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10月14日-07号

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  1. 奈良市議会 2004-10-14
    10月14日-07号


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    平成16年  9月 定例会平成16年奈良市議会9月定例会会議録(第7号)-----------------------------------     平成16年10月14日(木曜日)午前10時17分開議-----------------------------------議事日程 日程第1 議案第83号 奈良市実費弁償条例及び奈良市教育職員の退職年金等に関する条例の一部改正について-----------------------------------本日の会議に付した事件 第1、一般質問-----------------------------------出席議員(42名)                     1番   奥田正治君                     2番   浅川 仁君                     3番   三浦教次君                     4番   佐藤 亨君                     5番   大坪宏通君                     6番   矢野兵治君                     7番   大国正博君                     8番   山中益敏君                     9番   内藤智司君                    10番   藤本孝幸君                    11番   北村拓哉君                    12番   山口裕司君                    13番   幾田邦夫君                    14番   中西吉日出君                    15番   池田慎久君                    17番   森田一成君                    19番   高杉美根子君                    20番   大橋雪子君                    21番   山口 誠君                    22番   松村和夫君                    23番   井上昌弘君                    24番   中村篤子君                    25番   上原 雋君                    26番   松田末作君                    27番   峠 宏明君                    28番   矢追勇夫君                    29番   堀田征男君                    30番   和田晴夫君                    31番   高橋克己君                    32番   金野秀一君                    33番   松石聖一君                    34番   岡田佐代子君                    35番   原田栄子君                    36番   小林照代君                    37番   吉田文彦君                    38番   米澤 保君                    39番   山本 清君                    40番   大谷 督君                    41番   横井健二君                    42番   橋本和信君                    43番   船越義治君                    44番   岡本志郎君欠席議員(2名)                    16番   榧木義秀君                    18番   土田敏朗君-----------------------------------説明のため出席した者                 市長       鍵田忠兵衛君                 総務部長     福井重忠君                 企画部長     辰巳 裕君                 財務部長     中和田 守君                 市民生活部長   葛原克巳君                 保健福祉部長   山中初子君                 環境清美部長   平岡 譲君                 経済部長     林 啓文君                 建設部長     松田幸俊君                 都市計画部長   山林一男君                 都市整備部長   酒井達雄君                 水道事業管理者                 職務代理者    福村圭司君                 業務部長                 給水部長     武 正次郎君                 浄水部長     山田 要君                 消防局長     佐賀勝彦君                 教育委員長    杉江雅彦君                 教育委員長                 職務代理者    植松滋子君                 教育長                 職務代理者    山本圭造君                 教育総務部長                 社会教育部長   中尾一郎君                 監査委員     吉田 肇君                 財務部参事                 財政課長事務取扱 戸田勝康君-----------------------------------議会事務局職員出席者                 議会事務局次長  吉村安弘                 庶務課長     岡 秀昭                 議事課長     前川純二                 調査課長     植田英夫                 調査課長補佐                 議事課長補佐兼務 南本利治                 議事係長     福井俊史                 速記       谷口藤男-----------------------------------  午前十時十七分 開議 ○議長(岡本志郎君) 昨日に引き続き、会議を開きます。----------------------------------- △一般質問 ○議長(岡本志郎君) 昨日に引き続き、一般質問を行います。 代表質問を行います。 十三番幾田君。  (十三番 幾田邦夫君 登壇) ◆十三番(幾田邦夫君) 皆さんおはようございます。私は、政青会を代表し、また、市民の代表として、是は是、非は非ということを広く市民に認知していただくというスタンスと、昨日の市長答弁の中にもありました、議会とは行政に対し監視、協働、提言という言葉を踏まえ、鍵田新市長に質問をさせていただきます。 まず、本日も各新聞社が鍵田市長のきのうの答弁について大きく取り上げております新聞報道を受けまして、多々質問がございました経歴詐称報道についてお尋ねいたします。 昨日の質問に対し、期日のミスがあったことを認められ、市民に謝罪をされたのでありますが、期間を間違ったこと自体が詐称に当たるとはお考えにならないのでしょうか。事実は、総理秘書としては二カ月間の期間であると御本人は認められましたが、実際は一年三カ月間もの間、時の内閣総理大臣の秘書であったという表現は、有権者に対し、明らかに大変な経歴の政治家であるとの印象を与え、選挙の投票行動にも大きな影響を与えられたと考えられます。期間の誤記程度は、謝罪という方法だけで問題が解決すると考えておられるのか。また、後援会のスタッフが書いたものであるとの御発言でありますが、新聞社に対し提出する資料は、世に大きく公表されることを前提としたものであります。本人みずからは確認もせずに提出をされたのか、お伺いしたいと思います。 また、首相秘書と言われる時代には、報酬をもらっておられたのか、そのときの健康保険は社会保険なのか、国民保険なのか。また、年金についてもあわせてお答えください。 次に、同じく本日も新聞紙上をにぎわしている市長の市税の不納欠損でありますが、怪文書が出回った本年二月に初めて不納欠損処分になったことを知ったと、昨日は答弁されておりましたが、四百五十万円にも上る多額の市税の未納は、当時現役県会議員であり、市長選にも当選されました御本人が知っておられたのでありながら、なぜ放置をされていたのか、お答え願います。 次に、さきの市長選挙におきまして、多くの市民から期待を込めた清き票を確得され、激戦を制せられたのでありますが、今回の得票の中には、鍵田市長が前面に押し出されました奈良再生プログラムを市民が見て、清き一票を投じられたのは紛れもない事実であります。前市長も、行財政改革大綱を時間と人的経費をかけられて、既に作成されておりましたが、そのプランよりもはるかに具体的な数字を提示されたことが市民の信任を得たのであると思います。そこで、先日の議員各位の代表質問でも多々お答えになっていたとは思いますが、私ども政青会といたしましても、奈良再生プログラムについて精査し、勉強会も開きながら研究をいたしましたが、どうしても理解ができない部分についてお答えをいただきたいと思います。 まず第一に、再生プログラムの目玉であります、市債を大きく抑え、公債残高を減らすという意味で書かれてあると思う市債残高一覧表というのがありますが、表の左から四列目の公債残高は、上から下に向けて年度がありまして、公債残高はだんだん減少しいくのは理解ができるのでありますけれども、右から七項目の起債、人件費削減、臨時職員の人件費削減、施設見直し、未収市税徴収、補助金削減、経費見直しにわたっては、不可解であり、非常にわかりにくいのでありますが、単年度で見て前年度と比較をすればよいのか、また、数字は毎年累計をしたらよいのか、どのように見たらよいのかをお答えいただきたいと思います。 次に、助役の人事案件についてでございますが、まだ上程されていない段階で新聞発表されました中和田財務部長の処遇についてお聞きいたします。昨日から選考理由等については答弁をされておられましたが、この案件は、議会の議決が要るのは御存じであると思います。市長は、御自分で否決のことは考えてないとおっしゃいましたが、実際に否決の可能性がゼロではないのが現実であります。上程された後、採決になるのでありますが、万が一否決になった場合、大変有能な職員であります中和田部長の処遇はどのようにされるのか。先日の上原議員の質問にはお答えになっておりませんでしたので、改めて重ねてお聞きしたいと思います。 次に、土地開発公社についてお尋ねをいたします。市長は、土地開発公社を平成二十五年度に清算を完了するという計画をはっきりと公約として掲げられておりますが、三百四十六億円を清算するには、まず奈良市が市有財産として買い上げなければならないのでありますが、財源はどのようにお考えなのか。また、その方法を、その他の方法をお持ちであるのであればお答えをいただきたいと思います。 次に、一〇〇年会館等の施設についてお尋ねをいたします。市長は、市長がとられた市民アンケートにより、市民の八八%が民間委託もしくは閉鎖という答えをいただいたことを踏まえ、検討するとのお考えでありますが、元来、一〇〇年会館は、他の西部会館や北部会館、ならまちセンター等と同じ目的を持った文化振興施設であり、市民サービスのための公共施設でもあります。すなわち収益目的の施設ではないのであります。市長は、その収益性を本来目的としないものを民間委託すると申されておりますが、利潤を追求することを本旨とする民間企業が、どのような形で公共施設を受け入れると思われているのか。また、閉鎖も示唆をされていますが、文化振興の観点から各文化団体の活動の場を奪うことにもなり、市民生活の向上と潤いを約束をされていることとは相反する考え方と思いますが、市長のお考えをお聞かせ願いたいと思います。 次に、奈良市職員退職者の市関連施設への再就職、すなわち天下りの全面禁止をうたっておられますが、そのことについて質問させていただきます。市長は、市退職者が市関連施設への再就職が問題であると指摘をされておりますが、実際のところ、どのような施設にどれだけの方が現在再就職をされていることを踏まえてお考えになられ、天下りの禁止を申されているのか、お答えいただきたいと思います。 以上、一問目これで終わらせていただきたいと思いますが、明確な御答弁をお願いをしたいと思います。ありがとうございました。 ○議長(岡本志郎君) 市長。  (市長 鍵田忠兵衛君 登壇) ◎市長(鍵田忠兵衛君) 十三番幾田議員の御質問にお答えをさせていただきたいと思います。 まず最初に、その経歴問題でございますが、後援会のスタッフに書かせた、それによって、それを確認しましたかという、まず質問であったかと思います。昨日もお話をさせていただいたと思います。これは、私どもの事務所長、後援会の事務所長に書いていただき、私自身も目を通させていただきました。ただ、目を通したときに私が見落としをしたわけでございます。また、中曽根康弘先生の秘書として仕事をさせていただいているときに、報酬は、そしてまた社会保険、年金、こういったことをお聞きになったかと思うんですが、これにつきまして、私ども考え方として、でっち奉公というつもりで行ってまいりました。中曽根先生のお仕事、いわゆる日本国の総理としてお仕事をしておられる中で、そのお仕事を少しでも、その黒子としてお仕事ができればという、そういった思いでやらせていただきましたので、中曽根事務所からは報酬をいただいておりません。多分、社会保険、年金は、ちょっと私、今記憶にございませんので、また調べて幾田議員にお伝えをさせていただきたいと思います。(「議会へ報告」と呼ぶ者あり) ○議長(岡本志郎君) 議会へ報告してください、市長。 ◎市長(鍵田忠兵衛君) じゃ議会へ報告をさせていただきたいと思います。 ○議長(岡本志郎君) 期間中よろしくお願いします。 ◎市長(鍵田忠兵衛君) わかりました。 また、不納欠損処分の放置理由ということについて御質問があったかと思います。きのうもお話をさせていただいたつもりでありましたが、もう少し詳しくお話もさせていただきたいと思います。 ちょうど私どもが不納欠損処分を知ったのが、ことしの二月の二十日過ぎであったと思います。その後、当時の総務部長が私どものところへお見えになって、いろいろとお話を聞きました。そういった中で、きのうもお話をさせていただいたと思うんですが、私ども平成七年の初めに、奈良市の方へこの件、いわゆる私どもの父が残してくれた私の借金、税金を延納、分納をお願いできないかというお願いをし、そしてその後、私どもも選挙、県会議員の選挙をやらせていただいたり、そしてまたその後、いろいろと仕事をさせていただいてる中で、当時の奈良市から督促状等々ないしはまたお話もなかったために失念をしてしまっておったのが現状でございます。 ですから、放置した理由というのは、私ども不納欠損処分されたこと自体は、ことしの二月に知りましたから、その処分自体、その処分の内容というもの、不納欠損処分という意味合いも、私どもそのとき初めて知ったわけでございます。ですから、放置された理由ということにつきましては、先ほども申し上げましたように、失念をしており、忘れておったという、本当にこれは、一政治家として、また一市民として、まことに申しわけないことであると思っております。 さて、続きましての御質問は、奈良再生プログラム市債残高一覧表をどのように見るのかという御質問であったかと思います。これにつきましては、きのうも御答弁をさせていただきましたように、市債発行の抑制を財政健全化の第一の方策と考え、当時明らかにされました新市建設計画での起債計画額を、各年度七十から八十億円程度削減することとし、各年度ごとにそのための財源を捻出するために、人件費を含めた各経費の見直し、これの目標額を定めさせていただいたものでございます。 十七年度を例にとって具体的に申し上げますと、一覧表における現行予算での起債額、つまり新市建設計画での起債額百七十三億四千九百万円を百億円の起債に抑えるため、人件費削減五億一千万円を初め、一覧表の中にありますように、施設の見直し、補助金の削減、経費の見直しを行うとともに、未収市税についても徴収確保を図ることとし、収支試算表を作成させていただいたものでございます。 続きましての質問は、助役人事案件について、否決された場合どうされるかという御質問であったかと思います。昨日、私どもも上原議員から御質問いただいて、最後に答弁をさせていただいたつもりでございますが、この案件について、私ども、その中和田氏がどれだけ有能な方かというのは皆さんも御存じであると思います。その中で、皆さん方が否決されるということ自体、私は正直言いまして、考えられないと思っています。ですから、否決された場合のことについては、一切私ども今のところ考えを持っておりません。 続きまして、土地開発公社の清算方法についての御質問であったかと思います。公社や財団などは、基本的には自主運営を原則として、その存在意義を明確にしなければならないと考えております。土地開発公社は、バブル経済の崩壊と地価の下落傾向が続いている社会経済情勢から、選挙前に私が実施いたしました市民アンケートの結果におきましても、五六%の方が清算を望まれておられる状況にあり、膨大な負債の返済めどが立たない現状では、存在意義が少なくなっているところから、一定期間内に清算処理を行う方向で検討を進めてまいりたいと考えております。 その財源の確保に関しましては、本年七月に策定されました奈良市行財政改革大綱とその整合性を図りながら、奈良再生プログラムでお示しいたしました人件費削減、また補助金の削減、施設の見直しによる管理費の削減、経費の節減、また事業の見直しなどを進めることにより、その対応を図ってまいりたいと考えております。また、清算に当たっての起債の発行に関しましては、住みよい都市環境の整備に配慮しながら、従来よりの事業計画の見直しも行い、施策の選択、予算の集中化を図ることで、市債発行額の抑制と公債費の節減を進めてまいりたいと考えております。 続きましての質問でございますが、文化施設は収益目的の施設ですかについてでございます。きのうもお答えしましたように、私は、文化芸術活動には、人と人との心を通わせ、郷土愛をはぐくむ力があると考えており、その意味で文化芸術施策を行う必要性を感じております。また、奈良に伝わる伝統文化を継承、発展させることも、この地域づくりの中で本当に不可欠であると、また、市長の責務であり、市民の皆様の幸福につながると信じております。今後も、文化芸術の振興は市政の大きな政策課題だと認識しております。なら一〇〇年会館を初め文化施設は、文化芸術の拠点として役割を果たしてきております。市民の福祉向上が目的で、収益性を目的とするものではないと考えております。 最後の質問になるかと思いますが、退職者の市関連施設への再就職についてという質問についてお答えをさせていただきます。行政の効率化などの基本的な考え方のもとに、財団法人などの外郭団体が設置されているところでございますが、各団体の運営につきましては、基本的には、各団体の独自性を発揮しながら自主運営されるべきであると考えております。したがいまして、市退職者の市関連施設への再就職につきましては、各団体のあり方、存在意義も含めて慎重に検討してまいりたいと考えております。なお、外郭団体等へどれだけの方が市職員、退職された後、今仕事をしておられるかという質問もあったかと思います。今現在、奈良市の外郭団体と言われる団体の中で三十二名の方が行っておられると私は認識をしております。 以上でございます。 ○議長(岡本志郎君) 十三番幾田君。 ◆十三番(幾田邦夫君) 二問目は、自席の方からさせていただきたいと思いますが、今、答弁いただいたわけでございます。今、答弁いただいたんですが、この経歴詐称の問題にしても、不納欠損につきましてもですね、結局間違いでありましたと、ごめんなさいと、謝罪いたしますということで済むことかということが大きな問題になると思います。重要な、新聞社に提出する書類を本人が確認をしていたと。これも見落としていたんだという御答弁ですけれども、そうなってきますと、大変ミスだらけの話になってくるんじゃないかと。ミスをたくさんして済みませんと、これで済ますというわけには、これはいかないわけであります。あなたは市長の職におられるわけですから。ですから、それと秘書の定義ですけれども、でっち奉公であると、無報酬やとおっしゃいますけれども、秘書という、これは職業、勤務されてたということでありますから。運転手の方、これは恐らくただで働かれてるということはないと思いますね。あなたは、ただで、いわば無償で働いておった秘書であると、しますと、この秘書そのものの定義自体もやっぱり崩れてくるわけです。だから、無償で、でっち奉公されてたあなたが、総理大臣の秘書をやってましたと、これは根本的に私はおかしいと思います。その辺は、市長どのように考えておられるのか。 それから、この不納欠損の件でございますけれども、ことしの七月にですね、NHKの問題がありまして、プロデューサーの制作費、それから不正支出とか、協賛金集め等の不祥事がたくさんあったので、九月十五日の段階でですね、NHKの受信料の未収、これが一万七千件というのがあったのが、三万一千件と急増しておるわけですね。ただでさえNHKの受信料というのは、奈良市の未収の徴収と同じぐらい難しい問題です、大変徴収しにくい。それがこれだけ急増して非常に困っておられるということでございます。NHKの場合はですね、これは職員が問題を起こされたというのでもこれだけの問題があって、あなたは市長の立場として、これだけの案件が、今現在不祥事と私は申しませんけれども、起きたわけでございますから、また、なおかつ議会の場で不納欠損いうものを認められたわけでございますから、今後ですね、徴収というものを公約として、あなたは財源に充てると。徴収をして、未収を徴収して財源に充てるということが大変難しくなってくるんじゃないかと。こういうことをどのように考えておられるかということと、経歴詐称問題とこの不納欠損問題についてはですね、きのうときょうの新聞でですね、市民の信頼が大変地に落ちてしまったと私は考えますので、これに対してどのように対処されるつもりなのか、特に不納欠損、確実にきょうから始まります、始まってると思います。