平成57年 6月 定例会┌──────────────────┐│ 第 三 号(六月十二日) │└──────────────────┘ 昭 和 五十七年
熊本県議会六月
定例会会議録 第三号――
―――――――――――――――――――――――――昭和五十七年六月十二日(土曜日
) ―――――――――――――――――――― 議事日程 第三号 昭和五十七年六月十二日(土曜日)午前十時開議 第一
一般質問(議案に対する質疑並びに県の
一般事務について) ――――――――――――――――――――本日の会議に付した事件 日程第一
一般質問(議案に対する質疑並びに県の
一般事務について
) ―――――――○―――――――出席議員(五十二名) 西 岡 勝 成 君 深 水 吉 彦 君 阿曽田 清 君 橋 本 太 郎 君 松 家 博 君 岩 下 榮 一 君 下 川 亨 君 林 田 幸 治 君 三 角 保 之 君 岩 永 米 人 君 児 玉 文 雄 君 山 本 秀 久 君 古 本 太 士 君 渡 辺 知 博 君 八 浪 知 行 君 杉 森 猛 夫 君 鏡 昭 二 君 高 田 昭二郎 君 柴 田 徳 義 君 広 瀬 博 美 君 浜 崎 三 鶴 君 古 閑 一 夫 君 魚 住 汎 英 君 馬 場 三 則 君 木 村 健 一 君 平 川 和 人 君 北 里 達之助 君 金 子 康 男 君 荒 木 斉 君 井 上 栄 次 君 竹 島 勇 君 今 井 洸 君 米 原 賢 士 君 古 閑 三 博 君 井ノ上 龍 生 君 永 田 悦 雄 君 宮 元 玄次郎 君 甲 斐 孝 行 君 八 木 繁 尚 君 幸 山 繁 信 君 池 田 定 行 君 岩 崎 六 郎 君 沼 川 洋 一 君 水 田 伸 三 君 杉 村 国 夫 君 今 村 来 君 浦 田 勝 君 小 谷 久爾夫 君 橋 本 盈 雄 君 増 田 英 夫 君 中 村 晋 君 酒 井 善 為 君欠席議員(二名) 小 材 学 君 倉 重 末 喜 君 ――
――――――――――――――――――説明のため出席した者 知事 沢 田 一 精 君 副知事 藤 本 伸 哉 君 出納長 松 下 勝 君
総務部長 原 田 富 夫 君
企画開発部長 岡 田 康 彦 君
福祉生活部長 山 下 寅 男 君
衛生部長 清 田 幸 雄 君
公害部長 山 内 新 君
商工観光労働 部長 八 浪 道 雄 君
農政部長 坂 本 清 登 君
林務水産部長 大 塚 由 成 君
土木部長 梅 野 倫 之 君
有明地域開発 局長 伴 正 善 君
公営企業管理者 松 永 徹 君
教育委員会 委員長 本 田 不二郎 君 教育長 外 村 次 郎 君
警察本部長 廣 谷 干 城 君
人事委員会 事務局長 下 林 政 寅 君 監査委員 井 輝 男 君 ――
――――――――――――――――――事務局職員出席者 事務局長 川 上 和 彦
事務局次長 衛 藤 成一郎 議事課長 小 池 敏 之
議事課長補佐 辻 璋 主幹 山 下 勝 朗 参事 光 永 恭 子 ―――――――○――――――― 午前十時二十四分開議
○議長(幸山繁信君) これより本日の会議を開きます。 ―――――――○―――――――
△日程第一
一般質問
○議長(幸山繁信君) 日程に従いまして日程第一、
一般質問を行います。発言の通告
があっておりますので、これより順次質問します。 なお、質問時間は一人九十分以内の質疑応答で
ありますので、さよう御承知願います。
岩永米人君。 〔
岩永米人君登壇〕(拍手)
◆(
岩永米人君) おはようございます。八代郡選出の岩永米人でございます。おかげをもちまして四回目の
一般質問の機会を得ること
ができました。これひとえに議員各位のおかげでございまし
て心から御礼を申し上げる次第でございます。 それでは、通告に従い順次質問をさせ
ていただきます。 一九八〇年代は、いわゆる地方の時代と言われ
ているわけで
あります
が、残念ながら、そのかけ声もだんだん下火になっ
てきたような気
がいたします。しかしながら、私は終始一貫、議員活動の柱といたしまし
て、地方の時代を名実ともにわれわれの時代とするために、微力ではございますけれども一生懸命努力し
ているつもりでございます。私は、地方の時代創造の二大要素といたしまし
て、地域産業経済の振興と人材の育成を掲げ、過去三回の
一般質問におきましても、県当局の基本的な考え方並びに具体的な施策につきまし
て内容を伺っ
てまいりましたけれども、今回も重ね
て質問をさせ
ていただきたいと思います。したがいまし
て、過去三回の
一般質問と多少交差するところ
があるかもしれません
が、その後事態も進展をいたし
ておりますので、今回も積極的な御答弁を期待するもので
あります。 まず、
地域産業経済の振興についてで
あります。 わが八代郡の主要産業は農業で
あります。なかんずくイグサ
が基幹作目で
あります。八代郡の生命線で
ありますイグサにつきまし
ては毎回質問をいたし
ております
が、今回は特に第一番目に質問をさせ
ていただきたいと思います。 イグサの概況を参考までに申し上げますと、昭和五十七年度の
全国作付面積は約七千五百二十九ヘクタール、本県
が約五千四百二十一ヘクタールで何と七二%、また生産量は全国約八万二千三百六十四トン、本県五万九千六百三十一トンとなっ
ており、いかに本県
が他県を圧しまし
てナンバーワンの地位に
あるかおわかりいただけると思うので
あります。ちなみに第二位の福岡県の
作付面積は千二百八十ヘクタールとなっ
ております。 しかし、これだけの生産量を誇りながら、昭和四十八年の
オイルショック以後だんだんと下降線をたどり、生産量に見合った収入を上げ
ていないの
が現状で
あります。しかしながら、生産者の方々、農業団体の方々並びに県当局の出荷調整等熱心な御努力
が功を奏しまし
て、最近は多少価格の上昇も見られ、将来に一筋の明るい光
が見え
てきたような次第で
あります。そこで、なお一層の努力を払い
生産量全国一の実績に相応した高収入
が確保できるようにしなければならないので
あります。 私は、まず何よりも大事なことは、全国の畳需要に見合った
計画的生産の徹底的な実施と、品質向上を中心とする生産性の向上並びに需要の
安定的拡大を組織的に推進することではなかろうかと思うので
あります。 第一に、需要に見合った
計画的生産で
あります
が、このことにつきましては、短期的にも長期的にも生産物を供給する側に課せられた主要命題で
あるわけで
あります。現状は、需要の減退と
生産過多で
