施設整備についてお答え申し上げます。
LED照明は、白熱電球や蛍光灯に比べ、長寿命で省エネ性能にすぐれていることが特徴で、家庭や企業での省エネ対策に有効であるとされています。
市では、これまで第5次八戸市行財政改革大綱に基づき、本庁舎において白熱電球のLED化を進めております。
また、平成22年度から平成23年度にかけて、国のグリーンニューディール基金を活用し、八戸ポータルミュージアム・はっちの駐車場、八戸市立市民病院の駐車場やナースステーション、市道柳町根城線道路照明及び白山台公民館にLED照明を導入しております。
震災以降は電力需要の抑制が社会的な要請となっていることからも、LED照明の導入を初めとした公共施設でのさらなる省エネルギー化が必要と考えております。
今後は、LED照明導入による省エネ効果や費用対効果などを検証し、公共施設へのLED照明の計画的な導入を検討してまいります。
次に、クリーンパートナー制度についてお答え申し上げます。
はちのへクリーンパートナー制度は、アダプトプログラムをもととしたボランティア清掃活動支援の取り組みであります。アダプトプログラムとは、市民や企業などの団体が公共スペースの清掃や美化を行うことから命名されたプログラムで、1985年にアメリカのテキサス州で始まった活動であります。
当市では、平成15年に八戸市版アダプトプログラムとして、はちのへクリーンパートナー制度を制定し、清掃活動に対しボランティア用ごみ袋の提供と、ごみを自己搬入した際のごみ処理手数料の減免を行っております。
これまでに233の団体、個人をクリーンパートナーとして登録しており、清掃活動実績は、平成22年度は104件、平成23年度は88件、今年度は8月31日までで42件となっております。
現在クリーンパートナーによる清掃活動の実施状況を、要望に応じ市のホームページに掲載して紹介しておりますが、清掃活動をさらに活発化させる方策として、市ホームページの紹介ページヘ、活動団体のホームページへのリンクを一定期間掲載し、活動団体のPRに利用していただくことなどが考えられます。
また、広報はちのへや環境展でのパネル展示など、さまざまな機会をとらえ、本制度と活動実績の紹介を行ってまいります。
今後とも市民や活動団体のボランティア清掃活動を支援し、快適な生活環境の保全を図るため、八戸クリーンパートナー制度の発展に努めてまいります。
以上でございます。
○議長(秋山恭寛 君)藤川議員
◆4番(藤川優里 君)各般にわたりまして御答弁ありがとうございました。早狩部長の勉強と研究、ありがとうございます。順次、意見要望、再質問をさせていただきます。
では、最初に納税の利便性向上についてです。東京都の葛飾区では、携帯電話から都区民税だとか国民健康保険料、軽自動車税を支払えるサービスを既に進めておりまして、利用者は自宅や外出先から24時間決済できるようになりました。こちらではNTTデータのモバイルレジというシステムを採用しているということです。
また、千葉市では2006年4月から固定資産税、市県民税、軽自動車税についてのインターネットやコンビニでの収納を行っていて、その後さらに国民健康保険料、下水道使用料、加えて自治法改正によって可能になったクレジットカード決済も既に導入しているということです。
県内の他市においても既に導入されているという点では、やはり当市がおくれをとっていると言わざるを得ない。
それで田名部副市長、高島部長、私が存じ上げている財政部長はお二人だけですけれども、歴代の財政部長は大変丁寧で、慎重なお仕事をなさっているので、何らかの理由があってこのように時間がかかっているのだとは思います。
ただ、私の計算では近い将来、来年、再来年度ぐらいには当市でも導入されるのではないかと考えているのですが、その際には、そのよいところを生かして、トラブル、間違いのないように導入していただきたいと、また少しでも早い導入をお願いしたいと思います。
次に、滞納整理についてです。御答弁によりますと、十分配慮した政策で、充実した体制で収納体制が整っているということでした。もちろん満額徴収するということは大変難しいですし、いろいろな事情を抱えた方もいらっしゃると思います。そういう方には減免制度などを利用していただいて、納めるべき人にはきちんと納めていただくという体制をもう一度考えていただきたいと思います。
近年の判例をちょっと勉強させていただきましたら、本来回収されるべき債権が回収されない場合、自治体の首長が責任を問われるリスクが大変高くなっている、これまで以上に高くなっていると伺いました。
他の自治体よりもいろいろな取り組みをなさっていると思っているのですが、まだやっていない取り組みもあると思いますので、新たにやるのではなく、本来やらなければいけなかった取り組みをやるという認識で、また、自分がどんな条例や法律に基づいて仕事をしようとしているのか、もう一度再確認していただいて、今後とも努めていただきたいと思います。