不納欠損の、未収ですね、未収の徴収、これに対してあなたは、どのように対処されるのか、対応されるのかということをお聞かせ願いたい。 それから、中和田部長の処遇でございますけれども、満期までまだ一年半以上残っていると聞き及んでおりますけれども、否決はないとおっしゃっておられますが、まだ上程されておりませんし、議会の方でもまだどうなるかわからないという中で、否決されることは考えられないとおっしゃいますけれども、これは自分の決めたことは何でも自分でできると、一〇〇%できるんだという一つのおごりがあるんじゃないかと。議会の存在そのものをあなたは軽視されてるのか、私は思います。その辺についても、もう一度お聞きしたい。 それから、これ私が一番聞きたかったんですが、今現在この問題が、不納欠損の問題と経歴詐称の問題が出たもんで、ちょっと本来のとこから本当は外れてしまったんですが、私は、本来この再生プログラムのことについてですね、政策論争としてあなたとここでやりたかった。この奈良市の議会としても非常に恥ずかしい問題なんですよ。だから、その問題はもう一度解決していただくということで、再生プログラムのことについてもう一度お聞きしますが、この市債残高一覧表というものについては、非常にあいまいな答弁やったと思います。 まず、十七年度の見方を説明されましたけれども、この横の計算というのはよくわかるんです。それと起債の分ですね、これはだんだん減って、公債は減っていくと、残高は減っていくと。そして起債はどんどんふえていくという形が、以前のもんでございますけれども、起債を削減されるという経費は表記された分のやつを毎年削減していきますとですね、一千億円、十年間で一千億円の財政の縮減となるわけです。これ非常に不思議な数字でございます。また、未徴収の徴収計画を例にとりますと、未徴収税額というのは毎年十億円ずつぐらいふえているんですね。ほんでその分を、ふえるんですが不納欠損で減っていきます。それを計算された場合、表でいきますと、不納欠損を外しても、来年十七年度は十億を徴収して十億ふえます。ほんならまあ現状維持やろ。次年度は、十億未納がふえて二十億徴収して十億の減で五十億の残。その次の年度は、十億円ふえて二十億円徴収して四十億の残。二十年度は、四十億に十億の未納がふえて三十億の徴収目標と計算しますと二十億の残と。こういきますとね、二十一年度にはね、もう徴収する、未納のお金がないんです、なくなる。あなたのこの再生プログラムにはですね、二十一年度からまだ三十億、四十億、五十億と徴収しますと。こういう計算式が表記されておるわけです。こういうことはね、理事者の方もね、恐らく何でこんな数字になってるんだろなと思ってはると思いますね。 きのう、この表については、素人集団が作成したんだと。素人集団が作成したものをですね、行政のプロがつくられた行財政改革大綱を横に置いて、素人集団がつくったものを方針としてやっていくんだというのはね、ちょっとやっぱり責任なさ過ぎると思いますね。奈良市の根幹をなす政策ですからね。これはちょっと責任のある発言とは到底理解しにくいと、このように思います。 それから、合併特例債に対してもそうなんですが、それから土地開発公社の清算、起債を起こすにしてもという文言が先ほどありましたけれども、清算のための起債というのはできるとお考えなんですか。これ基本的にですね、目的があって初めて起債というのは起こせるわけですね。だから、清算そのものを目的とした起債は起こせないということ。 こういうふうな状況で、いろいろとつじつまの合わない御答弁をたくさんいただいておるんです。一〇〇年会館の問題にしても、収益向けではないんだとおっしゃるけど、民間委託しますねんと、商業活性化対策というのは、これ私質問しませんでしたかな、それでも数字がかなり大きな数字になってます。 市職員の天下りの問題につきましては、国家公務員のですね、上級職の方が各外郭団体回られて退職金をたくさんもらっていかれるというのと同じような形のものを考えて書かれてると、私はこう思います。市職員の削減とおっしゃいますけれども、自然退職によって自然に削減されていくと、これは前市長でも同じことなんですが、市職員の比率と申しますと、奈良市の場合は、一般職では余り、他の中核市などと比べましても、それだけ千人当たりの職員数にいきますと、そんなに多い方ではないんですね。一番多いのが、他市に誇れます四十あります幼稚園のですね、教育職の方なんですね。これも減らしていくということになりますとですね、教育の充実というものを訴えられていることに対しては、非常に矛盾すると私は思うわけでございます。 今とりあえずいろいろと質問いたしましたけれども、経歴詐称の部分と、それから不納欠損、今後大変な影響を与えることについて、あなたはどのように対処されるのか、きょうから起きていることに対してですね、それをお聞かせ願いたいと。それから秘書、秘書の定義ですね、無償で働く方を秘書と言えるのか、この二点お答えください。 ○議長(岡本志郎君) 市長。 ◎市長(鍵田忠兵衛君) 幾田議員の再質問にお答えをさせていただきたいと思います。 質問の中で、秘書の定義ということを今おっしゃっていただいたと思います。私ども秘書というもの、お金というもの、いわゆる報酬ですね、報酬をいただこうがいただくまいが、秘書というものは、その先生に仕えて、その中でその先生の仕事をどれだけのことをやれるか、助けて仕事をさせていただけるかというのが、これが私は秘書であると思います。皆さんもご承知のように、国会議員さんいろいろおられます。その中に公設秘書、第一秘書、第二秘書、そしてまた政策秘書とございます。それから、また私設秘書もございます。その私設秘書の中には、中にはこれは問題があるかもしれませんが、出向者の秘書もおられます。また地元で、いわゆる無報酬でやっておられる肩書を持った秘書の方もおられます。それは、議員の皆様方も認識をしていただいているんじゃないのかな。ですから、私も考えるに当たりまして、その秘書の定義というもの、これは無報酬であっても私は秘書と考えております。 また、不納欠損処分の、この徴収は非常に難しくなるんじゃないだろうかというお話でございます。そのとおりでございますね。市長たる者が市長になる前であったとしても、税金を結局納められないままで、幾ら奈良市が、当時の奈良市が適法、そしてまた適正に処理をされたといたしましても、これを私ども払っていないということ、これ自体市民の皆様に本当に申しわけないことであると、昨日も申し上げましたが、そのとおりであると思います。私自身いろいろと今、考えもさせていただいております。この話につきまして、先ほども壇上で少し申し上げましたが、その三月の末に、当時の総務部長が私どものとこへお見えになりました。その以前に、この話を市長さんのところへ、こういうものが出てるんですが、支払い方法というのはないんでしょうかと。不納欠損処分のその法的なところ、私どもも知らなかったもんですから、御相談に上がりました。それについて、総務部長が、またその後私どもの事務所へお見えになって、不納欠損処分をされた場合のいろいろとお話をいただきました。納税者の権利であるから、これは不納欠損処分をされたものは、市としては受け付けることができませんというお話もありました。じゃ、ほかに方法はないんでしょうかということを言いました。寄附、いわゆる寄附行為ですね、これはできないでしょうかと。それは市民として寄附行為は可能でしょう。が、しかし、あなたは、部長からのお話でございますから、あなたは政治家でございます。公職選挙法に関係して寄附行為はできないと思います。当然そうでありますね、私も政治家、皆さんも政治家ですから、その辺のことはよく知っていただいておると思います。そういった中で、私も何としてもお支払いをさせていただきたいという気持ちは、当然一市民として、また一政治家として強い気持ちを持っておったわけでございます。 今こうして私が市長にならせていただいて、この問題で本当にいろんな方に御迷惑をかけておると思います。先ほども申し上げましたように、滞納分の徴収、これは非常に難しくなるんではないのかな、このままではいかんだろう、そしてまた、私を応援していただいた方々に対してもこのままでは御迷惑をかけておると思います。でありますから、私自身、道義的に、何とか皆様に態度をしっかりと示させていただきたい。広辞苑で道義という言葉を引いてみますと、人の行うべき正しい道、道徳のすじみち、心と書かれております。私自身、皆様も御承知のように、一生懸命武道を小さいころからやってきております。武道精神というものを持ってやらせていただいてきたつもりであります。正々堂々と正しいことを進める、これは私の信念でもございます。ですから、道義的に、私も市民の皆様に対して、また議員の皆様に対しても、ちゃんとした態度をとらせていただきたいと今考えております。 以上でございます。 ○議長(岡本志郎君) 幾田君よろしいですか。今の答弁でいいんですか。 十三番幾田君。 ◆十三番(幾田邦夫君) いろいろと答弁されましたけれども、結局、知りませんでした、わかりませんでした、間違いました、これはもう政治家としてですね、私は非常に資質的に問われる問題やと思います。それで、この公の議会でですね、そういうことをおっしゃる。これはもう大きな問題やと思います。今議長からもおっしゃいましたけれども、答弁いろいろと私も聞きましたけれども、ピンポイントでぴしっと答えていただいたというのはほとんどないと思います。再生プログラムなんか特にそうです。数字でお聞きする分には数字でぴしゃっと答えていただきたい。そういうことができてないのが現実であります。 不納欠損の問題につきましては、法的な問題ということよりも、何度も申し上げますが、現実に起きてくる問題。これは、原因はすべて鍵田忠兵衛市長でございます。そして、多大なる影響、また迷惑をこうむるというのは、これは市民でございます。市民に対していろんな公約を掲げられ、そしてこの議会でも、そのつもりで来られたわけでございますけれども、議員各位からその政策的なことを論じる以前に、既にこの時点で大変な問題に直面されておられるわけでございますけれども、この問題につきましては、この議会でですね、本議会でずっとやるというのは無理がございます。本当でしたら、市長が公約に掲げておられる中で、市民参画、協議会を設置しようやないかとおっしゃってるんであれば、この問題を市民の方に集まっていただいて一回やられたらどうですか。あなたそういったことできますか。大変な追及になりますよ。我々は法的にのっとって、これを議会でやっておるわけですけれども。ですから、その市民参画のそういういろいろ協議される問題についても、まだそれも言いたかったんですけれども、ちょっと時間的な問題もありますし、流れがこういう流れですので、とりあえずいずれにいたしましても、この問題につきましては、今後、世間また世論の動向はかなり大きく動いてくると思いますので、ゆっくり見守っていきたいし、また、この再生プログラムに対しての市長の、市長の本当に理解度を私は知りたいですね。実際、奈良再生プログラムをあなた自身がつくられて、あなたが公約に掲げられて出てこられてるわけですから、それを本当にあれをすべて上から下まで全部わかってないとおかしいわけですから。今の答弁聞きますと、ほとんどわかっておられないとしか僕は判断できないです。私は、約二十時間ぐらいに及んで勉強させていただきました、これについては。礼を言うてもらうとこと違うんですけどね。そういうことで、そういう再生プログラムにしても、それから今回のこの不納欠損処分の問題、それと経歴詐称の問題、これにつきましては、さきに上原議員も述べられましたけれども、行財政改革についての特別委員会、これを議長に強く要望したい。そして、小林議員の方からも百条委という話もありましたけれども、それも含めて考えていきたいと思います。 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(岡本志郎君) 以上で代表質問は終わりました。 引き続きまして、一般質問を行います。 十番藤本君。  (十番 藤本孝幸君 登壇) ◆十番(藤本孝幸君) 民政クラブの藤本でございます。既に通告をいたしております数点につきまして、一般質問ではございますが、このたび新しく就任されました鍵田市長に質問を行います。 昨日来の代表質問で、ただいま議論があったことも含め、基本的なことについての質問が多くございました。私は、これまで取り組んでまいりました懸案事項、奈良再生プログラムの是非をめぐって、是々非々の立場で質問させていただきます。あらかじめ御了承をお願いしたいと思います。時間の都合もありますので、早速質問に入らせていただきたいと思います。 第一問は、財政問題について、関連した質問であります。もちろん奈良再生プログラムについて、そして今、市長の政治姿勢であります経歴の問題、不納欠損の問題が取り上げられてまいりました。知らなかった、見落としということで、多く述べられましたが、私は、いずれにせよ有権者の皆さん方に、そのお心に大きな影響を与えたことは事実であると思います。まさしく市長選挙で市長を信じて投票された有権者の気持ちを考えるとき、おわびと反省をされても、またもや政治不信につながるおそれもあり、市長への不信がもっと続くならば、市政運営に大きな影響を与えます。さらに、後で申し上げます職員さんの士気の問題にも関係してまいります。私は、みずから律することが大切ではないかと思います。以上の議論を踏まえて、市長は道義的責任をどうお考えか、お伺いをしたいと思います。 二点目は、私どもの横井幹事長が昨日の代表質問のトップで、奈良再生プログラムの再生という言葉に込められた意味につきましての質問に、市長は、再生とはもとにあったところに戻る、行政の原点である市民福祉の向上と御回答されました。それでは、そのもととは一体何なんでしょうか。年代でいえばいつごろなのでしょうか。年代でないとするならば、どんな姿か、お示しをいただきたいと存じます。 続いて、三位一体改革に対する御認識と今後の取り組みについてであります。七日、市長は就任されて、そのごあいさつの中で所信の表明を行われました。政府の三位一体改革にかかわりまして、個性豊かな地域社会をみずからの判断と責任において、みずからの手で形成すべき局面を迎えていますと述べられましたが、この三位一体改革は、地方自治体の財政運営上、大きな影響を与えます。つまり、財政の健全化を目指す本市にとりましても、避けて通れない問題でございます。皆様御存じのように、来年度におきましても、約三兆円の国庫補助負担金の廃止と削減が予想されています。まだ具体的な内容は決定いたしておりませんが、全国知事会を初めとする地方六団体がまとめました国庫補助負担金等に関する改革案、地方分権のための三位一体の改革が提示され、義務教育費国庫負担金など三兆二千三百億円の移譲対象補助金が挙げられています。決算委員会でも御答弁がありました。改革案による補助金等の削減の影響は、本市において約二十七億円もございます。税源移譲が全額されない場合、本市の財政運営にとって多大な影響を及ぼすものと思われます。さらに交付税につきましても、本年度の状況から見ますと、以後さらなる削減が予想されるものと考えられます。このような状況を財政健全化を目指す市長として、どのようにお考え、取り組みをされるのか、お示しをいただきたいと思います。 二問目は、再生プログラムの中で示されました市職員の削減計画と意識改革についてでございます。市長は、再生プログラムの中で、毎年自然退職される職員を平成二十六年度まで七百六十人を見込み、新規採用を百八十人という数値を示されました。単純に計算をしてみますと、五百八十人の減員となります。現在の職員数の約二割程度が削減されるという計画になりますが、市民サービスへの影響が懸念されるところでございます。この点について、お考えを述べていただきたいと思います。 続いて、職員の意識改革であります。市長は、この職員の意識改革に強い意思を持っておられるということを私は感じました。しかし、何を一体どう改革するのか、私にはまだ理解することができません。市政運営は、先ほどもありましたように、市民の声を聞くことは行政経営の原則であります。市職員の意識改革を目指すならば、まずは職員さんの状況を把握していただきたいと思います。持っている課題や悩み、そういったことを知ることが、私は意識改革の出発点ではないかと思いますが、市長の御答弁をお願いします。 この項目の最後には、職員組合、従業員組合との協議についてでございます。もちろん労働条件の問題や賃金の確定などにつきまして、労使として御協議は当然なされるものと存じます。本当によい良質の市民サービスを提供するならば、市の職員さんがもっと心も体も健康であってほしいと思います。市長のトップとしての姿勢が市の職員の全体にも影響します。誠意を持って十分なる御協議をしていただきたいと思いますが、御見解をお願いします。 三問目は、市民参加についてでございます。昨日来、これについての議論もございました。特に、再生プログラムでは、市民参加を強調されています。私は、やはり市民参加のありよう、システム、手法といったことが基本的な大きな枠組みと仕組みを構築する中で行っていかなくてはならないと思います。そういった意味で、この市民参加、三点の私なりの意見を申し上げたいと思います。 その一点は、協働という理念であります。今議会で、この協働という言葉がたくさん使われておりますが、私は、この協働という理念、しっかりと持たねば出発点として大きな過ちを犯すんではないかという危惧から、市長のこの協働に対する概念、理念をどうお考えか、お示しをいただきたいと思います。 二点目は、市民の皆さん方が自主的に取り組まれた奈良マニフェスト運動についてであります。マニフェストは、明らかにするという意味でございますが、数値目標、財源、期限やスケジュール、そういった三つの要件を備えたものでございますが、奈良市では、有識者やNPO、市民の皆さん方が自主的に奈良マニフェスト実行委員会を組織をされました。そして、市民アンケートを初め、まちづくり講座などを通じて、八月に奈良マニフェスト決定版が発表されたことも皆さん方御存じやと思います。市長選挙に立候補、当時予定されていましたお三人にも、逆提案されたと聞いております。市民運動、市民からのこの御提案を市長としてどう受けとめられるのか、また、奈良マニフェスト決定版で示されました二十六の政策を総じてどう評価されるのか、お答えいただきたいと思います。 三点目は、本市におけるボランティア・NPO支援の課題であります。もちろん現在も法蓮町にボランティアセンターが設置をされているわけでありますが、いよいよ本市も市民との協働、具体的に行っていく、展開をしていく時代に遭遇、到来をいたしました。そういった観点で、市民の皆さん方の貴重な社会貢献活動でございますボランティア・NPOを行政として積極的に支援をしていかなくてはならないと思いますが、私は、大変粗削りの提案ではありますが、ボランティア・NPO支援条例、これについて将来制定をしていくべきだと考えますが、御所見をお願いしたいと思います。 四点目、人権行政でございます。私は、人権問題について一貫してこだわってまいりました。四点質問を行います。 ごあいさつの所信表明では、人権行政、豊かな共生の社会を築くと言われました。まず、その理念を明らかにしてください。同時に、市民生活部に人権・同和施策課、教育委員会にも人権・同和教育推進室がございます。しかし、「・同和」という名称を使っているのは、奈良県内で奈良市と御所市だけになったと聞いております。私は、来年四月一日、月ヶ瀬村、都祁村との合併を迎えるわけでありますが、人権施策をより普遍的に推進をしていくためにも、あえて「・同和」という名称削除を市長に求めたいと思います。明確なる御答弁をお願いしたいと思います。 続いて二点目は、重要課題への認識についてであります。本市では、国連十年奈良市行動計画が策定をされ、一定の取り組みも積み上げられてまいりました。しかし、現在も同和問題だけを突出させる傾向が強いと言わなくてはなりません。私は、どの人権課題も重要課題であり、まさしく行政総体として取り組んでいく必要があるんではないかと考えております。市長のこの人権問題に対する重要課題への認識をお伺いしたいと思います。同時に、性同一性障がいの方について、新たな人権課題としてとらえられるのかどうか、そして今、公文書等の性別記載の問題、社会で大きな課題となっております。そういったことも取り組んでいただけるのか、用意があるのか、お伺いしたいと思います。 三点目は、特別対策としての同和対策事業が三十三年間続けてまいられましたが、総括が不十分であります。既にこの特別法は失効いたしております。今後、本市の人権行政を推進してまいる上で、きちんとした総括を行い、成果と課題を明確にする必要があるかと私は思います。新しく就任されました市長として、この三十三年間の特別対策いかがお考えか、述べていただきたいと思います。 四点目は、部落差別の解消であります。私は、社会にまだ部落差別が生き続けていると認識をいたしております。しかし、これまでの特別対策という手法で、当初の目的でございました差別の解消、達成できなかったということ、そして、これまでの多くの特別対策事業は、市民の皆さん方の理解や支持を得ることには不十分であったこと、現在は円滑なる一般対策への移行と言われながら、まだ一部で特別対策を続けることに私は大きな疑問を感じております。この点も含めてお答えいただきたいと思います。 五点目、男女共同参画社会の取り組みであります。市長の所信表明では、この政策について、さほど触れられておりませんでした。私は残念だと思います。男女共同参画社会の取り組みは、重要な政策の一つであることをあえてこの場をおかりしまして強く申し上げておきたいと思います。 質問は、DV、ドメスティック・バイオレンスであります。約四年前、私が初めて本議会で質問させていただいたことを思い出しますが、昨年、このDVに関する相談件数、全国では四万二千二百二十五件、そして奈良県では四百五十二件、本市では百二十二件となっています。年々相談件数がふえてきているというふうに伺っておりますが、実際には、これは全く氷山の一角でございます。どこへ行って相談をしたらいいのか、そして行くことすらできない方の被害者の人数も含めますと、恐らく私は何倍、数十倍になるんではないかと思います。文字どおり、このDV、ドメスティック・バイオレンスは犯罪でございます。女性の人格を否定し、それこそ命にかかわる問題でございます。DVについて、どう認識されているのか、これから男女共同参画社会の推進、とりわけDVの問題にかかわって、どう決意をされ取り組んでいかれるのか、お答えいただきたいと思います。 二点目は、女性のチャレンジ支援策が国から打ち出されております。まさしく経済的な自立を政策として展開をされるわけでありますが、残念ながら我が国の社会構造システムは、改善されたというものの、まだまだ男性中心の社会であります。今、女性の経済的、精神的な自立を促進させますことは、男女共同参画社会の建設にとりまして重要な課題であります。そういった意味で、女性の自立支援について、市長の御所見を伺いたいと思います。 最後に、この項目は男性政策であります。