あり、その打開策としてもまさに積極的に取り組むべきものと考えるので
あります
が、いかがでございましょうか。短期的には
生産抑制もやむを得ないと思いますけれども、長期的にはできるだけ需要を伸ばし
て生産拡大ができるようにすること
が必要で
あると思います
が、いかがでしょうか。 第二に、生産性の向上と
イ業農家経営安定につい
てで
あります
が、生産費の上昇
が続く中で、需給の不均衡から価格
が低下し、
農家経営は残念ながら悪化し
ているの
が実情で
あります。それゆえに
生産条件の
改善合理化を積極的に推進する一方、
優良生産品による適正価格の確保
が必要で、それによって低コスト、高品質の理想を実現し、
農家経営の安定化を図らなければならないと思うのです
が、いかがでしょうか。その
具体的対策をぜひお聞かせいただきたいと思います。 第三は、品質の向上と
需要拡大についてで
あります
が、イ業の
安定的振興を図るためには、良質のものを安定的に供給することにより
需要拡大を図ること
が肝要で
あり、市場の信頼を高める意味でも必要で
あると思います。残念ながら、多少の反省は
あるにいたしまし
ても、イ業界の動向というのは、それに沿わないような観
があるわけで
ありまし
て、真剣に現状打開を念願とするならば、業界内部で品質軽視の
大量生産安値競争を続け
ていたのでは目的達成はきわめて困難で
あろうと思うので
あります。粗悪品を供給し
て畳離れに拍車をかけるのか、優良品を供給し
て需要拡大を図るのか、真剣に考える時期
が到来し
ているので
あります。
抜本的対策をぜひお聞かせください。今後の競争は
優良品生産による代替商品、すなわち
カーペット等との競争で
あるべきだと思うのです
が、いかがでしょうか。 第四は、イグサの付加価格をいかに高め
て高収入を上げること
ができるかどうかという問題で
あります。これは、イグサの
多角的利用を促進し、イグサの有効利用と
付加価値の増大を図り生活に役立つ新製品を開発するかどうかの問題で
あります。ちなみに、どのような製品
が考えられるかといいますと、ざっと列挙するだけでも、上敷き、
センターラグ、寝ござ、
テーブルマット、
玄関マットあるいは
カークッション、座布団、
いす用シーツ、民芸品など多数
あるので
あります。 私事を申し上げまし
て恐縮でございます
が、私は学生時代、東京で下宿生活をし
ておりましたけれども、郷里におります母
が寝ござを送っ
てくれました関係で、あの夏の寝苦しい東京の夜を比較的快適に過ごすこと
ができたので
あります。寝ござ一つをとりまし
ても、市場はまさに無限で
あります。
付加価値を高める諸方法につきまし
て、農政部長の卓越した御所見を何とぞお聞かせいただきたいと思うので
あります。 それから、これは第一回目の
一般質問にちょっと触れた問題でございますけれども、
畳表需要拡大の一方法として、県民大掃除の日の制定
が考えられるわけで
あります
が、先般の
県環境美化条例の施行によりまして、その実施
が一歩前進したと私は思っ
ております
が、この点につきましては、
林務水産部長さんの頼もしい御意見、また御所見を承りたいと思うので
あります。 それでは、
農政部長また
林務水産部長さんの御答弁をいただいた後に再登壇をさせ
ていただきます。 〔
農政部長坂本清登君登壇〕
◎
農政部長(坂本清登君) 農政問題、中でも
イ業振興対策について、最初に、イグサの需要に見合った
計画的生産についてというような御質問でございます
が、お答え申し上げたいと思います。 第一次の
オイルショック以降、住宅の新築や畳の
張りかえ需要が減少いたしましたため、畳表の需要
が停滞しまし
て、イグサ生産
が過剰基調となり、生産費に見合った価格
が実現せず、
イ業経営が厳しい環境に置かれ
てきましたことは御指摘のとおりでございます。
イ業経営を安定させるためには、需給の均衡化、品質の向上、コストの低下
が最も重要な課題で
あると存じます。 まず、需給の均衡につきまし
ては、全国的な問題で
ありますので、
全国イ生産団体連合会が中心となりまし
て関係農家の協力を求め、昭和五十六年産及び昭和五十七
年産イグサ作付におきまして前年比一〇%程度の
自主調整を実施し
てまいったところでございます。 また、本県におきましては、経済連と関係農協
が中心となり、昨年八月から本年三月まで畳表の
月別出荷量の調整を実施し
てまいりました
が、県といたしまし
ても予算を計上し
て指導を図っ
てきたところでございます。その結果、現在では価格面でかなりの回復
が見られ
ているところでございます。 今後の需要につきまし
ては、なお厳しい環境
が続くと考えられますので、当面五十八
年産作付面積の決定につきまし
ては、
全国団体と十分協議を行い、価格の動向を見ながら引き続き面積の
自主調整を指導し、需給均衡を図っ
てまいりたいと考え
ております。 長期的には、昭和四十年代前半から建築され
てき
ております住宅の
畳表張りかえ時期
が到来しつつ
あると思われますので、産地の
生産団体、消費地の
畳関連業界と緊密な連携のもとに、積極的な
張りかえ需要の喚起あるいは畳表のPRを行いまし
て、現在の縮小均衡から
拡大均衡に転ずること
ができるよう努力し
てまいりたいと思っ
ております。 次に、生産性の向上と
イ業農家の経営安定につい
てでございます
が、本県イ業の中心地で
あります八代地方を初め本県の
生産地帯は、灌漑排水、
圃場整備等の
生産基盤の整備
が進められまし
て、省力機械化
が積極的に導入され
ているため、一戸当たりの経営規模も他県に比べ
て著しく大きく生産性も比較的高くなっ
ております。 生産性の向上を図るためには、イ業の
機械化一貫作業体系の確立
が重要課題で
あります
が、移植作業につきまし
てはまだ機械化
が行われ
ておりません。したがって、県ではこの解決のため、
農業機械化研究所と一体となりまし
て、移植機の開発と実用化に努力し
てまいりました
が、この実用化につきましては、いま一歩のところまで来
ております。なるべく早期に移植機の完成を図り、
機械化一貫作業体系を完成するよう努力する考えでございます。 また、イグサの生産費の中で最も大きい割合を占めます燃料費は年々上昇の一途にございます。これまで乾燥室の改善を中心に燃料費の節減を指導し、約一割の節減
が実現し
ております
が、さらに本年度から三カ年計画で、
農業試験場八代支場におきまして
省エネルギーイグサ乾燥技術の
実用化促進事業を行うこととし
