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  1. 天理市議会 2015-09-01
    09月24日-03号


    取得元: 天理市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-04-29
    平成27年  9月 定例会(第3回)      平成二十七年 第三回天理市議会定例会会議録(第三号)---------------------------------------  平成二十七年九月二十四日(木曜日) 午前九時三十分 開会---------------------------------------議事日程(第三号)一 日程  日程第一 一般質問---------------------------------------本日の会議に付した事件 議事日程のとおり---------------------------------------出席議員(十七名)                  一番   加藤嘉久次議員                  二番   廣井洋司議員                  三番   三橋保長議員                  四番   市本貴志議員                  五番   岡部哲雄議員                  六番   東田匡弘議員                  七番   飯田和男議員                  八番   堀田佳照議員                  九番   内田智之議員                  十番   榎堀秀樹議員                 十一番   寺井正則議員                 十二番   大橋基之議員                 十三番   今西康世議員                 十四番   荻原文明議員                 十五番   中西一喜議員                 十七番   仲西 敏議員                 十八番   鳥山淳一議員---------------------------------------欠席議員(一名)                 十六番   佐々岡典雅議員---------------------------------------説明のための出席者              市長       並河 健              副市長      藤井純一              教育長      森継 隆              上下水道                       藤田俊史              事業管理者              市長公室長    山中由一              市長公室次長   吉川尚光              総務部長     河北性治              総務部次長    寺田具視              危機管理監    竹中康仁              くらし文化部長  南岡和夫              健康福祉部長   西本宣康              健康福祉部                       仲谷俊充              次長              健康福祉部                       阪原嘉章              次長              環境経済部長   北門克之              環境経済部                       上田充男              次長              建設部長     橋本俊一              建設部次長    田中雅規              教育委員会                       竹株道弘              事務局長              教育委員会                       冬木基弘              事務局次長              会計管理者    福井庸二              監査委員                       岡本 聡              事務局長              上下水道局長   幸田雅晴              上下水道局                       池田吉弘              次長議会事務局職員ほか出席者              事務局長     森 和司              事務局次長    阪本 学              事務局次長補佐  松出正伸              事務局次長補佐  松原茂幸              書記       出口信行---------------------------------------                      午前十時零分 開議 ○議長(大橋基之議長) 休会前に引き続き、会議をいたします。--------------------------------------- ○議長(大橋基之議長) これより日程に入ります。 日程第一、一般質問を行います。質問通告が来ておりますので、順次発言を許します。 十七番、仲西敏議員。     〔十七番 仲西 敏議員 登壇〕 ◆十七番(仲西敏議員) ただいま議長の許可を得ましたので、一問一答方式により一般質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願いをいたします。 初めに、台風十八号に伴う関東・東北集中豪雨の災害で亡くなられた方々に謹んでお悔やみ申し上げますと共に、被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。 質問の件名であります。教育に関する諸課題として五項目、安全・安心のまちづくりに関する諸施策三項目、以上、二点八項目についてお伺いいたします。なお、答弁によっては質問を深めてまいりたいと思いますので、御了承のほどよろしくお願いを申し上げます。理事者をはじめ関係所管におかれましては、具体的な答弁を賜りたくお願いを申し上げます。 まず一点目であります。教育に関する諸課題。平成二十七年度全国学力・学習調査の結果分析と教育施策の進め方及び内容について質問をいたします。 去る四月二十一日に平成二十七年度全国学力・学習状況調査が実施をされました。今回の調査は、国語と算数(数学)と理科の三教科で実施され、全国で小学六年生が約百十万人、中学三年生が約百十二万人参加をしました。参加校は、国公・私立学校合計で三万三百八十八校、全国学力・学習状況調査は、文部科学省が平成十九年度より日本全国の小学校第六学年、中学校第三学年を対象として毎年四月に行っている学力と学習状況の調査であります。悉皆形式で行われる数少ない社会統計調査であります。その調査については、さまざまな議論を呼ぶ中、今年で九年目を迎えました。全国学力調査の目的としては、児童・生徒個人を評価するためのテストではありません。義務教育に関する現状の把握・改善のための調査だとされております。全国学力調査結果、文部科学省初等中等教育局長から本年の八月二十五日、結果の取り扱い及び調査結果の活用について通知がされております。奈良県も同日、県内の調査結果を公表いたしました。 そこで質問であります。全国学力・学習状況調査についての本市の捉え方、その目的や内容、評価のあり方、結果の活用の方法、成果と課題等々につきまして御見解とこれからの施策方針について、その方向性をお聞きしたいと思います。 ○議長(大橋基之議長) 教育長。     〔教育長 森継 隆 登壇〕 ◎教育長(森継隆) 仲西議員の御質問にお答えいたします。 御存じのとおり、この全国学力・学習状況調査は、児童・生徒の学力や学習状況を把握・分析し、教育施策の成果と課題を検証し、改善を図ることと、本調査の結果を児童・生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等に役立てることを目的としております。現在、その結果をもとに、分析と各校の改善点の整理を行っているところですが、例年、この調査の結果分析をもとに、教育委員会や各学校では、これまでの取り組みの成果と課題を明らかにした上で、さまざまな教育活動を見直し、学力向上等に向けた具体的な取り組みを進めております。 なお、現在までの分析の概要を簡単に報告させていただきますと、教科に関する調査においては、国語は、小中学校とも基礎的な文の組み立て等はほぼ理解できていますが、複数の内容を整理して文章にしたり、自分の考えを具体的に書いたりすることに課題があります。算数・数学は、全国平均と比べると、基本的な計算力はほぼ身についていますが、今後、より一層力をつけていく必要があると考えております。また、資料を読み取って答えたり応用したりすることに課題が見られます。三年に一度行われる理科においては、自然事象についての知識・理解はできていますが、実験や観察結果を分析して自分の考えをまとめることに若干、苦手意識を持つ児童・生徒が多いことがわかりました。 また、生活習慣や学習環境に関する調査において、まず基本的生活習慣では、基本的な生活習慣が身についている児童・生徒の割合は比較的高いですが、天理市の児童・生徒は、平日のテレビゲームやネットをしている時間が全国的に見ても少し長いようです。規範意識においては、県や全国とほとんど変わらない割合になっていますが、その中で、「学校の規則を守っている」と答えた児童・生徒の割合が小中学校とも若干低くなっています。自己肯定感においては、「物事を最後までやり遂げてうれしかったことがある」や「人の役に立つ人間になりたい」と答えた児童・生徒の割合はほぼ全国並みですが、「自分にはいいところがある」と答えた児童・生徒の割合は低い傾向が見られます。 いまのところ、以上のように分析し、課題を捉えているところでございます。 ○議長(大橋基之議長) 仲西敏議員。 ◆十七番(仲西敏議員) ありがとうございます。 その関連でございますけども、教育施策に関する検証のことについてお聞きをしたい。検証改善サイクルの確立という部分でございます。 教育委員会・学校は、学力調査結果を活用した取り組み等を通じて、保護者等への説明責任を適切に果たしつつ、教育に関する継続的な検証改善サイクルを確立することが求められております。そのため、調査結果の分析・検証の結果を踏まえた改善の取り組み、そのことについて、市内全体や学校ごとの教育や教育施策に適切に反映させると共に、教育委員会や市内の学校の教職員が情報を適切に共有しながら取り組む必要があると考えます。また、調査結果を活用した取り組みの成果を踏まえ、改善計画等の必要な見直しを行うなど、継続的な検証改善サイクルの確立に向けた取り組みがとても大切なことではないでしょうか。 質問であります。いわゆるマネジメントサイクル、Plan・Do・Check・Action、それらを有効・適切に機能させた効果的な取り組みを実施する必要があります。目標と達成度の差異を分析し、次の計画実施に適切に反映すること、このサイクルを年間、また学期、また月、週、そして日々の取り組みに平準化し、マニュアル化が重要だと考えますが、御見解をお聞きしたいと思います。 ○議長(大橋基之議長) 教育長。 ◎教育長(森継隆) 質問にお答えいたします。 残念ながら、市全体といたしましては全国平均に達していない状況がありますが、その中でも、近年の取り組みによっては、全国平均を上回っている学校もあります。現在、総合教育会議の場においても、なぜそのような成果を上げることができたのかを分析しながら、各校での具体的に何をやるのかということを明確に盛り込んだ学力向上推進プランを作成し、実践する中で、PDCAサイクルに基づく学力向上検証改善サイクルを確立し、学力向上に向けて取り組むと共に、学校評価や学校運営にも生かしていきたいと考えております。 今回の結果を受けて、各校では五つほどやっておりますが、一、自校の結果を分析し、課題を整理し、その課題を教職員全員で確認・共有する、二つ目、具体的な改善策を検討し、まずやれることから全校体制で実施する、三つ目、各校の課題と対策を学力向上推進プランに反映させ、年度末にその成果を検証する、四、校内授業研究会等を通して授業の改善を図る、五つ目、各校の課題解決に向けた取り組みを交流し合い、学び合うということでございますが、といった方向で取り組みを進めようとしているところでございます。 また、本教育委員会といたしましては、一つ目ですが、家庭との連携を図っての学習習慣や生活習慣の確立と家庭学習の定着を図る取り組みを進める、二つ目、学力向上に向けた各校の取り組みを共有し、効果的な取り組みを学ぶ中で、互いの課題克服に向けた教育活動を推進する、三つ目、ICT機器を効果的に取り入れた授業の工夫・改善を進める、四つ目、社会活動、ボランティア活動、地域行事への参加など、社会に貢献する活動、自己肯定感を高める施策の推進を図る、そして、最後、五つ目ですが、国語科における読む力、書く力を高めることを目指して、教師自身が授業の組み立て方や学習活動の工夫について研究するため、天理市国語科研究会を立ち上げるといったことを重点的に取り組んでいきたいと考えているところでございます。 ○議長(大橋基之議長) 仲西敏議員。 ◆十七番(仲西敏議員) ありがとうございます。いろいろ多種多様に取り組みを進められておるということで、期待しております。 さらに続けます。今回のテスト結果についてでございます。この公表について質問をさせていただきます。 文部科学省は、テストの結果を都道府県単位での公表にとどめ、学校ごとの成績公表は市区町村教育委員会に委ねるとしております。教委が非公開の方針をとったとしても、教育への関心の高まりや情報公開の流れから、保護者・地域住民の求めに応じざるを得ない教育委員会も出てこようかと思います。 実は、テストが違いますけども、大阪府枚方市では、市独自の学力テストの成績公開を求める裁判がありました。判例です。大阪高裁は、公開をするよう判決をしております。現に、生駒市は、八月二十六日に、学校ごとじゃなしに市のデータとして、グロスで公表をされております。本市はテスト結果の公表についてどのようにお考えでしょうか、お聞きをしたいと思います。 ○議長(大橋基之議長) 教育長。 ◎教育長(森継隆) 仲西議員の御質問にお答えいたします。 平成二十六年度の全国学力・学習状況調査の実施要領では、市町村教育委員会において、それぞれの判断で実施要領に定める配慮事項に基づき個々の学校名を明らかにした調査結果の公表を行うことは可能であると変更されました。そして、平成二十六年三月の本市の定例教育委員会において、その取り扱いについて検討いただいた結果、市教育委員会では、市全体の調査結果について分析を行うが、個々の学校名を明らかにした調査結果の公表を行うことで過度の競争をあおり、教育の取り組みが学力調査偏重になることを考慮して、学校ごとの公表は行わない、各学校においては、自校の学力や学習状況調査の結果を全国県市と比較して、自校の課題及び改善策を検討し、市教育委員会に提出すると共に、学校通信やホームページ等で公表するように努めることと確認いたしました。 もともと本調査は、児童・生徒の学力や生活の実態を正確に把握し、今後の教育指導の改善につなげるために実施されたものであります。その目的を再確認し、本市教育委員会におきましては、本市の児童・生徒の学力及び生活の状況を慎重に分析し、その課題と今後の改善策を明らかにするため、この全国学力・学習状況調査を利用しようと考えております。 ○議長(大橋基之議長) 仲西敏議員。 ◆十七番(仲西敏議員) ありがとうございます。結果を、個々の学校のデータではなくて、天理市のそれぞれの結果について分析をして公表されるということでお聞きしました。ぜひ今後の教育施策に反映をしていただきたいと思います。 続きまして、教職員研修のあり方について質問をさせていただきます。 学校教育の充実は、教育に直接携わる教員の資質・能力に負うところが極めて大きいものであります。教員の資質の向上を図るため、研修の体系化、初任者研修や十年経験者研修など、経験年数に応じた教員のレベルアップ、また、教員の専門性を高め、研修の成果を学校で広げる研修、教員一人ひとりスキルアップを図る研修等々がございます。特に効果的な校内研修は、教員個人の専門的力量だけではなく、教員相互の協働性を向上させ、学校の教育活動を活性化させることにつながるものと考えます。 今回の全国学力調査結果の中で、学校質問紙調査のところでございます。奈良県。この結果が出ております。教員研修の項目でございます。「模擬授業や事例研究などの実践的な研修を行っておりますか」と。全国平均から見たら、特に中学がマイナス一〇・六ポイント低い。また、「授業研究を伴う校内研修を前年度三回以上実施をしましたか」と。これは小学校でマイナス五・二、中学校ではマイナス一一・六と、このような大きな全国平均値との差異がございます。 質問であります。教職員研修のあり方について、特に効果的な校内研修への御見解、また、改善について質問をさせていただきます。 ○議長(大橋基之議長) 教育長。 ◎教育長(森継隆) 仲西議員の質問にお答えさせていただきます。 教職員の研修のあり方については、教育公務員特例法の第二十一条で明記されておりますが、本市の教職員に対しましては、天理市教育総合センターを中心にした研修や講座、各教科の部会が開催する研修会や講演会、県教育委員会主催の研修講座、各校で実施しております校内授業研究会等のさまざまな研修の場が設定されております。各校の先生方には、授業や保護者対応、部活動といった多忙な合間を縫って積極的に参加していただいているところでございます。 ○議長(大橋基之議長) 仲西敏議員。 ◆十七番(仲西敏議員) 続きまして、総合教育会議と教育大綱の策定についての質問に移ります。 昨年六月二十日に公布をされました、本年四月一日より文部科学省により施行された地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部改正により、総合教育会議が新設をされております。この法律改正は、教育の政治的中立性、継続性、安定性を確保しつつ、地方教育行政における責任体制の明確化、迅速な危機管理体制の構築、地方公共団体の長と教育委員会との連携強化、地方に対する国の関与の見直し等、制度の抜本的な改革を行うことにあります。 総合教育会議は公開で行うことが原則となっております。自治体の長、教育委員会双方に対する市民の監視にもつながることで、政治的中立性も担保ができる制度だと文科省は説明をしております。市長が招集し、市長と教育委員会という対等な執行機関同士の協議及び調整の場という位置付けでございます。総合教育会議で調整がついた事項については、市長と教育委員会のそれぞれが尊重義務を負うこととなります。また、規定上ですが、市長と教育委員会の意見が合わない場合、調整がつかない場合は、教育委員会は長に従う義務はないというような解釈もあろうと思います。 質問でございます。本市の総合教育会議について、いままでの経過と現況及び今後の予定をお聞きいたします。協議事項、調整決定事項、今後の協議・調整事項についても質問をさせていただきます。