次が公共交通についてです。最初の路線バス上限運賃化実証実験についてですが、新聞報道によりますと、八戸北高校の南郷校舎、全校生徒106人のうち6割がバス通学だと伺いました。
それで、今まではPTAが民間バスを借り上げてスクールバスにしてきた、そして1人当たりの利用料が年間20万円ぐらいになったということです。しかも、利用者が減れば減るほど1人の負担額がふえるという契約をなさってきたようです。
今回の実証実験に伴い、生徒たちは路線バスの利用に変えたそうですが、そうすれば片道上限300円ということで、一番効果があった方では利用料が半額ぐらいまででおさまっているということがあったようです。それも定期券の購入とか高校生のバス利用がふえたということに大変つながっていると思うんです。
いろいろな世代に使っていただきたいのが公共交通なのですが、殊に学生に関しては、教育を受ける権利を遠方への通学だからということであきらめる方もいると聞いていますので、そういうことのないように、移動するのにお金がかかるということで、実力があるのに、よい学校へ、行くべき学校へ行けないということがないように、その辺も配慮していただきたいと、そのためにぜひこの上限運賃化制度、この上限運賃を維持していただきたいと思います。
市の試算では、利用者が今までより9.8%ふえたなら、値下げ前と同じ収入を確保できるということでした。やはりそのためにも、来年度もこの事業をどんどん継続していっていただきたいと思います。
私は高校生のころ、バス停だとか駅のホームで好きな人がいたらいいなとか、そういうのにあこがれていたのですけれども、学生にそういう思い出をどんどんつくってほしいという部分もありまして、学生の学ぶ機会とか思い出をつくる機会だとも思って、この制度をどんどん使っていただきたい、続けていただきたいと思います。
次に、はちナビ娘・はちこです。いろいろな研修体制を整えていただいていることに大変感謝します。彼女たちにちょっとお話を、何か不便はありませんかと駅で聞いたら、やはりまだ皆さんの期待にこたえられていない、何かを聞かれたときに答えることができないということで悩んでいました。それはこれから、学習の成果がどんどん出てくると思いますので、ぜひその様子を見ていただきたいと思います。
私が観光関係者から再三言われてきたことは、八戸の観光客にリピーターが多いのは、魅力的な観光地とか食べ物のほかに、やはり人々のおもてなしだとか、そういう温かさが影響しているということでした。
八戸の出入り口でもある、その駅に彼女たちがいるということは大変心強いことですので、ぜひこれからも、高いレベルでのおもてなしができるように、いろいろな研修をさせていってあげたいなと思っています。
また、このはちこの配置に伴って、バスの運転手とか八戸の駅の職員の意識の改革にもなった、意識の変化もあったということを伺いました。
八戸にはすてきな女性も多いです。イサバのカッチャだとか、伊調、小原両メダリスト、あと、八戸の市議会にも2人の大変すばらしい女性の先輩がいらっしゃいますし、やはりそういった女性に引き続いて、はちこも、八戸の小学校の女の子なんかが、あっ、私も大きくなったら、はちこになりたいなと思ってもらえるような職業、存在になってもらえるような、そんな八戸を代表する存在にまで、はちこを育て上げていただきたいと思います。
これも本来ならば今年度いっぱいの事業だということですが、ぜひ来年も続けていただきたいなと、その周囲へのよい意味での波及効果を考えると、その価値があると思います。ぜひこの点、もう一度市長に御答弁いただきたいと思います。
環境についてです。まず1点目がメガソーラーの件です。先ほど新潟県を例に出させていただいたのですが、そもそも新潟県がメガソーラーへの取り組みを加速したのが2009年、新潟県を営業区域とする東北電力が宮城県、青森県に同社初のメガソーラーを建設することを発表したことが刺激になったと伺っています。
民間との協働事業、新潟県は昭和シェル石油とだったのですが、それによって産業観光のPRとか関連産業の取り組み、一般家庭での太陽光パネル設置推進にも一定の効果があったとしながらも、やはり発電所の立地に伴う新規雇用がゼロ。建設時に県内業者が下請で一部工事にかかわったものの、税収増加などの大きな経済効果も見られなかったということで、県みずからが事業主体になることを決めたということです。
また、先ほど御答弁いただいた中で群馬県の例がありました。そちらでも東京電力に売電して、2009年度は70億2400万円の収益を得て、電力事業の収支は約7億円の黒字と。
また、これはメガソーラーではありませんが、岩手県の葛巻町ですか、2900世帯の小規模な町ではありますが、風力発電と乳牛のふん尿のメタンガスで1万3000世帯分の発電を可能にしておりまして、町の調査検討委員会によると、風力などの潜在的な自然エネルギーが約8万世帯分の年間使用量を賄うことができると結果が出ているようです。