ております。抜本的な
省エネルギー技術の確立による
生産費低減と
イ業農家の経営安定を図る考えでございます。 次に、品質の向上と
需要拡大についてでございます
が、良質の畳表を生産するためには、まず良質原草の生産
が基本でございます。しかし、近年、古い産地を中心に、植えつけや刈り取り時期などにつきまし
て、耕種基準によらず生産者それぞれの長年の経験と勘による
栽培管理がかなり見られます。基本に忠実な農家と比べまし
て、これらの農家の原草の品質
が低下し
ている事例
があるわけでございます。今後は、耕種基準による適正な
栽培管理が行われますよう指導を強化する考えでございます。 畳表の品質対策につきまし
ては、まず
県畳表格付条例による
日本農林規格の
検査格付枚数を本年度はさらに増加しまし
て、百六十万枚を目標として実施することとし
ております。また、団体の自主検査の検査規格も、昨年八月、
日本農林規格に準じ
て改正いたしましたので、今年度はこの検査
が徹底するよう指導を強化する考えでございます。 畳表のたるみ問題につきまし
ては、公的な分析機関におきまして、その原因と見られる縦糸の検査分析を実施し、優良縦糸の導入を指導する考えでございます。なお、生産者の
商品生産意識を高めるため、重量表示、
生産者番号の表示の徹底を図るとともに、縦糸に本県独自の証糸、すなわち色糸の導入を実施したいと考え
ております。 御指摘のように、
カーペット等の上敷きは、畳表の粗悪品の供給と関係し
ており、
カーペット等との競争に打ちかつためには
品質向上対策が必要で
ありますので、今後の
需要拡大を図るためには、特に、
飛び込み表等の下級表の
生産抑制を行っ
て、「くまもと表」の銘柄の確立を図り、主産地としての信頼を高め
てまいりたいと考え
ております。 次に、イグサの
付加価値問題につい
てでございます。 イグサの
付加価値を高めるために、昭和五十六年度から三カ年計画でイグサ新
製品開発事業を実施し
ているところでございます。本県で生産され
ている織り込み花莚は、現在では染色技術、
デザイン等に問題
があり、また、これらについての指導者
が少なく、これを育成すること
が急務で
あると考え
ております。 このため、昭和五十六年度におきましては、
関係市町村及び関係団体の技術者を対象に、専門家による染色及び加工の基礎理論と実技の長期研修を実施し
てきたところでございます
が、本年度も新たに、
センターラグや
カークッション等につきまし
ての
技術開発と試作を進め
てまいる考えでございます。また、
デザインにつきまし
ては、流行や生産面の効率性等を踏まえた独創的な
デザインの製作を専門機関に委託し
て試作を開始し
ております
が、早急に製品化し、流通についても十分留意し
て販売
が円滑にいくよう努力したいと考え
ております。 〔
林務水産部長大塚由成君登壇〕
◎
林務水産部長(
大塚由成君) イグサの
需要拡大に絡んでの大掃除の日の制定についてのユニークな御提案でございます
が、郷土の清掃浄化は、美しい
熊本づくりの上で大きな課題として取り組んできたところでございます。 昨年、
環境美化条例が制定されましたことに基づきまし
て、県民総参加による
清掃美化活動の実現を目標に、各県事務所を通じて
体制づくりを図り、昨年は県下それぞれ適当な日に清掃を実施いたしました
が、ことしは思い切っ
て県下一斉清掃に踏み切っ
てみたいと思います。その結果を踏まえ
て、各方面の御意見を伺っ
て趣旨の徹底を図り日を定め
て、以後の定着化を図っ
ていきたいと考え
ておりますので、よろしく御指導をお願い申し上げます。 〔
岩永米人君登壇〕
◆(
岩永米人君) いつもながらの
農政部長さんの気まじめな御答弁に心から感謝を申し上げる次第でございます。 この
畳表需要拡大の問題は、
ひとり農政部だけ
が力んでみまし
ても、やはりほかの部の協力
がなければなかなか進まないと思います。その一つは、やはり土木部の密接な協力、そしてまた応援
がなければできないと思います。
住宅建設等を含めまし
て今後一層の
需要拡大のためにがんばっ
ていただきたいと、かように思うものでございます。 また、もう一つは流通の問題
がございます。やはり本当に流通の使命に燃えたりっぱな流通業者を県としても育て
ていただきたい。これ
がやはり畳表
が、東京、大阪、ひいては北海道、いろいろなところに順調にさばかれ
ていく大事なことではなかろうかと思うので
あります。 また、
林務水産部長さんのお答え
がございましたけれども、何とか本年度中に来年の何月何日にやりますと、そのぐらいの積極的な御答弁
があるやに期待いたし
ておりましたけれども――実施は来年度で結構でございますので、そういう答え
が欲しかったなと心の中で思ったわけでございます
が、どうぞよろしくお願いをいたします。 それでは、引き続きまし
て農政部長さんに、本県茶業の振興と特殊農産物の振興について質問をさせ
ていただきます。 昨年本県で行われました茶の全国品評大会におきまして、本県茶生産者の方々
が賞林水産大臣賞並びに産地賞受賞の栄に輝き、本県茶業の優秀性を全国に鳴り響かせ万丈の気を吐かれたことは、これはひとえに生産者、農業団体の方々の並み並みならぬ御努力と、農政部の熱心かつ適切な御指導のたまもので
ありまし
て、本県茶業振興のためまことに御同慶の至りで
あります。 そこで、このようなことを申し上げますとおしかりを受けるかもしれませんけれども、私は、このことを国民体育大会方式に終わらせ
てはならないと思うので
あります
が、いかがでございましょうか。すなわち、御存じのように国体は、開催県
が必ず優勝あるいは準優勝の好成績をおさめるようになっ
ております。しかしながら、その翌年は成績
がふるわないというの
が実情で
あります。 ことしは埼玉県で茶の全国品評大会
があるわけで
あります
が、私は、この大会におきましても、本県茶
が優秀な成績をおさめること
が銘柄確立の上に絶対不可欠の要素で
あると確信をするもので
あります。もちろん、生産者、農業団体、流通業界の方々、そして県当局も、それぞれの決意で取り組んでおられると思います
が、その具体的な方法について
農政部長さんの御所見を承りたいと思います。 ちなみに付言をし
ておきますけれども、茶は主として山間地の作目で
あり、山間地の過疎対策
が強く叫ばれ
ている今日、茶業の振興というのは後継者対策の面からも大変重要な課題で
あると思いますので、力強い御答弁を願いたいもので