女性の社会進出を邪魔しているのは、はっきり言って、私は男性に多くの要因があるんではないかと思います。もちろん社会そのものの構造にも問題があると思いますが、まずは私たち男性の意識改革を図っていかなくてはなりません、当然のことであります。しかしながら、まだ日本の文化や物事の考え方の中に、いわゆる性別役割分担意識が強くて、女性の自立や社会進出を拒んでいます。私も男性でありますが、市長も男性でありますので、この男性政策についての御所見をお伺いしたいと思います。 六番目、福祉保健行政について行わせていただきます。一点目は、幼保一元化についてであります。再生プログラムの中には、来年度、保育所待機児童削減対策事業計画の策定実施が示されています。教育特区の申請などによって施策を講じられようとしているということがわかるわけでありますが、この幼保一元化の問題、政府ではそれなりの準備が進んでおるようであります。時間がありませんが、その経過については省略をさせていただきます。ただ、本年八月に、この検討会議から中間のまとめが発表されました。これまでは、所管庁の違いでなかなかこの幼保の一元化の実現に向けた取り組みが進まなかったわけでありますが、私は、大きな一歩だと認識いたしております。来年度から幼保総合施設が全国三十カ所でモデル事業として実施をされると聞いております。本市の幼保一元化の取り組みを加速をさせるためにも、私は、このモデル事業を申請をしていただきたい、そして具体的な幼保一元化への施策を講じていただきたい。そのお考えを市長に求めます。 二点目の項目、障がい者の社会参加と自立支援であります。支援費制度もスタートいたしました。文字どおり障がい者の社会参加の促進、自立支援は大切な問題であります。市長は、バリアフリー化を進めることを、かなり強く意識されているようでありますが、私は、社会のバリアフリー化を進めることと同時に、障がい者が地域でともに暮らせるためにも、やはり外出が大きな課題となってまいります。私自身も何人かの障がい者とかかわっているわけでありますが、実際は、ボランティアと家族が大きな柱になっています。そういった意味で、社会の整備も大事でありますが、私は、障がい者の自立支援、社会参加を促進するならば、この外出の問題について、大変重要だと思いますが、市長の御所見を伺いたいと思います。 保健福祉にかかわって三点目は、動物愛護であります。恐らく皆さん方の中にも御家庭でさまざまな動物、ペットを飼っておられるかと思いますが、私たち人類が文明というものを手にした瞬間から、動物を支配する立場となりました。もちろん動物を捕らえて、また飼育して食料にするということもあったわけでありますが、もう一つの側面は、先ほど申し上げましたペットであります。ペットをめぐってさまざまな問題が市民生活に発生をいたしております。散歩のマナーの問題、さらには鳴き声、におい、そういったことをめぐって住民の皆さん方、隣近所同士がうまくいかない例も、私自身も何度も相談を受けてきました。そして、この動物の虐待の問題、さらには、例えば子犬を捨てる、猫ちゃんを捨てるということも最近は少なくなりましたが、そういうこともあるかと思います。動物愛護の理念と同時に、やはりペットとのつき合いのルールをつくっていかなくてはならないと思います。将来的には、仮称ではありますが、動物愛護管理条例、そのことについて市長どうお考えか、お答えいただきたいと思います。長くなっておりますが、申しわけございません。 七番目、観光行政についてであります。本市の重要な課題でありますが、奈良市へお越しくださる観光客の皆さん方が近年ふえているという大変うれしい報告を聞いております。文字どおり奈良市は、世界遺産、文化資源に恵まれているわけであります。これまで積極的な観光施策が講じてまいられました。私がここで質問をしたいのは、近年、市民の皆さん方が自主的に観光行事を取り組まれ、そういった遺産、文化資源と相乗効果もありまして、私は、観光客の皆さん方のお越しが増加していると思います。こういった市民の自主的な取り組みを、先ほど質問させていただきました協働という理念のもと推進されるのか、お示しください。 二点目は、観光地のバリアフリー化であります。全国から多くの方が奈良市へお越しをいただいて、自由に回っていただく観光地であってほしいと思います。私は、市長は公共施設、民間施設のバリアフリー化の計画を考えておられるようでありますが、観光地のバリアフリー化も施策として実行していかなくてはならないと思います。お答えいただきたいと思います。 最後に、教育行政でございます。これまでの代表質問と重複する項目もありましたので、一点だけ質問を行わせていただきます。それは、中学校への給食の導入であります。これまで本会議でも幾度も質問もあり、議論もございました。また、この導入についての賛否があることも私承知をいたしております。私が、この中学校への給食の導入の趣旨は、少子化対策という意味からであります。皆さん御存じのように、出生率が年々低下をいたしております。昨年度は、全国平均一・二九、そして奈良県は一・一八です。奈良市はもっと低いのではないかと思います。子供を産み育てることにためらい、ちゅうちょする理由として、主に子育てにお金がかかり、社会環境も非常に子育てがまだまだしにくい状況にある、そういったことが調査の結果で報告をされています。さらに、共稼ぎ、核家族の増加、家庭環境の変化にもあります。私は、この少子化対策、今しっかりと行政が総合的に行っていかなくてはならないと思います。その一つの取り組みとして、そういった観点で中学校への給食の導入について市長の御所見をお伺いしたいと思います。 以上で私の第一問を終わります。 ○議長(岡本志郎君) 市長。  (市長 鍵田忠兵衛君 登壇)
    ◎市長(鍵田忠兵衛君) 十番藤本議員の御質問にお答えをさせていただきます。 まず最初に、私どもの滞納税の不納欠損処理、これに伴う道義的責任、これをどう考えているのかという御質問であったかと思います。道義的責任につきまして、先ほどもお答えをさせていただいたわけでありますが、今回の件で、本当に滞納市税、これを納付できなかったことに対しましては、本当に心苦しく道義的に痛感をしておるところでございます。今後、ですからその気持ちを、先ほども申し上げましたけれど、あらわしてまいる所存でございます。その考え方、そのやり方、方法等々これから検討させていただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。 次に、奈良再生プログラムにおける再生というその言葉について、昨日、再生の持つ意味を、もとにあったところ、行政の原点に立ち返るとお答えをさせていただきましたが、そのもととは、いつの年代なんだろう、またどんな社会なのかという御質問であったかと思います。この年代等々、もとですね、それは、奈良市は奈良時代における施薬院やまた行基菩薩様などの偉業により福祉発祥の地とされております。我が奈良市は、この平城京の時代からさまざまな福祉施策に取り組み、そしてその長い歴史の中で新たな制度をつくり、また改めながら福祉施策の充実を図ってきたところでございます。私も、このような歴史を受け継ぎ、文字どおり市民福祉の向上、これに向けて、市民の皆様と行政が一体となったまちづくりを進めてまいりたい、そして、そのような社会を築いてまいりたいと考えておるところでございます。 次に、三位一体改革に対する認識と財政健全化についてという御質問であったかと思います。現在のところ、国においては十七年度以降の改革についての具体的な内容、これについては示されておりませんが、議員御指摘のように、地方六団体が取りまとめました国庫補助負担金等に関する改革案、これによる移譲対象補助金の奈良市での影響額は、十六年度予算ベースで約二十七億円になります。これにつきましては、原則的に税源移譲が前提とされておりますが、方法や時期になどにより大幅な財源不足になることも考えられております。また、交付税につきましては、総務省が国の概算基準等に基づき作成した十七年度地方財政収支の八月仮試算、この中では、交付税及び交付税削減分の振りかえとして発行する臨時財政対策債との合計額は、前年度に比べてマイナス三・七%になる見通しでございます。今後、国の予算編成などを通じて明らかになる具体的内容に注意を払いながら、確実な税源移譲や地方の財源確保を全国市長会等を通じて強く国に要望していくとともに、本市においても、この厳しい状況に対応するため、全庁的に危機感を持って積極的に行財政の改革を進め、財政の健全化を図ってまいりたいと考えております。 続きまして、職員の削減計画と市民サービスについてという御質問についてお答え申し上げます。職員数につきましては、ほかの中核市の職員数も参考にしながら、本市職員の年齢構成、職種などに、これにも配慮し、新規職員の採用人数を抑制することで適正化を推進していきたいと考えております。職員数の削減に伴う市民サービスの低下を防ぐためには、職員が一丸となって常に問題意識を持ち、事務の見直し、そしてまた創意工夫を行うことによって、効率的な行政運営に努めるコスト意識を持った職員を育成する必要がございます。今後、計画的な人材育成や効果的な職員の能力開発、これを推進することにより、少数精鋭による職務執行体制を確立し、より一層の市民福祉の向上に努めてまいりたいと考えております。 続きまして、職員意識の改革、これについてでございますが、職員には、今まで以上に全体の奉仕者としての自覚を持ち、常に市民の皆様の視点で物事を考えるという意識のもと、市民の皆様の立場に立った仕事をするように指導してまいりたいと思います。そして、市民の皆様のために全力で職務に精励し、仕事を通じて感動を得られるような日々努力を惜しむことなく、あいさつの励行などにより市民の皆様と円滑なコミュニケーションを図っていく、自然でさわやかな職員になってもらえるよう期待しておるところでございます。さらに、現在の厳しい財政状況下の中で、職員はみずから改革の主体者であるという意識を強く共有してもらい、管理監督者は強力なリーダーシップのもと率先垂範することにより、市民サービスを低下させることなく、ともに行財政改革を推進してまいりたいと考えております。 また、職員組合、従業員組合との対応についてという御質問でございます。現在、地方行政を取り巻く多くの課題が山積されているのが現状でございますが、市政の運営に当たりましては、職員団体などとも誠意を持って十分協議をしながら進めてまいりたいと存じております。 次に、協働の理念についてでございます。協働とは、お互いに存在意義、特性などを認識し尊重し合い、お互いに資源を出し合い、対等の立場で共通する社会目標の実現に向け、社会サービスの提供等の活動をすることと私は認識しております。すなわち、お互いの特性の認識・尊重、対等な関係、目標の共有、これがキーワードになると考えております。今、地方分権が加速する中で、地方自治体は個性豊かな地域社会、これを構築すべきときであり、私は、市民の皆様と協働して、二十一世紀にふさわしい奈良のまちづくりを推進してまいりたいと考えております。 続きまして、市民からの提案についてという御質問について答弁させていただきます。就任あいさつでも申し上げましたとおり、今回の選挙に当たり、ミニ集会やタウンミーティング、こういったものを行い、市民の皆様の御意見を伺いながら政策を訴えてまいりました。これからも市民の皆様が何を望んでおられるのか的確に把握すること、これが大切であり、議員を初め多くの方々から御意見をいただき、それを集約して施策に反映させていきたいと考えております。 今回、市民NPO団体で市民がつくるマニフェスト提案という全国でも非常に珍しい動きが、この奈良市でございましたが、今後も、このような提案に対しては、鍵田市政に適合し生かせるものは御意見として伺ってまいりたいと考えております。具体的には、情報公開条例の見直し会議、また、わかりやすい市役所検討会議、安心安全なまちづくり市民会議などの設置により、対話を進めることにより市民参画を進め、活力と活気ある地域社会を形成し、子どもたちの笑顔が輝るまちづくりに努めてまいりたいと考えておるところでございます。 続きまして、ボランティア・NPOの支援条例の制定についてでございますが、現在、奈良市ボランティア・NPOとの協働のあり方に関する検討委員会を設置し、委員会で種々検討をしていただいておるわけでございます。この委員会は、公募により選ばれた二名の市民のほか、学識経験者、NPOからの代表者など十名で組織をされており、またホームページも公開し、市民参画の行政を進めているところでございます。一方、平成七年にボランティアセンターを設置し、ボランティア・NPO活動に対する市民の関心、参加意識を高め、さまざまな活動を支援しているところでございます。奈良市ボランティア・NPOとの協働のあり方に関する検討委員会で策定されます提言をもとに、検討をしてまいりたいと考えております。 続きまして、人権施策の基本的理念と人権施策担当課の名称、これについてでございますが、人権施策の基本理念としましては、やはりあらゆる機会、またあらゆる場において人権教育が行われ、人権尊重の理念、これに対する理解を深め、これを体得することにより、人権を守り差別を許さないという意識や行動が市民一人一人の日常生活に根づき、人権が人間関係と社会関係の基本原則となり、人権という普遍的文化の創造を目指し、豊かな共生社会、これをつくることであると考えております。 また、課名につきましては、現在、人権・同和施策課でございますが、「人権教育のための国連十年」奈良市行動計画に基づく重要課題について人権施策を推進しており、今後も差別が存在する限り、新たな人権問題も含めて必要な諸施策を推進していく指導的役割を果たすべく、人権施策課と改称することを視野に入れながら検討をさせていただきます。 続きまして、人権の重要課題についてでございますが、人権施策につきましては、人権教育国連十年奈良市行動計画を策定し、これに沿った人権施策として、同和問題、女性、子供、高齢者、障がい者、外国人、HIV感染者、アイヌの人々、刑を終えて出所してこられた人など九つの重要課題について諸施策を推進してこられましたが、本年十二月で終期を迎えることから、次期計画策定に向けて準備を進めているところでございます。人権施策の重要課題につきましては、あらゆる人権問題について施策を推進していくということから、今後もより一層の解決を図るため取り組んでまいりたいと考えております。 また、性同一性障がい者の問題につきましても、人権施策の重要課題と同様、新たな人権問題の一つとして位置づけ、今後多くの機会を通じて、この問題に対する偏見をなくすため、市民啓発を行っていかなければならないと考えます。本市のみずからの問題解決の一つとして、公文書などの性別の取り扱い等につきましては、関係各課と協議しながら、改める方向で検討してまいりたいと考えております。 続きまして、同和対策事業特別措置法の三十三年間の評価についてでございます。これは、昭和四十四年に制定された同和対策事業特別措置法に基づき、本市におきましても同和問題の早期解決に向けて同和対策事業を推進してこられました。その結果、ハード面におきましては、地域環境改善事業や住宅地区改良事業、公営住宅建替事業などを初めとして、道路や公共下水道の整備や隣保館、保育所、児童館、老人憩いの家など公共施設の建設など、地域の住環境水準の向上に一定の成果をおさめてきたものであると考えております。また、ソフト面におきましては、教育面では推進教員配置や同和教育推進、社会啓発等、経済面では同和対策中小企業振興、農業振興など、また、福祉面では保育所、児童館、老人憩いの家などの管理運営や、地域の人たちの経済負担軽減策として個人給付的事業など、諸々の施策に取り組んでこられたところでございます。 平成十三年、この年度末をもって特別措置法が失効いたしましたが、インターネットを利用した差別書き込みや差別落書きなどの差別事象等が後を絶たず、いまだに多くの課題が残されております。同和問題を特別対策としてとらまえるのではなく、人権施策にかかわるあらゆる問題の重要課題の一つとしてとらえ、残された課題の解決に今後ともより一層啓発に取り組み、そしてやらせていただきたいと考えております。 続きまして、同和対策事業特別措置法失効後の認識と今後の考え方についてでございますが、同和対策事業特別措置法は平成十三年度末、これをもって法が失効し、同和対策事務事業は特別対策から一般対策へ円滑に移行され、いわゆる一般対策の中で普遍的課題として同和問題の解決を図ってこられました。しかしながら、法が失効したから同和問題、部落差別、これがなくなったということではなく、今もなおインターネットでの陰湿な形態の差別事象など新たな差別事件が多発しており、大きな社会問題の一つとなっております。今後も基本的人権の尊重ということからも、同和問題、女性、子供、高齢者、障がい者などあらゆる人権問題の解決に向け、人権施策としてより一層人権教育・啓発に取り組んでまいりたいと考えております。 続きまして、男女共同参画社会、これの所信表明の中では余り触れられなかったという先ほどのお話でございます。ただ、私も所信表明の中で触れておらないかもしれませんが、ただ、本当に重要なこれも課題であると私は考えております。その中で、DVについてどのように認識をしているのかという御質問であったかと思います。DVの被害者の大部分が女性であり、心に深い傷を負わせ、生命をも奪ってしまうような事例が、残念なことに後を絶ちません。平成十三年に、いわゆるDV防止法が施行され、配偶者等からの暴力は重大な人権侵害であり、かつ犯罪であると認識されるようになり、奈良市では、暴力の防止、それと被害者の保護のため、女性問題相談室で女性問題を理解した女性相談員が相談に当たってまいりました。また、被害者の生命にかかわるなど緊急を要する場合は、県子ども家庭相談センターを初め、弁護士会など関係機関と迅速に連携し、保護に当たっているところでございます。今後もDV防止のための啓発、被害者の救済など、被害者、加害者それぞれに対応した事業に取り組んでまいります。 さて、女性の自立支援についてでございますが、固定的な性別役割分担意識のもと、女性の自立、特に経済的自立がいまだ難しい状況にございます。男女がともに経済的自立、精神的自立、生活的自立、これをすることが男女共同参画社会の形成には重要な要件でございます。そこで、女性の経済的自立を支援するための再就職準備セミナー、女性のスキルアップのセミナーや精神的自立のアサーティブトレーニング等の講座を開催しています。また、ライフスタイルが多様化し、核家族化が進む中、子育てが困難な状況にある女性が急増しており、その対応のため、子育て期の親同士が交流できる場であるキッズスペースを提供しているところでございます。また、DV被害者の支援につきましても、女性問題相談室において相談を受け、事例により県子ども家庭相談センターなどほかの関係機関と連携を密にし、被害女性が精神的、経済的にも自立できるよう迅速な対応をしているところでございます。 続きまして、男性政策についてでございますが、男女共同参画社会を推進していくについて、女性または男性についての政策は車の両輪に例えられると思います。どちらか一方が欠けてもうまく進むことはございません。女性の地位向上や社会進出を図る政策を進める一方、男性の意識改革を進めていかなければならないのではないかと感じております。近年に入り、女性を取り巻く環境は大きく整備され進展してまいりました。しかしながら、いまだ性別役割分担意識が根強く残っていることも確かでございます。このことを踏まえ、生物学的な男女の違いがあることを前提としつつ、一人一人の個性と能力を十分発揮できる社会を築いてまいりたいと思っております。そのためにも、男性の料理教室、男の生き方セミナーや男性のための実践家事講座など、各種男性政策を女性政策とともに行っていきたいと考えております。 続きまして、幼保一元化問題についてでございますが、平成十年三月に保育上支障のない限り、幼稚園と保育所の施設や設備について、相互に共用することができるとして、幼稚園と保育園の施設の共用化等に関する指針が示されたところでございますが、さらに一定の要件を満たせば、構造改革特別区域法において幼保一元化が実施されることになっておりました。そのため、保育所待機児童削減対策として、この法を受けて教育特区の活用、これを奈良再生プログラムに掲げさせていただいたところでございます。しかし、本年八月末に国がゼロ歳児から五歳児まで就学前のすべての子供を対象に、教育と保育を一体としてとらえた一貫した総合施設の中間まとめが発表されました。奈良市としても、この総合施設の最終案をしっかりと見きわめる必要がございますが、本市が抱える少子化による幼稚園児の減少と保育所に入所できない待機児童の解消にとって、非常に効果的な事業であると思われます。 この総合施設は、子供と親、これを取り巻く社会環境が変化する中で、幼児教育や多様化する保育ニーズに柔軟に対応できる新たな枠組みの施設として平成十八年度に創設されるもので、現在、文科省と厚生労働省、この両省において、本年十一月に最終的な取りまとめを行うこととして検討されております。また、この具体案をもとに平成十七年一月、モデル事業の実施要領が作成され、全国三十カ所で実施される予定でございます。今後、このモデル事業の実施も含め、その対応について教育委員会と十分連携をとりながら積極的に協議を行ってまいりたいと考えております。 続きまして、障がい者の自立支援と社会参加についてでございますが、障がい者施策の理念としてノーマライゼーションという考え方がございます。これは、障がいのある人もない人も地域社会で普通に生活するのが当然であるというものでございます。私は、この考え方、これを達成することこそ、障がい者の自立支援、社会参加そのものであると考えております。(藤本議員「時間がありませんので、要点だけお答えいただけますか。」と呼ぶ) ○議長(岡本志郎君) 要件だけ簡潔に市長お願いします。 ◎市長(鍵田忠兵衛君) 障がい者の社会参加について、障がい者にとって暮らしやすい社会は、すべての市民の皆様にとっても暮らしやすい社会であります。すべての市民の皆様一人一人の人権が尊重され、社会を構築する一員として社会参加ができ、より幸せを感じられる社会の実現を目指してまいりたいと考えております。 次は、動物愛護の基本理念と今後の取り組みついてでございます。動物愛護条例に関してましては、動物愛護精神の高揚、動物の適正飼育の普及啓発、人への危害防止など、よりよい動物愛護行政を推進する上で、その必要性については十分認識いたしております。現在、環境省において動物愛護管理のあり方検討会を本年二月に設置し、動物の愛護及び管理に関する法律の改正準備を進めているところでございます。奈良県の条例制定の動向も注視しながら検討してまいりたいと考えております。 続きまして、今後の観光行政についてでございますが。(藤本議員「済みません、持ち時間ほんまに迫ってますんで、ごく簡単にまとめて。」と呼ぶ)これ、非常に簡単に申し上げてるんですが。(「早いとこで終わらな簡単にいかへん。」と呼ぶ者あり)観光行政についてでございますが、今後の奈良の観光の発展に必要なことであることと認識いたしております。