    ◎市長(並河健) 仲西議員の御質問にお答えをさせていただきます。 教育大綱の策定につきましては、学識知見者一名、一般住民の御代表二名、保護者の御代表一名からなる四名の教育委員の皆様方に御参画をいただきまして、本日までに計五回の総合教育会議を開催し、その中で議論を進めてまいりました。総合教育会議では、委員の皆様から非常に活発な御議論をいただき、その議事、御意見、どういったコメントを受けたかということを含めて、市のホームページ上で公開をさせていただいているところでございます。 また、先般、教育大綱(案)として議員の皆様方に御報告をさせていただき、確認をいただいたところですが、今後、この案についてパブリックコメントを実施してまいりまして、より広く市民の皆様方から御意見をいただき、策定をしていきたいというふうに考えております。 なお、この教育大綱は、放課後の子ども教室であったり、あるいは学校施設の地域での活用モデル事業など、それに基づいた施策、地方創生との関係でございますけども、来年度以降においてしっかりと取り組んでいけるように予算に反映していくためにも、可能なスケジュールのもとで策定してきたところでございますが、現在策定中のこの創生の天理市総合戦略と一体的に取り組み、施策を着実に進めていきたいというふうに考えているところでございます。 ○議長(大橋基之議長) 仲西敏議員。 ◆十七番(仲西敏議員) ただいま市長から答弁をいただきました件についての再質問ということでございまして、教育大綱につきましては、国会の附帯決議の中で、「特に、教育に関する総合的な施策の大綱がその地域の実情に応じて定められるべきものであることに鑑み、地域住民の意向が大綱に適切に反映されるよう努めること」が明示をされております。そのことについて、民意の反映をどのように実施されるのかお聞きをしたいと思います。 ◎市長(並河健) 議員御指摘のとおり、地域の実情に沿って、また市民の皆様の御意向をどのように反映していくか、非常に重要な課題だというふうに考えております。その上では、本市の教育委員会構成そのものが、ちょうど学識経験者の方、また、一般住民御代表、保護者御代表という形で非常にバランスがとれた中でこういった議論をいただいているかなというふうに考えております。その議事の内容を公開を全てさせていただいているものに基づいたこの大綱の案をこれからパブリックコメントを実施するということも、これも民意の反映を本市として重視をさせていただいているところかなというふうに考えておりますし、また、今後、その創生とも絡めていきながら、具体的な施策に予算をつけていく際には、共に市民の御代表である市議会の皆様方にもお諮りをし、御判断いただくという部分でございますので、こういったことを通じて、民意をしっかりと反映させていきたいというふうに考えております。 ○議長(大橋基之議長) 仲西敏議員。 ◆十七番(仲西敏議員) 続きまして、次の質問に移らせていただきます。複雑多様な社会環境下であります。迅速かつ適正に対応するため、教育委員の増員について質問をさせていただきます。 今回の改正では、新教育長は教育委員会の代表者となり、その権限が他の教育委員と比較してとても大きくなっております。一方で、新教育長は、執行機関である教育委員会の補助機関ではございません。教育委員会の構成員である、代表者であるその教育委員会による教育長への指揮・監督権は法律上規定されておりませんが、教育委員会は引き続き合議体の執行機関であります。教育長は教育委員会の意思決定に基づき事務をつかさどる立場にあることに変わりはございません。教育委員の役割はとても重要でございます。 そこで、教育委員による教育長のチェック機能を強化する観点から、教育委員会定数の三分の一以上からの会議の招集の請求、また、教育長が委任された事務の管理・執行状況の報告義務に関する規定が新しく設けられております。また、教育委員会会議の透明化、住民によるチェックの観点から、会議の議事録の作成・公表を努力義務としましたが、原則として会議の議事録を作成し、ホームページ等を利用し公表することが強く求められるものと考えております。これらにより、権限が大きい教育長へのチェックを適切に果たし、教育委員会の審議の活性化を図るため、教育委員の責任は大変重いものになっております。 また、今日、複雑多様な社会環境下であります。迅速かつ適正に対応するため、教育委員の役割拡大、法律改正で新教育長が教育委員から除かれ、現在、教育委員は四名でございます。他市の状況でございます。生駒市では、教育委員は八人に倍増と、教育委員を増やすための条例の改正案を今月市議会に提出しております。 質問でございます。幅広い分野から高度な知見を有する人材を募り、より多様な教育課題に対応するために、教育委員の増員がいま必要と考えますが、見解をお聞きしたいと思います。 ◎教育長(森継隆) 仲西議員の御質問にお答えいたします。 地方教育行政の組織及び運営に関する法律では、教育委員は、当該地方公共団体の被選挙権を有する者で、人格が高潔で、教育、学術及び文化に関して見識を有する者のうちから、地方公共団体の長が議会の同意を得て任命するということになっております。委員の年齢、性別、職業等に著しい偏りが生じないように配慮すると共に、委員のうちに保護者である者が含まれるようにしなければならないとなっております。 現在、天理市教育委員会は、男性三名、女性一名の四名で構成されております。男性委員のうち一名は教育の専門家で、教育現場の実情及び学校経営に通じており、保護者の委員も一名含まれていますので、教育現場及び保護者の方の柔軟な発想や意見などを教育行政に反映しやすい環境にあると考えております。また、天理市の教育委員は、職業等に著しい偏りが生じないように配慮するとの規定も踏まえており、教育の専門家ではない一般住民の意向を教育行政に反映していく、いわゆるレイマンコントロールも実現されております。 このように、現在の教育委員は、教育専門家、保護者代表、一般住民代表という形でバランスのとれたものと考えており、また、平素の教育委員会会議及び総合教育会議でも非常に活発な議論をいただいていると考えております。 ○議長(大橋基之議長) 仲西敏議員。 ◆十七番(仲西敏議員) 時間がございませんので、次の質問に移らせていただきます。子どもの貧困の状況と就学援助費の実態及び改善策について御質問させていただきます。 今朝のテレビのニュースで取り上げられておりました。安倍政権は、今後重点的に取り組む施策の一つに、子どもの貧困対策、これがニュースで紹介されておりました。まことにタイムリーな質問やと思います。子どもの貧困率は増加をしております。全国の就学援助率は過去最高の一六%に上っております。子どもの相対的貧困率は一九九〇年代半ばごろから上昇傾向にあり、就学援助を受けている小中学校の割合は平成二十四年度に過去最高の一六%となったことが、内閣府が本年六月十一日に公表をしました「平成二十七年版子供・若者白書」で明らかにされております。 家庭の経済力が低くても、努力次第で何とかなるよと言われて、心の底から納得できる保護者、学校関係者はどれだけいますでしょうか。厳しい経済環境の中で働いている保護者、業務の増加により年々多忙化するばかりの教員が全てに対応できますか。同時に、子どもの教育に無関心な家庭も増加をしています。経済力の高い家庭では、教育の価値を理解できるだけの成功体験を持っている保護者が多いと言われます。だから教育に力を入れるとも考えられます。保護者の成功体験の少なさは、学校教育への無関心となってあらわれがちであります。そして、社会格差の中で最も恐ろしいのは格差の固定化で、親から子への格差の再生産であります。 政策として、条件整備が急務と言えます。今朝のテレビでも取り上げておりました、社会保障として教育予算の充実をしなければ、金持ちだけが成功する社会になってしまうことを危惧いたします。憲法第二十六条、教育を受ける権利であります。保護者に対して子どもに教育を受けさせる義務を課すと共に、「義務教育は、これを無償とする」と規定をしています。教育基本法第五条は、国公立学校の義務教育については、授業料は徴収しないとしております。現在、公立小中学校の授業料や小中学生の教科書代の無償にとどまっているのが現状でございます。公立学校でも、子どもが学校に通うとさまざまな費用がかかるのが実態でございます。学校教育法第十九条、「経済的理由によって、就学困難と認められる学齢生徒の保護者に対しては、市町村は、必要な援助を与えなければならない」としています。この就学援助に対して、国は、就学奨励法等により必要な経費の一部を補助しております。就学援助制度は、生活保護世帯の小中学生(要保護者)に対して修学旅行費などが支給されております。教育扶助を受けていない要保護者、また、生活保護の対象に準ずる程度に困窮している小中学生(準要保護者)に義務教育に伴う費用の一部を給付しています。 就学援助を受けている小中学生が増加をしている中、いわゆる三位一体改革の小泉内閣において、二〇〇五年度以降の準要保護者に対する国庫補助が廃止をされました。一般財源化されたんですね。準要保護者への就学援助については、生活保護法のような全国共通の認定基準がございません。準要保護の認定が、各教育委員会の独自の基準と方法で行われてきたわけでございます。二〇〇六年度に、文部科学省が国庫補助廃止後に調査をしております。準要保護の認定基準の厳格化、援助支給額の減額化が全国的に行われたことが明らかになっております。 質問をいたします。子どもの貧困と就学援助制度に対する御所見、そして、本市援助制度の現況と保護者対応についての課題についてお聞かせをいただきたい。特に、支援を要する家庭に対して援助制度の啓発に係る取り組み実態をお聞きしたいと思います。 ◎教育長(森継隆) 質問にお答えいたします。 子どもの貧困については、いろいろな面からアプローチしなければならないと考えておりますが、現在、教育委員会で行っております支援についてお答えいたします。 学校教育法では、「経済的な理由によって、就学困難と認められる学齢児童又は学齢生徒の保護者に対しては、市町村は、必要な援助を与えなければならない」と定められております。それに基づいて、本市教育委員会では、小中学校の児童・生徒に対する就学援助制度がございます。 就学援助の対象者といたしましては、保護者が生活保護法の規定による保護を受けている児童・生徒(以下、要保護児童・生徒と説明させていただきます)と保護者が要保護に準ずる程度に困窮していると認める児童・生徒(すなわち準要保護児童・生徒)でございます。準要保護児童・生徒の認定基準というのは、生活保護法の基準額に一定の係数(天理市におきましては一・三)を掛けたものになっております。 援助の対象となる費用というのは、要保護児童・生徒に対しましては、生活保護法に基づく教育扶助対象費用以外の費用で、それは修学旅行費、医療費でございます。また、準要保護児童・生徒に対しましては、学用品、通学用品、学校給食費、校外活動費、修学旅行費、医療費、それから、小一、中一のみですが、新入学時の入学用品を対象としております。 平成二十七年四月一日現在、天理市において、要保護児童・生徒は、小学生三十二名(一・一二%に当たります)、中学生は十九名(全体の一・三四%に当たります)、また、準要保護児童・生徒は、小学生三百六十八名(全体の一二・八七%)、中学生二百三十四名(全体の一六・一三%に当たっております)。要保護児童・生徒に対しては、国からの補助が二分の一ありますが、準要保護児童・生徒については、平成十七年度から国の補助が廃止されました。 次に、要保護児童・生徒と準要保護児童・生徒の経年推移でございますが、要保護児童・生徒の数は大体横ばい状態でございますが、準要保護児童・生徒の数は年々増加傾向にあり、平成二十五年度と比較いたしますと、小学校で約一・四%増、中学校では約二・五%増になっております。 この就学援助制度については、入学説明会で説明するだけでなく、四月号の市の広報紙に掲載したり、学校を通して案内プリントを配付しております。また、家庭訪問や個人懇談の際には、各担任から直接保護者にも声かけをさせていただき、このような制度があることをお知らせしております。これからも、保護者の状況に合わせて、あらゆる機会を通して丁寧に対応してまいりたいと考えております。教育委員会といたしましても、準要保護児童・生徒が年々増加しており、今後とも、対象児童・生徒数に見合った必要な就学援助が行えるよう、十分な財政措置を国や県に対して引き続き働きかけてまいりたいと考えております。 ○議長(大橋基之議長) 仲西敏議員。 ◆十七番(仲西敏議員) ありがとうございます。子どもの貧困は非常に大きな課題でございます。就学援助制度も一つの施策であります。きめ細かく丁寧な保護者対応をされておると聞きまして、安心いたしました。なお制度の有効活用について御努力をいただきたいと思います。 続きまして、質問に移ります。前栽小学校の校舎改築について、いま工事がされております。地域に開かれた仮称多目的室の管理運用についてお聞きをいたします。 本年三月、議会定例会において、平成二十七年度予算案の提案で、市長は、「前栽小学校整備事業では、学校内に地域の交流スペースを設置します。地域のきずなづくりの場として校舎を有効活用します。場を共有することをきっかけとした地域全体の子育て等、学校と地域のきずなを深めるモデルとしていく。また、他の学校の施設においても、先進自治体の事例研究を行い、実施に向け検討を行う」と述べられたと思います。 それでは、質問をいたします。前栽小学校交流スペースの概要、また、利用対象者の範囲及び利用開始時期、それから管理に関する事項についてお聞きをします。そして、今後、他の学校への整備計画についてもお尋ねをいたします。 ◎教育長(森継隆) 仲西議員の御質問にお答えいたします。 平成二十八年三月完成予定の前栽小学校新校舎の一階に設けます多目的室につきましては、設計段階から、地域の方に気軽に利用していただけるようなスペースとして、学校との動線を分けて設計しております。また、井戸堂小学校の多目的室につきましても、同様に地域の方々に開放していきます。 学校施設の開放は、地域の中の居場所づくりとしての校舎の有効利用、場を共有することをきっかけとした地域全体の子育てなど、学校と地域のきずなを深めるための取り組みとして考えています。利用については、平日、土曜日、日曜日に、学校教育に支障のない範囲の中で、校区・地域住民の方々、また子どもたちに利用いただき、互いの交流の場、憩いの場として、また、地元の活動やPTA活動も含めて活用していただければと考えています。また、セキュリティー面については、事前登録制で識別確認できる利用者識別証を発行することを検討しています。利用申請については、要綱をつくり、学校授業等の使用を優先しながら、利用の具体的形態については検討していきたいと考えています。 今後もより多くの方々に広く御利用いただけるよう、地域に開かれた多目的室として運用していきたい。さらに、二つの学校で得られた成果をもとに、他の学校についても検討してまいりたいと考えております。 ○議長(大橋基之議長) 仲西敏議員。 ◆十七番(仲西敏議員) ありがとうございます。貴重な部屋でございます。私も地域の住民でございまして、有効活用に向けていろいろと努力されていくということをお聞きしました。非常に期待をしております。 それでは、次の質問に入ります。安全・安心のまちづくりに関する諸施策について、三項目について質問をいたします。 まず一点目、防犯灯に係る補助金の状況、LED化についての見解をお聞きします。 防犯灯のLED化は多くのメリットがございます。省エネ性能、耐久性も優れ、地球環境にも優しい、こういうことから、市の補助金を活用して防犯灯のLED化を推進しようという多くの自治会の申請があったと聞いております。そのため、本年度の事業予算は既に五月で底をついたと、そういう状況も耳に入っております。現在、住民の皆様からの要望を受けた自治会は大変困っているような状況ではないんでしょうか。