あります。 続きまし
て、特殊農産物について質問をいたします。本問題も第一回目の
一般質問で取り上げたものでは
あります
が、山間地の過疎対策あるいは老人対策として脚光を浴び
てきたような感
がありますので、あえて再び取り上げたような次第で
あります。 山間地の過疎対策としてで
あります
が、住民の方々
が従来の林業に精を出す傍ら、比較的狭い土地で高収益を上げる方法として、特殊農産物の栽培
が取り上げられる傾向に
あるのではないかと思われますので、特に、わが八代郡内の山間地域、泉村、東陽村、そして坂本村に限定し
て結構でございますので、その現況と今後の見通しについてお聞かせをいただきたいと思います。 また、老人対策としてで
あります
が、最近の平野部の御老人の方々はゲートボールを熱心に楽しんで全く暇のないような毎日で
ありますけれども、それに比べますと山間部の方々は、家屋
が点在をいたしまし
て集合するにも簡単にできないという関係上それほど盛んではないようで
あります。したがって、特に山間部の御老人の方々
が時間を持て余さないように工夫をすること
が必要でございます
が、特殊農産物の栽培は、老人の体力で、しかも一日数時間の労働で可能なもの
が多いと聞い
ておりますので、そのような観点からも積極的に取り組まなければならないと思うので
あります
が、いかがでございましょうか。もちろん山間部で熱心にゲートボールを楽しんでおられる老人の方々でも、たとえば朝夕二時間ぐらいずつの労働をし
て多少の収入でもおかせぎになった方
がかえって健康増進に役立つのではないかと思うので
あります
が、いかがでございましょうか。
農政部長さんの御答弁の後、再び登壇させ
ていただきます。 〔
農政部長坂本清登君登壇〕
◎
農政部長(坂本清登君) 茶業の振興についてお答えいたします。 「くまもと茶」の銘柄の確立を図るためには、御説のとおり毎年度開催されます全国茶品評会で継続的に多数の上位入賞を果たすこと
がきわめて重要で
あると考えます。このため、五十七年度埼玉県で開催されます全国大会での上位入賞を目指し、県茶業協会、県経済連、
関係市町村など関係者
が一体となりまし
て、昨年の経験を踏まえ、品評会出品茶生産の基本技術の一層の普及、定着を進め
ております。 本年度の出品茶につきまし
ては、すでに四月、五月の一番茶の製茶時期を中心に、摘採作業の適期実施、形状、香気の確保、各工程の温度管理などを適確に行うように重点指導を実施し
てまいったところでございます。 また、上質茶生産のためには晩霜害対策
が不可欠の条件で
ありますので、本年度は新地域農業生産総合振興対策事業等によりまして、防霜ファンの設置を最重点対策として実施し、あわせ
て茶加工施設、土づくりのための堆肥製造施設等の拡充に努め
てまいりたいと存じ
ております。 なお、五十六年度の大会を契機に県茶業青年団
が結成され、また後継者を中心に県下各地で研究グループ
が組織されつつ
ありますので、そのグループに対し、栽培、加工両面にわたる研修の実施などにより積極的な後継者の育成を図るよう努め
てまいりたいと考え
ております。 次に、特殊農産物の振興についてでございます
が、泉村、東陽村、坂本村は過疎山村地域で
あり、特産物としてのショウガ、茶などの産地形成
がなされ
ております
が、平たん地に比べまし
て相対的に営農
が困難な地域でございます。しかしながら、本地域には薬用植物や山菜等
が豊富に自生し
ており、その自然条件
が特殊農産物に適し
ておりますことから、県では昭和四十九年以来、有望と思われます薬用植物、山菜等八品目につきまし
て試作展示を行い、適地性の検討と栽培技術の確立に努め
てまいりました。この結果、薬用植物のサフラン、ミシマサイコ、香辛料のワサビ、サンショウにつきまし
ては栽培技術
が確立され、粗収益は十アール当たりサフランで三十万円、ミシマサイコで二十五万円程度の実績を上げ、産地の形成と拡大
が図られ
ているところでございます。 今後有望と見られますものに、薬用植物ではオウレン、トウキ、キハダ、山菜ではゼンマイの四種
がありますので今年度から普及に移したいと考え
ております。また、泉村におきまして五十七年度から、薬用植物のシャクヤク、ハンゲの試作を開始いたしました
が、今後早急に栽培技術の確立を図るよう努力し
てまいる所存でございます。 特殊農産物の流通につきまし
ては、日本特殊農産物協会、県特殊農産物振興協会、市町村等と緊密な連携を図りながら、契約栽培と農協系統組織による共販の推進を指導し
てまいりたいと考え
ております。 なお御質問で、山村における老人対策について触れられ
ております
が、特殊農産物は地域における新しい作物で
ありますので、主要な
栽培管理作業については基幹労働力
が必要で
あると考えます。しかしながら、補助的な軽作業につきまし
ては、経験豊富な老人の方々の丁寧な管理作業を行うことによって高い収益を上げることも期待されますので、家族ぐるみの労働によって、生きがいと収益を両立できるならばきわめて好ましいことと考え
ております。答弁を終わります。 〔
岩永米人君登壇〕
◆(
岩永米人君) 積極的な御答弁に心から感謝を申し上げる次第でございます。 これまた私事で恐縮でございます
が、私も一カ月に一遍ぐらいの割合で上京いたします
が、必ずお茶をおみやげに持っ
ていくことにし
ております。大変軽く持ち運びしやすいという関係もございますけれども、飲んでいただいた方
が、「ほうこんなにうまいお茶
が熊本に
あるんですか」と異口同音に感謝をし
てくれるわけで
あります。したがいまし
て、もちろんここにおられる議員先輩各位におかれまし
ても、また執行部の方々におかれまし
ても、しょっちゅう上京し
ておられ、また関西方面にも行かれるようでございます
が、何とぞ熊本のお茶をひとつおみやげに持っ
ていっ
ていただきまし
て、本当に県民総ぐるみでやはり宣伝をし
ていかなければならないんじゃないかと思います。私も一生懸命その点はがんばっ
ていきたいと思っ
ております。 それから特殊農産物でございますけれども、本当にいま部長
が答弁をなさいましたように、老人でなければできないようなきめの細かい仕事も
あるわけで
あります。非常に根気の要る仕事でございますし、そういう意味からもぜひ講習会等を頻繁に開くようにし
て、農業団体と密接な連携をとっ
て今後ともぜひ進め
ていただきたいと心からお願いをいたし
ておきます。 続きまし