こんなもんでよろしいですか、藤本先生。(藤本議員「はい。」と呼ぶ) バリアフリーの状況についてでございます。これは、寺社に協力をお願いしながら、観光客の利用する施設などのバリアフリー化についても検討を進めてまいりたいと考えております。 最後に、中学校への給食導入についてでございます。この導入については、当市でもデリバリー方式などの実施が可能であるかを見きわめるべく調査を重ね、十分な研究をしてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(岡本志郎君) 十番藤本君。 ◆十番(藤本孝幸君) 自席から二問目行わせていただきます。 後の質問の方に市長、できるだけ簡潔に答えていただきますよう冒頭、強く要望させていただきます。本来ならば幾つかの主張と再質問ちょっと考えておりました。ちょうどお昼でありますので、もう簡単に終わりたいと思います。 道義的責任、私まだ市長のお口から強く感じられません。お気持ちをあらわしていくということでありますが、やはりそのことをめぐって多くの市民の方々を初め、皆様方いろいろお考えですので、その気持ちをあらわしていくだけではなく、きちんとしたみずからを律するという立場で御自身で判断していただきたいと思います。 再質問四点ございます。職員の意識改革であります。所信表明で公僕という二文字をお使いになりました。私ちょっとこだわりがございまして、公務員は全体の奉仕者であることを憲法第十五条で規定されています。先ほどの答弁、職員の意識改革、全体の奉仕者として求めたいということでありましたので、ちょっと変わったんかなというような思いがあるわけですけれども、やはり多くの職員さん、心配なり、いろいろ考えておられるようであります。この公僕という意味に込められたことはもう申し上げませんが、私は、はっきり言って不適切ではないかと思います。公僕を全体の奉仕者として置きかえても十分意味が通じますし、それについて市長のお考えを述べていただきたいと思います。 二点目、職員の削減計画であります。先ほど申し上げましたのは、私は、正規職員さんの問題でありますが、いわゆる臨時職員さんも半減されるということが再生プログラムに載っておりました。私は、これは大変だなと思います。現実には、例えば保育園、決算委員会でも資料出ましたが、約三分の一が臨職さんです。学校、給食調理員さんも相当な人数が入ってるわけです。単純にこれを減らすということについては、大きな弊害をもたらします。本来ならば、正規職員のきちっと採用せんなあかんわけですけれども、それができないので、あえて臨時職員さんに来ていただくという状況が本市では続いています。この点についてお答えください。 それから、再生プログラムでありますが、初登庁された日に、市長は、数値目標は曲げるつもりもないし、一切修正もないというふうに報道をされておりました。先ほども幼保一元化にかかわりまして、違う手段の選択を示唆をされましたが、この再生プログラム、今後、例えば国の制度の変更、社会の状況に対応していくたびに修正、変更はあり得るのかどうか、お示しください。 最後に、「人権・同和」にこだわっているわけですけれども、四月一日に課名の変更を求めたいと思います。 以上で二問目を終わります。 ○議長(岡本志郎君) 結論だけ、市長よろしくお願いします。 ◎市長(鍵田忠兵衛君) 藤本議員の再質問にお答えをさせていただきます。 公僕という言葉についてでございますが、職員は市民の奉仕者であるという、その強い気持ちを持っておりますので、今後は全体の奉仕者という表現に変えてまいりたいと考えております。 それから、臨時職員の削減による人件費の一億円削減目標についての御質問でございますが、今後、特に保育士や給食調理員、こういった方々の臨時職員などが多く配置されております職場につきましては、市民サービスの低下を招くことなく、担当部署の意見も十分踏まえ、業務内容の見直し、改善、こういったものを仔細に検討してまいりたいと考えております。 また、その次の奈良再生プログラムの件でございますが、私は、今後、より子細なデータにより奈良再生プログラム、これをより的確なものにするとともに、奈良市行財政改革大綱など、そういったものの整合性を保ちながら、行財政改革のさらなる推進を図ってまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(岡本志郎君) 十番藤本君。 ◆十番(藤本孝幸君) たくさん、私主張させていただきたいわけでありますが、以後、きょう以降の議員としての活動、そして委員会やさまざまな取り組みの中で今申し上げましたことを含めて、私なりに取り組んでまいりたいと思います。 少し時間を残しましたが、以上で私の質問を終わらせていただきます。 ○議長(岡本志郎君) 議事の都合により、暫時休憩いたします。  午後零時三分 休憩  午後一時三十三分 再開 ○議長(岡本志郎君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。----------------------------------- ○議長(岡本志郎君) 一般質問を続行いたします。 十九番高杉君。  (十九番 高杉美根子君 登壇) ◆十九番(高杉美根子君) 通告いたしました質問に入ります前に、昨日、金野議員より経歴詐称疑惑につきまして質問させていただきましたところ、市長より市民の皆様に迷惑をかけた、申しわけないと陳謝し、事実について認められたところでございます。そして、総理大臣秘書は、国のために働くのであるから無報酬でもよいのだと発言をされましたけれども、その間の身分保障、生活保障について、当時の中曽根総理大臣は承知をされていたのか、また秘書としての活動費などについてはどうであったのか、そして市民に何をもって陳謝されるのか、その陳謝の方法についてお答えください。 次に、市長は、税の滞納について、全面的にそのことを認め、不納欠損についてはまことに市民の皆様に申しわけないと答えられました。市長は積極的に納税義務を果たさなければならない、公正・公平と発言をされており、県会議員でもあった時期であり、もっと税について十分認識されなければならない立場であり、また公の身分、政治家としても市民感覚からも許されるべきことではございません。今の段階で気づいたと答弁しておられますが、なぜもっと早く気づかなかったのか、そして県民の税金で報酬をもらっている立場でありながら、失念と言っておられますが、もってのほかであると感じます。市民に徴収、徴収と声高に言いながら、自分の方はどのようになっているのか、到底許されるべき行為ではありません。市長の失念の発言について、市民にわかるような明快な答弁をお願いいたします。 それでは、通告いたしました数点につきまして、市長に質問をいたします。 初めに、今後の環境行政についてお尋ねいたします。我が党の代表質問でも取り上げましたように、市長の所信表明の中に環境行政、とりわけ環境保全が二十一世紀に入り、今ほど叫ばれてる時代はないと考えておりますが、環境保全行政に対する考えが述べられておりませんでした。先日の新聞報道によりますと、ロシア政府が地球温暖化防止を目指し、一九九七年に採択された京都議定書に批准する法案を閣議決定し、早ければ来春にも京都議定書が発効する見通しとなったとありました。議定書発効に伴い、日本が温室ガス削減目標を達成するには、一四%の削減が必要であり、現行の削減措置では、目標達成はまず不可能と見られていると報じられておりました。市長は、今後の重要な地球温暖化問題を初めとする環境保全行政について、どのような御見解をお持ちか、お聞かせください。 二問目に、男女共同参画社会の形成についてお尋ねいたします。市長の所信表明の中で、二十一世紀は女性の世紀とも言われ、女性に重要な視点が当てられているときにもかかわりませず、人権施策の中で女性とだけしか触れられなかったことは、非常に残念に思っているところでございます。さて、内閣府が十六年四月一日現在の地方公共団体における男女共同参画社会の形成、または女性に関する施策の推進状況をまとめたところによりますと、男女共同参画計画の策定は八四・七%、条例の制定は二三・三%、そして女性管理職の比率は平均七・二%となっていると発表されております。計画、また条例につきましては、奈良市においても実現をしているところでございます。 そこで、市長の男女共同参画社会の形成に対するお考えをお聞かせください。 続いて、奈良市男女共同参画計画、同実施計画は、十年間の本市の女性政策の方向を示されたものですが、社会情勢の変化等を考えると、見直しが必要ではないかと考えます。市長の見解をお聞かせください。 次に、本年六月の男女共同参画白書によりますと、平成十五年四月の男女共同参画会議において、女性のチャレンジ支援策の推進に向けた意見を決定し、二〇二〇年までに指導的地位に女性が占める割合が、少なくとも三〇%程度になるよう期待し、チャレンジ施策に取り組んでいくとしております。本市におきましては、女性職員の管理職への登用につきましては、平均値より低いと認識しております。また、附属機関、そのほか審議会等の女性委員の比率は二一・二%となっており、女性委員のいない審議会等の数は十八という状況でございます。本市においては、性別にとらわれることなく、個性や能力を発揮できる社会の実現のためにも、女性職員の管理職への登用、また審議会委員の女性登用を進めることが必要と考えます。市長はどのようにお考えか、お聞かせください。 男女共同参画の最後の質問として、政策方針決定の過程に女性の参画が必要と考えますが、女性の声を市政に反映させるために、奈良市女性会議をこの議場において開催していただきたい。また、市民の一人一人に男女共同参画の意識が浸透し、市民と行政が力を合わせ地域社会のさまざまな問題を解決し、本市の男女共同参画社会を実現するために、毎年各地で開かれております日本女性会議を奈良市でも開催されてはと考えますが、市長のお考えをお聞かせください。 三問目に、子育て支援について二点お尋ねいたします。十月一日、我が党が強く要望してまいりましたファミリーサポートセンターと地域子育て支援センターが開設され、子育て支援事業が拡充されました。これまでの取り組みに対し評価をいたしているところでございます。 そこで、一点目に、所信表明で、児童福祉対策として就学前児童医療助成制度を実施するなど、安心して子供を産み育てる環境づくりを進めるとされております。厚生労働省母子保健課が発表した乳幼児医療費助成制度の市町村別実施状況によりますと、二〇〇三年四月一日現在、外来の就学前まで助成の自治体が三七・七%に急増し、入院の就学前までは六三・二%に増加しており、所得制限及び自己負担をなしとする自治体が微増したというふうにありました。就学前までの実施が当たり前のようになってきているところでございます。 そこで、助成制度の実施内容はどのように考えておられるのか、また、還付の手続が子育て中の家庭にとって煩雑で、窓口まで行くことができず一年間領収書を持ったままになっている人や、病院で書類への記載をお願いできずにあきらめたり、このほかにも現実には制度がありながら使えていないケースがあるということでございます。ぜひ現物給付を実施してもらいたい、強く要望が寄せられているところでもあり、実施する必要があると考えますが、市長の見解をお尋ねいたします。 二点目に、再生プログラムで、平成十七年度に保育所待機児童削減対策事業計画策定・実施、そして幼保一元化・教育特区とされておりましたけれども、このことについてお尋ねいたします。この事業計画の策定につきましては、二〇〇三年七月改正されました児童福祉法において、待機児童がある市町村に対し、保育計画の策定が求められたところであり、本年度中に策定される次世代育成支援行動計画にも盛り込まれると理解をいたしております。 そこで、待機児童の削減に、幼保一元化とされていたのを総合施設で取り組まれるということでございますが、総合施設は二〇〇五年度に試行的に始まり、二〇〇六年度から本格実施の予定であり、現在のところ、都市部では待機児童の解消、地方では予算の厳しさなどが要因となって効率的な一体化施設への関心が高まっているということのようですが、本市としては、この施策により待機児童の解消ができると考えておられるのか。また、平成十六年九月現在、四百六十二名の待機児童がいるわけでございますので、現状の待機児童の解消には対処できないのではないかと考えます。ほかの施策が必要と考えますが、市長は、先日のファミリーサポートセンター等の開所式の折にも、私にも五歳の子供がいて、今、若草保育園にお世話になっておりますとも話されておりましたが、どのようにしようとされるのか、お尋ねいたします。 最後に、教育行政について、二点お尋ねいたします。一点目に、所信表明で「子どもたちの笑顔が輝るまちづくり」の実現に向けての五つの重点施策項目の四つ目に「子どもの個性が輝る教育改革」を上げられ、子供たちの心身とも健全な成長を図る教育環境整備を進めるとされておりますが、もう少し具体的にお示しください。 二点目に、本市においては平成十四年三月、奈良市教育改革三つのアクションとして、「豊かな心とたくましい体をはぐくむ教育の推進」「確かな学力をはぐくむ教育の推進」「信頼される学校・園づくりの推進」を実施することを提言し、具体的な施策についても提言され進められてこられたところです。タイムスケジュールも平成十三年度より平成十七年度までとされ、進めてこられ、あと一年余りとなりましたが、この取り組みに対するお考えと、今後継続して進められるおつもりか、お尋ねいたします。 これで私の一問目を終わります。 ○議長(岡本志郎君) 市長。  (市長 鍵田忠兵衛君 登壇) ◎市長(鍵田忠兵衛君) 十九番高杉議員の御質問にお答えをさせていただきたいと思います。 まず、経歴の記載ミスというか、その経歴のことで、きのうから私もここでいろいろとお話もさせていただき、そしてまた、市民の皆様にまことに申しわけないということも、ここで述べさせていただいておるわけでありますが、その中で陳謝の方法ですか、ということを今、高杉議員の方から御質問があったように思います。これは、私がここで幾ら謝らせていただいたとしても、本当にこれでは言い尽くせないものがあると思います。ただ、私自身あの問題に関しては、本当に自分自身の記載ミス、確認ミスですね、そういったことを思っておりまして、ただ、選挙違反になるとは思っておりません。その中で、陳謝の方法をしっかりともう一度考えさせていただいて、そして市民の皆様方に本当にその辺謝らせていただきたいと考えておるわけでございます。 また、中曽根康弘秘書をしていたときの私どもの方の身分保障についてということもお話があったかと思います。これにつきましては、ちょっとプライバシーのこともございまして、ここで御説明させていただくのを控えさせていただきたいと思っております。 なお、その次の税金問題につきまして、これは本当に私もきのうからここでもいろいろと、その事情説明等も含めてさせていただいておるわけでありますが、その中で失念について、これはどうして失念していたんだというような御質問であったかと思いますが、本当についうっかりでは済まされない重大な問題であると、私も認識をしております。その中で、私も一人の奈良市民として、そしてまた今は奈良の市長として、政治家として、この先ほどほかにも御質問がございましたが、その中でも申し上げたように、道義的責任というものを痛感しておりますので、これについて道義的に私もしっかりとこの後、対処をさせていただきたいと思っております。 その次の質問でございますが、今後の環境保全行政についてという御質問であったかと思います。奈良市第三次総合計画にうたわれておりますように、世界遺産を初め貴重な歴史的文化遺産を守り、豊かな環境を将来世代に引き継いでいくため、奈良市環境基本計画に基づく今までの取り組みを継続して行ってまいります。特に、私たちが豊かで快適な生活を営んでいることに起因している地球温暖化に対する取り組みにつきましては、地域住民の担う役割は大きく、市民の皆様方の自発的、積極的な取り組みを中心とした活動や、対策への市民参加など、全体で取り組むべき問題であると考えておりますので、地域住民の皆様とよく話し合い、お互いの役割を考えながら、子どもたちの笑顔が輝るまちづくりのため、環境保全行政もしっかりと取り組んで行ってまいりたいと思っております。 次に、男女共同参画社会の形成についてでございますが、平成十一年に制定された男女共同参画社会基本法において、「男女共同参画社会の実現を二十一世紀の我が国社会を決定する最重要課題と位置付け」とうたわれております。本市においても、平成十五年四月に奈良市男女共同参画推進条例を制定し、社会のあらゆる分野で男女が対等に参画できるよう、意識改革を含めさまざまな事業を推進されてまいりました。男は仕事、女は家庭という固定的な性別役割分担にはとらわれず、男性には家庭や地域活動への参画を、女性には労働の場や地域活動への参画を進め、それぞれの能力を発揮できる社会にすべく、奈良市男女共同参画センター「あすなら」を拠点に、さらに事業を推進してまいりたいと考えております。私も、家ではごみの当番は私がやっております。当然、家庭の一人の人間として取り組まなきゃいけない、男としてやらなくていいんじゃない、家庭の人間として、家庭の中でできることは男であろうがやっていかなければならないとそう思い、私もやらせていただいております。 さて、奈良市男女共同参画計画、同実施計画の見直しについてでございますが、同計画は、平成十三年度から十年間の目標で策定されたものでございます。この間、DV防止法、これの制定や女性のチャレンジ支援策の推進が決定されるなど、国における施策も前進しており、本市の計画についても見直す必要があると考えております。見直しに当たりましては、市民の意見を聞くための意識調査を実施したいと考えております。 女性職員の管理職への登用、また審議会等への女性委員の登用についてでございますが、女性が意思決定の場につくことは、市民の半数以上が女性でありますから、女性の思いを大切にした市政を行う上で非常に重要であると考えております。したがいまして、女性職員の管理職への登用については、国では二〇二〇年までに三〇%を目標としており、本市においても、それに準じて進めていきたいと考えております。また、審議会委員の女性の登用についても、奈良市男女共同参画計画において、二〇一〇年までに三〇%という目標を掲げており、目標達成に向け努力をしてまいります。 続きまして、女性会議の開催についてという御質問でございますが、女性市民の御意見を聞き市政に反映するためには、有効な方法であろうと思います。実施に向けて努力をしてまいります。また、日本女性会議の開催についてでございますが、今年度は松山市で第二十一回目の会議が開催されます。この会議は、全国から四千人が参加する大きな大会で、県庁所在地の都市で実施されております。中核市である奈良市も、あらゆる活動を通じて女性団体などの育成を図りながら、その礎を築いてまいりたいと考えております。 続きまして、乳幼児医療助成制度についてでございますが、子育て家庭の経済的負担を軽減し、安心して産み育てやすい環境づくりを進めるためには、現在三歳未満となっております乳幼児医療助成制度を就学前まで引き上げ実施する方針で進めております。内容についてでございますが、現在、乳児、いわゆるゼロ歳児でございますが、乳児については県の所得制限を撤廃し、幼児一、二歳児については緩和し、一部負担金を導入せず、県制度を拡充して実施しておりますので、現制度を継続して実施してまいりたいと考えております。また、支給方法については、乳児については、県内保険者分は県の調整により現物給付になっておりますが、幼児については、一部負担金の取り扱いが県制度と異なるため、すべて立てかえ払いの制度になっております。しかし、立てかえ払い制度は、市民の皆様にとって大変不便な制度ですので、今後、現物給付の導入を検討してまいります。 総合施設と待機児童解消についてでございます。藤本議員の質問にもお答えをさせていただきましたが、現在、国においてはその検討が進められております。総合施設につきましては、幼稚園と保育園の既存の枠組みをなくすことで、幼児教育の機会の拡大や子育て家庭に対する支援となり、また、この総合施設が本格化することにより、幼児の受け入れ枠が拡大し、一定数の保育所入所希望者を受け入れできるものと考えられ、待機児童の解消につながるものであると確信いたしております。文部科学省、厚生労働省の両省では、平成十七年度のモデル事業の実施と平成十八年度の本格実施に向け協議されておりますので、この事業の進捗状況と並行して、従来どおり民間保育園の新設などを計画的に進めてまいります。現在、来年度中の開園を目指して保育園が二園、それぞれ九十名定員で建設中でございます。あわせて、既存保育園の増築により三十名の増員予定がございます。また、待機児童の多い民間保育園につきましては、定員の見直しも働きかけ、待機児童の解消に努めてまいります。 最後に、教育問題でございますが、子どもの個性が輝る教育改革についてという御質問であったかと思います。教職員の資質向上のための研修の充実や教員の指導力不足解消のため、指導委員会を設置するなどの新しいシステムを構築することにより、信頼できる教員の育成を図るとともに、いじめや不登校児童・生徒への対応として、不登校生徒数改善事業計画を策定し、奈良の未来を担う子供たちの心身ともに健全な成長を図りたいと考えております。また、学校教育の充実や地域の教育力の向上、これに努め、学校、家庭、地域それぞれが役割を分担しながら連携、協力し、手を携え教育改革を進めてまいりたいと考えております。 最後に御質問なされたのは、奈良市教育改革三つのアクションについてであったと思いますが、平成十四年度から奈良市版の教育改革として実施しており、県内他市に先駆けて学校評議員制度を導入し、市民の皆様の声を学校運営に生かすなど、徐々に成果があらわれていると思っております。今後は、奈良再生プログラムとの整合性を図りながら実施してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(岡本志郎君) 十九番高杉君。 ◆十九番(高杉美根子君) 二問目は自席より再質問と要望を行わせていただきます。 先ほどの市長の経歴詐称疑惑、また税の滞納の不納欠損処分のことに関しましては、これまでの答弁と変わりなく、市民感覚からも理解できるものではないというふうに申し上げさせていただきまして、今後の取り組みを、また市長の対応を見守ってまいりたいというふうに思います。 そして、環境行政につきましては、環境問題は市民社会の草の根レベルで力強く推し進めることが求められると考えますので、市長のこれからの積極的お取り組みをしていただきますように要望をさせていただきます。 男女共同参画社会の形成につきましては、女性職員の管理職への登用について御答弁をいただいたところでございますが、再度、奈良市における管理職に占める女性職員の割合等の現状等の管理職登用についての市長のお考えをお聞かせください。 