市としても、防犯灯のLED化を維持管理や経費の削減、環境負荷の軽減化の面からも推進されるとしていると思います。 先進自治体の事例でございます。平成二十五年度、大和郡山市は、十年間のリース契約を行い、市内の防犯灯八千二百灯、通学路灯五百灯について、省エネ性能や耐久性に優れ、地球環境にも優しいLED防犯灯への取り替えを事業決定を行いました。本市も維持管理や経費削減等々の面から、防犯灯の残りについて提案をさせていただきたい。公募型プロポーザル方式で選定した企画・提案による入札を実施したらどうか。全市一斉に早期にLED化を推進する必要があると考えます。 そこで、質問であります。本市防犯灯の現状でございます。灯数、LED化率の趨勢、補助金予算、執行状況の趨勢、また、防犯灯設置とLED化に向けた計画及び事業方法等々についてお聞きをいたします。 ○議長(大橋基之議長) 市長。 ◎市長(並河健) ただいまの仲西議員の御質問にお答えをいたします。 本市におきましては、天理市防犯灯設置補助金交付要綱に基づきまして、少しでも多くの防犯灯を設置いただけるように、防犯灯一灯当たり一万五千円、そして、ポールつきの防犯灯に関しては一灯当たり五万円を限度として、設置費用の一部を補助させていただいている、これが現行の制度でございます。 この補助金については、平成二十五年度にLEDへの機器更新のための補助金申請の要望が増加したことから、同傾向を踏まえまして、平成二十五年度の百七十万一千円に対し、平成二十六年度は二百十四万五千円、平成二十七年度は二百四十万円と予算額を増額して対応しておりましたけれども、平成二十六年度については十二月二十二日、そして、平成二十七年度は五月二十五日にいずれも補助金の全額を執行したという状況でございまして、この点については委員会の方でも御意見を賜ったというふうに認識をしております。 本年度の補助金の全額を早期に執行した要因といたしましては、昨年度に補助金が十二月二十日の時点で全額執行であったということにより、年度当初に申請が集中いたしましたこと、また、天理市防犯灯設置補助金交付要綱に、申請灯数等に係る制限、こちらを明記させていただいていなかったこと、一度に数十灯の取り替えを要望される方が散見されたことから、担当課において、口頭や文書で、五灯までにお願いしたい旨協力をお願いしておりましたところ、昨年まで一から三灯ほどの申請をされていた方を含めて、五灯まとめて申請するというようなケースが増加したことなどを考えているところでございます。 ただ、議員御指摘のとおり、防犯灯のLED化については、やはり大きな効果として、排出二酸化炭素の削減、また、身近な効果といたしまして、電力コスト及び長寿命化による維持管理コストの削減というメリットがございます。平成二十五年度から平成二十七年度の補助金申請では、LEDへの取り替え申請がおおむね三分の二から四分の三を占めており、また、設置するLEDの機器の単価及び設置に係る関西電力への申請手数料に相当のばらつきが認められるということから、ここ数年の申請状況を踏まえまして、また、各区長様の御意見も聴取しながら、御指摘ございました、将来的に、大和郡山市で実施されているようなリース形式による一斉のLED化を行う、この導入が可能か、また、それまでの間、補助対象を新規設置及び故障等による取り替えに限定することは可能かなど、来年度の予算に向けまして、現行の設置補助制度の見直しも含め、市民の皆様の安心・安全につながる防犯灯の設置補助のあり方を検討していきたい。ただ、これについては、やはり区長連合会に現行お渡ししている予算との兼ね合い、こういったことも整理した上で行っていく必要があろうかなというふうに考えておりますので、私どもで方針を策定した段階で、まずやはり地元としっかり協議していくことが重要であろうと考えております。 ○議長(大橋基之議長) 仲西敏議員。 ◆十七番(仲西敏議員) 検討されるということでございます。前向きによろしくお願いをしたいと思います。 続きまして、防犯カメラの設置についての御見解をお尋ねいたします。 今般、香芝市や寝屋川市などで、防犯カメラが犯人逮捕の決め手になった事件が頻発をしております。しかしながら、防犯の最も効果的な対処法は、住民同士が互いに助け合う地域づくり、そこから醸成される地域の見守り合い、これが基本であります。犯罪の起きにくい安全・安心のまちづくり、これを推進することが大変重要だとされております。それでも、地域の見守りの行き届かないところ、ここに防犯カメラを設置することも犯罪の抑止に有効だと考えられます。 その一方、防犯カメラの設置で、本人の意思にかかわらず撮影され、カメラに監視されるといった状況を危惧する市民も存在するように思います。このプライバシーに関する権利は、明文規定はございません。ただ、憲法第十三条、個人の尊重により保障されていると一般に解釈をされております。防犯カメラを設置することで、被写体となる不特定多数の個人のプライバシーを侵害することがないよう、十分留意することが必要でございます。NHKクローズアップ現代で紹介されておりました。「防犯カメラの落とし穴~相次ぐ誤認逮捕~」、そういう事例もございます。 そこで、質問をいたします。本市の防犯カメラ設置状況、今後の設置の計画、また、防犯カメラの適正な設置及び利用に関する条例に向けての検討、本市が公共の場所に向けて設置をする防犯カメラの運用についての利用に関する基準等々、そういうような基準、規定等々について定めをしていく必要があろうと私は考えておりますけど、御見解をお聞きしたいと思います。 ○議長(大橋基之議長) 市長。 ◎市長(並河健) ただいまの防犯カメラについての御質問でございますけども、寝屋川市における大変痛ましい事件を受けまして、特にこの夏、私も地域のさまざまな行事等に出て行った際は、じかに市民の方からこの点について御要望賜る機会も多いのが事実でございます。ただ、議員御指摘をいただきましたとおり、そもそも住民全体の防犯力、地域の防犯力を強化するということもあわせて行うことが不可欠でございまして、この点については、本当に天理市の場合は、各種見守りボランティア等、市議会の議員の皆様も含めて積極的に御参加いただいているという状況について、厚くこの場をおかりして御礼を申し上げたいというふうに考えております。 そこで、防犯カメラでございますけども、やはり犯罪の未然防止あるいは犯罪の速やかな認知、被害者の保護、迅速・的確な対応、こういった点がやはりメリットとして挙げられ、犯罪の捜査や客観的な立証などについて有効な手段であるということは十分認識をさせていただいております。 本市の現状といたしましては、天理駅前の地下駐輪場に防犯カメラを設置しておりますほか、県の補助を受けまして、民間が設置主体となった防犯カメラが前栽駅前の駐輪場、こちら、設置主体は前栽校区様でございます、そして、天理本通り商店街、こちら、設置主体者は本通り商店街でございますが、に設置運用されているほか、天理警察署から承っている情報として、各種金融機関、あるいはコンビニ、パチンコ店等、計七十一カ所において現在防犯カメラが設置・運用されているということで把握をしております。 また、県内においては、平成二十七年七月末現在で、十一市町村で駅周辺や公園、住宅地内にこの防犯カメラを設置しているほか、本市同様に、県の補助を受ける等して商店街や自治会などが設置主体となって行う、あるいは事業者の皆様が街頭防犯カメラを設置した住宅地を開発するなどして設置・運用されている状況にあるということでございます。 もちろん議員御指摘のとおり、監視社会というようなことについての懸念、プライバシーの保護との関係性、こういったことも十分に留意をしていきながら、ただ、本市といたしましては、今後、現状調査の上、天理警察署等とまず設置箇所について速やかに協議を行い、JR、近鉄各駅前、公園、通学路等に対する防犯カメラの設置についてを全市的に検討し、速やかに設置をできるところから進めていきたいというふうに考えております。 ○議長(大橋基之議長) 仲西敏議員。 ◆十七番(仲西敏議員) 最後の質問に入ります。ゾーン三〇の設定についての状況と見解をお聞きいたします。 生活道路における歩行者等の安全な通行、それを確保することを目的として、区域(ゾーン)を定め、最高速度三十キロメートル毎時の速度規制を実施すると共に、その他の安全対策を必要に応じて組み合わせ、このゾーン内における速度抑制、ゾーン内を抜け道として通行する行為の抑制等を図る生活道路対策と理解をしております。ゾーン三〇は、新たな生活道路対策として平成二十三年九月から全国的に取り組みが開始をされております。平成二十八年度末までに、警察庁の方では、全国で約三千カ所を整備することを目標とされております。 それでは、質問をいたします。ゾーン三〇の交通安全対策とはどのようなものなんでしょうか、教えていただきたいと思います。奈良県内と本市の整備状況、それと今後の整備の計画についてお聞きをいたします。 ○議長(大橋基之議長) 総務部長。 ◎総務部長(河北性治) ゾーン三〇の設定についてお答えいたします。 ゾーン三〇は、議員おっしゃるとおり、最高速度三十キロの区間規制をはじめとする交通規制の実施や路側帯の拡張及びカラー化舗装等の対策を推進して、通学路や住宅地域等の生活道路におきます歩行者等の安全を確保することを目的としております。平成二十三年秋から全国で進められているもので、奈良県下におきましても、平成二十八年度までに三十九カ所に設定する予定をしておるところでございます。平成二十六年度末で二十四カ所において既に実施済みでありまして、二十七年度中に六カ所以上で事業に着手する予定と聞いております。 議員の御指摘のとおり、本市においていまだ設置されておりませんけども、天理警察署と教育委員会を含みます本市関係部局で協議を行い、北は国道二十五号線、西は天理環状線、橘街道でございます、南は布留川の北流を境といたしまして、東井戸堂ブロック約十三・一三ヘクタールを候補地として選定し、既に関係自治会への説明会も済ませており、現在、来年度の実施に向けて、具体的に国の補助申請手続等を含め、天理警察署との間で調整を進めているところでございます。以上でございます。 ○議長(大橋基之議長) 仲西敏議員。 ◆十七番(仲西敏議員) ゾーン三〇について、本当に天理市で初めて設置をされるということをお聞きいたしました。交通弱者にとっては非常にありがたい話でございます。すばらしい事業ということで、進めていただくことを、速やかな事業遂行についてお願いをし、また、本日の私の質問について、それぞれ所管からいろいろお答えをいたただきました。そのことについて感謝を申し上げます。また、いろいろ要望もさせていただきました。検討するというような答えもいただきました。そのことについては、またいろいろこれから検討内容についてでも、またこれからいろいろ前向きに市民のためによりよい施策に反映できますようにお願いを申し上げまして、私の一般質問を終わらせていただきます。本日はどうもありがとうございました。 ○議長(大橋基之議長) 次に、十四番、荻原文明議員。     〔十四番 荻原文明議員 登壇〕 ◆十四番(荻原文明議員) それでは、一般質問を行います。市長並びに関係各位に一括方式で質問をさせていただきます。 まず第一に、精神障害者医療費助成制度についてお尋ねいたします。精神障害者医療費助成事業実施後の状況と二級精神障害者保健福祉手帳所持者への拡充、また、請願書に対する対応等についてお尋ねをいたします。 まず、請願書に対する回答書についてお尋ねいたします。 精神障害者福祉手帳一級が、身体障害者福祉手帳一級、二級、療育手帳A一、A二と同程度と考えられるとはどういうことでしょうか。税法上の障害者控除の額で比較されているのでしょうか。それぞれ障害の内容によって区別しているのであって、医療も生活も障害によってそれぞれ違う状況を単純に比較できるものではありません。 次に、全国的に平衡が保たれる基準がないということが、それがなぜ二級の入院医療費助成の対象としない理由になるのでしょうか。奈良県が一級、二級助成を実施しているのに、県内市町村によって差異があるのは公平性を失しているのではないでしょうか。二十八年度から生駒市と香芝市が二級を助成対象にすると聞いておりますが、県民の公平性を確保するということから見て、二級への助成を早急に実施する必要があると思いますが、どのようにお考えでしょうか。 次に、一級所持者の医療費負担が大きいのは当然で、二級を実施しない理由とはなりません。なぜこのことが二級への助成を実施しない理由となるのでしょうか。 次に、国費助成が実現すれば、市負担が少なくなるのでしょうか。財政状況を踏まえ、総合的に検討するというのは、何をどのように検討されるということなのでしょうか、お尋ねいたします。 次に、一級及び二級の医療費助成を早急に実施されるよう要望する請願が二〇一五年三月十八日採択以降、実施状況を見て、請願書の内容についてどのように検討されたのでしょうか。また、二〇一四年度の精神障害者医療費助成事業(一級通院)の四月以降の実施状況についてもお尋ねをいたします。 そして、奈良県のアンケート調査の結果によれば、医療費助成の必要性については、医療費負担が重い負担となっているということです。平成二十五年度、奈良県が実施した調査結果では、「平成二十一年度調査より世帯年収三百万円未満の割合はおよそ一〇%減った。しかし、平成二十一年度の身体障害者や知的障害者に比べると、その割合は依然として高い」。そして、「多くの手帳所持者が精神科病院への入院や通院、精神疾患以外の治療も受けている。精神障害者とその家族の全体的な収入の低さも明らかになり、医療費支出が精神障害者の暮らしに大きな負担となっている」とまとめています。このことからいっても、医療費助成拡充は少なくとも二級まで実施すべきです。しかも、市長会で、当面一級まで実施と確認したからと言われてきましたが、既に二つの市が二級までの拡充を発表しています。 二つ目に、一般廃棄物処理施設(天理市クリーンセンター)移転新設について、その現状と減量化等の今後の方針及び施策についてお尋ねいたします。 一般廃棄物処理施設の老朽化により、天理市環境クリーンセンターの一般廃棄物焼却施設を移転新設する計画が明らかにされました。現在の四市町村から十市町村に参加を呼びかけ、十一市町村の一部事務組合による運営を目指し、広域化、焼却炉の大型化を行う予定も発表されました。早急に事業を進めたいとしながら、住民に対して参加を呼びかけている市町村さえ明らかにされていません。参加市町村がわからなければ、事業規模も定まりません。実際、炉規模が三百七十トンという説明や最大四百トンという説明もあります。しかも、参加予定市町村のごみ処理の現状はどうなっているのかもわかりません。他自治体には、粗大ごみ、資源ごみ処理施設は、別途課題として検討・調整すると説明されています。早急に事業をまとめるためには、現状と計画の全てを住民に対して明らかにし、理解を求める必要があります。 全国の市の中で、資源化率、リサイクル率七五%で日本一の志布志市は、ごみに関する行政情報、資料を全面的に公開し、市民に実情を知らせながら考えてもらう。絶えず学習会などでごみ問題の基本を学ぶ機会をつくっています。学校教育にごみ学習を位置付けるなどの努力を続け、数年かけて住民の理解を深めてきました。ごみ処理は地域によってさまざまです。住民の暮らし方、産業、経済、環境など、市町村の特徴によってごみの内容、質も違ってきます。これまでのリサイクルの仕方、処理方法も違います。広域化、大型化して、一時的な財政的効率だけでは判断できません。全ての住民がかかわる施策だからこそ、地方自治、住民自治の民主主義が貫かれるべきです。 現在、循環型社会形成を目指しています。ごみ問題では、発生抑制、再使用、再生利用が自治体と住民にとって最重要課題です。これによってごみの減量化を進め、それに応じて焼却施設の規模が決まってきます。建設費や運転費用の財政負担も軽減されます。家庭ごみ収集有料化は、財政負担とごみの減量化との関係でさまざまな議論がある問題です。こうした問題に取り組むためには、ごみの減量化の今後の課題は、生ごみと雑紙の分別収集による発生抑制、再生利用、飼料化、肥料化などをどう進めるかが本市の課題となっています。しかも、一部事務組合は地方公共団体として位置付けられていますが、構造的に、議員や長を間接的に選任することから、住民から遠い存在となりやすいという欠陥を抱えています。このような一般廃棄物処理施設の広域化、大型化の諸課題と問題について、どのように認識されているのかお聞きいたします。 三つ目に、子ども・子育て支援新制度についてお尋ねいたします。 四月から実施されました子ども・子育て支援新制度は、今回の新制度は、大きな改革にもかかわらず、複雑でわかりにくい制度になっています。子どもと保護者にとって本当にいい制度になったのかどうか検証する必要があります。そこで、数点お聞きいたします。 家庭的保育等の担い手として、保育士と同等以上の知識経験を有する者と市町村長が認めた者となっています。養成機関はどこで、どのような基準で認可されようとしているのでしょうか。同等以上と言うなら、保育士か、あるいは幼稚園教諭の資格を持つ者として市としてその基準を定めることが必要ですが、どのようにお考えでしょうか。 地域型保育事業所の連携施設はどうするのでしょうか。連携施設の三歳児の受け入れは可能か。連携施設の経過措置は認めないという措置が必要です。 直接契約の保育料滞納世帯がある場合は、事業所の減収となります。それが経営難につながってきます。地域型保育は、保育所と同じ条件とは言えません。同一保育料ではなく、これらについては天理市の単独補助が必要です。 短時間認定の人が延長保育をした場合、標準時間の保育料を超える場合が生じます。少子化の原因の一つに、教育費の負担が重いことが従来から指摘されてきました。