て、人材の育成について質問をいたします。 おかげさまで私は厚生常任委員会の副委員長という立場で、昨年度、県の少年保護育成審議会の委員をさせ
ていただき、いろいろと勉強をさせ
ていただきました。こんなことを申し上げますとまた怒られるかもしれませんけれども、そこでは、いろいろな問題
が生じたときに、それにいかに対処するかということ
が主に議論されたような気
がしたわけで
ありまし
て、いかにしたらそのような問題の発生を未然に防ぐかという積極的な論議は、前者に比べ
て少なかったような気
がしたわけで
あります。 私は、少年の健全育成の問題は、医学にたとえますならば、あくまでも予防医学で
あるべきで
ありまし
て、臨床医学は第二義的なものではなかろうかと思うので
あります。私は、児童生徒
が健全に心身ともに発育発展するためにはそれ
が理解できる年齢に達したときに、もちろん家庭でもそして学校でも、自分は何のために生きるのかという、すなわち生きる目的、あるいは生きがいと言っ
ても結構でございますけれども、その生きる目的あるいは生きがいをはっきり持たせる教育をすること
が一番大事なことではなかろうかと思うので
あります。この目的
がはっきり定まれば、目標を失っ
て無気力になったり、あるいは非行に走ったりということ
がなくなっ
てくるのではないかと思うので
あります。 これ
が予防医学の大前提で
あろうと思うので
あります。このこと
があやふやですと、なぜ自分は勉学にいそしまなければならないのか、なぜ苦しい思いをし
て体を鍛練しなければならないのか、児童生徒にはさっぱりわからないのではないかと思うので
あります。まことに哲学めいた抽象的な質問で恐縮でございますけれども、まずこの点について教育長さんの御所見を承りたいと思うので
あります。 次に、これはたびたび本会議においても質問され
ている事柄で
あります
が、基礎学力の向上あるいは基礎学力の修得について質問をいたします。 初歩的な概念の定義
がわからないために、次々に進む授業についていけない、したがって、授業
がおもしろくないどころか、教室の中に座っ
ていること
がもう苦痛でたまらない、まるで牢獄の中に入れられ
ているような感じ
がするという児童生徒
が意外に多いという指摘を受けたこと
がございます。これは、その児童生徒の成長過程におきましてまさにゆゆしき問題で
あります。これ
が極限にまで来たときに非行という問題
が起こるわけで
ありまし
て、非行を未然に防ぐためには、何といっ
ても基礎学力の修得を、これでもか、これでもかというふうに熱心にやらなければならないと思うので
あります。この点についての現状認識
がどのようになっ
ているのか、もし徹底し
ていないので
あるならばその対策はどう
あるべきで
あるのか、率直に御所見を伺いたいと思うので
あります。 三番目に、児童生徒の体力水準について質問をいたします。 体力は、言うまでもなく一生涯の活力の源泉で
あります。それは本人にとりましても社会にとりましても、かけがえのない貴重な財産で
あり、本県教育水準向上にとりましてまことに重大な問題で
あります。
ある統計調査によりますと、男女児童生徒ともに全国水準を若干下回っ
ており、特に女子
が劣っ
ているというのは残念でございます。 そこで、体力向上のためのいろいろな方法
が考えられるわけで
あります
が、その一つに、小学校に体育専門の教師を配置すること
がよい方法ではなかろうかと思うので
あります。本問題は、すでにわが八浪議員
が指摘され
ているところではございますけれども、最近、せっかく体育の専門大学を優秀な成績で卒業し
ておりながら、目指す教職につけない前途有為の青年
が多く存在するわけで
ありますからその青年たちに大いに活躍し
ていただくためにも、もう一度この問題は真剣に考えるべきではないかと思うのです
が、率直な教育長さんの御答弁を承りたいと思います。 すべての活動の源泉は何といっ
ても体力で
あります。体力
があればがんばり
がきくわけで
あります。したがって勉強にも力
が入るわけで
あります。 これと関連することで
あります
が、次に、学校スポーツの振興とその指導者の養成について質問をいたします。 卑近な例で恐縮でございますけれども、これはまだほんの一例にすぎないと思います
が、八代郡の
ある町の
ある小学校に非常にサッカーの指導に熱心な先生
がおられまし
て実に適切な指導をし
てくださるという評判で
あります。また、その先生は、スポーツをやる児童生徒は勉強も当然のことながら熱心にしなければならないという信念を持っ
ておられますので、教えを受け
ておる子供たち
がそれこそ両方に精を出し
て、親はこんなにありがたいことはないと心から感謝し
ていると聞い
ております。このような先生は恐らく全県下にかなり多くおられると思いますけれども、まことに結構なことで本当にありがたいと、このように思うわけでございます。 しかしながら、問題は、そのような先生
が転勤になった後、残された児童生徒は一体どうなるのかということで
あります。同じような先生
があらわれれば問題はございませんけれども、現状はそうはいかないの
が常でございます。熱心な先生
が去った後、生徒たち
が放置され
て練習に身
が入らない、せっかく身についたよい習慣
がもとに戻っ
てしまう、そういう例
が県下無数に
あるということは御案内のとおりだろうと思います。そのような先生
が去った後でも生徒たちに自主的に部活動をしろと言っ
ても、高校生ならいざ知らず小中学生にはちょっと無理なような気
がするわけで
あります。熱心な先生の御苦労、そしてお骨折りというもの
が水泡に帰し
てしまうわけで
あります。この労に報いるためにも真剣に考えなければならない問題で
あります。 何とかしなければならない問題で
あります
が、聞くところによりますと、学校当局はこの善後策に余り熱心ではないということを聞い
ております。いろいろな対策
があるとは思います
が、それには常日ごろから、教師、非教師を問わずスポーツ指導者の養成を積極的にし
ておかなければならないと思うのです
が、いかがでございましょうか。特に、非教師で
ある一般の方々の中に、意外と情熱にあふれたすぐれた指導者
がいるのではないかという気
がするので
あります。これらの方々に日ごろから要請するなどし
て、いざというときに御協力をいただくのも、社会連帯感という上からも大事なことではなかろうかと思うので
あります。特に、非教師で
あるスポーツ指導者の養成を中心にいたしまし