次に、子育て支援につきましては、乳幼児医療の助成制度を就学前まで引き上げられ、内容につきましても、県制度を拡充された現制度を継続して実施するということで、我が党がこれまで求めてきました制度の拡充を図られるということであり、少子化対策の一助になると考えます。これまで我が党は、県におきましても強く就学前までの実施を求めてきたところでございますが、実現せず、今回の実施により市単ということになると、財政的に大変厳しい状況の中で大きな負担になってくると考えます。 そこで、このことにより二倍以上になると考えられる事務量に対しましてどのように対応されるのか、そして経費としてどのくらい見込まれるか、また財源をどのように考えておられるのか、お尋ねいたします。 そして、教育行政につきましては、子どもの個性が輝る教育改革につきましては、所信表明以上の具体的な施策を御答弁いただけず、市長の御決意を残念ながら感じ取ることができませんでした。我が党は、読書運動を、子供たちのいじめ・不登校などさまざまな問題に対し、一見遠回りのように見えますが、大きな成果を上げることができると考え、推進しているところでございます。 そこで、これまでも質問もし、要望もしてまいりました小・中・高校図書館と公立図書館のネットワーク化について、また、子供がよりよい読書環境において自主的な読書運動を進め、生涯にわたる読書習慣が形成されることを目指した奈良市読書活動推進計画の策定に対し、市長はどのように考えておられるのか、お尋ねいたします。 ○議長(岡本志郎君) 市長。 ◎市長(鍵田忠兵衛君) 高杉議員の再質問にお答えをさせていただきます。 本市における女性職員の管理職へ、この登用状況とその基本的な考え方についてという御質問であったかと思います。男女共同参画社会基本法などの理念に基づき策定された本市の実施計画に沿って、女性職員の管理職への登用の拡充に努めているところでございます。現在のところ、女性管理職の割合は約四%でございますが、監督者である係長級での割合は、おおむね三四%となっております。このことから、今後も職場環境の整備、また能力開発のための研修を進め、意欲と能力、この意欲と能力のある女性職員を積極的に管理職に登用し、男女共同参画社会にふさわしい人事制度の構築に努めてまいりたいと考えております。 続いて、乳幼児医療費助成制度を就学前まで拡大した場合の事務量と経費、それとまた財源についてという御質問であったと思います。現行の制度で対象年齢を就学前まで引き上げた場合、助成金交付請求書の処理件数が、現状の七万件から約十六万五千件となり、約九万五千件の増加が見込まれますので、当然事務量も二倍以上に膨らむものと考えておりますので、事務に支障が来すことがないように、職員の増員など体制整備に配慮してまいりたいと考えております。また、経費につきましては、全体として約五億三千万、年齢の拡大に伴う増額分として約三億二千万円、この財源が必要であると見込んでおります。その財源についてでございますが、この制度は県の補助事業であり、県においても平成十七年度からの制度の見直しが検討されております。制度の拡充があれば補助金の増額を見込むことができますので、その見直しの内容を勘案し、なお不足分については本市の財政状況を十分見きわめ対応してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(岡本志郎君) 答弁漏れは。(高杉議員「教育についての答弁。」と呼ぶ) 教育について。よろしく。 ◎市長(鍵田忠兵衛君) 済みません。どうもこういうことばっかりして、まことに申しわけない。これは失念じゃございません。ちょっと不手際がございました。失礼いたしました。 図書館のネットワーク化についてでございますが、教育改革プログラムの提言により、その推進を図っているところでございます。今後、情報や市民の皆様のニーズはますます高度多様化しつつあることから、IT情報機器の導入、活用や、ほかの生涯学習関連施設及び学校図書館、関係団体などとの連携を強化し、それぞれの持つ情報資料などの資源をネットワークの構築により共有化していくなど、ハード、ソフト両面での図書館機能の充実を図ることが必要であると考えております。 もう一点、子ども読書活動推進計画についての御質問であったと思いますが、平成十三年に施行されました子ども読書活動の推進に関する法律、この基本理念にのっとり、平成十五年七月に奈良県子ども読書活動推進計画が策定されました。本市におきましても、国や県の基本計画を踏まえ、子供がそれぞれの発達段階に応じてよりよい読書環境において自立的な読書活動を進め、生涯にわたる読書習慣が形成されること、これを目指し、子供読書活動推進に係る施策を実施するため、その指針として奈良市子ども読書活動推進計画を早急に策定させていただきたいと考えております。 以上でございます。失礼しました。 ○議長(岡本志郎君) 十九番高杉君。 ◆十九番(高杉美根子君) 三問目は、三点にわたり要望を行わせていただきます。 まず、男女共同参画社会の形成につきましては、これまで長年培われてきました固定的性別役割分担意識等により、男女がともに責任を負い、利益を享受し、一人一人が個性と能力を発揮できる社会への道のりは遠いなと感じることもしばしばでございます。今回十月十六、十七日に行われますあすならフェスティバル、これまでの奈良女性ネットワークに加えまして、新たに市内の九つの女性団体が実行委員会を立ち上げられ、拡充を図られたことに対しましては評価をいたしております。今後も粘り強い着実な取り組みが必要と考えます。市長におかれましては、男女共同参画社会実現への政策に対する、またそのことに対します認識を深くされ、中核市奈良市にふさわしい積極的なさらなるお取り組みをお願いいたします。 子育て支援につきましては、乳幼児医療費の財源については、今御説明いただきましたけれども、国における少子化社会対策大綱におきましても重点課題として、子育ての新たな支え合いと連帯として、社会保険給付について、大きな比重を占める高齢者関係給付を見直し、これを支える若い世代及び将来世代の負担増を抑えるとともに、社会保障の枠にとらわれることなく次世代育成支援を推進するとしていることからも、奈良市におきまして、市民福祉、市民サービスの低下を招く懸念をするところでございます。十月十八日には福祉医療検討委員会が開かれるとお聞きいたしておりますが、先ほどの御答弁にもございましたが、県の補助事業でもございます。県に働きかけ、県に対して拡充を図り実施するようすべきであると考えます。県制度として実現するよう市長から強く働きかけられるように、そして市政に影響の及ばない取り組みをされるよう要望いたしておきます。 三点目に、教育行政につきまして、市長は所信表明で、これからの市政運営に当たり、子どもたちの笑顔が輝るまちづくりを目標に五つの重点項目を述べておられますが、我が党は、二十一世紀が子供のひとみの輝く世紀にと、さまざまな施策の実現に取り組んでまいりました。子供の最大の教育環境は教師自身であると言われておりますが、指導力不足の教師に対する市民の悩みは深刻なものがあります。教職員の資質向上のための研修や指導委員会設置等の新システム構築には期待をいたすところでございますが、システムはできたが中身が伴わないというようなことのないよう、そして子供の中に幸福を築く力を開花させる教育の実現を目指し、教育行政に取り組まれるよう強く要望いたしまして私の質問を終わります。 ○議長(岡本志郎君) 三番三浦君。  (三番 三浦教次君 登壇) ◆三番(三浦教次君) 政翔会の三浦教次でございます。質問に入る前に、鍵田市長に対しまして一言ごあいさつをさせていただきますので、御容赦のほどお願い申し上げます。 鍵田市長におかれましては、大きな志を持って市長に御就任されましたこと、心より敬意を表し歓迎いたすところであります。同時に、公約に掲げておられます奈良再生プログラムの御成功並びに今後ますますの御活躍と御健勝、御多幸を祈念申し上げます。 では、通告しておりました数点について、関係理事者に質問させていただきます。 まず初めに、奈良市清掃工場の移転についてであります。私が三月定例議会において同様の質問をさせていただいてから、わずか半年余りで本市の市長は大川市長から鍵田市長へとバトンタッチされ、大きな変革が期待されるところでありますが、とりわけ環境清美工場の移転という問題に対しては、地元住民の一人として期待に胸を膨らませているのであります。なぜならば、前市長は、現在のごみ焼却炉はダイオキシン削減工事も終了し、自慢のできる施設となっているので、必ずしも移転する必要はなく、現在地での清掃工場の更新もあり得るとの発言を繰り返され、移転ということに関しては歯切れが悪かったわけでありますが、鍵田市長は、選挙公約として移転を明言され、現在地のままではいまだ解明されていない公害物質や環境ホルモン等の影響により住民に健康被害をもたらす心配があること、特に幼い子供たちは二十四時間この危険にさらされているために、将来幾世代にもわたって影響が出てくる危険性をはらんでいることなどにより、現在地は不適当であるとの見解を示されたからであります。皆様御承知のとおり、現在の本市における清掃行政は、奈良市第三次総合計画の「環境保全と安心・快適なまちづくり」を基本に、奈良市環境基本計画の「資源の循環的利用を図るまち」を踏まえ策定された奈良市一般廃棄物処理基本計画をもとに進められており、廃棄物及び循環型社会に関する法令等と整合性を保ちつつ、循環型社会の基本となるごみの発生抑制、リサイクルなどを中心とした施策でありますが、残念ながら大きな効果をもたらすまでには至っておりません。したがって、ごみの大部分は焼却という手段に頼らざるを得ず、ごみ焼却場についての話題もしばらくは途切れることがないのであります。中でも、本市の清掃工場は間もなく建てかえの時期を迎えることもあり、私たち左京地区住民にとっては、建てかえ時における場所の問題が一番の関心事となっているのであります。 そこで、平成十五年八月、左京地区を中心とする平城ニュータウン四地区並びに佐保台等の住民から奈良県公害審査会に公害調停の申請がなされ、現在まで六回の公害調停と一回の現地確認が行われ、双方が意見を述べ合っているわけでありますが、回を増すごとに隔たりの大きさにむなしさを感じるばかりでありました。三月定例議会でも述べさせていただきましたが、この公害調停申請の最大の目的は、私が左京地区自治連合会長に就任して間もない平成十三年八月に、住民の九〇%以上という多くの方々の署名を添えて左京地区の各自治会並びに自治連合会から大川市長あてに提出した清掃工場撤去の決議書に対し、市側から何の反応もなかったということが住民の不安と不信感を募らせたことはもちろんでありますが、我が国の環境汚染に対する対応が先進国の中では非常におくれており、新しい化学物質等の発見や測定技術の向上に伴う危険因子の増加に対応し切れていないという現状を踏まえると、国の基準値をよりどころにしている現在のダイオキシン規制値は、将来における住民の安全を担保するものではないということ、さらには、小学校や幼稚園を初め住宅密集地に近接し過ぎることにより、低周波による振動や騒音、悪臭、じんあいによる洗濯物の汚れなど、日常生活に影響を及ぼしている事実があること、目に見えぬ公害物質や環境ホルモンなどが健康被害を引き起こすのではないかという不安など、清掃工場の事業主である奈良市にもっと住民の声に耳を傾けてほしいと思ったからであります。ところが、現在までの公害調停では、住民の声に耳を傾けるどころか、根拠の乏しい反論を行うだけで何ら進展が見られず、今後の展開が憂慮されていたわけでありますが、今回、鍵田市長が移転を明言されましたことにより、地元は大いに盛り上がり、万感の思いで受けとめているところであります。 そこで、このことに関連して市長に数点お尋ねいたします。一点目といたしましては、今回、市長から清掃工場の移転が明言されたことにより、現在行われている公害調停に対する今後の対応に変化をもたらすことは必至と考えるが、どのような対応を考えられているのか。 二点目といたしましては、奈良再生プログラムによると、平成十七年にごみ焼却場移転更新実施計画策定を市民参画で行うとされているが、メンバーについてはどのように決定するのか。また、その策定内容が市議会の思いと乖離した場合は、どのような判断をされるのか。 三点目といたしましては、清掃工場を移転するためには、移転地の確保と多額の財源を必要とするが、その手当てについては、具体的な構想を持たれているのか。以上についてお答えいただきたいと存じます。 次に、市立奈良病院についてであります。現在の国立奈良病院が十二月一日より本市に移譲され、市立奈良病院になることについては、皆様御周知のとおりであります。したがって、移譲後におきましては、今まで以上にサービスの充実を図ることとし、経営面においてもしっかりとした方針や戦略を打ち立て、経営の健全化を図ることを最優先すべきであると私は考えるのであります。くしくも鍵田市長の奈良再生プログラムにも、市民参画による市立奈良病院運営市民会議の設置や平成二十年度での小児医療二十四時間受け入れ体制の確立や医療特区を設けての長期重症高齢者受け入れ体制の確立などが挙げられており、市民本位の病院運営に並々ならぬ思いを感じ取ることができたのであります。しかしながら、現在の病院経営は冬の時代とも言われ、公的医療機関では採算性を維持することが非常に難しい状況にあり、病院運営を行う者は技術のみならず、経営者としての知識やセンスなども求められるのであります。そこで、今後は市民参画の上で、市民が本当に必要とし、かつ経営的にも採算性を維持することのできる病院を目指し、指定管理者である社団法人地域医療振興協会とも大いに議論する必要があるのではないかと考えるのであります。 そこで、このことに関連して関係理事者に三点お尋ねいたします。一点目といたしましては、現時点での移譲に係る進捗状況はどうなっているのか。特に、医師を初めとする職員の充足はなされているのか。 二点目といたしましては、本定例会に提出された病院会計の予算書を見ますと、入院患者数や入院及び外来の診療単価が同規模の病院に比べて若干低いような気がするが、理事者としては、このことについてどのような見解を持たれているのか。 三点目といたしましては、医療特区を設けて長期重症高齢者受け入れ体制の確立をするとのことですが、現病院との関係はどうなるのか。 以上、一点目と二点目については市民生活部長に、三点目については市長にお答えいただきたいと存じます。 次に、PFI方式での事業実施についてであります。鍵田市長の奈良再生プログラムによりますと、西部公民館の跡地利用や火葬場併設の市営セレモニーホール新設及びごみ焼却場移転更新事業などにおいて、PFI方式で実施するとされております。そこで、私は、PFIの理解に努め、その長所、短所について比較してみたのであります。PFIは、一九九二年にイギリスで誕生した新しい公共サービスを提供するための手法で、いわゆる民間資源による社会資本整備のことを指し、行財政改革の一手法として注目されているのであります。すなわち、社会資本整備や公共サービスの提供に関し、設計、建設、維持管理、資金調達、サービスの提供に至るまで可能な限り民間にゆだねることにより、受益者に対するさまざまなサービスの効率化と質の向上が図れるということであります。その主な手法としては、BTO、ビルド・トランスファー・オペレート方式とBOT、ビルド・オペレート・トランスファー方式があり、BTOは、民間資本で建設したものを国、県、市、町、村、いわゆる官が譲渡を受け、民間に運営委託することをいい、長所としては、官の初期投資が少なくて済むので財政の負担にならないこと、短所としては、官主導型の運営になりやすく、コストやサービスという品質の保証がされがたいことが挙げられます。一方、BOTは、民間資本で建設したものを民間に運営委託し、それを官が譲渡を受けることをいい、長所としては、官の初期投資が少なくて済むので財政の負担にならないこと、短所としては、民間主導型であるためにコストとサービスという品質の保証が長期間にわたり保証されがたいこと、すなわち不良な民間に委託すると、長期間にわたり影響を受けることなどが挙げられるのであります。 そこで、このことに関連して市長にお尋ねいたします。市長が公約として掲げている奈良再生プログラムでのPFI方式とは、BTOとBOTのどちらを前提としているのか。また、PFIを導入する場合、現在無料で行っている一般家庭からのごみ処理などにおいては、有料にしなければこの事業方式は成立しにくいのではないかと考えるが、この点についてはどのように考えているのか、以上についてお答えいただきたいと存じます。 以上で私の一問目を終わらせていただきます。 ○議長(岡本志郎君) 市長。  (市長 鍵田忠兵衛君 登壇) ◎市長(鍵田忠兵衛君) 三番三浦議員の御質問にお答えをさせていただきたいと思います。 さて、答弁に入ります前でございますが、お祝い、そしてまた励ましのお言葉をいただきまして、まことにありがとうございました。しっかりと市長としての職を果たしてまいりたいと思っております。また、公約や所信表明の中で、この焼却場移転問題、私は公約でも移転をしますと、所信表明の中でもさせていただいております。この場をおかりして、もう一度はっきりと言明をさせていただきたいと思っております。 さて、その中で、三浦議員からの御質問の公害調停に対する今後の対応についてでございますが、環境清美工場の更新時移転という政策方針は、公害調停の申請人が求める主張に合致する点もあると考えておりますが、ごみ処理は市民生活に直結した重要施策でありますので、新施設竣工までの間、現地でのごみ処理を停止するわけにはまいりません。現在、公害調停の場において論議をさせていただいておりますが、今後も細心の注意を払いながら安全操業に努めてまいります。なお、環境清美工場からの環境汚染による健康被害の有無については、十分検討できる資料により、引き続き論議をしてまいりたいと考えております。今後も、公害調停につきましては、誠意を持って対応をさせていただきたいと存じます。 次に、ごみ焼却場移転実施計画策定メンバー及びその策定内容の判断についてという御質問でございますが、まず市民の皆様の代表、ごみ懇談会代表、自治連合会代表、市議会議員及び学識経験者、そして庁内関係職員などによる策定委員会を構成し、市議会はもとより、市民の皆様にも賛同を得られる実施計画づくりを進めてまいりたいと考えております。 三番目に、工場の移転地と財源の具体的な構想についてという御質問でございますが、移転先の確保については、奈良市内全域から、また学校・幼稚園・保育園及び住宅地に近接していない候補地をごみ収集の効率面も考慮しながら選定していきたいと考えており、早期に用地確保ができるよう鋭意努力してまいる所存でございます。 建設に係る事業費の財源確保でございますが、その事業の推進には莫大な経費が必要でございますので、本市の財政状況にかんがみ、民間活力、すなわちPFI方式を導入してまいりたいと考えております。さらに、国庫補助金制度なども十分活用し、負担を軽減できるよう努力してまいりたいと存じております。 続きまして、医療特区を設けて長期重症高齢者受け入れ体制の確立と、また現病院との関係についてという御質問でございますが、今後、高齢化が急速に進む中で、長期重症高齢者の受け入れる体制の整備が急務と考えております。そのため、医療特区の拡充を積極的に国に働きかけ、関係機関とも協議しながら受け入れ体制が確立されるよう努めてまいります。市立奈良病院は急性期病院として開設することになりますが、現病院との連携は当然必要となってまいります。また、指定管理者であります社団法人地域医療振興協会を含め、関係機関と受け入れ体制の確立に向けて協議を進めてまいりたいと思っています。 最後に、PFI方式での事業実施について御質問をいただいたわけでございますが、奈良再生プログラムにおいて、西部公民館跡地利用、市営総合セレモニーホール--いわゆるこれには火葬場併設でございますが、ホールの新設、ごみ焼却場移転、これに関してはPFI手法による事業実施を図ってまいりますが、まず行政目的の明確化などの前提条件を整理し、そして基本方針を策定する必要がございます。その後、市民参画、これによる協議の中で、ご指摘のありましたBTO、そしてBOT方式などの方法が、どちらの方法が本市にとって最も有効なのか、そういったことも検討させていただき、決定してまいりたいと考えております。 次に、PFI手法による事業についてのメリットを大きく分けて、まず一番目に事業費総額の削減、二番目に民間企業による効率的な運営、三番目に事業実施に伴うリスクの民間への一部移転、また四番目に費用の平準化、この四点が考えられます。しかし、特に事業実施に伴うリスクの民間への一部移転を通じて、メリットの有無、規模を算定する費用対効果が重要な指標となりますので、御質問にある有料化が必要となるかどうかについては実施方式によると考えております。 以上でございます。 ○議長(岡本志郎君) 市長、今の市議会との考えが対立した場合ということで、工場移転の件についての御答弁をお願いします。 ◎市長(鍵田忠兵衛君) 失礼しました。工場移転について、これが議会の皆さんと対立した場合という御質問であったかと思います。失礼しました。それにつきましては、これから工場移転の問題、先ほどからも申しておりますように、その土地の問題もございます、そしてまた方法もございます。いろんな点を議会の皆様方と真剣になって討論し合う、また先ほどからも申しておりますが、市民の代表の方々にも入っていただいて討論をした結果、そして議会の皆様にも御承認いただけるような方法を私どもは考えてやらせていただきたいと考えておるところでございます。 以上でございます。 ○議長(岡本志郎君) 市民生活部長。 ◎市民生活部長(葛原克巳君) お答えを申し上げます。 市立奈良病院についての一点目の回答でございますが、現時点での移譲に係る進捗状況はどうなっているのか、特に医師を初めとする職員についての充足はなされているのかについてでございますが、既に病院開設に必要な病院事業の設置等に関する条例等は制定いたしております。また、奈良市病院事業会計予算及び市立奈良病院使用料及び手数料条例については、今議会で議決をいただいたところであります。今後、独立行政法人国立病院機構との間において、国立病院機構奈良病院の譲渡契約の締結等を残しておりますが、移譲事務は順調に進んでおります。 次に、医師を初めとする職員の充足についてでありますが、在籍の医師のほぼ全員を引き継ぎ、全体では六九・二%の職員が市立奈良病院に移っていただけることになっております。引き継ぐ職員で充足できない職員については、公募等を行い充足に努めており、支障なく開院を迎えることができるよう事務を進めてまいります。 二点目の入院患者数や入院及び外来の診療単価が同規模の病院に比べ若干低いようですが、どのような見解を持っているのかについてでございますが、入院患者数が若干低いことにつきましては、現在、国立病院機構奈良病院では産科医師が不在であり、入院患者の受け付けを行っておりません。十二月一日の病院開院時には産科を再開することになりますが、休診の影響を考慮して入院患者数を若干低く見積もっております。平成十七年度からは、入院患者数も増加するものと考えております。 