保育料は所得に応じて負担するというのがこれまでの原則です。短時間と標準保育の保育料の区別をなくし、保育料の軽減を図るべきです。 最後に、天理駅前再整備事業について、事業費、維持費、防災拠点機能(広域避難地)としての機能等についてお尋ねいたします。 事業費については、プロポーザルの仕様書では、総事業費はおおむね十億円を超えない範囲でデザインを作成することとし、委託業務の一つに概算事業費の算出を求めていました。そして提出されたのが、A四の紙一枚に書かれた二〇一五年一月二十六日付でnendo社から提出された天理駅前広場等空間整備基本計画概算工事費です。これによれば、南広場が九億九千七百五十万円、団体待合所が一億五千五十万円で、合計十一億四千八百万円です。そして、平成二十七年度、平成二十八年度の天理駅前広場等整備事業債務負担行為が七億二千四万七千円、二十七年度工事費が五億三千万円、合計十二億五千四万七千円です。天理駅前広場等空間整備基本設計概算工事費は十七億二千八百万円となっています。わずか四カ月で一・七倍になっています。 今後、本市の緊急性の高い行政課題は、中学校をはじめとする公共施設の耐震改修、老朽化対策、教育、福祉、暮らしを守る施策など、山積しています。国や県の支出金があるとはいえ、全て市民の負担です。財政面から見るだけでも、天理駅前広場再整備事業に十数億円もの負担をする余裕はありません。また、さらに、芸術性が高いほど、維持費と老朽化に対する費用と技術的な問題に対応することが将来困難になることは、全国の事例が示唆しています。天理駅前再整備事業の中止も含めた地域振興策の再検討が必要です。これについてどのようにお考えか、お聞きいたします。 天理市は、広域避難地に天理駅前広場を指定しています。広域避難地について、国土交通省の「地域防災計画等に関する用語説明について」によれば、広域避難地の標準的な考え方は、「大地震時に周辺地区からの避難者を収容し、地震後発生する市街地火災や津波から避難者の生命を保護するために必要な面積を有する公園、緑地等をいう」と述べています。ウィキペディアではもう少しわかりやすく、「その大きさは、火災の輻射熱から身体を守るためにおよそ十ヘクタール以上が必要だとされている。このような目的から、大規模な広場(オープンスペース)として、大規模公園や団地・大学などが指定されている」と説明されています。このような考え方からすると、いまの再整備計画は、広域避難地の機能を果たせなくなります。こうした点についてどのようにお考えか、お尋ねいたします。 ○議長(大橋基之議長) 市長。     〔市長 並河 健 登壇〕 ◎市長(並河健) ただいまの荻原議員の御質問に対しまして、子ども・子育て支援制度については健康福祉部長から、それ以外の点については私の方から回答させていただきたいと思います。 まず最初に、精神障害者の皆様への医療費助成制度についてでございますが、等級についての御質問がございました。精神障害者福祉手帳の等級は、一、二、三の三段階とされておりまして、身体障害者手帳は一級から六級の六段階、療育手帳はA一、A二、B一、B二の四段階であることから、等級が手帳によって異なりまして、一概に比較することは困難な状況でございますが、障害年金一級の対象が精神障害者手帳では一級、身体障害者手帳では一級及び二級、療育手帳ではA一及びA二とされている実態はございます。 続きまして、その基準についての御質問でございますけれども、都道府県によって、精神障害者福祉手帳一級、二級、三級の所持者数の比率に大きな差異が見られるところがございます。たとえば、長野県や群馬県のように一級所持者が全体の五〇%程度のところもあれば、福井県や滋賀県のように一〇%以下のところもございます。人口では圧倒的に長野県と東京では東京の方が多いわけですが、一級の所持者に関しては長野県の方が多いというような状況もございます。そして、県内の町村では、平成二十七年度から、手帳一級及び二級の所持者を対象に医療費助成を実施しておりますが、平成二十六年度と比較いたしまして、手帳所持者が五割以上増加しているというようなところもございます。手帳取得の判定に差異が著しい現状の中、精神障害者医療費助成に要する支出の規模を見定めることが困難であるため、県に対しても判定に係る協議をしっかりやっていくと共に、まずは本市として一級を対象として実施をさせていただいているというところでございます。 なお、他県では、精神通院以外の精神障害者医療費助成を実施しているところは八県でございまして、そのうち二級までを対象としているところは二県でございます。本市が精神障害者福祉手帳一級所持者に医療費助成を実施しているということは、こういった状況に鑑みまして、全国的に見れば、決して遅れをとっているわけではないというふうに認識をしております。 また、医療費負担の一級、二級との関係について御言及ございましたが、この点については、医療費負担が大きい一級所持者から精神障害者の医療費助成を実施しているということでございまして、それを直ちに二級所持者を対象にしないというような理由としている認識ではございません。 続きまして、国助成についてでございますが、現在は、医療費助成に要する費用について、市町村と県で負担をしております。仮に国からの助成が今後あれば、それは市町村の負担は軽減されるということが想定をされます。また、財政状況を踏まえ総合的に検討するという点については、やはり持続可能な財政状況を確保した上で、精神障害者医療費助成を含めて、障害者福祉全体としてのやはり充実に努めていきたいというふうに考えているところでございます。 また、議会から議決をいただきましたこの請願書についてでございますけれども、本市として、平成二十七年四月から精神障害者福祉手帳一級所持者を対象に医療費助成を実施しております。実施状況から、手帳一級所持者一人当たりの医療費に要する助成額は、月額一万二千円、年額で約十四万円程度になるということが推測をされております。新たに手帳を取得された方の人数も含めて、二級を対象に仮に実施した場合の助成に必要な費用について、他の自治体の実績も参考にしながら分析を行っているところでございます。 そして、困窮度を重視というような部分でございますけれども、昨年七月に実施をいたしました精神障害者の福祉医療を実現する奈良県会議の皆様との話し合いや天理市の精神障害者保護者の皆様の天理こころの会の方々との話し合いの場というのを持たせていただきまして、精神障害者の方々及びその家族の方々から、医療を含めた御事情についてお伺いをさせていただきました。また、議員御指摘ございました奈良県が実施をしております精神障害者の暮らしや受診状況の実態等に関するアンケート調査の結果等により、精神障害者の世帯が他の障害者の世帯と比較して、低所得者の割合が高い傾向にあることは認識をしております。その上で、今後の精神障害者医療費助成についての本市の対応を検討していくと共に、所得等の関係で必要な医療が受けられない方には、他の福祉施策で個別に対応もしているところでございまして、精神障害者福祉手帳二級所持者に対しても、他の福祉施策による医療費の助成というものは既に実施をしているところでございます。 続きまして、他の市町村の実施状況についてはもちろん参考にはいたしますが、本市としての持続可能な財政状況を確保した上で、総合的な見地から今後の対応を検討してまいりたいというふうに考えております。 続きまして、ごみの減量化、リサイクル率等に関しての御質問でございますけども、分別方法の細分化によるリサイクル率とごみ減量の意識向上により、ごみ処理経費削減につなげるため、平成二十六年度に市内三地区でごみの減量化モデル事業を実施いたしました。その中で、現在、可燃ごみに含まれる雑紙を資源化した場合、市全域で換算すると、約百九十トン、缶、瓶では約百七十トンの減量、資源化効果があるという結果になっております。しかしながら、雑紙を全市的に資源として回収する場合、やはり対象になる紙や排出方法などについて、市民の皆様方に丁寧な説明を行い、十分な周知を行った上で、地域の皆様の御協力を得る必要があるところでございます。 そして、子ども会等の集団資源回収については、九月から雑紙についても補助対象として資源化を行っております。また、隣接の川西町及び三宅町については、本市と歩調を合わせていただくために、定住自立圏構想の中で、飲料瓶の資源化を共生ビジョンの中の連携事業に含めさせていただいているところでございます。 その他の広域化の可能性につきましては、現在、調整・検討を行っているところでございまして、候補地の周辺の住民説明会というのは私どもとして鋭意行っているところでございますが、それ以上の事務組合等につきましては、これを改めて私どもとして整理し、議会にお諮りを今後していく際にまたお答えすべきものというふうに考えております。 続きまして、天理駅前整備事業について、まず、予算額、事業費について御質問ございました。 当初、デザインを発注する際、おおむね十億円を超えない範囲でデザインをしてくださいという表現を使わせていただいたところでございますが、それを予算計上の段階でいかなる理由で約十四億円の状況になっているかについては、本年三月の予算審査特別委員会で御説明をさせていただき、平成二十七年度予算及び平成二十八年度の債務負担行為につき御承認をいただいたところでございます。その際に申し上げました増額要素、次の三点を改めて申し上げますと、やはりキッズスペースや授乳室など、子育て機能、そういった点をしっかり充実させていくべきである。あるいは健康遊具、手すり等を含む安全対策、バリアフリーやトイレ改修など、当初提案にやはりそういった多世代の方に使っていただくという観点から、街づくり協議会の議論の中で付加された機能というものがあったこと。また、ステージ周りの充実、周遊観光や物販の拠点としていくなどが県市包括協定に基づく県予算を使った政策的付加として考えていったこと。さらに、労務単価が二年連続で引き上げられるというような状況の中、資材、人件費の高騰が非常に見られるのが現在の状況であるという三点でございます。 現在は、関係機関と協議をしつつ、設計業務を鋭意進めているところでございまして、基本設計が終わり、詳細設計に入っていっております。設計業務の過程では、予算額を超える数字も出てきたところでありますが、これはあくまでも途中の数字でございまして、詳細設計の段階において、予算の範囲内に確実におさまるように調整をしていくべきものでございます。御議決いただいた予算の範囲内で詳細設計をしていくわけでございますが、その際に、議会にも常々お話をしております、さまざまな地方創生あるいは子育て等の政策目的に沿った本質的な機能を落とさないことはもとより、利用者の目線でさらに居心地のよい空間となるよう、諸般の調整を進めているところでございまして、こうした点を踏まえたデザインの変更につきましては、先般、九月九日に開催されました街づくり協議会において、委員の皆様方にも御了承をいただいたところでございます。また、この県市連携の施策を本県を核として最初に進めてきた結果として、実際に市内のインフラ整備等、県市連携あるいは国との連携のもとで非常に進みつつあるという状況もございますので、予算については、そういった包括的な市の発展、創生の点から議会の皆様方の御理解を得たいというふうに考えております。 また、維持費につきましては、照明計画や構造の表面仕上げ、こういった点を今回変更を行ったことから、維持管理の内容は従来の広場と大きく変わるものではなく、著しい増額はないものというふうに想定をしております。 修繕費は、今回新しく設けられる構造物の耐用年数がやはりおおむね五十年程度であり、小修繕というものは見込まれますものの、従来よりも大幅な増額となることは想定をしておりません。また、経年劣化によるメンテナンスについても、特殊な資材を用いた構造物ではないことから、大きな負担となることはないと考えております。 光熱水費や樹木管理費については、芝生スペースができますので、その部分への散水については新たな負担となりますが、その他広場の照明や水道使用料については従来の使用料と大幅に増額するものではなく、樹木の管理についても現状の樹木をできる限り利用することから、大幅な増額となることは想定しておりませんが、いずれにしても、詳細設計の中でしっかりとした試算を行い、完成後の平成二十九年度予算を議会にお諮りする際に、この維持管理経費については御判断いただくべきものというふうに考えております。ただし、今回、芝生の管理については新しく負担をしないといけないものでございますので、管理のあり方について、今後、地域との協力も含めながら検討をしていきたいというふうに考えております。 そして、防災拠点についてでございますが、天理駅前広場は、災害発生時の二次災害が広域に及ぶ場合の避難地として市内に三カ所選定した広域避難地の一つでございます。平成十五年に完成した現在の天理駅前広場は、災害時における防災機能を有し、その災害への備えとしては、避難場所となる広場スペースの確保、貯水量百トンの飲料水兼用の耐震性貯水槽の設置、駅前広場に隣接する市道の電線共同溝による電線類の地中化などが挙げられます。そして、今回の整備で新たに築造される建造物は耐火構造でございまして、また、品質管理されたコンクリート製の工場製品を現場で組み立てるため、地震の揺れにも強い構造となっており、一時避難者の収容スペースや救援物資の集積所として有効に活用することができます。 今回の駅前広場再整備により、従来から広域避難地としての機能はしっかりと維持しながら、今回の整備によって一時的に生活拠点を確保するための給排水設備の増設や非常時トイレの設置も視野に入れながら整備を進めていくということでございますので、このように今回の整備を進めていくことで、万が一の災害時には、従来からの広域避難所としての機能は十分保持しながら、従来よりも増して機能は充実したものとなるというふうに考えております。 一点、補足として、以前、議員からヘリコプターについての御指摘というのもあったところかと記憶しておりますが、広域避難所の選定において、ヘリポートの設置が可能であるということを考慮事項として挙げております。しかし、市内では、天理高等学校、天理健民運動場、白川ダム運動場、福住運動場の四カ所をヘリコプターの臨時発着場として選定をしております。駅前広場については、広場の構造物等の関係上、当初からヘリコプターの発着場としては選定をされておりません。ただし、今回の整備によって、ロータリーのエリアにおいて、真ん中の築山の部分がなくなりますので、今後の検討はむしろ可能になるのではないかというふうにも考えております。 私からは以上でございまして、残りの質問につき、健康福祉部長よりお答えをさせていただきます。 ○議長(大橋基之議長) 健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(西本宣康) それでは、荻原議員の子ども・子育て支援新制度についての御質問にお答えいたします。 まず、家庭的保育事業等における家庭的保育者について、保育士と同等以上の知識及び経験を有する者と市長が認める者についての御質問でございますが、このことにつきましては、天理市家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準に定める条例第二十三条第二項に規定しております市長が行う研修、これは市長が指定する都道府県知事、その他の機関が行う研修も含みますが、これを修了した者と考えております。なお、本市では、子ども・子育て支援事業計画において、家庭的保育の実施を予定していないため、市独自の研修は現時点では予定しておりません。現在、県では、家庭的保育に必要な基礎的知識、技術などの習得を目的とする基礎研修を実施されており、今後、この研修を修了した者を対象に、保育実習を含む保育の知識・技術の習得を目的とした認定研修の実施も検討中とのことでございますので、これらを活用させていただくなど、必要に応じて対応してまいりたいというふうに考えております。 次に、地域型保育事業所の連携施設はどうするのかという御質問でございますが、これにつきましても、天理市家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例第六条に、連携施設を適切に確保しなければならない旨を規定しており、連携施設がない場合は地域型保育事業所としての認可ができません。スムーズに三歳児の受け入れができる施設と連携していることが認可の条件となっておりますので、認可に当たっては適切に対応してまいりたいというふうに考えております。 次に、地域型保育の保育料についてですが、通常の保育所同様、保護者の市町村民税課税額を市が定める徴収基準額表に当てはめて利用者負担額を算定することとしております。なお、家庭的保育事業におきましては、本市の場合、実施を予定していないため、現在、利用者負担額の設定は行っておりませんが、今後実施する場合には、家庭的保育事業の実態を把握した上で、新たな利用者負担額を設定する必要があるかどうかも含めて検討してまいりたいというふうに考えております。 次に、認定こども園のような直接契約の場合の保育料滞納世帯への対応についてでございますが、基本は各所属園での対応となります。また、利用料の滞納があることにより退所となったような場合には、公立保育所での受け入れによる対応に努めてまいりたいというふうに考えておりますが、現時点ではそのような事例は発生していない状況でございます。 次に、民間保育所に対する天理市の単独補助制度についてですが、現在、民間保育所に対しては、障害児保育資質向上事業費、保育行事費、保育所嘱託医報償費などの補助を行っております。今後も、新制度に係る給付内容との兼ね合いについても考慮しながら、必要に応じて見直しをし、継続していく予定でございます。 