て、その対策をぜひお聞かせ願いたいと思います。 それでは、人材の育成の最後の問題に、郷土教育について質問をさせ
ていただきます。 先日、熊日の社説「郷土教育推進に注目する」を読みまし
て、わが意を得たりという気持ちになった次第で
あります。社説は、「熊本はわが郷土で
ある。われわれは熊本に生まれ、美しい自然と豊かな文化にはぐくまれ
て毎日の生活を営む。そしてみんなとともにこれらを愛し、すぐれた伝統を継承し
てよりよき文化を創造しようとする。郷土はこうして発展し、国家や社会の進展に貢献する。「地方の時代」と言われる
が、身近な郷土の自然や文化を知らずし
て地方の発展は望み得ない。次の世代を担う小中学生の段階から、学校教育の中で、郷土を知る学習、すなわち「郷土教育」の重要性
が認識され始め
ているのも地方志向という時代の要請
があるからだ」と述べ
ております。熊本市
教育委員会は、これらの要請にこたえまし
て本格的に郷土教育の推進を決定したそうで
あります
が、心の底から拍手を送りたい気持ちで
あります。 そこで、教育長といたしまし
ては、本問題につきどのように現状を認識し
ておられるのか、また県下全域にどのように推進をされ
ていくのか、積極的な御答弁をいただきたいと思うので
あります。 教育長の御答弁の後に再登壇をさせ
ていただきます。 〔教育長外村次郎君登壇〕
◎教育長(外村次郎君) お答えいたします。 五点ございます
が、まず第一点の生きがいを持たせる教育についてでございます。 これは御高見のとおり、非行
が生じ
てからの対策よりは未然防止
が先行すべきでございまし
て、一人一人の子供の持つよさ、すぐれた個性や能力を引き出し、これを伸ばし、生き生きとした学習態度を身につけさせること
がまず肝要なことと考え
ております。また、子供たち
が、人生とは何か、あるいは何をなすべきかなど自己を見詰め、社会的責任を自覚し、生きがいを見出し
ていくよう指導しなければならないと考え
ております。特に、これらは単に知識にとどまらず日常の生活態度にあらわれること
が必要でございまし
て、そのためには、心を打たれ感動するような体験の場を与えること
が大切と考え
ております。親や教師あるいは友人の生き方に学んだり、読書や学習体験などからもそれ
がなされるよう、周囲や教師の配慮
が重要で
あると思っ
ております。クラーク博士の名言は、今日の青少年に最も必要な言葉ではないかと考える次第でございます。児童生徒
が将来への目的や志を明確にいたしまし
て、心身ともにたくましく生き抜き、社会有為の人材となるよう
教育委員会においても一層努力し
てまいりたいと考え
ております。 第二に、基礎学力の向上についてでございます
が、御指摘のように、青少年の非行化の要因の一つには、基礎学力
が身について
いない、つまずいたためにといったようなこと
がしばしば見られるわけでございます。基礎に確実な力をつけ、学校生活に喜びを持たせること
が大切なことと考え
ております。 昭和五十六年度の公立高校入試の結果を見
てみまし
ても、たとえば「最近の科学の進歩は著しい」、この「著しい」という漢字
が読めない者
が全受験者の二五・七%を占め
ております。また「要点をカンケツにまとめる」という「簡潔」というかなを漢字で書かせた出題におきまして、六六・八%
が誤っ
ておる実態
がございます。 基礎学力の充実、向上の方策といたしまし
ては、現在、基礎学力向上推進地域を県下に八地域指定いたしまし
て、その地域の小中学校
が一体となっ
て、その修得、向上に取り組んでおります。これを順次県下全域に広め
てまいりたいと考え
ております。また、授業時数の確保、反復練習の徹底、学習形態の工夫、評価の研究と活用、また何よりも大事な、それらを支えるものとして校内研究体制の確立、こういったことにつきまし
て学校を指導し
ておるところでございます。 なお、特におくれた子供の指導につきまし
ては、担任教師によります相談活動を重視いたしまし
て、また子供を学習面だけでなく全人格的に見
て、その長所を見つけ伸ばしまし
て、自信を持っ
て学校生活
が送れますよう注意をいたし
ておるところでございます。各学校におきますこの面についての認識と取り組みも最近非常に高まっ
てまいっ
ております。その効果を期待し
ておるところでございます。 第三点の体力向上のことに絡みまし
ての体育教員の問題でございます
が、小学校に体育の専科教員を配置いたしますことにつきましては、教職員の定数
が公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律等で定められ
ておりまし
て、特別な別枠の配置は困難でございます
が、体育指導の中心となる教員の配置につきまし
ては十分意を用い
てまいりたいと考え
ております。本年度も新規採用者の中に、体育の専門課程を卒業し、小学校教諭の免許を有する者を数多く含んでおります。今後さらに御提言の趣旨に近づきますよう一層の努力をし
てまいりたいと考え
ております。 第四点の学校スポーツの問題でございます
が、小中学校の教育におきまして、体育、スポーツ活動の持つ役割りは大きなもの
がございまし
て、教師と子供
が一緒に汗を流し心を通わせ、ともに活動することは大変有意義なことと考え
ております。しかし、御指摘のように、数多い運動種目の専門的な指導力を持つ教師の数は必ずしも十分ではございませんで、外部からの方をコーチとしてお願いし、部活動を推進し
ている学校も多い状況にございます。その数は、昭和五十六年の調査でございます
が、小学校で千四百四十四の部に千三百五十二名、中学校では千四百九十二の部に八百六名となっ
ております。 教師につきまし
ては、体育・スポーツ研究協議会の開催等によりまして、部活動の指導者の養成、資質の向上、また運動部活動のあり方等について研修を深め
ておるところでございます。また大学の方にスポーツ指導のできる教員を養成し
ていただくよう一段の御配慮をお願いするなど努め
ておるところでございます。外部の指導者の方々に対しまして、今後とも御協力をお願いいたしますとともに、発育途上に
あります児童生徒の生理面、心理面等も配慮した指導をいただきますよう講習会も開催いたしまし
て充実を図っ
ておるところでございます。 なお、体育協会等でバレーボールやバドミントンなど競技別にスポーツ指導員
が養成され
ておりまし
て、現在その数
が県内で約一千二百名になっ
ております。今後これらの施策の充実を図りまし
て青少年の健全育成に努め