また、このようなことを利用して環境NPO法人が環境教育の体験施設をつくったところ、年間5万人だった観光客が50万人まで伸びたそうです。
やはり、そのまちのリーダーがどれだけ本腰を入れて覚悟を決めるかによって、将来のまちのあり方に差が出てくるという転換期ではないかと考えているので、もう一度市長からこちらの御答弁をいただきたいと思います。
次に、環境に優しい施設整備についてです。LED導入に関してですが、やはり最大の課題はイニシャルコストだと考えます。近年、LED導入の際に、自治体ではリース契約による導入をすることがふえていると。
まず福岡市では、環境局の施設でLEDをリース契約によって導入、蛍光灯に比べて50%の節電効果があり、8年間のリース期間で2100万円のコスト削減が見込まれています。
リースでは、やはり初期費用がかからず、リース期間8年間を過ぎると無償譲渡されるということで、LED照明の寿命が4万時間と言われているのですが、1日10時間掛ける、平日大体250日と換算して、年間2500時間使ったとしても16年間もつと。リース期間が過ぎてからさらに8年間はリース費用も必要なく、さらなる経費削減につながるということです。
経過を見て全庁に拡大するという考えで、福岡市は大きい自治体ですが、そうすれば8年間の経費削減額が約3億9000万円になるということです。
また大野城市は、庁舎ではなくて防犯灯ですけれども、約5600基をLED照明化するということで、10年間のリース代が設置工事含め約1億7000万円で、直接施工方式の約半分で済むということで、23年間かかって交換する予定が、わずか数カ月ですべて交換完了になったということです。
また、広島県府中市、こちらも防犯灯をLEDのリースにて導入なのですが、町内会の管理の防犯灯を一括リース方式にて、LED化を進めています。
平成23年度には70町内会中53町内から申請があったということで、リース料は年間1灯につき、市から1000円を助成した後の町内会負担が1688円ということです。リース期間中の修理や交換などの維持管理はリース会社が行って、火災や落雷についても保険の適用内だそうです。
このLEDをリース方式で導入するメリットはさまざまあるのですが、この件に関してちょっと積極的に研究をしていただきたいのですが、そこを市長から御答弁願います。
以上3点です。
○議長(秋山恭寛 君)市長
◎市長(小林眞 君)藤川議員から3点ほど再質問がございました。
1つは、はちナビ娘・はちこについて、今、非常に多方面で活躍と言いますか、活動しているということについては壇上でもお話ししたとおりであります。
その効果等につきましては、やはり慎重にと言いますか、しっかりと把握して、課題があればまた、研修等の御指摘もありましたし、そういったことを踏まえながら、はちこのより有効な展開というようなことを考えていきたいと思います。
来年度について、ことしで終わりにしないでほしいということが質問の趣旨であります。今、財源は緊急雇用の関係で生み出しておるわけですし、また、契約はことし限りにはなってございますけれども、先ほど壇上でも申し上げましたとおり、将来につながるような取り組みであるという思いもありますので、議員の御提案も十分踏まえて、少し前向きに考えていければと思っております。
それからメガソーラーについて、自治体が主体となってやっている例をるる御紹介いただきました。
八戸の場合は、御案内のように、東北電力が初の太陽光発電所を建設した経緯があります。太陽光発電に非常に向いた土地柄であるということもあって、東北電力がそういう判断をしたと思われます。
固定価格買い取り制度のこともありますし、営業的に成り立つのだというようなこともあります。各自治体で取り組んでいる例も御紹介いただいたわけであります。
その辺は少し見させてもらいたいと思っておりまして、いろいろな計算をした上で、成り立つのだということでありますけれども、投資額がかなり大きいということもあります。
そうすると、リスクも大きいということでありまして、自治体として本来やるべき仕事はきちっとあるわけで、必ずしも電力を発電することが地方自治体の仕事ではないというような面もあります。
その辺は慎重にいかなければならないと思っておりまして、その辺は少しおくれていってもよいのではないかと。後からついていって、前がこけたら、もうやめましょうというぐらいのことでも構わないのではないかと思っています。
自治体として必ずやらなければならない仕事であれば必死になってやるわけですけれども、そこは少し慎重に構えさせていただきたいと思います。
それから、LEDについては効果は実証されています。長期的に見るとLEDを導入したほうが完全に有利だということはわかっています。