次に、入院及び外来単価についてでありますが、入院診療単価につきましては、先ほど答弁いたしました産科休診の影響を考慮して診療単価を若干低く見積もっております。平成十七年後からは、単価アップが図れるのではないかと考えております。 次に、外来の診療単価についてでありますが、院外処方の全面化及び診療単価の低い眼科、耳鼻咽喉科が常勤化になることから、全体の診療単価を若干低く見積もっております。 以上でございます。 ○議長(岡本志郎君) 三番三浦君。 ◆三番(三浦教次君) 二問目は自席より行わせていただきます。 ただいま私の質問に対しまして、関係理事者より適切な御答弁をいただきましたので、二問目はすべて要望とさせていただきます。 まず、奈良市清掃工場の移転についてであります。私たち左京地区住民を初め平城ニュータウン及び佐保台の住民の悲願でありました清掃工場移転が、鍵田市長により市政方針として表明されたわけでありますから、現在行われている公害調停の場においても同様の表明をしていただくことで、有終の美を飾っていただきたいと思いますし、できるだけ早い時期に市民参画のプロジェクトを立ち上げ、環境に配慮した安全な場所に最新の技術を駆使した安全な工場を建設していただきますよう強く要望いたします。 次に、市立奈良病院についてであります。小児医療の二十四時間受け入れ体制については、小さいお子さんを持つ親御さんの切実な願いであると同時に、公的医療機関の宿命ではないかと私は考えるのであります。なぜならば、小児医療は、患者が子供であるために病態把握が難しく、その割には保険点数が低いこと、また、このことが原因で医師のなり手が少ないために絶対数が少なく、当直回数がふえ過重労働になりやすいこと、さらには、私的医療機関では採算がとれず、リストラの対象になりやすいことなどの諸事情があるため、政策医療としてでなければ足を踏み入れることの難しい分野だと言われているからであります。 そこで、本市においても小児医療二十四時間受け入れ体制の確立は、政策医療として早期実現していただきますよう強く要望いたします。 次に、PFI方式での事業実施についてであります。PFIは、いわゆる民活に相当するが、民営化や外部委託、第三セクターなどとは異なる特定プロジェクトの実行を目的とした有限の仕組みでありながら、公共部門に成りかわって民間事業者が主体的にサービスを提供する仕組みであるため、民間事業者は、事業遂行上のリスクを負担するとともに、そのノウハウを最大限活用することが必要となります。したがって、導入に当たっては事前の調査・研究を十分行い、市民サービスの低下や本市へ過重な負担を強いることのない優良事業者を選定していただきますよう強く要望いたします。 以上で私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(岡本志郎君) 十一番北村君。  (十一番 北村拓哉君 登壇) ◆十一番(北村拓哉君) 日本共産党の北村拓哉でございます。質問の本題に入ります前に、昨日の本会議の質問で明らかになった、市長が相続した税の滞納の不納欠損処分について、財務部長に質問をいたします。 市長は昨日、父・忠三郎氏の財産を市長がすべて相続したと述べられました。相続をした以上、税の滞納分の納税義務者は市長自身であることを再度確認をしておきます。 その上で続けますが、市長の説明によれば、平成七年初めに分納、延納を当時の市長に頼みに行っておきながら、その後そのことを失念をし、出回った怪文書を見て初めて奈良市が不納欠損処分をした事実を知ったというものであります。しかし、こうした話は到底市民が納得をできるものではありません。分納や延納の市との折衝や相談は、忘れてしまう程度のものでしかなかったのか、なぜ奈良市は財産などの差し押さえをしなかったのか、そしてなぜ欠損処理をするに至ったのか、疑問は深まるばかりであります。 この点について財務部長に伺いますが、なぜ今回差し押さえもせず、結局徴収不能として欠損処理をしたのか、その理由を明確にお答えください。 それでは本題に移ります。通告をしております数点について、時間の関係で一部端折るところもございますが、市長に質問をいたします。 まず、乳幼児医療費助成制度の拡充にかかわってお尋ねをいたします。今、少子化が深刻な社会問題になっています。その中で、今、全国的に子育てを応援する取り組みが自治体レベルでも広がっております。子育ての大きな不安の一つに子供の病気がありますが、子供の医療費の心配をなくすことは、大きな子育て支援になります。乳幼児医療費助成制度の拡充は、市民の年来の切実な願いであります。奈良市の少子化がとりわけ深刻なだけに、その克服のためにも市独自の制度拡充が緊急課題となっています。 これまでから、この制度拡充については、粘り強い市民運動が展開をされてきて、要望署名も数多く奈良市に提出をされてきています。昨年の十月に結成をされた奈良市子どもの医療費無料化を求める会は、同制度の対象年齢を現在の二歳までから就学前まで拡大することや、一、二歳にある所得制限の撤廃、病院窓口での支払いをなくすことなどを要望項目に掲げて活動を開始をされています。そして、その要望署名は、既に一万四千二十五筆分が奈良市に提出をされており、その後も署名の輪が広がっております。我が党は、一貫してこの問題を議会で取り上げ続け、私自身、昨年の選挙で市民の皆さんから市議会に送り出していただきましてからも、条例提案も含め、何度もこの制度拡充を強く求めてまいりました。 市長は、奈良再生プログラムの公約の中で、平成十七年度就学前児童医療助成制度実施を市民と約束されています。また、さきの求める会が市長選挙に際して行ったアンケートに、対象年齢を就学前まで、歯科は小学校卒業まで拡大、所得制限撤廃、現物給付、窓口での立てかえ払いなし実施について、すべてに賛成と回答をされています。市民も大いに注目をしています。市長公約どおり、来年度より対象年齢を引き上げ、所得制限を撤廃をし、窓口での立てかえ払いをなくす制度の拡充を実施すべきだと考えます。さきの質問とも重複をいたしますが、来年度からの実施で間違いないのか、外来・入院で見た場合、それぞれどうなるのかも含めて、市長の同制度拡充の御所見を具体的にお聞かせください。 二つ目に、市立奈良病院についてお伺いします。十二月の移譲を目前に控え、市立病院への市民の期待は高まっています。この病院が市民に身近な病院として親しまれるためにも、また市民ニーズとマッチした医療内容をどう提供していくのかが今後ますます問われてきます。医療内容については、二十四時間小児救急医療の実現が、それを求める市民運動も進められており、切実な課題となっています。さきにも触れたとおり、今、少子化が深刻なだけに、子育てをしやすい環境づくりが求められており、その点で小児救急医療体制の改善は、乳幼児医療費助成制度の拡充などとともに、差し迫った課題です。奈良県の小児救急医療の奈良市を含む北和圏域の中で、その半分の人口を占める中核市である奈良市が公設病院を開設をする機会に、ぜひその拡充、充実を進めてほしい、市民の期待は大変大きいものがあります。 今月の五日、市長に対して奈良市立病院の医療充実と地域医療を守る会から、市立奈良病院において二十四時間対応できる小児救急医療の体制を整えることなどを要望する署名が四千二百九十五筆提出をされ、私もその場に同席をいたしました。緊急、切実なこの市民の願いの実現については、我が党もこれまでから議会で取り上げ、強く要望をしてまいりました。 市長は、奈良再生プログラムの中で、平成十七年度市立奈良病院運営市民会議設置、平成二十年度市立奈良病院二十四時間小児医療受け入れ体制確立を公約されております。さきの署名提出の場でも、市長は、これは市民との約束なので実施する旨の積極的、意欲的な話をされておりました。 そこで、市長にお尋ねをしますが、市長が平成二十年度に実施を公約している二十四時間小児救急医療のプランについて、昨日の質問に対する答弁は実施年度や中身が不明確でしたので、その点も含め具体的にお答えください。 また、市長は所信表明の中で、市政を遂行するに当たり、まず市民の皆様の御意見をいただくという市民参画を第一に考えておりますと述べられております。病院開設後に、もともと設置予定の運営協議会は、市民に広く公募して、そのメンバーに市民を加えて、病院の運営に市民の声を具体的に反映させることが必要だと考えますが、市長の御所見をお伺いします。この病院開設後の運営協議会と、市長が平成十七年度に設置を公約をしています市立奈良病院運営市民会議との関連、整合性はどのようになるのか、この点もあわせて答弁を求めます。 さらに、病院開設に向けた準備にかかわってお聞きをします。現時点での医師、看護師の確保のめど及び病院開設協議会の今後の会議の日取り、開設までのスケジュールはどのようになっているのでしょうか。 市立病院についての問題の最後に伺います。市長は奈良再生プログラムの中で、平成二十年度市立奈良病院長期重症高齢者受け入れ体制確立、医療特区を公約をされておりますが、具体的にはどんな特区の中身を想定されているのでしょうか、お答えください。 三つ目に、地域振興について、とりわけならまちの北側の地域の活性化、振興について、市長の所見を伺います。東大寺を核とし、京への最短の街道が通るならまちの北側地域は、中世のころの奈良の中心地で、京に並ぶ繁栄を呈し、数々の歴史的ドラマが展開された地域でありました。もともとならまちとは、ほぼ旧市内全体を指して、大きくは三条通りを境にして北と南に分かれておりました。歴史を振り返りますと、南都は一一八〇年、平 重衡率いる平家軍によって焼き討ちをされ、東大寺や興福寺を初め周辺の民家が焼き滅びました。翌八一年から東大寺再建の事業が開始をされますが、そのころこれら二つの寺の復興の経済を支える商工人たちが家を構え、郷と呼ばれる小集団をつくっていき、十三世紀の末には興福寺の南都七郷、東大寺七郷のような大寺院支配下の単位集団になったと言われています。各郷に住む人々は、十四世紀のころから身分の別を超えて郷ごとに結束をし、町人の町として大変なにぎわいを呈していたと史実は伝えています。東大寺は西に向かって転害門などを開き、その門前に転害、今小路、北御門、今在家など七つの郷が成立、京街道沿いであったために旅宿が建ち並んで、商工業者が多く住んで、この地域は当時ならまち北郷の中心地でありました。現在、国宝に指定されている転害門は、八脚門という平家建ての門の中では最も格式が高い門で、これは現存する奈良時代最大の八脚門であります。この地域に刻まれた歴史は、これにとどまることなく、その奥深さやドラマを秘めており、また歴史的に価値の高い一級の文化財が今も存在をしています。 こうした中で、地元地域の自治会や地域の活性化を願う有志の会などの間で、このならまちの北地域の歴史や文化に光をという機運が生まれて、さまざまな取り組みも進められてきております。現在、ならまちと称し、親しまれているかいわいは、元興寺を中心に栄えた奈良町南郷のことでありますが、その地域と比べても、ならまちの北側の地域には奈良市の施策としても、率直に言ってまだ未着手な部分が多いのではないかと考えます。 市長は同地域に在住されておられますが、ならまちの北側地域の貴重な歴史や文化に光を当てた地域のまちづくりや活性化について、どのような御所見をお持ちでしょうか、お聞かせください。 最後に、住宅リフォーム助成制度の創設についてお聞きします。政府の構造改革のもとで、市民の暮らしがかつてなく痛めつけられ、家計が大変です。不況が長期化する中で、地域産業を支えている中小業者も大打撃を受けているだけでなく、相次ぐ大型店の出店ラッシュで地域の小売業者には深刻な実態が広がっています。また、不況の影響はさまざまな業種に及んで、地域経済の活力が全体として損なわれております。こうした中で、今奈良市は、市民の暮らしや営業を守りながら、地域経済の活性化をどう図っていくのか、この角度から行政を進めていくことが求められています。 我が党は、この間、個人の住宅の修繕や改築を市内の業者に依頼をした場合、一定の基準を設けて市が工事費を補助する住宅リフォーム助成制度の創設を提案してまいりました。この制度は、住民の住宅改修の需要にマッチするとともに、不況の影響が深刻な中小零細の建設業種の仕事おこしや雇用拡大になる、そして、既に実施をしている自治体からは、少ない助成額でも経済への波及効果が大変大きいことが報告をされています。お隣の京都の京田辺市の例では、二〇〇二年度三十万円以上の住宅改修について、工事費の一〇%から上限十万円までの助成で、一千万円の予算で実施をして、百二十二件に助成、完成工事額が二億一千三百四十万円となり、実に二十倍の経済波及効果が出ています。 私が予算委員会の中でこの問題を取り上げた際、担当課からは、この制度には経済波及効果があるとの答弁もございましたが、民間の需要を喚起し、地域経済の活性化に役立つことは、他の自治体の実例からも実証されています。市長は、この住宅リフォーム助成制度が持つ意義についてどのようにお考えでしょうか。また、この制度をぜひ奈良市でも創設をすべきだと考えますが、市長の御所見を伺います。 以上で私の第一問を終わります。 ○議長(岡本志郎君) 市長。  (市長 鍵田忠兵衛君 登壇) ◎市長(鍵田忠兵衛君) 十一番北村議員の御質問にお答えをさせていただきます。 まず最初に、乳幼児の医療助成制度、これの拡充についてのお尋ね、そしてまた、その中で年齢引き上げ、所得制限、それから現物給付について御質問があったかと思います。高杉議員に御答弁を申し上げましたように、現在、三歳未満となっております乳幼児医療助成制度を、平成十七年度より入院、通院を問わず、就学前まで現行制度で引き上げをする実施方針で進めております。 続きまして、市立奈良病院について何点か御質問がありましたので、ちょっと答弁が順番が変わるかもしれません。その辺御勘弁いただきたいと思います。 病院開設後に予定している運営協議会に市民の声を具体的に反映させることが必要と考えるが、それについてはどうか、そしてまた、この運営協議会と市立奈良病院運営市民会議との整合性はどうかについてでございますが、これは関連がございますので、あわせてお答えをさせていただきたいと思います。仮称市立奈良病院運営協議会との整合性を図り、市立奈良病院運営市民会議として設置してまいります。また、この会議は、市民の皆様のニーズを病院運営に反映できるよう、市民参画のもとに協議を進めてまいります。 続きまして、医師、看護師の確保のめどはどうかについてでございますが、在籍の医師のほぼ全員を引き継ぎ、全体では六九・二%の職員が市立奈良病院に移っていただけることになっております。引き継ぐ職員で充足できない職員については、公募などを行い充足に努めており、支障なく開院を迎えることができるよう事務を進めてまいります。 また次に、現在設置している市立奈良病院開設協議会のスケジュール、いわゆる日程的なものですね、それについてでございますが、本年二月に第一回を開催して以降、中止一回を含め四回開催いたしております。開院までの開催につきましては、基本構想の推進につながるよう、引き続き開催してまいる所存でございます。 小児救急二十四時間体制の確立で関係機関と調整を図りながらとしているが、具体的にはどうなっているのかという御質問であったかと思いますが、医師の確保に必要な関係医療機関との調整、また小児救急医療体制にかかわる奈良県を初めとする関係機関並びに管理運営を行う社団法人地域医療振興協会とも十分協議をして、実施してまいります。 続きまして、長期重症高齢者受け入れ体制の医療特区は、どの特区メニューを想定されているのかという質問であったかと思いますが、今後、高齢化が急速に進む中で、長期重症高齢者の受け入れる体制の整備が急務と考えております。そのため、医療特区の拡充を積極的に国に働きかけ、関係機関とも協議しながら受け入れ体制が確立されるよう努めてまいります。 続いて、ならまち北地区の地域振興についてという御質問いただいたと思いますが、この地区については、住民の協力を得て、昨年十一月から地域振興の一つとして、奈良の伝統工芸、これのわざや文化に触れていただける「奈良まちかど博物館」として一般に公開しております。また、この地区は、伝統的な建造物が比較的多く残っている通りがあり、昔懐かしい町並みを形成しております。この奈良らしい景観を維持、保全することは、大変意義深いことと考えておりますが、もっと地域住民の方々の意見を聞きながら、住民と連携を図って地域の特性を生かしたまちづくりを推進していきたいと考えております。 最後に、住宅リフォーム助成制度の創設についてという御質問をいただきましたが、日本経済は、少しずつではありますが、回復の兆しも見えてきております。が、しかし、雇用情勢は依然として厳しい状況にあると思います。その中で、建設業界の活性化を図るために、今ブームになってきておりますが、この住宅リフォームに対して広く一般に助成制度の創設をとの件につきましては、ほかの地方公共団体で助成制度を導入しているところもございますが、その中で経済波及効果も非常にあると承知しております。が、しかし、持ち家に対しての優遇補助制度は、個人の資産形成につながるものであり、また奈良市の今の財政状況から見ても、奈良市といたしましては、住宅リフォーム助成制度の創設は現在のところ考えておりません。 以上でございます。 ○議長(岡本志郎君) 北村議員の財務部長への質問につきましては、通告をされておりませんけども、財務部長、答弁できますか。 はい、財務部長。 ◎財務部長(中和田守君) お答えを申し上げます。 私への御質問の内容につきましては、特定個人の税務調査上知り得た情報に当たり、地方税法第二十二条、秘密漏えいに関する罪及び地方公務員法第三十四条、秘密を守る義務に抵触するおそれがありますので、答弁を差し控えさせていただきたいと存じます。よろしく御理解をいただきますようにお願い申し上げます。 以上でございます。 ○議長(岡本志郎君) 十一番北村君。 ◆十一番(北村拓哉君) 二問目は自席より行わせていただきます。 まず、再質問することについて、まずお聞きしてまいります。乳幼児医療費助成制度についてであります。市長は今、答弁の中で、まず来年度、十七年度から実施をする、そして入院、外来の区別なく就学前まで年齢を引き上げるというお話がございました。そしてまた、さきの質問に対する答弁も含めてお聞きをいたしますと、現物給付の実施についても前向きに検討するということも述べられております。これらは、これまでの市民の長年にわたる運動が積み重ねられてきて、その反映がそういう形で実現しようとしているのかなというふうに判断をしますけれども、ただ一点、所得制限のことについてですけれども、現行制度のままで年齢の引き上げを図るというお話であったかと思うんですが、これは、市長選挙の際の市民に答えておられるアンケートの中では、所得制限の撤廃も含めて賛成だということで述べておられます。その点に照らして言えば、その点については後退をしているんじゃないかなというふうに思います。市民の願いは切実なだけに、所得制限の撤廃も含めて、ぜひ実施すべきだというふうに考えますけれども、この点いががでしょうか。 市立奈良病院については一点、実施年度、二十年度から実施をするということで間違いないのか、この点をお聞きします。 三つ目の地域振興のことですけれども、ならまち北の地域の転害門の北隣の旧南都銀行の跡地の活用整備については、どのように考えておられるでしょうか。 そして、それにかかわって二点目です。奈良市の東部地域の紀寺地区の地元住民で構成されている紀寺地区のまちづくりを考える会から要望が寄せられている地域の福祉や文化の拠点施設の実現について、これも市長選挙の際に、この会の公開質問状に、市長は積極的に検討するということで回答されています。これも地域の粘り強い運動が積み重ねられていて、こういう運動の中で、市長選挙で各陣営に質問されていたという経過もございます。ぜひ地域住民の願いを受けとめて、今後実現に向けて取り組んでいかれる、その点でどういうふうに取り組んでいかれようとしているのか、この点をお聞かせください。 以上で再質問終わります。 ○議長(岡本志郎君) 市長。 ◎市長(鍵田忠兵衛君) 北村議員の二問目の、まず乳幼児医療助成制度の所得制限の撤廃という、このお話でございます。私もこの乳幼児医療、本当に、自分も今五歳の娘がおるわけでございますが、そんな中で、やはり親御さんらといろんなお話もさせていただいたことがあります。ですから、これは非常に大変重要なことであるから、私も何としてもやらせていただきたいという思いで言ってまいりました。その中で、所得制限についてですね、これは、何というんですか、負担能力がある方--私正直言いまして県会議員をやらせていただいてました、今政治家でございます、やはりそんな中で負担能力ありますよね。だから、そういうことを考えますと、やはり応能の、負担能力のある方には、やっぱり負担を求めることが適正であるのではないかと考えておりますので、現制度を継続し、所得制限の撤廃というものを現在のところ考えておりません。 それから、地域振興の中で、先ほどならまちの北地区についての、その中での今御質問で、元南都銀行の手貝支店の建物の活用についてという御質問であったかと思います。御質問の建物につきましては、以前より国宝である転害門、この門に隣接をしておりますことから、その活用については、世界遺産のあるまち・奈良としてふさわしいあり方を模索してこられました。今後は、改修して活用できないかを含め、また、まず地元住民の皆様方や地域振興に取り組んでおられる皆様方の声を聞き、財政状況も説明させていただきながら、よりよい方向を見きわめてまいりたいと考えております。 その次に、地域振興の中で、紀寺地域の文化福祉の拠点施設の要望、この件について御質問があったかと思います。県営住宅、第九号市営住宅、公団紀寺団地を含む紀寺地区整備につきましては、平成十年三月に国の承認を受け、住宅市街地総合整備事業整備計画に基づいて、住宅の建てかえ及び紀寺団地第二工区の一部に生活支援施設の導入を図る事業が進めてこられました。今後も、この計画に基づき、紀寺団地第二工区において土地所有者である独立行政法人都市再生機構が、今年度中に住宅の建設及び少子高齢化に対応した生活支援施設の建設を条件に、民間事業者へ土地の譲渡の募集を行う予定との情報を得ております。このことから、私といたしましても、当法人の民間活力の導入を図るこの整備計画をしっかりと支援してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(岡本志郎君) 今の医療の二十年はいいんですか。答弁お願いします。 ◎市長(鍵田忠兵衛君) 失礼しました。市立奈良病院の二十四時間小児医療受け入れ体制確立についての時期ですね、それの答弁が漏れておったようでございます。どうも失礼しました。 平成二十年度から行うのかという御質問であったかと思います。私どもの今の考えは、その計画どおり行わせていただきたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(岡本志郎君) 十一番北村君。 ◆十一番(北村拓哉君) 三問目は要望にとどめさせていただきます。 