てまいりたいと考えます。 最後に、郷土教育の推進でございます
が、この重要性につきまし
てはまさに御指摘のとおりでございます。小学校におきましては、低学年におきまして地域学習、中学年で郷土と他の地域との関係、高学年で郷土の史跡、遺物や先人の努力などの学習を取り上げ
ておりまし
て、それらを通して郷土への理解を深め、郷土愛の育成に意を用い
ているところでございます。現在、教材といたしまし
ては、県の教育研究会の社会科部会の手に成ります「わたしたちの熊本」、また「熊本の人物」等
が広く使われ
ております
が、市町村によりましては独自の副読本も作成され
ておりまし
て、
教育委員会といたしまし
ても、これらを推奨し援助し
ておるところでございます。 また、新しい教育過程では、特に特別活動や学校創意の時間の役割り
が重視され
ておるわけでございます
が、その中におきまして郷土に関する学習
が多く試みられるようになっ
てまいりました。郷土の風土や遺跡、史跡、文化財等の実地調査や研究、あるいは伝統芸能の体験等特色の
ある実践活動
が目立っ
てまいりました。その広がりと定着を図っ
てまいりたいと考えます。今後も指導者の育成や教員の研修を課題といたしまし
て一層努力し
てまいる所存でございます。よろしくお願い申し上げます。 〔
岩永米人君登壇〕
◆(
岩永米人君) 御丁寧な御答弁ありがとうございました。もう少し具体的にいろいろと御説明いただき御答弁いただければありがたいと思ったわけでございます
が、何とぞよろしくお願いをいたしたいと思います。 ちょっと所見を述べさせ
ていただきたいと思います
が、特に郷土教育についてでございますけれども、もちろんわが国にも、また西欧諸国あるいは世界じゅうどこでもそうだと思いますけれども、広場ですとか、あるいは学校の校庭、いろいろなところに先人、偉人、哲人の銅像
が建っ
ているわけで
あります。何のために建っ
ているのか。その人
が自分のやった功績を誇らしげに人々に見
てもらうために、そのように申し出たわけではないわけで
ありまし
て、私たち残された後輩
が、そのことを顕彰し
て碑を建てたのではなかろうか、また銅像を建立したのではないかと思うわけで
あります。それにはいろいろ教育効果
があると思います。なるほど自分の村から、自分の町から、自分の県からこんなりっぱな人
が出たんだな、自分もそういう人のようにりっぱなことをし
てみたい、これ
が物を言わぬ大変な教育効果で
あります。したがって、私は、日本における銅像の数いろいろ
ありますけれども、西欧諸国に比べると少ないと思います。したがいまし
て、今後いろいろな機会を通じて
教育委員会がその点の啓発もし
ていただき、大いにそういう尊敬に値する人物ならばいろいろと施策をめぐらし
ていかなければならないと思うわけでございます
が、いかがでございましょうか。もちろんこれは御答弁は要りません。私の所感をちょっと言っ
ているわけでございまし
て、今後も郷土教育というものをやはり徹底し
てやっ
ていかなければならない。やはり自分の生まれたところ、自分の育ったところに誇りを持たなければ人間は馬力
がかからないと思うんです。何といっ
てもそういう教育
が今後本当に大事なことになっ
ていくのではないかと確信するのは私一人ではないと思うので
あります。どうぞよろしくお願いをいたします。 それでは最後に、八代郡の各町村内の早急に解決されなければならない諸問題について質問をさせ
ていただきます。 まず竜北町でございます
が、これは泉村、東陽村、鏡町にもちょっと関連をいたしますけれども、清流氷川の改修についてで
あります。県の水防計画書にも示され
ている重要水防区間の整備の進捗状況並びに今後の見通しについての御所見をぜひお聞かせいただきたいと思います。 また、何カ所か洪水期における危険個所
があると思いますので、早期手当ての方をよろしくお願いいたしたいと思います。これは要望にとどめ
ておきます。 竜北町には、氷川のほかに八間川
が貫流いたし
ておりますけれども、おかげさまで急ピッチな改修
が進んでおります。しかしながら、まだまだでございますので、その点今後の大幅な予算措置も要望をいたし
ておきます。 それでは次に、坂本村についてお願いを申し上げます。県道中津道八代線の改良工事についてで
あります。 本路線は、坂本村中津道より球磨川右岸に沿っ
て八代市に通ずる産業、文化、経済上重要な道路で
あり、特に村の中央部を縦断し
ている関係上、全線にわたり子供たちの通う通学路にもなっ
ております。県は昭和四十五年より改良工事を実施いたし
ております
が、生名子―古田間約四・七キロございますけれども、これは軽自動車しか通過できない。もうマークⅡあるいはそれ以上の車になりますととても通行できない、そういう非常に狭い道路でございます。したがって、日常生活の不便はもとより、国道二百十九号線の再三の災害による交通どめ、あるいは渋滞時の迂回路としても全く機能し
ていない実情で
あります。特に近年、高速道路
が北から八代市まで、南からはえびの市まで開通したことに伴いまし
て、国道二百十九号線への車の流入
が激しく、その渋滞と交通事故の増発はまことに目に余るもの
があるので
あります。したがいまし
て、地形上難工事
が強いられるところも
あるわけで
あります
が、何とか早く改良
が完成するよう切実に思わざるを得ないので
あります。
土木部長の力強い今後の見通し並びに抱負についてぜひ伺いたいと思うので
あります。 次に、荒瀬ダム下流の坂本部落の水害対策につきまし
ては、第一回の
一般質問で質問いたしましたけれども、その後、残念ながら余り進展をし
ていないようでございます。住民の方々の不安感をなくす意味からも、県は現地に来られまし
て、幾らかでも水かさを少なくする方策、たとえば下流に下代瀬地区というところ
がございますけれども、そこの川底を掘削するなど、そういうことをやるというような説明会をぜひ開くように要望をいたし
ておきます。またダムの上流地区の水害対策につきまし
ても、これまた要望をいたし
ておきます。 それでは引き続きまし
て、東陽村の幹線道路について質問をさせ
ていただきます。 県道五木宮原、宮原甲佐線は、国道三号線と国道二百十九号線を結び、国道間のバイパス的役割りを持つ約二十四キロメートルに及ぶ県南山岳地域の最も重要な幹線道路で
あり、単に沿線地域内の開発道路としての役割りのみにとどまらず、広く県南部、特に城南山岳地域の動脈で