最後に、短時間認定の人が延長保育を利用したとき、標準時間の保育料を超える場合の措置はどうするのかという御質問ですが、この場合、保育料についての減額等の措置は設けておりません。本来、就労時間により短時間認定となった方につきましては、八時間以上の保育が常態化しているような場合には、勤務内容の証明書類等の提出により標準時間認定への変更を行い、保護者の就労実態に即した対応を行うこととしております。以上でございます。 ○議長(大橋基之議長) 荻原文明議員。 ◆十四番(荻原文明議員) それでは、引き続きお尋ねをいたします。 まず、精神障害者医療費助成制度の二級への拡充の問題なんですが、先ほど、他の福祉施策で所得の低い方については対応しているというふうな御答弁だったんですが、恐らくこれは生活保護等で対応しているというふうに想像はできるんですが、ただ、先ほど市長もお認めになられたように、奈良県の調査は、全体的に所得が低く、医療費の負担が大きな負担になっているというのが調査結果なんですね。まずそのことを第一義的に考える必要があるのではないかと思うんです。だから、他の福祉施策で障害者福祉を充実させるとかというふうな問題ではなくて、まず医療費の支出が家計の収入の中で大きな割合を占めて、そのことが負担になっている、だから法的に補助をしましょうという、話は単純なんですよね。だから、そこのところに着目せずに、ほかの施策でこのことが実際に医療費の支出負担に困っている方に対して、他の福祉施策でこれを補填することができるんでしょうか。たとえば、生活保護を受給することについては、それも一つの方法だとは思います。しかし、生活保護の受給については、その適用についてはやっぱり極めて厳しい条件があります。二級の手帳所持者全ての方をその対象とするわけにもいきません。ですから、そういう観点がこの医療費助成については必要なんですよね。改めてそのことを最優先にした取り組み、二級まで拡充していくということについてお尋ねをいたします。 それから、一般廃棄物の焼却施設の移転・新設についてでございますが、まず参加市町村が明らかにならないと、先ほど申し上げたように、炉の規模もごみの質も内容も、参加市町村がどういうふうに取り組んでいくのかということ、これも全てわからないんですよね。奈良県が発表した資料によれば、大体大まかな地図によって、この天理・西部等地域で広域化の枠組み(構成市町村)を検討・調整中ということで、具体的な市町村名は載っておりませんから私も言いませんが、大体この地域だということを地図で示しています。だから、これで参加を呼びかけている市町村というのは大体想像はできるんですが、その中でも、十市町村の中でも、当然、参加するかどうかはまだ決めていないわけですから、参加されない市町村も出てくる可能性もありますから、現在のこの参加を呼びかけている市町村名をやっぱり全て住民に明らかにする必要があるというふうに思うので、そうしてこそ具体的な炉の規模も対応も検討することができるし、大型ごみや破砕処理が必要な施設も今後どこかに設置をしていかなければなりませんから、そういうことも含めた検討ができるわけなんです。 ですから、そのことを抜きにして、九月末で参加市町村を明確にして、十二月の議会で一部事務組合の立ち上げをするんだというふうに言われても、検討する材料が、市長からいただいたこの九枚のA三の紙以外にはないわけですから、まずそのことを明らかにしていくことが住民との議論を続けていく基本的な立場に、そういうことが、基本的な立場に立たなければ住民の皆さんと議論できなくなりますから、この点については明らかにしていただきたいと思います。明らかにできない何か理由があるのであれば、教えていただきたいと思います。 それからもう一点、この資料の中にもごみ発電について指摘をされております。ごみ発電を効率的に行う施設として、国補助率が二分の一になるというふうに、こういうふうに書かれているわけなんですが、これについては、恐らく高効率ごみ発電施設だというふうに思うんですが、ただ、この高効率ごみ発電施設というのは、発電効率が、平均するとそれぞれ炉の規模によって発電効率がそれぞれ違うわけなんですが、国のマニュアルでは、発電効率で二三%相当以上(規模により異なる)の施設に限るということがうたわれております。しかも、この二分の一補助にしようと思えば、ごみ処理の広域化というのが一つの条件になっております。広域化、集約化により施設を大型化することが望ましいとはしておりますが、その広域化、集約化、施設大型化というのが一つの条件になっております。先に申し上げた、発電効率が三百トンから四百五十トンまでで一八・五%の発電効率が定められております。これ以上維持しなさいということになってくるわけです。そうすると、分母がゴミ発熱量、つまりごみを投入する量が分母になってくるわけですから、これは一定のごみの量がないと、この発電二分の一補助の対象にならないわけなんですよね。ということは、いま、国、市町村もそうですし、住民も国も挙げて循環型社会をつくろうということで、ごみの三Rと言われる、いわゆるごみの減量化を進めております。そのごみの減量化と矛盾することになるんですね。ごみの減量化をしてごみの量が減れば、この発電効率が維持できなくなってくるわけなんですよね。ですから、そういう矛盾するような施策に乗っかるというのは、やっぱり大きな問題があるというふうに思うんです。この点についてもどのようにお考えかお尋ねしたいのと、それと、もう一点は、ごみの減量化で、本市の場合はさまざまな取り組みをされている中で、やっぱり最後に残ってくるのが、生ごみをどのように資源化していくかということがやっぱり最後に残ってくると思うんです。生ごみの資源化につきましては、全国でもさまざまな取り組みをされているし、においを出さない措置もいろんな方法をする中で取り組まれております。そういうことからいって、やっぱり雑紙の回収も含めた生ごみの資源化あるいは再利用というものをやっぱり本格的に取り組んでいかないと、ごみの資源化率ということをやっぱり五〇%以上、七〇%、八〇%に上げていくことはできないわけですよね。ですから、そういう生ごみの資源化、再利用について、本格的にやっぱりこれから取り組んでいく必要があるというふうに思うんですが、そういう点についてもお考えをお尋ねいたします。 それから、天理駅前再整備事業についてでありますが、これについてまず最初にお尋ねしたいのは、この間くり返しお尋ねをしておりますが、平和のモニュメントが、先日いただいた見直しの資料の中にも、この平和のモニュメントがどこに行くのかということが明らかにされておりません。一部には、この市役所の敷地内に移転するんだという話もありましたが、しかし、せっかくああいう形で市民の募金で建てられたものが駅前に置かれているということが、やっぱり平和に対する市民の願いがそこにあらわれているんだというふうに思います。そういう意味からいっても、あの駅前から移動するべきではないし、移動すること自身がやっぱり無駄遣いになると思います。そういう点で、この平和のモニュメントをやっぱり駅前にきちんと無駄遣いをせずに置いていただきたいというふうな、この点についてもまず最初にお尋ねをいたします。 それから、るる事業費については説明をしていただきました。基本設計の段階での概算工事費約十七億円超については、これから予算の範囲内で十二億五千万円までにおさめていくんだということを言われたわけなんですが、その十二億五千万円でも、当初十億円の計画、じゃ、一体十億円の計画というのは、どこからその数字というのは出てきたのかなという率直な疑問を持つわけなんですが、これ自身も、二億五千万円も当初の予算額を大きく上回っているわけですね。二億五千万円といえば、天理市の財政規模からいえばやはり大きな金額になるわけですから、そういう点からいっても、この駅前再整備事業というのはやっぱり根本的に見直す必要が、もっとソフト面を充実させていく、そういう知恵は、この間さまざまな市民の方あるいは行政側の努力によってアイデアが出されておるわけですから、それらをやっぱり積極的に推進していけば、何もこの駅前を十二億五千万円もかけて再整備する必要はないというふうに思うんです。こうした点について、改めてお尋ねをいたします。 ○議長(大橋基之議長) 市長。 ◎市長(並河健) 非常に多岐にわたりましたので、漏れないように気をつけてまいりますけれども、まず、精神障害者の方への他の福祉施策による医療費の助成と困窮という部分でございますけども、これは、私がお答えをさせていただきましたのは、所得等の関係で必要な医療が受けられないというような状況があるのではないかというふうに御懸念がある場合あるいは御指摘ある場合に対して、いま、先ほどもおっしゃっていただきましたが、生活保護であったり、あるいは福祉医療等の他の施策によって医療費の助成は既に行われている実態は二級の方に対してもあるということを御説明申し上げた次第でございます。その上で、その福祉施策全体の中でどういった助けを必要とされている方に予算配分をしていくかということが、持続可能な中でやっていけるかどうか、これを見きわめることが非常に重要でございますので、現在、私どもとして、他の町村の状況であったり、あるいは手帳所持者の増額の状況、あるいは一級を実施した状況における医療費、こういった部分についての分析を行っているということでございます。 そして、次の質問でございますが、広域化の検討というところについては、私どもとして何かその情報を秘匿しようという意図は全くございませんけれども、やはり広域に参加するかどうかという点は、参加する可能性がある市町村御自身がまずしっかりと御判断をし、関係の皆様との調整を行っていくことが不可欠であるというふうに考えておりますので、現時点においては数字をお示ししている、この点については、各種、いま候補地周辺の説明会もさせていただいているところでございますが、これは本市としての状況ではなく、参加の市町村の方自らがまず御判断をいただいて、しかも、関係の皆さんと調整をされている最中であるということを御理解いただいているところでございます。ただ、今後、仮に広域化をやっていく場合には、やはりスケールメリットのみならず、地域振興を事務組合全体としてやっていくであるとか、あるいは交通量の増加等といった地域の負担をきっちりと押さえていけるように、そういった組合全体としてのルール、こういったものを定めていく必要があるというふうに考えておりまして、そういったリサイクル、ごみ削減に向けた努力の取り組みについても、今後、議会にその事務組合の設立についてお諮りをしていく際に御相談をしていきたいというふうに考えております。 また、国の補助の率に関してでございますが、やはり補助率二分の一というのは非常に大きな要素であることは事実でございます。そして、ごみ発電というものは、循環型のエネルギー社会、エネルギーをしっかり循環させていく社会を実現する上でも非常に重要でございますし、また、仮に災害等が起きた際にしっかり地元で電力を確保していく、こういった防災拠点としての機能というのもいま全国的にこのクリーンセンターには求められているところでございます。また、既にこういった高効率の発電を行っている自治体においては、一定の売電収入というところも得られているところでございまして、こういった点を踏まえながら、ごみ発電についても着実に取り組んでいきたい。ただ、これをやるために、かさを増すためにごみの量を増やそうというのはもちろん本末転倒だというふうに考えておりまして、本市としての広域化を行うことでのスケールメリット、こういった部分について、しっかりと市民の皆さんの御理解を得ていきながら、また、参加の市町村についてもしっかりと認識を共有していった上で、付加価値としてのこの高効率発電、こういったものについて考えていきたいというふうに私どもとして考えております。 また、生ごみの資源化、再利用については、これは非常に私も重要な要素であるというふうに考えておりますので、最新の技術を取り入れられた他の先進自治体の例も参考にしていきながら、また、その生ごみを仮に堆肥化したとしても、一定のペースで使い続けることが各御家庭の負担を考えると重要だということも指摘をされているところでございますので、そういった課題の面も含めてこれは検討をしていきたいなというふうに考えております。 そして、天理駅前整備の関係でございますけども、これは、デザインを発注する際に、おおむねという形で十億円ということをくくらせていただきましたが、やはりそれが実際につくった場合の施工予算が本市としてどうなのかというところについて、昨年三月の予算審査特別委員会、またこの本会議で、本年度予算、また来年度の債務負担行為を議会にお諮りし、議決をいただいたという際に、私どもとしては議論をしっかりさせていただいたという認識でございます。そして、増額している部分もございますが、その点は、先ほど申しましたとおり、街づくり協議会やあるいは市民フォーラムなどを開催した際に、多世帯がしっかりと使っていただく、また、市内のものづくりの拠点として、周遊観光の拠点として、いままた整備を検討しております北部の櫟本の公民館であったり、あるいはトレイルセンター等、市内の各地ともしっかり結んでいこう、そういった政策的な付加価値が加わっていったことによるものであるというふうに私どもは考えておりまして、この点について御説明を申し上げた上で、先の議会で御議決をいただいたものであるというふうに考えております。 また、くり返しになりますが、当初、天理駅前の再整備事業を構想した際には、私ども行政自身として、最初から考えられなかった成果といたしまして、やはりこの件が過去にきっかけになって、初の県市連携協定を本市が県との間で結ぶことができたこと、また、いったん事業化を本市としてもはや県との間でも取りやめになっておったような道路インフラ整備案件が県市連携のものとして県の中でも事業化され、名前がついてきたこと、また、それによって市内全体の交通の流れ等を考え、そして、この天理駅を車の中心としていこう、その際には、やはり一般車両がとまる、駐停車できるようなスぺースも少ないよねというような形で、政策のさまざまな中身というものがいま好循環の段階に入ってきているなというふうに認識をしているところでございます。 今後、整備をしていく上で、ソフト事業をしっかり充実させていくということも、これは議員御指摘のとおり、非常に重要であると考えておりますので、いま街づくり協議会の方では作業部会を設けていただきまして、一週間ないし二週間に一度の割合で、さまざまな幅広い市民の方にも参加いただき、今後、継続的にどういったソフトをやっていけば、周辺商店街の活性にもつながっていくかというような検討もさせていただき、また、実際に、商店街の中では、既存商店の中で新しい商品をつくってみようというような機運も盛り上がりつつあるところでございます。今後しっかりと、投入させていただく予算というのが生き金になっていくように、ソフト面の充実とハードの整備というところをあわせて考えていきたい。また、天理駅周辺のみならず、その効果というものを市内のさまざまな活性化につなげていくことが非常に重要であるというふうに考えております。 平和のモニュメントについて申し上げます。こちらにつきましては、駅前広場の中にいま移設をするというふうに考えておりますけれども、やはり市民の皆様にかつて御寄附をいただき、そこに込められた思いというものも私ども考えまして、十分見えやすい、やはり市民の皆様にとっても最も身近に感じていただけるような場所にしっかりと設置をしていき、今回の再整備事業の中でも重要な要素として考えていきたいなというふうに思っております。 ○議長(大橋基之議長) 荻原文明議員。 ◆十四番(荻原文明議員) 精神障害者医療費助成制度については、七月以降、実施後の分析、あるいは他の町村で実施状況を分析した上で判断を改めてしていただけるということなので、来年度の予算編成作業が間近に迫っておりますから、この点についてもぜひそれとあわせて検討いただきたいと思います。 それから、生ごみの減量化、あるいはその他のごみの減量化についても、これから一部事務組合立ち上げとあわせて検討していくということですので、これについても、引き続き具体的に検討していただきたいと思います。 それから、最後に、天理駅前広場空間整備事業につきましては、やはりこれについては、先ほど申し上げたように、本市の他の公共施設等の老朽化対策、耐震化、あるいは暮らしや福祉の対策、こうした守るという施策をやっぱり最優先にして行政は取り組むべきだという観点から、これについてはやっぱり中止も含めた見直しが必要であるということを申し上げて、一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(大橋基之議長) しばらく休憩いたします。午後一時より再開いたします。             午後零時二分 休憩             午後一時零分 再開 ○議長(大橋基之議長) 休憩前に引き続き会議をいたします。 引き続き一般質問を行います。 次に、十八番、鳥山淳一議員。     〔十八番 鳥山淳一議員 登壇〕 ◆十八番(鳥山淳一議員) それでは、議長のお許しをいただきまして、一問一答方式にて一般質問を行います。理事者をはじめ関係各位の御答弁をよろしくお願いいたします。 初めての一般質問でございますが、市民の皆さんの信託によりこの場に立たせていただいたことを重く感じ、そのことに応えられるよう精いっぱい努める所存です。よろしくお願いいたします。 件名につきましては、市長の施政方針、未来を担う子どもを育てる街づくりに向けた重点にかかわることに関してでございます。それと、安全・安心への取り組みにかかわることに関してでございます。それと、有害鳥獣対策についてでございます。