まず、乳幼児医療費の助成制度の点でございますが、子を持つ親は共通の願いで、やっぱり子育てにさまざまな点で不安を感じているというのはあって、それを解消していくという点でのこの制度の意義というのは大変大きいと思いますので、これはやはり前向きに今後所得制限の撤廃ということも含めて検討していただきたいというふうに考えます。 市立病院の問題ですが、実施年度の、今お話もございましたが、おくらせることなく速やかに実現していくということで推進をしていただきたいということと、運営協議会については、市民会議で一本化するというお話であったと受けとめましたが、ぜひそこには市民の公募ということをしていただいて、市民の代表をメンバーに加えて、具体的に市民の声を反映させていくというシステムづくりをお願いしておきたいというふうに思います。 それと医療特区の話がございました。これはこれから考えていくということだと思うんですが、もともとこういう特区というのは、株式会社とか民間の参入を想定しているということがございます。特区による特例措置というのが、結局民間企業などの営利活動の障害となっているさまざまな規制を撤廃して、大企業はそこに参入をしていくというような流れというのがもともとのねらいとしてあるというふうに思いますので、この点については、株式会社の参入、そういうことに道を開くというのであれば、ぜひそこは大問題であるということで、この点については指摘をしておきたいというふうに思います。 まちづくりの点では、ぜひきょう取り上げた点でございますが、地元の皆さんとの協議というのを進めていただいて、この努力を努めていただきたいというふうに思います。 リフォームは、これも地域への経済波及効果が大変大きいということを述べておられます。ぜひ他の自治体の事例も研究をしていただいて、前向きな実施検討をお願いしたいと思います。 最後に、市長の滞納の不納欠損処分にかかわって指摘したいというふうに思うんですけれども、市長本人が、先般からの答弁の中では、納税する意思があったということで、これは答弁の中でも言われております。納税する意思のある相手に対して市税の徴収を図るために、普通であれば何度でも訪ねて納税を促すということで折衝するはずだというふうに考えるんですけれども、この間の説明の中では、市長は、分納とか延納の依頼を市に行った後、奈良市から督促がなかったということを説明されています。納税義務者の納税の意思とは無関係に奈良市が欠損処理をしたということというのは、本当にこれ許されることなのかなというふうに思います。こんなことでもし済むのであったら、今本当に不況の影響があって大変で、税金を納めたくても納められないという市民も数多くおられるので、まあ言うてみたら税金を払えない、払わないでおいて市長のように処理してくれというような話にもこれなりかねない問題だというふうに思うんです。で、やはりこの不納欠損の判断というのが、奈良市がどういう形でしたのかと、今説明がなかったわけでありますけれども、到底今のこの説明の中だけでは市民の理解は、奈良市の対応についても得られないというふうに思うんです。今回の不納欠損、この問題については、やはりさまざまな疑問点が多過ぎるというので、厳正な調査が必要であるということを、改めてこの点強調をして、私の質問を終わります。 ○議長(岡本志郎君) 議事の都合により、暫時休憩いたします。  午後三時十五分 休憩  午後三時五十九分 再開 ○議長(岡本志郎君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。----------------------------------- ○議長(岡本志郎君) 一般質問を続行いたします。 十四番中西君。  (十四番 中西吉日出君 登壇) ◆十四番(中西吉日出君) 政青会の中西です。私は、奈良市行政について質問させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 さて、奈良市には世界遺産が存在し、伝統的な文化遺産もたくさんあります。それらをまちの財産として有効に活用し、さらに新しいものや手法も取り入れ、奈良市を活性化させるため、平成十三年度に「世界遺産に学び、ともに歩むまち-なら」を将来都市像とする第三次総合計画が策定されました。私は、この第三次総合計画を二十一世紀の市民ニーズを反映しているものとして素直に評価すべきと考えています。 市長選挙が終わり、新しく鍵田市長が誕生されましたが、その選挙戦で政策理念とされておられました税の徴収方法の厳正な手法の確立・実施を求めた奈良再生プログラムが、もし万が一、マニフェスト、選挙が終わればただの紙切れになればうその公約となり、また、パフォーマンスに終わってしまえば奈良市民を裏切ることになります。そのようなことにならないことを祈りつつ、市長に質問させていただきます。 まず、職員の意識改革についてお聞きいたしたいと思います。現在、約三千三百名の市職員の皆さんは、地方分権時代を迎え、中核市移行に伴う膨大な事務事業の遂行を初め、第三次総合計画に基づく諸事業の推進に日夜御努力いただいております。私は、日ごろ職務遂行に頑張っていただいている職員の皆さんの姿勢に、市民の一人として感謝と敬意をあらわすものであります。しかしながら、市長より、ぬるま湯につかった奈良市職員との発言があったと聞きましたが、何を根拠にそのようなことを発言されたのかお伺いします。また、市長の考える理想の職員像とはどのようなものなのか、現状では何が足りないのか、具体的にお答えいただきたいと思います。 次に、市職員数の削減についてお聞きしたいと思います。奈良再生プログラムでは、現在の職員数三千三百三十四名を十年間で二千五百五十名に削減し、少数精鋭を図るとされていますが、この計画の真意をお聞かせください。また、より働きやすい環境とはどのような職場環境を考えておられるのか、教えてください。 一方、職員を削減するということは、結果として市民サービスの低下につながることになるのではないかと私は考えます。いかがでしょうか、お答えいただきたいと思います。 次に、福祉施策、人権施策についてお聞きしたいと思います。前市長は、福祉の大川と言われるくらい、手厚い福祉施策を進めてこられ、高齢者福祉施策、障がい者福祉施策、児童福祉施策を初め福祉・人権の充実にはすばらしいものがありました。市長の福祉・人権施策について、お考えを簡潔かつ具体的にお示しください。また、所信表明されました豊かな共生の社会とは、どのような社会ですか、明確にお聞かせください。 次に、教育についてであります。教育環境整備の具体的な内容をハード面とソフト面に分けてお聞かせください。さらに、生涯学習の拠点である公民館の有料化についての市長の考えをお聞かせください。 最後に、農林業の振興や商工業の活性化についてであります。所信表明では、農林業や商工業について一言も触れられていませんが、農林業施策や商工業の活性化について、とりわけ中小企業対策についてどのようにお考えなのでしょうか、市長のお考えをお聞かせください。 以上、私の第一問目を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(岡本志郎君) 市長。  (市長 鍵田忠兵衛君 登壇) ◎市長(鍵田忠兵衛君) 十四番中西議員の御質問にお答えをさせていただきたいと思います。 まず最初に、職員意識の改革、この中でぬるま湯につかった奈良市職員との発言についてという御質問であったかと思います。私は、多くのタウンミーティングや、そしてまたミニ集会、そしてまた市民アンケート等をこの選挙までに行わせていただきました。その中で、市の職員の皆様に対して、あいさつだとか、また親切さといった基本的な市民応対に欠け、いまだにお役所感覚で日常業務を行っているとの御意見が多くございました。また、私も一市民として職員の皆様を見たときに、一部の職員の方ではございますが、思いやりに欠け、そしてまた市民の皆様との円滑なコミュニケーション、こういったものが図れていないように感じていた次第でございます。 また次に、職員の理想像についてでございますが、私は、市職員は常にさわやかさ、こういったものが感じられるような、さわやかさがあってほしいと私は願っているところでございます。公務員を取り巻く現在の厳しい状況下であっても、市職員は全体の奉仕者として、また市民の皆様に公共のサービスを提供し、市民福祉の向上に寄与するという使命に燃え、常に市民の皆様の立場に立って物事を考え、行動することが求められておると考えております。全力で職務に精励し、そして仕事を通じて職員自身が達成感や充足感を得ることにより、みずから感動を覚える、それとともに市民の皆様に対しても感動を与え、市民の皆様と職員との間の円滑なコミュニケーションを図っていくことが重要であると考えております。このため、窓口での親切でさわやかな応対、あいさつの励行などを職員一人一人が心がけることにより、市民の皆様から信頼され、そして気軽に声をかけていただけるような職員になってもらいたいと期待をしているところでございます。 続きまして、職員数の削減についての御質問でございますが、本市の財政状況、あるいはほかの中核市との職員数の比較などから、職員数の削減は必要であると考えております。限られた財源の中で、市民生活に必要な経費を最優先に考えたとき、本意ではございませんが、職員数を削減することで人件費を抑制することもやむを得ないと考えております。今後、多数の退職者の補充をできる限り控えるとともに、業務のあり方を詳細に点検するなど、目標値に向かって中長期的視野で検討し、職員数の適正化を図ってまいりたいと考えております。 次に、私の福祉に対する考えについての御質問であったと思います。人がより幸せを感じられる社会を実現していくことが福祉であると考えております。今後とも、厳しい財政状況ではありますが、市民の皆様と行政が一体となって、子供から高齢者の方々まで、特に社会的弱者と言われている人々が公平に福祉施策を受けられるよう取り組んでまいりたいと考えております。 また次に、人権施策についての御質問もございました。豊かな共生社会とは、まず基本的人権が尊重され、あらゆる差別のない社会を目指す、その中で具体的には同和問題、女性、子供、高齢者、障がい者、外国人、HIV感染者、アイヌの人々、刑を終えて出所した人など、それぞれの課題がございます。すべての人々がともに社会の一員として認め合い、だれもが豊かに生きるために、互いの個性や、そして特性を尊重し、さまざまな文化のその中で多様性を認め合う社会を築いていくことと考えております。今後も、あらゆる差別が存在する限り、普遍的な問題としての人権施策に、より一層積極的に取り組んでまいる所存でございます。 続きまして、教育環境整備の具体的な中身についての御質問であったと思うんですが、子どもの個性が輝る教育改革、これを実現するために、ソフト面に関しましては、奈良再生プログラムの中にある教職員研修などの充実や、指導委員会、これの設置など新たなシステムを構築するとともに、不登校生徒数改善事業計画を策定し実施してまいりたいと思っております。また、奈良再生プログラムと奈良市教育改革三つのアクションとの整合性を図りながら、市民の皆様に開かれた教育改革を積極的に推進してまいりたいと考えております。続いて、ハード面に関しては、老朽化の進んだ学校施設、これは財政状況も踏まえて、建てかえまたは大規模改修を計画的に進めてまいりたいと考えております。 次に、生涯学習の拠点である公民館の有料化についての御質問でございます。公民館は、すべての市民の皆様が生き生きとした生活を送られるために、生涯を通じてだれもが学び、そして参加でき、それぞれのニーズに合った学習、文化活動、こういったことが行えるよう、地域に密着した生涯学習の充実を図るための施設として、従来は無料としておりましたが、今後は受益者負担をしていただく方向で検討をしてまいりたいと考えております。 最後に、農業や商工業についてでございます。所信表明の中でなかった、また再生プログラムの中でも少ないんじゃないかと、皆さんからも御批判をいただいております。特に中西議員からも今御指摘をいただきましたが、私にとって本市の農業、そしてまた商工業、これも非常に大事なものであると思っております。この農業や商工業の振興についても、本当に重要な施策をこれからいろいろと考えてまいっていきたい。農業につきましては、奈良にもイチゴやナス、東部地域では本当に高原野菜というか、いろいろと考えてやっていただいております。すばらしい野菜があり、また都市近郊農業の特性を生かし、地域に適合した農業の持続的発展、さらには都市と農村の交流などによる農村活性化の推進が必要ではないかと考えております。 また、商工業についても、国際化、情報化の進展、消費者ニーズの多様化などの環境変化により大変厳しい状況にありますが、企業の自助努力を促進し、体質強化を図るとともに、再生プログラムの中でも触れておりますように、商業活性化支援促進事業計画、これの策定に向け積極的に取り組んでまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(岡本志郎君) 十四番中西君。 ◆十四番(中西吉日出君) 二問目は自席からさせていただきます。 まず、職員の意識改革についてでありますが、ただいまの市長の答弁を聞きますと、奈良市の職員は、あいさつとか親切さといった基本的な市民対応に欠けており、お役所感覚で日常業務を行っている、また思いやりに欠け、市民の皆さんとの円滑なコミュニケーションが図られていないとの御認識をお持ちのようですが、そのことがぬるま湯につかっているということですか。私は決してそうは思っておりません。市職員の皆さんは、一問目で申しましたように、市政を支える全体の奉仕者として、日夜御努力いただいていると感じております。このあたりが市長の御認識と異なるわけですが、いかがでしょうか。お答えください。 次に、職員の理想像についてですが、常にさわやかであってほしいと願うのは私も同じです。そのさわやかさを提供するために、また気持ちよく職務に専念していただくためには、職場の環境づくりが不可欠であると思います。職場のよい環境をつくり、常に笑顔で対応していただくためには、まず何をしようと考えておられるのでしょうか。市長のとるべき具体的な行動の指針をお聞かせください。 次に、職員数の削減についてでありますが、市長が公約として掲げている職員数、二千五百五十名を適正と考える理由を明確にお答えください。 次に、福祉・人権施策につきましては、部落差別は人権の根幹で、忘れてはならない問題です。よく理解していただきたいと思います。また、決して市民サービスの低下につながらないよう強く要望しておきます。ただ、きのうの答弁で市長は、選挙は戦争だとの発言がありました。市長として軽々しく戦争という表現をなされることはいかがなものでしょうか。人権問題にもつながりかねないと思いますが、どのように考えているのか、お答えください。 また、教育について、公民館の有料化について、受益者負担を求める、つまり有料化するとお答えになりました。これは重大な発言であり、市長の言う市民の声を反映したものではないと思います。これは意見にとどめておきます。 次に、農林業や中小企業対策につきましては、具体的な答弁をいただけませんでしたが、現下の社会情勢や景気の低迷により業を営んでおられる方々は大変苦労されています。私は、地域経済を支える担い手が生き生きと夢と希望を持てるよう、行政がバックアップしていくべきだと考えますので、ぜひそのあたりにも目を向けていただきたい。施策の充実をよろしくお願いします。 これは要望なんですが、職員数の削減についてですが、現在の事務量から考えて三千名程度の数が妥当だと考えますが、組織を運営していくには人、つまり職員の数と力が必要です。組織は人で動いているということを忘れてはならないと私は考えます。今の奈良市をつくっていただいた歴代市長を初め市職員の皆さん、市議会議員の皆様の御努力により、幼稚園の数が類似都市に比べ多いことや清掃業務を直営を原則として行っていることにより、職員数が多くなっていることは、奈良市の特異性としてやむを得ないと考えます。また、市消防の数は、もっとふやすべきと思います。私たち政青会は、そう考えております。市長におかれましては、もっと現場の実態を把握していただき、適正な人員配置をしていただくよう強く要望させていただきます。 最後に、昨日来から議員の皆さんや、けさ、我が政青会幾田幹事長も市長に質問いたしました。経歴詐称と税金不納問題は避けて通れません。実は、昨夜とけさにかけて、市民から私に電話で問い合わせや苦情がたくさんかかってきております。特に税金問題で市民に悪影響を与えております。市長が払ってないのに、なぜ払わなあかんねんと同じ内容の言葉ばかりで、返答する言葉が見つからず大変苦慮いたしました。このような状況では、税を徴収する立場の職員の方々も同じ状況になるのではないのでしょうか。また、奈良市にとって大きなダメージで、あらゆる事業推進に障害を来すのではないかと思います。昨日来、市長は謝罪ばかりで、どのように対処されるのか、お答えになっておりません。対処の方法をお聞きしたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○議長(岡本志郎君) 市長、答弁、持ち時間範囲ですから、簡潔に二問目の答弁よろしくお願いします。 市長。 ◎市長(鍵田忠兵衛君) 中西議員の再質問にお答えさせていただきます。今、議長から簡潔にと言われましたが、できるだけ簡潔に早くさせていただきたいと思います。 まず、市職員の意識改革、これについて先ほども申し上げましたが、あいさつや親切さ、そしてまた思いやりに欠けるというような言葉を使っております。市民の皆様からも非常にたくさんいただいたわけでございます。私自身も、全員が全員とは言いません。私も、一部の職員の皆様の意識改革ということをしっかりと言わなきゃいけないということを、選挙のときにも申し上げてまいったつもりでございます。ただ、中へ入らせていただいて、市長として今見せていただいている中で、やはりあいさつなんかでもなかなかしておられない方がたくさんおられます。私は一生懸命、今自分の方から声かけをしております。そういったことをやはり職員同士間でもやることによって、それが市民の皆様にも感じていただけるんじゃないだろうか、そういった意味で、職員の意識改革というものをしっかりとやらせていただきたいと思っております。 また、理想像についてでございますが、職場の環境づくり、これは本当必要でしょう。私も各職場を今、回り始めております。まだまだ全部の職場を回っておりませんが、環境清美工場も行かせていただきました。いろんなところを今から回らせていただいた中で、この職場をどのように変えていけばいいのかということ、それを私の自分の目で確かめながら、職場の理想像というものをしっかりと、自分が今持っているものもありますが、今の現状を見ながらしっかりと変えさせていただきたいと思っておるわけでございます。 また、職員数につきまして、二千五百五十名が、この数字がどうして出てきたのかというような御質問であったかと思います。私ども、外から見た目の中で、奈良市の職員数、そしてまた中核市の、いわゆるほかの中核市と比べさせていただいた中で、先ほども中西議員が御指摘ありましたように、行政内容の違いはございます。各市によって行政内容が違います。それでまた、現業職員を奈良市が抱えているということも、私も存じ上げております。そういった中で、やはりほかの市で一生懸命行財政改革、行政改革に取り組んでおられる市もたくさんございます。その中で、中核市の中で私どもの奈良市が非常にずば抜けて高いという、その中での計算を外の目からやらせていただきました。これからいろいろと中へ入らせていただいた中で、いろんな情報、今までは外で情報しかいただいておりません。ほかの再生プログラムの中でも申し上げましたように、その中で得られる情報をもって私どもつくらせていただいたものでございます。その中で整合性を考えながら、しっかりとその辺を図ってやらせていただきたいと思います。 また、部落差別問題に関して、選挙は戦争だという発言について御指摘がございました。なるほどそうでしょう。本当に戦争というもの、これを選挙と一緒にしてこの場で言うものではなかったかと思います。私も戦争を体験したことはございません。ただ、戦争の悲惨さというのは、私も一昨年、パキスタンへ行ってまいりまして、アフガン戦争の、いわゆる難民の孤児たちの状況というものをこの目で見てまいりました。大変悲惨なものだということを知っております。軽々しく選挙と戦争を口にしたことは、これは本当に申しわけなかったのかなと、今思っておるところでございます。 さて、あともう一点、私の問題につきまして、最後に御質問いただきましたけれど、きょうもお話もさせていただいたてまいりました。これからどのように市民の皆様にわかっていただけるかという、道義的責任というものを私は今感じております。それをきょうの答弁でもさせていただいておりますが、私自身、ちゃんとこれから考えてやらせていただきたいと思っておるところでございます。 以上でございます。 ○議長(岡本志郎君) 十四番中西君。 ◆十四番(中西吉日出君) 最後の質問にさせていただきます。時間もございませんので、最後の質問の方に触れたいと思います。 市税の徴収につきまして、市長は謝罪ばかりしていると私は申しました。全然意思が伝わってこないんです。もっと市長の気持ちが市民に通じるよう、皆さんに教えていただきたいと思います。 以上です。 ○議長(岡本志郎君) 三十四番岡田君。  (三十四番 岡田佐代子君 登壇) ◆三十四番(岡田佐代子君) お疲れのところ、最後ですので御辛抱ください。 それでは初めに、私は、社会民主党の党籍を持つ議員として、従来より、市長あるいは理事者の皆さんとは是々非々の関係をはっきり持ちながら、よい緊張感を持って向かい合いたいと考えてきましたので、そのつもりでよろしくお願いいたします。 そこで、きのうから問題となっております市長の経歴の詐称疑惑、税金の未納問題等々は、それこそ市民の皆さんの声も聞かせていただきながら、今後厳しく追及はさせていただきます。 続いて、助役の選任の件についですが、地方自治法第百六十六条の規定により、地方公共団体の職員は助役との兼職はできないことになっています。しかしながら、地方議会運営事典の助役選任のところでは、地方公共団体の職についている者であっては、選任の時点ではこれらの職から退いていなければならないけれども、議会の同意の時点ではその必要はないものと解されてます。市長は、そのことを熟知した上で、助役の選任について議会の同意を求められるわけですよね。この点については、答弁書なしでお答えください。 続いて、再生プログラムにかかわってお尋ねをいたします。新市長は、奈良再生プログラムを選挙公約として当選されたわけですから、この公約の実現を市民に約束されているんですよね。そうしますと、現行の第三次総合計画との調整という部分的な修正だけで済ますことはできないことになります。今の基本構想や総合計画は、前の大川市長時代のプランであり、それの否定でもって当選されたことからも、議会において今後の基本構想や総合計画を提示されるべきであると考えます。 