先ほど、環境部長の答弁でも、計画的に導入していきたいと申し上げたところでありまして、また、当市の誘致企業と言いますか地場産業の中にも、LEDの大きな企業もございますので、そういった関連もございます。
どういうところに入れられるかをしっかり調査しながら、前倒しと言いますか、できるだけ積極的な対応をしていきたいと思っています。
LED導入の際のリース契約につきましても、有効な方法だと思っています。しっかりと研究して、可能であれば、今後計画的に導入する中で検討していきたいと思います。
○議長(秋山恭寛 君)藤川議員
◆4番(藤川優里 君)ありがとうございます。期待しています。
以上です。
○議長(秋山恭寛 君)以上で4番藤川優里議員の質問を終わります。
これにて一般質問を終わります。
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△日程第2 議案13件
△日程第3 認定2件
○議長(秋山恭寛 君)日程第2議案第77号平成24年度八戸市
一般会計補正予算から議案第82号平成24年度八戸市
介護保険特別会計補正予算まで及び議案第86号
八戸市立学校設置条例の一部を改正する条例の制定についてから議案第92号八戸市
自動車運送事業欠損金の資本剰余金による処理についてまで並びに日程第3認定第1号平成23年度八戸市一般会計及び各特別会計決算の認定について及び認定第2号平成23年度八戸市
公営企業会計決算の認定についてを一括議題といたします。
これより上程議案に対する質疑を行います。
御質疑ありませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○議長(秋山恭寛 君)御質疑なしと認めます。
お諮りいたします。
ただいま議題となっております認定第1号及び認定第2号並びに議案第92号については、18人の委員をもって構成する決算特別委員会を設置し、これに付託の上、審査することにいたしたいと思います。
これに御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(秋山恭寛 君)御異議なしと認めます。
よって、認定第1号及び認定第2号並びに議案第92号については、18人の委員をもって構成する決算特別委員会を設置し、これに付託の上、審査することに決しました。
ただいま設置されました決算特別委員会の委員の選任については、委員会条例第8条第1項の規定により、議長において、お手元に配付してあります決算特別委員一覧表のとおり指名いたします。
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│ 決算特別委員一覧表 │
├──────────────────┤
│ 工 藤 悠 平 藤 川 優 里 │
│ 高 橋 一 馬 西 村 吉 晴 │
│ 田 端 文 明 冷 水 保 │
│ 三 浦 博 司 田 中 満 │
│ 小屋敷 孝 森 園 秀 一 │
│ 坂 本 眞 将 石 橋 充 志 │
│ 豊 田 美 好 立 花 敬 之 │
│ 松 橋 知 前 澤 時 廣 │
│ 五 戸 定 博 大 館 恒 夫 │
└──────────────────┘
なお、決算特別委員は次の休憩中に委員会を開き、正副委員長の互選を行うよう、本席から口頭をもって委員会を招集いたします。
この際、委員会開催のため暫時休憩いたします。
午後5時56分 休憩
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午後6時10分 再開
○議長(秋山恭寛 君)休憩前に引き続き、会議を開きます。
決算特別委員会において正副委員長の互選を行った結果、委員長に豊田美好委員、副委員長に冷水保委員が当選した旨の報告がありました。
次に、ただいま議題となっております議案第77号から議案第82号まで及び議案第86号から議案第91号までを、お手元に配付してあります議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
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休会の件
○議長(秋山恭寛 君)以上で本日の日程は全部終了いたしました。
この際、お諮りいたします。
委員会開催等のため、明日から14日まで及び18日から20日までの6日間は休会いたしたいと思います。
これに御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(秋山恭寛 君)御異議なしと認めます。
よって、6日間は休会することに決しました。
次回本会議は、9月21日午前10時に開きます。
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散 会
○議長(秋山恭寛 君)本日はこれにて散会いたします。
午後6時12分 散会...