よろしくお願いします。 まず最初でございますが、平成二十七年四月一日、地方教育行政の組織及び運営に関する法律が改正されました。このことにつきましては、先の六月議会でも多くの質問が出ておりました。かねてからの課題でありました首長(市長)が公の場で教育施政について、また施策について協議することができるようになり、地方公共団体としての教育施策に関する方向性がより明確になることや教育行政に果たす責任や役割の一層の明確化がされました。教育課題、教育問題に対し迅速な対応が可能になっていくと、大変この大きな変革については、プラスに捉えておるところです。その協議・調整の場としての総合教育会議、これは全ての地方公共団体に設置義務がありますが、本市におきましても、六月四日より市長が総合教育会議第一回を招集され、本市の教育大綱策定に向けた協議と調整を進められてきました。現場の意見聴取を図りながら、六月の第一回の会議から七月、八月、九月にわたり、計五回の総合教育会議が行われ、天理市の教育大綱案が練られました。現在、来月の十月よりパブリックコメントをとるところまで来ております。大綱の策定により、天理市の教育・文化・学術がますます充実し、発展して、子どもたちにとって、市民にとって魅力ある学びが生まれてくると思います。 さて、施政方針の中の未来を担う子どもを育てる街づくりの方針の具現化に向け、これまで以上に、また、新たな本市の教育・文化・学術振興の具体的重点施策はどのようにお持ちになられ、どのように示されておられるでしょうか、お聞きしたいと思います。 ○議長(大橋基之議長) 市長。     〔市長 並河 健 登壇〕 ◎市長(並河健) 鳥山議員の御質問にお答えをさせていただきたいと思います。 議員御指摘のとおり、将来を担う子どもを育む街ということで、子育て環境あるいは教育を充実させていくこと、これはもう将来を担っていく子どもを育む上でも、また、本市のいまの人口構成からいって、二十代後半から三十代にかけて現役世代が流出していることをあわせ考えますと、現時点でのまちの活性化の上でも非常に重視をさせていただいているところでございます。 本年度、新教育委員会制度が開始をされ、新たなスタートの年であるわけでございますけれども、総合教育会議においては、子育て及び教育に関して本市が目指す方向性について協議・調整を行いまして、いま、柱といたしましては、自らの力で未来を切り開いていく力を持った人づくり、子育て環境の整備とコミュニティづくり、誰でもどこでも学び合える環境づくり、そして、人も自分も大切にする確かな人権感覚づくりの四つを柱といたしまして、幼稚園、保育所・園、そして小中学校の連携や教育の環境整備について、教育大綱案の検討・議論を進めまして、先ほども御指摘ございましたが、十月一日から十一月二日までの間、パブリックコメントを実施し、策定をしていくという予定になっております。 また、先ほど申しました認識から、現在策定中の天理市総合戦略、これは地方創生に関するものですが、子育て・教育に係る方向性、非常に重要な政策分野であると考えておりまして、その部分については教育大綱と総合戦略を双方関連づけて、連携をさせて、お互いに盛り込んでいくということでございまして、例として申し上げれば、教育大綱の中においても、人づくりとまちづくりをつなぐ重点施策として、学校図書館及び特別教室の市民・地域への開放、あるいは放課後子ども教室、土曜講座の推進、そして、高校・大学との連携、また、ICTを活用した学習内容の充実、こういった項目を掲げておりまして、今後、総合戦略と一体的に取り組みを推進していきたい、かように考えております。 ○議長(大橋基之議長) 鳥山淳一議員。 ◆十八番(鳥山淳一議員) ありがとうございました。 市の将来を担う子どもたちの成長を支援し、人づくりとまちづくりを結び付ける力強い方針をお聞かせいただきました。総合教育会議が今後の天理市の人づくり、まちづくりを結び付ける協議と調整の原動力としての場となっていくことを期待いたします。 本市では、これまでも教育予算について手厚い配慮をいただいているところですが、重点施策にもありますように、学校図書館及び特別教室の市民への開放、また、放課後子ども教室、土曜講座の推進といった、今後、子どもたちの生きて働く力や幅広いコミュニケーションづくりにも大切な取り組みがございます。また、この取り組みも各地で実践しておられるところでございますが、これからこの取り組みを進めるに当たり、重点施策推進に向けた財政的なウエート、予算化についてのお考えはどのようにお持ちでしょうか。 現在、教育予算については、本当に隅々にわたり活用されているところでございますが、大変、市の財政等もございますので、かなりぎりぎりのところまで来ているかというふうに思います。その辺、お聞かせいただくと共に、また、スーパーバイザーを招くなど、ワーキングチームの必要な面がこれから出てくるのではないかというふうなことを思います。今後の総合教育会議の運営についてのこの部分も、ワーキングチームの予算化をしていくという部分についてもお聞かせをいただければというふうに思います。お願いします。 ○議長(大橋基之議長) 市長。 ◎市長(並河健) 教育大綱に基づく先ほど申し上げた施策につきましては、地方創生の総合戦略とも絡めているという中で、新型の交付金も含めた財源の確保というのをしっかりと図っていきながら、来年度からの予算措置に向けて議会にもお諮りをしていきたい、一歩一歩でも進んでいきたいというふうに考えているところでございます。また、その際には、幼保小の連携あるいは小中の連携といったような取り組みの充実を図っていく上で、いま総合教育会議の中で諮っておりますこの教育大綱の実施、これにはアクションプランのような具体的な施策の塊があるわけですが、そういったことの実施をやっていく上で、適時、必要な専門の方のサポートも受ける体制をとっていければなというふうに考えております。 そして、教育予算というところについてでございます。予算についていま御言及をいただきましたので、若干蛇足かもしれませんが、申し上げますと、午前中のこの議論において、駅前の整備計画というものが、あたかも教育予算であったり福祉の予算、そういったものを圧迫し、それができていないかのような御指摘もいただいたところでございます。この点については、市議会の皆さんの御認識としても、また、市民の方の御認識としても非常に重要な点でございますし、また、いま現在、そのさまざまな事業に取り組んでいただいております市役所職員の士気にも大きくかかわる部分でございますので、改めてこの場をおかりして申し上げれば、私、就任をさせていただいて以来、前栽の小学校については、五年かかるはずであったものをいま一・五年ということのペースを早めて、新設を含む改修計画というのをやっておりまして、非常に早いスピードで職員も頑張ってくれて、いま子どもたちも、改修部分については、新しくなった施設で喜んでくれているところでございます。また、丹波市小学校、福住小学校の耐震化、こういったことにも取り組んでまいりましたし、従来この放置されていた状態の保育所の耐震というところについても、嘉幡保育所の耐震診断と、そして本年度中の整備というところもやっており、また、櫟本公民館の改修というところについてもいま取り組んでおると。あるいはメディカルセンターの新築というところにも取り組んでいる状況でございまして、一体どこに、いささかでもそういった教育福祉施策において、ペースがその予算をくったことによって乱れ、あるいは遅れているのかというような思いを強くさせていただいております。 私ども、やはり今後必要なのは、市の負担と申しますのは、その年度の会計からの持ち出しの部分と、あるいは市債の組み合わせ、あるいは国や県からの交付金といったこと、あるいはほかの事業と絡み合わせた上での資金の流れをつくっていくということも非常に重要でございますので、そういったことを一体的に捉えていく必要がございますし、また、さまざまな市の施設がある中で、使えるものはしっかりと使っていくという形で予算を効率化していきながら、先ほどの図書館や特別教室の地域への開放ということもそうですが、これまでの用途制限にこだわることなく、この機能もさまざま多機能化していって、相対として市の活性化あるいは市民のサービス向上というところに結び付けていくことが非常に重要だというふうに考えております。そういった上で、これから山の辺小学校であったり、こういった点は、体育館の改修等も控えておるわけでございますが、ファシリティマネジメントの観点から着実に取り組んでいきたいというふうに考えておりますし、必要な教育予算の確保というところについても着実に実施をしていきたいと、さように考えております。 ○議長(大橋基之議長) 鳥山淳一議員。 ◆十八番(鳥山淳一議員) ありがとうございました。 子どもたちの教育、保育、子育て支援、そして人づくりに予算を手厚くしていただくことは、本当に未来への先行投資にほかなりません。保育や教育の現場では、人や物を増やす必要性はございましても、それをなくすということは本当に大変な結果を招くことにつながっていきます。根幹である保育所、幼稚園、小中学校の教育環境充実にもいまお言葉をいただきましたので、本当にありがたい、このことが天理市の魅力を高め、まちづくり、人づくりにつながる戦略になっていくことを期待しております。また、そのためにゆとりを持っていただくような予算の配置という、たとえばそれぞれの保育・教育の諸課題に対して、人員の配置の方、それから、配置の現状維持であるとか、やっぱり必要な部分につきましては、必要な支援につきましては、人員の方をまたお考えいただくというようなこともあわせてお願いをしておきたいと思います。ありがとうございました。 次に、具体的な方針・施策として、来年の平成二十八年四月に学校教育法が一部改正されます。新たに義務教育学校が入れられます。これにより、小中学校の壁を払い、連続性のある教育が可能になり、中一ギャップという子どもたちの負担が和らぐことにもつながり、不登校やいじめ対応にもつながっていきます。また、学力向上についても、このことは一定の成果が上がる内容であります。つまり、小中一貫というふうなことが一番いま問われている時期じゃないかと思います。特色ある教育活動、小規模学校の運営にもかかわりながら、来年一月におきましては、奈良市の方で小中一貫の全国サミットが開催されます。 このように、本当にいま重要な義務教育学校としての論議がされて、また実施がされているところでございます。六月の議会でもさまざまに小中一貫、新しい義務教育学校ということで取り上げられていました。ただ、この重要なウエートを占める部分につきまして、やはり市の規則の改正、それからカリキュラムの編成、すぐにできるというものではございませんので、このことへの本当に推進体制、推進計画、そういったプロジェクトチームを含めまして、計画が大切であると思います。現時点で市としてその推進に向けての具体的なことをお聞かせいただけたらと思います。よろしくお願いします。 ○議長(大橋基之議長) 教育長。 ◎教育長(森継隆) 鳥山議員の御質問にお答えいたします。 議員も御承知のとおり、このたびの学校教育法の一部改正により、平成二十八年度から、小中一貫教育を実施する義務教育学校が創設されることになり、市町村教育委員会等の判断で、既存の小中学校等を義務教育学校にできるようになりました。今回の教育大綱(案)にも盛り込みましたが、本市におきましては、まず過疎化対策として、少人数制の魅力を生かした英語教育やICT教育を中心とした魅力ある学校づくりを推進すると共に、中学校校区ごとの小中連携として、小中学校の教職員の相互交流、中学校教員が小学校で授業をしたり、また九年間を見通した指導計画を小学校から組み立てるなど、基礎づくりを進めていきたいと考えております。 そして、今後は、先進地域の取り組みに学んだり、議員御指摘の専門家の知見をいただくことも検討していきたいと考えております。そうした中で、課題や成果を検証しつつ、天理市の実態に即した小中一貫のあり方を模索してまいりたいと考えております。 ○議長(大橋基之議長) 鳥山淳一議員。 ◆十八番(鳥山淳一議員) ありがとうございました。 市の少子化対策にも合わせながら、少しでも早い推進計画を立てていただき、現実に歩み出していただくことを要望したいというように思います。よろしくお願いします。 続きまして、市における就学前教育の部分で、こども園というのがございます。これについて、さまざまな遊びの体験や生活の体験、人との出会いによる社会性づくりなど、人格形成の上からも、かねてより就学前の子どもたちの幼児教育や保育が大切だと言われることが取り上げられてきております。就学前の幼稚園と保育所の連携が子育て支援の視点で、また、地域の実情や保護者のニーズに応じて選択が可能となる幼稚園と保育所の両方の機能のよいところをあわせ持つ施設として、認定こども園がございます。 本市におきましても、山田の方で認定こども園がございますが、またこれは少し形が違うところかとも思いますが、平成二十七年の四月で認定こども園の数は二千八百三十六園全国でございます。子育て支援の方針もあり、平成二十六年から平成二十七年にかけて二倍強に膨らんでおります。認定こども園につきましては、保護者の八割程度がいいという評価を出しているところでございます。県内にも増えていく方向がございますが、こども園構想は、教育・保育の一体化として今後市の進むべき方向と考えております。人数は少なくなっておりますが、園舎は新しい幼稚園の建物、そして、かなりの年数が経ちながら続けて、古くなってきている保育所の実情ということがあるかと思いますが、このこども園につきましても、なかなかすぐにはできるものではございません。これについて、市の方針といたしましては、どのような推進の方向性や、また、総合戦略に相まっての部分をお持ちなのか、お聞かせいただきたいと思います。 ○議長(大橋基之議長) 市長。 ◎市長(並河健) ただいま鳥山議員から御質問ございました認定こども園でございますけども、これは、幼稚園、保育所の機能や特徴をあわせ持つ施設ということで、幼稚園、保育所においてこれまで蓄積をされてきた指導方法などを生かして、一人ひとりの子どもの発達段階に応じたより質の高い教育・保育を提供することにより、生涯にわたる人格形成の基礎を養うことが期待されているというふうに認識をしておりまして、現在、公立の認定こども園は、やまだこども園だけでございますが、今後のこども園のあり方について、昨年、教育委員会健康福祉部の関係職員からなる幼稚園・保育所のあり方検討プロジェクトチームというのを立ち上げまして、議論を重ねてきたところでございます。 その内容といたしましては、保育需要の増加や幼稚園に余裕教室が生まれていることなど、本市の就学前児童に対する教育・保育等の現状についてを確認いたしまして、課題等の認識の共有を行うと共に、今後予想される施策の提案とそれぞれのメリット、デメリットの整理を行ってまいりました。 今後は、市内にある教育・保育施設の状況を十分に把握すると共に、一方で、私、先般、嘉幡保育所の耐震診断の後、新施設を急遽つくっていくに当たって、保護者の皆様方との意見交換の会も持たせていただきましたが、やはり現在の保育所施設に対する地域、保護者の方の非常に強い思いというのも改めて感じさせていただいているところなので、そういった思い、地域の方々のお考え、こういったものもあわせて考慮していきながら、方向性については考えていかなければならないと。そのこども園をつくっていくことによる、あわせていくことによる費用面のみならず、お子様方のこの就学前における教育の質を高めていくものなんだということについて、しっかり市民の皆様方にも御理解いただくことが非常に重要かなというふうに考えておりますので、引き続いて議員の御指導、また御鞭撻もお願いしたいというふうに考えております。 ○議長(大橋基之議長) 鳥山淳一議員。 ◆十八番(鳥山淳一議員) ありがとうございました。 いわゆる保護者、市民の方への啓発、それから、どんなものかということが恐らくわからない方がたくさんおられると思います。やっぱりよくファシリティマネジメントの部分からも、二つのものを一つにしていくというのはかなりエネルギーが要ることだと思いますが、その効率等をお考えいただいて、また進捗の方、十二分に御検討いただけたらなというふうに思います。 続きまして、安全・安心への取り組みのところに関して御質問したいと思います。 まず一点目は、空き家問題についてでございます。 本年五月二十六日、空き家対策特別措置法が国の方で施行されました。この施行に見るように、空き家については、総務省の調べによると、平成二十五年で、総住宅数に対し空き家率は一二・八%と、非常に高い数字がございます。これは全ての空き家でございますので、個人住宅につきましては、約三分の一の、それでも四%強の空き家があるという事実、割合が出てきております。全く全国的な問題となってきている空き家問題でございますが、この空き家対策特別措置法の目的は、地域住民の安全、環境の保全、空き家の活用促進、公共の福祉と地域の振興の貢献等に対する基本方針を自治体が推進していくのに必要な対策として定めようというふうなことでございます。 災害時、倒壊の危険や青少年のいわゆる居場所になってしまう。そして、火事やいろんな事件、事故の危険性の問題もございます。これまでの本市の空き家への取り組みについて及び空き家対策特別措置法施行後の空き家条例制定に向けて、本市ではどのようにお考えかお聞かせいただければというふうに思います。よろしくお願いします。 ○議長(大橋基之議長) 市長。 ◎市長(並河健) ただいまの鳥山議員の空き家についての御質問についてお答えをさせていただきます。 