再生プログラムには多くの事業計画、構造改革特別区域等新たな行政手法が載せられていますが、市長の個人的な、私的な奈良再生プログラムを行政の基本に置くとするならば、地方自治法にのっとった、法律に裏づけされたものにしなければなりません。職員の仕事は、すべて法により行う法治主義を日本の行政の基本に置いているわけですから、幾ら市民により当選したといっても、議会の議決されたプランではないわけでありますから、このプランこそは、まさに選挙公約であって、計画ではない。到達すべき目標は示し、概算経費も示されましたが、そこに至る道筋や年次計画の具体的手段等々を具体的に示していないので、計画とはいえないと思います。単に項目を羅列しただけでは、計画との関係はありませんから、このプランは単なる長期展望であり、計画ではないと私は思っておりますので、計画の前提になるものと考えるべきでありますが、現在、有効性のある議会が議決した計画は、全体として一つだけです。その計画の中で、この部分は借用する、これは無視する、自分にとって都合のよい部分は利用する、こんな作為的な運用はできないことであります。表現は違うが中身は同じだなどとおっしゃっても、法的には別のものであります。 また、この再生プログラムに基づいて、個人のプランが新たに議会において地方自治法上の議会の議決を受けないうちに奈良市の正式な基本構想であるとか総合計画にはならない、方向の違った事項について、なし崩し的に市長が職員にこれをやりなさいという命令はできるのかどうかも疑問な点でありますから、だから私は市長がきのうから答えておられます再生プログラムと奈良市行財政改革大綱と第三次総合計画の整合性などあり得ないというふうに考えております。これらを踏まえて早急に改正作業に着手されるべきだと考えますが、どうでしょうか。 ちなみに地方自治法を読みますと、第二条第四項、「市町村は、その事務を処理するに当たつては、議会の議決を経てその地域における総合的かつ計画的な行政の運営を図るための基本構想を定め、これに即して行なうようにしなければならない。」と定めています。いかがでしょうか。それとも大川市長時代の現在有効性のある基本構想、第三次総合計画、行財政改革大綱等の計画をこれからも基本にされるのでしょうか。それとも早急に新しい基本構想、総合計画、行財政改善計画を作成されるのでしょうか。再生か継続か、お答えください。 次の一つは飛ばします。時間ないから。 この再生プログラムには、先ほどから人権の問題がありますが、人権問題について具体的に触れられておりません、市長の再生プログラムにはね。改めまして、市長の人権問題についての考え方をお聞かせください。特に触れられておられないということは、今までの鍵田忠三郎市長以降、歴代の奈良市政の人権問題、とりわけ大きな比重を占める同和問題についても、従来どおり奈良市政の大きな課題として今後も取り組んでいかれるのでしょうか。地域住民の声についても、タウンミーティングの一環として直接聞くことについて積極的に参加していただけるものと理解してよろしいでしょうか、お答えください。 続いて、乳幼児医療制度については、さきに何人の方からも質問がありますので、しかも前向きな答弁を述べておられますので、評価をしております。しかし、少し角度を変えて二点お尋ねいたします。 まず、乳幼児医療制度は福祉医療制度の中の一つの制度であります。老人医療や障がい者医療、母子医療などを合わせた福祉医療全体で見ると、事業費は年々増加していると思われます。事業費全体の増加率と乳幼児医療制度との整合性をどのように考えておられるのかをお尋ねします。 次は、県の補助金見直し等々が先ほど答弁されたのですが、九月三十日の県会の定例議会ではこの件について、その時点で県は、乳幼児医療の拡充だけに限った検討を行うのではなく、福祉医療制度全般のあり方の中で検討していくと答えられています。それを受けて、県自身が制度の拡充については、県の姿勢としていまだ不透明であると言わざるを得ないと私は思っております。もし、拡充がなければ補助金の増額は見込めないわけですが、もし補助金の増額が見込めない場合においても、どのようにされるつもりか、お答えください。 最後になりますが、午前中に三位一体の改革についての質問がありましたので、前段は省きます。で、二〇〇四年度は、その第一年目として、教育費の国庫負担金のカットなどとあわせて、公立保育所の運営費の国庫負担金のカットが行われました。これは国庫負担金が全体で一千六百六十一億円がカットされたわけですね。すべてこれからは市町村の一般財源で補わなくてはなりません。国庫負担金というのは、もう御存じのように特定財源ですから、保育所の運営費以外のものに使うことは許されません。逆に言えば、その財源は必ず保育所の運営費に充当しなければならないということでありますが、これが一般財源化された場合は、地方交付税の基準財政需要額には組み込まれているのであるから、理論上も実際的にも市町村に対してその財源は保障されていると国も言っております。しかしながら、それを保育所の運営費に充てるかどうかは、その自治体の自由裁量にゆだねられているわけでありまして、つまり保育所の経費をふやすことも減らすことも自治体の考え方次第だということになります。ことしの二〇〇四年度は、前市長が従来どおり保育所運営費をしますということで、従来どおり保証されてきました。 そこで、新しく就任されました市長に、この公立保育所の一般財源化問題について、その姿勢をお尋ねいたします。 以上で第一問を終わらせていただきます。----------------------------------- △会議時間の延長 ○議長(岡本志郎君) 議事の都合により、会議時間を午後五時三十分まで延長します。----------------------------------- ○議長(岡本志郎君) 市長。  (市長 鍵田忠兵衛君 登壇) ◎市長(鍵田忠兵衛君) 三十四番岡田議員の御質問にお答えをさせていただきます。 まず最初に、助役選任についての地方公務員法等々条例を知っていたかというようなところの御質問であったかと思います。一応、私も頭に入れた中で選任というか、私どもの議案提案をさせていただいておるつもりでございます。 さて、その次に、奈良再生プログラムは従来の市政を継続するものなのか、独自のものなのか、そしてまた議会を軽視しているんじゃないんだろうかというようなお話もありながら御質問いただいたと思います。私ども、本当に奈良再生プログラムをつくらせていただいた中で、市民の皆様から御意見をいただいたということは何度も申し上げました。その中で、私どものその状態の中で知り得るデータ、情報をいただいてつくってきたものでございます。そういった中で議会を軽視しているなど全然思っておりません。私どもの奈良再生プログラムの中で、本当に議会に諮らなきゃいけないものはたくさんございます。私どもの考えとして持ち込ませていただいた、そういった中でその質問にお答えをさせていただきたいと思うんですが、きのうの答弁でもお答えいたしましたように、奈良再生プログラムは、私が市政を運営させていただくについての基本としてまいりたいと考えております。加えて、奈良市行財政改革大綱と奈良市第三次総合計画、これとの整合性を図りながら、さらに充実していくものにしてまいりたいと思います。したがいまして、従来からの施策につきましては、市民の皆様にとって必要なものは検討を加え、継続してまいりたいと考えているところでございます。 次に、総合計画の改定についてはどうかということでございますが、現行の奈良市第三次総合計画につきましては、平成十八年度から後期基本計画の実施期間となりますので、昨日、金野議員の質問にもお答えしましたように、今年度中に総合計画の基礎となる将来人口フレームや、また市民ニーズの調査、分析を早急に実施し、素案づくりに入ることが必要であると考えております。素案の策定に当たっては、まず庁内プロジェクトチームで検討し、次に市民の参画を得て原案を策定、さらに総合計画審議会において審議を重ねながら最終案を策定する必要があると考えております。 次に、人権問題についての御質問がございましたが、現行の「人権教育のための国連十年」奈良市行動計画は、本年十二月をもって終期を迎えることから、次期計画策定に向けて準備を進めておるところでございます。人権施策の重要課題であります同和問題、女性、子供、高齢者、障がい者、外国人、HIV感染者、アイヌの人々、刑を終えて出所してこられた人などの重要課題を含むあらゆる人権問題の解決に向けて、今後もより一層施策の推進に努めてまいります。 また、同和問題につきましては、法失効後もインターネットを利用した差別書き込みが多発しており、二〇〇一年六月から二〇〇三年二月、これまでに合計約二千四百件があり、そのうち明らかに差別的な意図をもって誹謗・中傷したものが約千四百件、さらにそのうちの七六%が部落差別にかかわる差別の書き込みでございました。そのほかにも、差別落書き等の差別事象がいまだに後を絶ちません。これらのことから、あらゆる差別のないように、地域住民の皆さんの声もお聞きしながら、より一層積極的に市民啓発に取り組んでまいりたいと考えております。 それから、乳幼児医療のことについて御質問があったかと思います。乳幼児医療助成については、平成十四年十月の健康保険法改正により自己負担割合がすべて二割に変更されたために、医療費助成額は、平成十四年度約二億五千万円、平成十五年度約二億円で約二〇%減少しておりますが、全体として、平成十四年度は約十一億円、平成十五年度は約十一億八千万円で約七・一%増加しておりますが、少子高齢化の中にあっては、次代を担う子供への助成が必要と強く考えております。拡大に要する約三億二千万円については、ほかの福祉医療費から財源充当は不可能でありますが、本市の財政状況を十分に見きわめて対応をさせていただきたいと思っております。 また、助成費の拡充についてでございますが、この制度は県の補助事業でありますが、県において平成十七年度制度拡充が見込めない場合でも、今日の急激な少子化に歯どめをかけるために、奈良市単独で対象を就学前まで引き上げ、実施する方針でございます。 それから、公立保育園の運営費の一般財源化についての御質問であったかと思います。公立保育所運営費負担金、三位一体の改革の趣旨を踏まえて、本年度より一般財源化され、その財源措置については税源移譲や地方交付税で算入されているとしております。平成十六年度予算で申しますと、従来の国庫負担金の公立保育所措置費負担金として計上しておりました四億九千万円が一般財源化されております。公立保育所運営費の財源としては変わりましたが、地域の子育て支援のかなめとしての保育園の果たす役割はますます高まってまいりますので、今後も保育内容が後退することのないよう予算措置を行ってまいりたいと思っております。 以上でございます。 ○議長(岡本志郎君) 市長、基本構想について、改正か継続かという御答弁願います。 ◎市長(鍵田忠兵衛君) 失礼しました。第三次総合計画の、その基本構想でございますよね。ですから、先ほども申し上げましたように、後期の分について、これから私のつくらせていただいた奈良再生プログラム等々、整合性を図りながらやらせていただきたい。そして基本構想、この総合計画の中の、よく私も見せていただいているんですが、実施計画等も、いろいろそういったこともございません。その中で基本構想というものは、やはり皆様方が承認されたものであると、議会を通していただいたものであるという、その認識のもと、私どもはやらせていただきたいと思っております。 以上でございます。 ○議長(岡本志郎君) 三十四番岡田君。 ◆三十四番(岡田佐代子君) 二問目は自席から行わせていただきます。 先に助役選任の件で、改めましてこれを聞かせていただいたわけですけれども、先ほど言いましたように、地方自治法第百六十六条の規定によっては助役との兼職はできない、地方公共団体の職員はね。しかしながら、選任の時点ではこれらの職から退かなくてはなりませんが、議会の同意の時点ではその必要はないというふうに解されていますので、改めまして、もし今提案されております助役の件が否決されましても、その方の職については守っていただけるということを私はここで訴えたいのでございますが、それについて答弁を、後で市長からいただきたいと思います。 それから、総合計画の改定に当たってですが、私が確認したいのは、先ほど再生プログラムと総合計画のことを申し上げましたが、当面ね、再生プログラムをもって登場してこられた市長ではありますが、継続でしかやれないわけですよね、いろんな面で。先ほどの、きのうからの答弁も聞かせていただきますと、そんなに一遍には変われない、それが財政事情であり、これまでの市が積み重ねてきた市行政であったと。ですから、答弁の中でも必要なものは検討を加え継続してまいりたいと。継続しなければならない事情があるといいますか、それを認めていただきたいと思います。私は、このことを市民の皆様にやっぱり知らせておきたいと思います。鍵田新市長になったからすべてが新しく変わるんだというふうに期待をかけられた方も多くいらっしゃいますでしょう。しかしながら、今度の選挙で半数は大川市長の市政を支持してこられた方もいらっしゃるわけですから、これまでやられてきたことについて、継続もあり得るということを認めたということを私は確認したいと思っております、新しい市長に、継続。そして、今度の総合計画の改定に当たっては、先ほども言いましたように、私も決して議会を軽視されてるとは思っておりません。ただ一つだけ、地方自治法第二条の四項を尊重されるべきであるということだけつけ加えさせていただきます。これについては、それで結構です。 そして、人権問題についてでありますけれども、朝からの答弁で非常に気になっていること、市長の人権に対する姿勢はわかりました。ただ、非常に気になっていることは、人権問題の課題を九つの、同和問題、女性問題、そして子供、高齢者、障がい者、外国人、HIV、アイヌの人々等々というふうに九つの重要課題というふうに示してこられたんですけれども、私は若干認識が違っております。先ほど市長が差別事象について述べていただきました。七六%が部落差別にかかわる事象である。これについては、私はこの議会の中で、九一年から奈良市の同和対策についての取り組みを見詰めさせてもらってきたわけでありますから、特別対策でやらねばならぬほど同和地区の実態が劣悪であったということから出発して事業は進められていきまして、今日、事業が終結したけれども、ソフト面ではまだまだ課題が残っておりますというふうにはっきりとおっしゃっているわけですが、その課題の中の一つが、新たなインターネットによる差別事件、これは2ちゃんねる、市長も新しい世代で御存じかと思いますが、インターネットの2ちゃんねるをあけてみますと、非常に寒けがするような差別事象が入っております。これに基づいて、部落のことを知らない、全く知らない人たちに間違った情報が流れている、そういうことを防げる法律が今ありません。いわゆる表現の自由も含めて議論されておりますが、日本の国で規制法や救済法がないわけでありますが、言われっ放しで、差別されっ放しで許せない、この怒りを持って生きている人間、私も含めてですが、たくさんその憤りを持っております。 いわゆるこの奈良市は、九一年にも同和対策の法律があったにもかかわらず、非常に残事業量が多かって、全国でワーストスリーという、本当に行政的に無責任な事態であったわけですが、九一年の法律があったときもね。それから大急ぎで今日まで地区改良事業を進めてまいりました。村はきれいになりました、確かに。きれいになったけれども周りからの差別意識がぬぐえないという、この実態が古都奈良的実態であります。そういうことを私が訴えるまでもなく、今数値で示されてきたわけでありますから、今後も同和問題、同和という特別対策が切れたというならば、部落問題で結構ですよ。部落問題を人権施策の重要課題として位置づけるということが、私は奈良市の大事な姿勢であるというふうに思っております。もちろん人権問題で他の問題も解決していかなくてはなりません。しかしながら、同列であっては困るというふうに思っております。部落差別を初めあらゆる差別をなくす条例も制定してまいりましたので、その理念をいま一度市長に理解いただきながら、部落問題の位置づけを再度認識していただきたいと思っております。答弁していただけるようなら、再度答弁ください。 そしてもう一つは、午前中に「人権・同和」の名称について、市長の答弁は視野に入れてというお言葉でしたが、私は名は体をあらわすというふうに考えておりますので、人権「・同和」の文言を外すことに対しては非常に遺憾を感じております。同和の差別の問題は、この課で取り扱っていくという看板でございますので、そのこともあわせて要望でもよろしいし、返事をいただけるのなら返事をいただきたいと思っております。時間がないので--これが力入ってしまうのですけれども。 続いて、先ほどの乳幼児医療の制度については、大変前向きな答弁でしたので、これ再質問はございません。ただし、かなりの費用がかさむということだけ覚悟されないとだめかと思います。 そして、最後に言いました公立保育所の運営費の一般財源化についてですが、四億九千万円、これもかなりの財源でございますが、従来どおりの保育条件を後退させないよう予算措置を行っていくということを答弁いただいたので、それで了といたします。よろしくお願いいたします。 ○議長(岡本志郎君) 市長。 ◎市長(鍵田忠兵衛君) 岡田議員の再質問にお答えをさせていただきたいと思います。 まず、助役の件でございます。否決された場合ということ、また御質問があったわけでございます。その中で中和田さんの身分を保証するのかと。私どもまず中和田さん、この中和田部長、本当に人望のある方であって、奈良市にとって必要な方であると私は認識しております。その中で議員の皆様方も中和田部長の人望、そしてまた有能さというのは皆様が知っていただいておるところであると思います。まず否決、私本当に考えたことないんですけれど、もし否決されたとしても、私は中和田部長をしっかりと守っていくというか、私自身、私の今片腕となって一生懸命財務部長としていろいろと仕事をしていただいております。奈良市にとっても本当に必要な方であると認識しております。 さて、継続ということ、奈良市が今までやってきた構想等々の継続、これについてでございますが、本当に私、急ハンドル切っちゃ、これはいけないと思います。ただ、私自身のつくらせていただいた奈良再生プログラム、私自身じゃない、市民の皆様からたくさんの御意見をいただきながらつくらせていただきました。ただその中で、私も当選させていただきました。でも当選したからには、今度は約三十七万の市民の皆様の私は市長として、これから市政を遂行していく任務を今持っております。ですから、急ハンドルをできるだけ切らないように慎重に、ただ私が市民の皆様と公約させていただいたこと、これをしっかりと守れるようにやらせていただきたいと思っております。 次に、人権問題についてですが、先般、一〇〇年会館で人権フェスティバル、私も市長としてこのフェスティバルにも参加させていただきました。非常にいい催し物をやっていただいているなと。私は今度市長にならせていただきましたから、主催者でございます。その中で、当時岡田議長ですか、岡田会長ですね、実行委員長の、とも少しお話もさせていただきました。ただ、本当にそういった中で人権というものを、これはしっかりととらえて私はやらせてもらわなければいけない。その中で岡田議員の人権、いわゆる同和対策についてのお考え方、今非常によくわかりました。ただ、その中でやはり同和地区、いろんな問題、そういったこともあるでしょう。皆さん方で、その中でいろんなお考え方も、また違った考え方もあるんではないのかな。私自身、ですからその中で、人権というものの中でとらえて、しっかりとこれから同和地区の問題も、同和問題についても人権問題の中としてとらえてやらせていただきたいと考えておるところでございます。ちょうど奈良市でも、今まで隣保館と言っていたのが、私来る前に人権文化センターですか、というような名称にも変更されてきています。やはり時代というものも流れておるということは、私も外におった人間としても感じます。中へ入らせていただいて市長にならせていただいても、その時代というものを考えながら、そしてまた私の人権問題についての思いだけはしっかりと持ってやらせていただきたいと思っております。 あとは要望でございましたね。 以上でございます。 ○議長(岡本志郎君) 三十四番岡田君。 ◆三十四番(岡田佐代子君) もう三問目になりますので、簡潔に終わりたいと思います。 市長の今、二問目の答弁をいただきまして、思いとか気持ちとかということは、十分私も伝わってきました。あとはね、助役の選任の問題にしても、思いはわかるけれども、きちっと手続上の問題、そのことをしっかり簡潔にやられるべきであると思います。 それから、人権問題についても、これからともに考えていこうということでいいと思うんですが、タウンミーティングという形で提示されておりますように、住民の声をしっかり聞いていただく、そういう姿勢を示していただいたということで、きょうは十分伝わったかなというふうに思っております。まだまだ時代の流れの中でね、確かに時代の流れで、私自身も自分が大人になって、いまだかつてこういう問題を取り上げるとは思ってもいなかったわけですから、もっと言えば、自分の子供の世代にはこういう問題を引き継ぎたくないわけでありますから、黙っていればわからない、黙っていればなくなるという考え方の人もいらっしゃいますけれども、やはり差別意識を持った人がいる限り、この問題を正しく啓発していくことが行政的課題であるというふうに感じております。これは今後引き続き、また議会の中でも取り上げさせていただくことになると思います。 総括して、初めに言いましたように、是々非々で、認められるところはともにやっていきたい。しかしながら、認められないところは手厳しくやらせていただく。そういう意味で、前半に言いました市長の経歴詐称の問題や税金の未納問題については、今後、岡田も手厳しくやらせていただきますことをここで強調させていただきまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(岡本志郎君) お諮りいたします。 本日の会議はこれで打ち切り、明十五日午前十時より本会議を再開して一般質問を行いたいと思いますが、そのようにいたしまして御異議ございませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(岡本志郎君) 異議なしと認めます。 よって、そのように決定いたします。 本日は、これで延会いたします。  午後五時四分 延会----------------------------------- 地方自治法第123条第2項の規定によりここに署名する。              奈良市議会議長    岡本志郎              奈良市議会議員    大国正博              奈良市議会議員    山口 誠              奈良市議会議員    小林照代...