空き家については、大きく分けまして、地域の安全、また防犯対策といった部分と、また利活用という部分と二つの流れがあるかなというふうに考えておりますけども、本市としては、当初この空き家対策に関する条例制定に向けて事前の準備を行っておりましたが、先ほど御言及いただいたように、特別措置法が平成二十七年五月二十六日に施行されたということで、いったんその独自の条例というところからこの法律の内容の精査というところに切りかえをさせていただいたところでございます。それを受けまして、六月に関係の十一課が集まって、今後の空き家対策に関する連絡会というのを開催いたしました。 本市の取り組みといたしましては、空き家コンシェルジュとの連携による空き家相談会の開催、あるいは空き家の福祉目的の利用や保安上適切でない空き家の解体除去等の適正な管理についての検討と、こういったことを実施してきたところでございます。また、空き家等の情報の収集、計画策定、協議会設置のための体制整備、こういったことを今後進めていきたいというふうに考えております。 そして、保安上適切でない空き家につきましては、これまで安全、交通、防犯、環境などの苦情に関係課がそれぞれに対応してきたわけでございますけれども、特別措置法に基づきまして、市長と地域住民の御代表、市議会の議員、そして、法務、不動産、建築、福祉、文化等に関する学識経験者等で構成される空き家等対策計画の作成及び実施に関する協議会を設置し、今後、協議会において特定空き家というふうに決定をされますと、勧告、代執行等の措置を講ずるということになっております。 今後は、空き家の利活用や保安上適切でない特定空き家等の管理についてなど、本市としての方向性を示してまいりまして、また、情報を集約し、市民に対する窓口の一本化というような体制を整え、プロジェクトチームを組織した上での空き家対策を推進していきたいと考えております。 ○議長(大橋基之議長) 鳥山淳一議員。 ◆十八番(鳥山淳一議員) ありがとうございました。 安全・安心なまちづくりの視点でいまお答えいただきました。保安上問題となる特定空き家に対する取り組みの方、どうぞ推進の方よろしくお願いしたいと思いますし、やっぱり空き家が見込まれるところを、少しでも有効利用するということも含めまして推進していただければと思います。あと、いまのお答えにも出ていましたが、やはりワンストップ、困られている市民の方がそこに行けば話を聞いていただき、対応もしていただける、そういったワンストップ対応ということ、いまお答えいただいたんですが、この方もあわせてお願いいただけたらと思います。ありがとうございました。 続きまして、平成七年の阪神淡路大震災、先の平成二十三年、東日本大震災では甚大な被害をこうむり、尊い大勢の大切な命が犠牲になっております。今後には、南海・東南海地震も想定されているところでございますが、過去の災害時から、私たちはライフラインの確保の重大さとその難しさに気づかされました。阪神淡路大震災時には、水道施設の復旧に約三カ月の時間を要しています。水資源確保については、本市では、災害時を予期しながら施設を御用意されているというふうに思います。災害時、水資源確保にどのような計画をなされているか、このことにつき、水資源、飲料水並びに生活用水、この二点の視点からお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。 ○議長(大橋基之議長) 総務部長。 ◎総務部長(河北性治) いま、災害時の水資源確保としてということでの回答を述べさせていただきます。 災害時の飲料水の確保につきましては、備蓄物資といたしまして二リットルペットボトルで長柄防災倉庫に四百二十本、また、コカ・コーラウエスト株式会社に一千三百八十本、合計一千八百本の備蓄をしております。また、防災協定事業所等の協定におきまして、災害時に飲料水、食料などを市民生活共同組合ならコープ、またイオン株式会社等から提供いただける体制となっております。さらに、天理駅前広場におきまして、百立方メートル(十万リットル)の耐震性の貯水タンクが設置されておりまして、一日二リットルのペットボトルで五万本を飲料水として使用することができるとなっております。 また、固定式の飲料水の精製装置を市内四カ所、天理北中学校、天理南中学校、福住小学校、二階堂小学校の四カ所に設置し、プールの水をそれぞれ一日八時間稼働して、四千リットル(二リットルのペットボトルでは二千本)を飲料水として精製できることになっております。これらを災害時の飲料水として確保しておるところでございます。 また、災害時の井戸水の有効利用につきましては、災害時に水道の給水が停止した場合に、飲料水以外の洗濯やトイレ等に使用できる生活用水として、平成二十一年度から、天理市災害時生活用水協力井戸登録事業を行っておるところでございます。今後も、引き続き広報紙やホームページ等で啓発し、登録の協力を求め、災害時の生活用水を確保してまいりたいと思っております。以上でございます。 ○議長(大橋基之議長) 鳥山淳一議員。 ◆十八番(鳥山淳一議員) ありがとうございました。 平成十六年の新潟中越地震、この災害時には、水道が止まり、困った住民が生活用水の確保に井戸水を復活させ、御近所にも提供されたとのことがございます。被災経験地では、今後の対策として、市民が自宅で使用している井戸水をこういった有事の生活用水としての有効利用を計画推進しているというふうに聞いております。このことは、近畿圏におきましても、兵庫県、大阪府、京都府、滋賀県で実施されています。県内では奈良市と御所市が取り組んでおられるように聞いております。天理市においても、いまお聞きしました事業がございますが、どうぞ水資源、生活用水の確保に、また啓発、それから協力していただける家庭を少しでも多く持っていただけるようにお願いしたいと思います。また、兵庫県では、災害時の避難所に指定されている小学校七百六十カ所に、生活用水として利用できるよう、井戸の設置を三カ年計画で予算化しているとも聞きます。災害時に被害を未然に防ぐといった予防の観点からも、先ほど申し上げました井戸水を生活用水の確保に提供していただける御家庭の確保と、また御協力の依頼の方、どうぞあわせてよろしくお願いしたいと思います。 続きまして、青少年を巻き込んだ事件が発生し、多くは悲しい結果に終わることが多くなってしまい、私たちの心を痛めているところです。防犯の上で、通学路の安全対策として、教育機関近辺での防犯カメラの設置状況、これは先ほど同僚議員の質問にもございましたが、いわゆる通学路の安全対策といったところで、防犯カメラの設置状況をお聞きしたいと思います。 また、街灯につきましても、同僚議員の質問がございましたので割愛いたしますが、いわゆる市民のニーズとして、非常に防犯灯、街灯の希望が多いということがございます。安全・安心の明るいまちづくりにやはり防犯灯、街灯が効果が高いと思いますので、この拡充も期待したいと思います。防犯カメラの部分だけ、通学路にわたっての範囲でよろしくお願いしたいと思います。以上です。 ○議長(大橋基之議長) 市長。 ◎市長(並河健) 先ほど仲西議員からの御質問の際にもお答えさせていただきましたけれども、特に街頭防犯カメラは、犯罪の抑止及び犯罪の客観的な立証について極めて有効な手段であるというふうに認識をしておりまして、県内でも、香芝市内での女児連れ去り事件がございました。また、寝屋川の先般の大変痛ましい事件もあった中で、現在、本市内では、天理駅前の地下駐輪場に防犯カメラが設置をされているほかは、民間主体となって、前栽駅前の駐輪場と本通り商店街に設置をされておると。その他については、それぞれの金融機関、コンビニ、パチンコ店などに計七十一カ所ついているというのが現状でございますが、今後、この状況をしっかり通学路も含めて見ていった上で、天理警察署等と設置箇所についても協議をし、JR、近鉄各駅前、公園等、そして通学路に対する防犯カメラの設置について全市的に検討し、速やかにこの設置を進めていきたいというふうに考えております。 また、自治会等から街頭防犯カメラの設置に関して申し出をいただきましたならば、県の補助金を含め、その都度、必要な経費の確保についても協議をさせていただきたいと考えておりますが、これも先ほどと重複いたしますけども、街頭防犯カメラの設置・運用に関しては、個人的な運用による場合を除きまして、本市が設置する場合を含めて、個人の肖像権、プライバシー権の保護との関係から、その設置・運用に関しては、やはり管理責任者やデータの保存、取り扱い等に係る基準を定めた運用基準の策定が必要になるというふうに考えておりまして、今後、防犯カメラの設置及び管理運用に関するガイドライン、これを作成し、市の広報紙やホームページでもお示しをさせていただく方向で準備を進めてまいりたいと考えております。 ○議長(大橋基之議長) 鳥山淳一議員。 ◆十八番(鳥山淳一議員) ありがとうございました。 本当に痛ましい事件を未然に防ぐということの取り組み、大切なことやと思います。それにかかわって次の質問なんですが、やはり一番安全対策として大きいものは人の流れやと思いますし、私たちのいわゆる目で見る、そういった部分のことが、見守るといったことが大切なことだというふうに捉えておりますが、天理市の方では、平成九年、天理市安全で住みよいまちづくりに関する条例が制定されております。その中で、生活安全に関する市民の自主的な活動の促進が市の施策として明記されております。また、その第四条で、市民の安全活動に対する協力がうたわれております。県では、平成二十年に安全で安心して暮らせるまちづくりの推進に関する条例が制定され、安全で安心して暮らせるまちづくり推進を基本として、地域住民の役割が示されているところでございます。現在、市内の自主防犯として、安全・安心ボランティアの組織、集まりについてはどのようになっておられるか、もしそういうものがあればお聞かせいただきたいと思います。 ○議長(大橋基之議長) 総務部長。 ◎総務部長(河北性治) 安全に向けた地域ボランティアへの働きかけについてどのように進められているかということについての御質問に対してお答えいたします。 先ほどの防犯カメラに対する御質問にも関連することでございますが、防犯カメラは、見守り活動に従事していただいている地域の自主ボランティア団体の皆様によるパトロール活動と相まって、犯罪予防に係る効果がより絶大なものになるものではないかと考えているところでございます。 また、本市におきましても、議員が先ほど述べられましたように、平成九年十二月に天理市安全で住みよいまちづくりに関する条例を制定いたしました。これに基づき、街頭啓発、パンフレット・啓発物品等の作成・配布、天理市安全・安心メールや広報紙、ホームページ等を活用した情報発信をしておるところでございます。また、防犯ボランティア着用ベストの配布、傷害保険への加入、各種啓発集会への参加、また開催等による市民の自主的な活動に対する支援をしているところでございます。さらに、防犯灯設置補助、地域・子ども一一〇番の家の設置と講習会の開催などの防犯環境の整備をしているところでございます。その他、下校時間帯における、校歌を流しながら青色防犯パトロールなどに取り組んでいるところでございます。 現在も、これらの活動を通じて、地域のボランティアの皆様との交流・協働を図っているところでございますが、安全・安心して暮らせるまちは市民生活の基盤となると考えていることから、連絡会の開催等による情報発信、情報の共有など、地域ボランティアの支援、活性化に向けた取り組みや地域のボランティアの皆様との交流・協働を図ってまいりたいと思います。以上でございます。 ○議長(大橋基之議長) 鳥山淳一議員。 ◆十八番(鳥山淳一議員) ありがとうございました。 それぞれの市民の皆様、住民の皆さん、安全・安心については危惧をされているところもありますが、なかなか組織としての集まりについては成立しにくいという部分がございます。これについては、やっぱり意識を変えていくといった中身、それぞれで安全・安心のまちをつくるという気風を天理市の方で持てるように、また、この連絡会の充実、そして、やっぱり安全・安心に対する啓発の方をあわせて今後もお願いをしたいと思います。 次に、市内の農産業、特に高原地域の農産業推進から、有害鳥獣対策としてどのような取り組みをされているかお聞かせいただきたいと思います。 市内の農作物生産者、特に高原地域での農業従事者の皆様より頻繁にお聞きしますことは、鳥獣被害についてのことがございます。特にここ近年、鳥獣被害については、とりわけもう本当につくったものが実らずに鳥獣被害に遭ってしまうんだというようなところをよく耳にし、確かに著しく鳥獣被害が増加しているように思いますし、大変その対応に農業生産者が苦慮をしておられるところでございます。本市におきましても鳥獣被害の対策を実施しておられますが、イノシシの捕獲数でございますが、平成二十五年から平成二十六年にかけて、約三倍の捕獲数があったようでございます。この数だけでもすごいなと思うんですが、実際はもっとたくさんの鳥獣被害が出ていますし、きっと個体数が環境の変化等で減ってきていない、ますます繁殖しているんじゃないかなというふうなことをこの数字から思うところでございます。 これにつきましては、全国的な問題でもあり、農林水産省から、平成二十年には、鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置法に関する法律が施行されております。本年五月にも、それに基づく被害防止計画の作成の推進についてが通知されているところでございます。県におきましても、県農林部鳥獣害対策本部を設置してその対応に当たっていますが、やはり捕獲し、個体数を減らすために、駆除していく方法しか見つけられない、解決の一番近い道は駆除する方法だということを聞きます。いわゆる鳥獣の個体数調整を進めていくことについて、特に本市でイノシシやカラスといった有害鳥獣対策として、取り組みはどのように進められているのかお聞きしたいと思います。 ○議長(大橋基之議長) 環境経済部長。 ◎環境経済部長(北門克之) ただいまの御質問にお答えいたします。 自然環境の変化により、鳥獣の生態系も大きく変わり、イノシシや鹿などの鳥獣による農作物への被害が全国的に問題となっております。本市では、有害鳥獣対策として、平成二十一年度より天理市鳥獣害防止対策協議会を設置すると共に、天理市鳥獣害防止計画を策定して取り組んでおります。今年三月に山添村と交わしました定住自立圏の形成に関する協定書の中に、鳥獣被害防止対策の推進にかかわって連携することを盛り込んでおります。 個人で防護柵や電気柵を設置される場合には、市の方から補助金を交付しておりますが、申請方法としましては、市だけでなく、農協の支店にも窓口を設けさせていただいております。平成二十六年度は、二十三件の申請で、約六十万円を交付させていただきました。なお、個人単位ではなく、もっと大きな集落単位や地域単位で囲うことがより効果的であるため、広範囲に囲う場合に、国の補助金が直接集落に交付されます。平成二十六年度は、藤井町で約三キロメートル、今年度は下仁興町で約五キロメートルを囲う計画をされております。 しかしながら、柵で囲っていないあぜを掘り返したり、土手を崩したりします。また、柵の管理が不十分であったりすると、完全に防護することはできません。最近では、イノシシが民家のそばまで下りてきていると報告を受けております。このままでは鳥獣は増える一方ですので、根本的には鳥獣そのものの数を減らすこととこれ以上増やさないことと考えております。カラスも含めた鳥獣の駆除には狩猟免許が必要となりますので、猟友会天理支部に協力を依頼して、銃器やわな、捕獲おりなどで駆除してもらっております。その際、猟期以外にも駆除ができるよう、有害鳥獣許可証を交付して、ほぼ年間を通じた駆除ができるようにしております。 鳥獣の餌となるものを排除して、集落や人里に寄せつけないようにすることも大事なことでございまして、集落や地域の皆さんと一体になって取り組むことが必要と考えております。そのため、集落を対象に「獣害対策の手引き」を配付し、講師を招いて講演会を開催したり、勉強会への参加案内をするなど、鳥獣対策について、集落として、地域としてどのように対応すべきか、啓蒙・啓発にも取り組んでおります。 捕獲おりは地元からの要請により設置しておりますが、従来から、おりの日常管理及び駆除後の処分については地元にお願いしております。小さなものはいいのですが、少し大きなものになると、市のごみ焼却炉では完全に燃やすことができない上、埋めるような市の土地もございません。どうしても地元で処分できない場合は、猟友会の方に無理をお願いすることもありますが、現状では、処分については地元の御協力と御理解をお願いしている中で、御協力いただくことへの市の関与については引き続き検討してまいります。 今後につきましては、猟友会の皆さんも高齢になってきておられますので、若い方や地元集落の方にも狩猟免許の取得を呼びかけると共に、捕獲後の処分につきましては、広域的に利用できる処分場や専用の焼却炉の設置などを国・県などの関係機関へ働きかけると共に、冒頭に申し上げました定住自立圏構想の山添村をはじめ近隣市町村と情報交換や連携を図りながら、有害鳥獣を減らすことはもちろんでございますが、集落や農地へ寄りつかない環境づくりを進めてまいる所存でございます。以上でございます。 ○議長(大橋基之議長) 鳥山淳一議員。 ◆十八番(鳥山淳一議員) ありがとうございました。 野生鳥獣にかかわる問題ですので、大変難しいところも多いかと思いますが、やっぱり個体数、野生鳥獣そのものを減らしていくことが、御回答にもありましたように一番の道でございますが、現在、捕獲おりにつきましても、天理市内で二十九基というふうにお聞きしております。ただ、その数で一年間に三倍に増えているものを対応できるのかどうかという点もまた御しんしゃくいただきながら、検討を進めていっていただきたいと思います。 あわせて、農業従事者の方の高齢化という問題もございます。あわせてそういった狩猟をされる方についても高齢化が進んでおるところは否めない事実かと思いますので、そういうものもあわせまして、先ほどの安全・安心の視点からも、高原地域の豊かな農産業促進、農産業に若者が目を向けられるような、後継者の育成、やる気を持っていただけるような意味でも、やっぱりいまお困りになっておられる農業生産者の方に寄り添った支援の方をお進めいただけたらというふうに思うところでございます。ありがとうございました。 以上で一般質問の方を終わります。誠意ある御回答、ありがとうございました。 ○議長(大橋基之議長) 次に、十一番、寺井正則議員。     〔十一番 寺井正則議員 登壇〕 ◆十一番(寺井正則議員) 議長の許可を得まして、質問通告書により、一問一答方式で一般質問をさせていただきます。理事者並びに関係部局におかれましては、前向きで的確な答弁をよろしくお願いいたします。 私の今回の一般質問は三件ございます。一件目は若者の夢へのチャレンジを応援する取り組みについて、二件目は主権者教育について、そして、三件目は移動式赤ちゃんの駅の導入についてであります。 初めに、若者の夢へのチャレンジを応援する取り組みについてでありますが、最近では、学生を中心に、若者が将来の夢を実現するためのチャレンジに対し自治体として助成金を支給するなど、若者を応援する取り組みを行う自治体が出てきております。子どもや学生の夢を育み、夢へのチャレンジに対し地域を挙げて応援することは、地方創生のため、地域の魅力創造にもつながる重要な施策であると考えられます。 現在、検討中の天理市まち・ひと・しごと創生総合戦略の天理市人口ビジョン(案)の中においても、天理市においては約六千人の生徒が在籍し、その動向は本市の人口構造、社会増減に一定の影響を与えており、その存在は地域のにぎわいを支えており、若者が交流するまちということが特徴になっております。この若者世代のニーズ、能力、活力をいかに生かしていくかが本市が持続的に成長を遂げていく上で重要なポイントとして挙げておられます。 愛知県小牧市では、今年度、子どもの夢のチャレンジを応援する新規事業として、海外でのボランティアや地域活動など、学生が自ら考えて企画した活動に対し、三十万円を上限に経費の一部を助成する「夢にチャレンジ助成金」を創設しました。学生など、若い世代の夢の実現に向けた活動を促すことを目的として、一つのきっかけとして経済的に支援するものであります。応募資格は、原則市内在住の高校生から二十五歳以下の学生で、対象となる活動内容は、海外での語学研修やインターンシップ、ボランティア、フィールドワークなどで、新たに企画される活動であれば、特に制限を設けておりません。市は、募集期間を設けた上で、一次審査となる書類審査を経て、応募者による公開プレゼンテーションを行い、市として六件程度採択するものであるということであります。なお、今年度は、六月二十一日に行われたプレゼンテーションを受けて、当初申請のあった七件中五件が採択となり、海外への渡航費や地元で行うイベントに係る費用の一部などに対し助成金が支給され、既にそれぞれ活動に入っています。助成を受けた場合の活動期間は、平成二十八年の二月十五日までとなっており、その後、三月末までに実績報告会を開催し、活動の内容を発表する場を設ける予定であります。今回の小牧市の事業は、市の基本計画に掲げる都市ビジョンである「こども夢・チャレンジナンバーワン都市」の実現に向けて、子どもの夢を育み、夢へのチャレンジを応援する事業の一つとして実施されました。 また、新潟県燕市では、若者の主体的な活動を応援し、燕市の将来を担う人材を育成することを目的に、夢の実現や社会参画を支援する羽ばたけつばくろ応援事業を行っております。目標や夢を実現するための自己啓発、学習、視察などの活動や地域で取り組むイベント、地域活動など、社会参画事業の企画を募集し、その活動費について助成を行います。福井県におきましても、夢や希望に向かって挑戦している若者、挑戦したいと思っている若者を応援する、若者チャレンジ応援プロジェクトをスタートさせました。本市におきましても、このような事例を参考に、若者の夢へのチャレンジを応援する取り組みを検討・推進してはどうかと考えますが、市長の所見をお尋ねいたします。 ○議長(大橋基之議長) 市長。     〔市長 並河 健 登壇〕 ◎市長(並河健) ただいま寺井議員から御指摘をいただきましたとおり、本市が持続可能なまちであり続けるためには、若者世代のニーズ、能力、活力をいかに生かしていくか、極めて重要な要素であると認識をしております。その要素の一つとして、本市は、天理大学及び奈良県立大学と包括的な連携を図ることにより、若者の豊かな力を本市の魅力向上、活性化につなげる取り組みをいま進めているところでございます。また、その取り組みを通して、天理市行政施策において貢献いただいた学生を認定する制度を設けておりまして、既に二名の学生を認定し、今後も学生の自発的な行政施策貢献活動を推進していきたいというふうに考えております。 このたびの議員御提案の趣旨につきましては、私どもとしても共感するところがございます。また、天理市総合教育会議や地方創生会議におきましても、若者が自分の夢を実現するために、自らが考えて自分の夢に向かい、取り組みを行うことは非常に重要なことであると認識をしているところでございます。そういう中で、若い世代の夢の実現に向けた活動を後押しするための支援のあり方について、議員の御指摘も含めて検討していきたいというふうに考えております。 ◎市長(並河健) ○議長(大橋基之議長) 寺井正則議員。 ◆十一番(寺井正則議員) ありがとうございます。 共感もしていただいて、若い世代の夢の実現に向けた活動を後押しするための支援について検討していく、このような御答弁をいただきまして、ありがとうございます。ぜひ前向きに取り組んでいただきたいと思います。 それでは、次に、二件目の質問でございます。主権者教育について。これは教育委員会にお尋ねしたいと思います。 来夏の参院選から選挙権年齢が十八歳以上に引き上げられることに伴い、高校を中心に、政治への意識を高める主権者教育の取り組みが広がっています。各地で選挙管理委員会や明るい選挙推進協会と連携し、選挙出前講座や模擬投票が実施されております。文部科学省は、今年秋をめどに、全国の国公私立の全高校生を対象に、政治参加に関する教育のための副教材を配付する予定とされております。さらに、選挙の意義や投票の仕組みなどを理解してもらうと共に、話し合いや討論、模擬選挙、模擬議会を実施することで、選挙に親しむ機会をつくることを目指しております。若い世代が民主主義の重要性を認識し、信頼を育むことに期待するものであります。 十八歳選挙権は、世界の大勢であり、いわんや世界に類例がないスピードで少子高齢化が進行する我が国において、膨らみ続ける社会保障費の負担をこれから支え続ける将来世代が主権者として政治参画する意義は諸外国以上に大きいと言えます。我が国の主権者教育は、十八歳選挙権が定着している欧米諸国に比べて大きく出遅れております。選挙や政治に対する未成年者の関心、責任感を社会全体で育んでいく必要があり、中でも重要なのは、学校現場における主権者教育の充実であります。政治的中立性を確保しつつ、生きた学習をどう行うかが課題であります。教育基本法第十四条では、「良識ある公民として必要な政治的教養は、教育上尊重されなければならない」と政治教育の重要性をうたっておりますが、同第二項では、「法律に定める学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない」とされており、学校現場で政治教育は抑制されがちでした。政治的中立を守りながら現実の政治を読み解くような授業は実際には難しく、一部の学校を除いて、この分野の展開はなかなか進まなかったのではないでしょうか。 しかし、十八歳選挙権によって、主権者教育の充実は急務であります。新しい主権者像を求め、現在の政治教育の展開をもたらした「常時啓発事業のあり方等研究会」、これは総務省の研究会でございますが、この最終報告書、二〇一一年十二月版によりますと、社会参加と政治的リテラシー、いわゆる政治的判断力や批判力を主権者教育の柱に掲げております。社会参加意欲が低ければ、政治意識は向上せず、いわゆるお任せ民主主義になってしまう。政治的リテラシーが弱ければ、ポピュリズム、いわゆる大衆迎合に巻き込まれてしまう。これらは生徒たちだけの課題ではなく、我が国で主権者教育を発展させていく中で、「考える有権者」、「賢い国民」が増えていくことが日本の民主主義を鍛えていくことにつながるはずであります。 目まぐるしく変化する現代社会において、子どもたちが将来、市民としての十分な役割を果たせるように、近年、欧米諸国を中心に、シチズンシップ、いわゆる市民性教育が学校教育で導入されてきております。特に、ニートと言われる若者の就業意識の低下、社会的無力感や投票率の低下をはじめとする政治的無関心は深刻な問題とされ、将来を担う世代に社会的責任、法の遵守、地域やより広い社会とかかわることを教えなければ、民主主義社会の将来はないとの危機感が広がってきたことも背景にあります。このような流れの中で、英国では、二〇〇二年に中等教育にこのシチズンシップ教育を導入し、話題を呼んでおります。 この教育カリキュラムの導入に向けた諮問委員会の答申書の中では、「我々は国家全体でも地域でも、本国の政治文化を何より変えることを狙いとしています。つまり、それは公共生活に影響を与える意思、能力、素養を持った能動的な市民として、人々が自身について考えられるようにすることである」と述べられ、社会に積極的に参加し、責任と良識ある市民を育てるための教育をうたっております。いままでの日本の公民教育では、政治や経済の仕組みを学習するにとどまっていたのに対して、英国のこのシチズンシップ教育、いわゆる市民教育においては、そのシステムに参加するスキル、考え方、コミュニケーションについても学習します。たとえば、社会の問題を解決するために、どこから情報を仕入れ、判断し、どのような手段(政治・ボランティアなど)を用いるのか、どのようにして他者と合意形成を行うのか、どのようにして相手を説得するのかといった実際的な社会参加、政治参加を学習するというものであります。我が国において、十八歳選挙権導入は、主権者教育について考えるよいきっかけになったのではないでしょうか。 先ほども申し上げましたが、欧米諸国を中心に、シチズンシップ教育が学校教育で導入されるきっかけとなっております。ニートと言われる若者の就業意識の低下、社会的無力感や投票率の低下をはじめとする政治的無関心は深刻な問題とされ、将来を担う世代に社会的責任、法の遵守、地域やより広い社会とかかわることを教えなければ、民主主義社会の未来はないといっても過言ではありません。また、政治的中立を守りながら現実の政治を読み解くような授業は、実際には難しいと思われます。本市において、どのように主権者教育に取り組んでいかれるのか、教育長の所見をお尋ねいたします。 ○議長(大橋基之議長) 教育長。 ◎教育長(森継隆) 寺井議員の御質問にお答えいたします。 国民主権は憲法の第一条に明記されており、小学校においては、第六学年の社会科において学習いたします。その内容は子どもたちの比較的身近な公園や保育所といった公共施設ができるまでの過程において、住民の願いがどのように実現されるのかを学ぶ中で、政治と自分たちとの暮らしがどのようにつながっているのかを学習していきます。 中学校においては、社会科の公民的分野で、自分たちでルールをつくっていく上での対立や合意、多数決の考え方を学ぶと共に、場面を設定しての話し合いの練習などを行ったり、成人年齢十八歳引き下げの検討を報じる新聞記事を例に挙げ、中学生には、年齢によってできる権利がどのようなものかをみんなで考える学びの場も設定されています。また、児童会活動や生徒会活動、総合的な学習の時間等において、よりよい生活を築くために、集団としての意見をまとめるなどの話し合い活動や自分たちで決まりをつくって守る活動、人間関係を形成する力を養う活動に取り組んでおります。 議員に御指摘いただきましたとおり、小中学校におきましては、さまざまな教育活動を通して、社会的責任、法の厳守、地域やより広い社会とかかわることを指導していきたいと考えております。今後の国の方針を踏まえながら、新たに投票の権利を得る若者の政治的参加意識の向上に向けて取り組むと共に、自立した青年に育てるための教育の充実を図っていく必要があると考えております。 ○議長(大橋基之議長) 寺井正則議員。 ◆十一番(寺井正則議員) ありがとうございます。 ただいま教育長がおっしゃったとおり、天理市におきましても、若者の政治参加意識の向上に向けて取り組まれると共に、自立した青年に育てるための教育の充実を図っていくという答弁がございましたけども、鋭意努力して取り組んでいただきたいと思います。また、いまおっしゃったとおり、国の方針を踏まえながらということでもございましたが、今後、文科省の中央教育審議会で詰めていかれるということでございます。次期学習指導要領の中におきましても、何か新設の公共という科目の中で、この主権者教育と消費者教育についても具体化して取り組んでいかれるということでございますので、よろしくお願いしたいと思います。 それでは、最後に、子育て支援策としての質問をさせていただきます。移動式赤ちゃんの駅の導入についてお伺いいたします。 以前、私の議会提案をきっかけに、本市におきましても、乳幼児連れの保護者の外出をサポートするために、幼稚園や公民館等の公共施設の一角に、おむつ替えベッドと授乳のためのお湯を用意する「赤ちゃんの駅」に取り組んでいただいております。最近では、屋外でのイベント会場などで、乳幼児連れの保護者が授乳やおむつ替えに自由に使えるようにと、移動が可能なテントと折り畳み式おむつ交換台を「移動式赤ちゃんの駅」として無料で貸し出す自治体が増えてきております。 大阪狭山市では、二〇一一年度から移動式赤ちゃんの駅を無料で貸し出しており、小学校の運動会や商工イベントなどで利用されております。その他、大阪の寝屋川市、河内長野市、和歌山県橋本市など、多くの地方公共団体で実施をされております。大阪狭山市などでは、これを早く取り上げて、もう既に一台では足りずに、何台か移動式赤ちゃんの駅を用意しています。いろんな催し物、イベントのときにも役立っておりますし、いざ災害なんかが起こったときにも役に立つと思いますので、安心して子どもを生み育てる環境づくりの一環として導入を検討すべきではないかと思います。 本市におきましても、乳幼児を連れた保護者が安心して屋外イベントに参加できるように、移動式赤ちゃんの駅を無料で貸し出す事業を実施してはどうかと考えますが、市長の所見をお尋ねいたします。 ○議長(大橋基之議長) 市長。 ◎市長(並河健) ただいまの御質問でございますが、本市では、平成二十年の九月議会で、まさに寺井議員から、公共施設におむつ交換できる台の設置と赤ちゃんにミルクをつくるためのお湯の提供を行う赤ちゃんの駅サービスを始めてはどうかという御提案をいただいたのを受けまして、平成二十一年から平成二十三年までの三カ年事業で、市内の幼稚園、保育園、児童館など計十五カ所に赤ちゃんの駅を設置してきたところでございます。また、現在進めております天理駅前整備プロジェクトや庁舎地下一階の食堂跡に設置予定の仮称天理市しごと支援センターにおきましても、授乳室、おむつ交換台等の設置を予定しております。 そして、今回、議員から御提案いただいております移動式赤ちゃんの駅についてですが、近年、野外で行われるイベントなどで活用していただくように貸し出されている自治体も増えてきていると承知をしておりまして、本市といたしましても、子育て世帯の外出支援として効果的な方法であると考えますので、来年度の導入に向けて前向きに検討させていただきたいと考えております。 ○議長(大橋基之議長) 寺井正則議員。 ◆十一番(寺井正則議員) 効果的な方法であるという共感をいただきまして、また、具体的に来年度の導入に向けて前向きに検討していきたいという答弁、ありがとうございます。私もこれまで議員生活十七年目に入っておるわけでございますけども、まさに乳飲み子を抱えて、子育て真っ最中の議員として、いろいろ子育て途中の市民の声なんかをお聞かせいただきながら、また自分の実体験を参考にしながら、ある意味では、この議会の中では誰よりも子育て支援策等について意見を述べてきたというふうに自負しております。 市長も、ある意味では子育て真っ最中の市長さんでございまして、本当にそういった意味におきましては、子育て支援にどのようなことが必要であるのか、また、この未来を担う若者を自分の子どもも視野に入れながら、どのように育てていったらいいのか、そのようなことを真剣に考えておられる現役子育て世帯の市長であるというふうに認識もしておりますので、今後とも、子どもたち、天理っ子育成のために、立派な青年を育てるため、また、子育て支援のために全力を尽くしていただきたいということを申し上げまして、今回の私の一般質問を終了とさせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(大橋基之議長) 以上をもって一般質問を終わります。 以上で本日の日程は終了いたしました。 なお、明日より二十八日まで休会し、二十九日午前十時より再開いたします。 本日の会議はこれをもって散会いたします。                      午後二時二十一分 散会...