あり、広域的な視野からも、新しい時代の流れに即応した自然林の活用、森林資源の開発、生活圏、経済圏の整備、また過疎対策等から見
てきわめて重要な使命を持つ幹線道路で
あります。 この道路はまた、川辺川ダム、五木ダムの建設関連道路としての整備も進められ
ております
が、その反面、特に東陽村内の改良のおくれ
が大きく懸念をされ
ているところで
あります。特に幅員
が狭く、また線形も悪いところ
が多うございますので、その整備
がどうしてもおくれがちで
あります
が、今後の見通しについて、これまた
土木部長さんの力強い御答弁をいただきたいと思うので
あります。 それでは最後に、泉村の問題につき質問をいたします。 関係者の方々並びに、これはきのうの代表質問でも知事
がお答えになったわけでございます
が、県当局の御熱心な御尽力によりまして、昭和五十七年五月十五日、泉村を含む九州中央山地
が国定公園の指定を原環境庁長官より受けること
ができたので
あります。まことにありがたく同慶の至りで
あります。このことによりまして、観光面における飛躍はもちろんのこと、いろいろと波及効果
が考えられるわけで
あります。 そこで、指定後の計画につきまし
て御説明をいただき、五家荘五木地域
がわが熊本における三大観光拠点の一つといたしまし
て、今後とも順調な、そして飛躍的な発展を遂げること
ができますように、そのお取り組み方をぜひお聞かせ願いたいと思うわけでございます。 それでは御答弁をいただいた後、登壇をさせ
ていただきます。 〔
土木部長梅野倫之君登壇〕
◎
土木部長(梅野倫之君) 御答弁いたします。 まず氷川の問題でございます
が、現在、氷川では重要水防区域といたしまし
て、宮原町地区
が百メーター、竜北地区
が八百メーター、鏡地区
が千六百メーターを指定し
ております。本年度は、宮原地区及び竜北地区について改修を完了いたしまし
て、鏡地区につきまし
ては六百メーターを施行するようにし
ております。残りの千メーターにつきまし
ては昭和五十八年度に施行を予定し
ております。その他、氷川については中小河川改修事業で、老朽化しました堤防、護岸の補強に努め
ており、今後とも危険個所の早期解消を図っ
てまいりたいと考え
ております。 次に、坂本村地内の県道中津道八代線でございます
が、本路線は、御承知のとおり球磨川と国鉄肥薩線にはさまれました地形的に非常に厳しい条件の個所
が多いわけでございます。したがいまし
て建設費
が高くなっ
ております。しかしながら、沿線には役場を中心として人家集落
が多数存在し
ておりまし
て、本路線
が唯一の日常生活道路となっ
ており、早急な整備
が必要なことは十分認識し
ているつもりでございます。 このような観点から、県といたしまし
ても従来から整備促進に努力し
てまいったところでございます
が、現在までに古田工区
が昭和五十一年度、生名子工区
が昭和五十六年度にそれぞれ完成し、供用を開始したところでございます。 御指摘の生名子から段を経
て古田に至る四・七キロメーターにつきまし
ては、おっしゃるように幅員
が狭く三・五メーター未満の狭隘道路でございます。現在、古田工区から段までの約一キロメーターを昭和五十二年度から着手いたし
ております。鋭意努力を重ね
ており、昭和五十七年度も引き続き用地補償及び一部工事を促進する予定でございます。 一方、生名子から段間は、昭和五十七年度から新規事業として延長三・七キロメーターの改良工事に着手したばかりでございまし
て、本年度は約一キロメーターの用地買収をする予定として考え
ております。この区間に要する事業費は約十四億円でございまし
て、道路用地を必要とするため早期完成は困難な状況でございます。しかしながら、本路線は九州縦貫自動車道建設とも深い関連
がございますし、関係者と調整を図りながら、その進捗状況を踏まえ
て積極的に努力し
てまいる所存でございます。 次に、東陽村内の県道宮原五木線及び宮原甲佐線の整備でございます
が、まず主要地方道宮原五木線は、八代郡宮原町の国道三号線を起点といたしまし
て、東陽村内を経
て球磨郡五木村までの延長三十六キロメーターで、東陽村内における最も重要な動脈で
あるとともに、球磨地方と熊本都市圏とを結ぶ主要道路でもございます。また、おっしゃるように川辺川ダム関連道路としても早急な整備
が望まれ
ているところでございます。しかし、東陽村内の現況は、延長
が十七・六キロメーターのうち改良済み延長
が七・三キロメーターで、改良率は四一・四%と未整備区間
がまだ相当残っ
ている現状でございます。 このようなことから、県といたしまし
ても、本路線の整備を積極的に促進するために、現在、鹿路工区、鶴木場工区及び久木野工区の三工区、総延長八・三キロメーターの整備促進を図っ
ているところでございます。 次に、主要地方道宮原甲佐線についてでございます
が、本路線は東陽村字畑中地区から泉村を経まし
て甲佐町へ通ずる幹線道路でございます。その整備状況は、実延長
が二十二・七キロメーターに対しまして、改良済み延長は八・七キロメーターとなっ
ておりまし
て、その改良率は三八・三%でございます。 このような現況にかんがみ、その整備促進を図るため、まず道路改良事業といたしまし
ては、東陽村の畑中、泉村の松の原及び甲佐町の寒野の三工区を、また特殊改良第一種事業といたしまし
て、泉村宮の崎、同村の尾園及び中央町払川の三工区、合わせまし
て総延長九・六キロメーターを補助事業で実施し
ているところでございます。 お尋ねの東陽村内は、昭和五十五年度から畑中より椎屋間の約三・九キロメーターの改良に着手し、昭和五十六年度までに用地補償及び一部本工事を実施し
ております。昭和五十七年度も引き続き用地及び本工事を促進することにし
ております。 御質問の今後の見通しでございます
が、必要な予算の確保につきまし
ては、国における行政改革をめぐる厳しい財政環境の中でございます
が、県議会を初め関係者の御協力を得ながら積極的に整備促進を図っ
てまいりたいと考え
ております。 〔
商工観光労働部長八浪道雄君登壇〕
◎
商工観光労働部長(八浪道雄君) お答えいたします。 五家荘地域は、平家伝説の里の地といたしまし
て、その知名度は高く、また地域内には秘境と呼ぶにふさわしい風景と美しい自然
が残され、まだ行ったことのない秘境としてあこがれの対象となっ
ておりまし
て、潜在的な観光需要は大変大きいもの
があると考え
ております。 この地域の観光開発の方向につきまし
ては、昭和五十五年度に実施いたしました専門家による五木・五家荘地域観光振興計画調査で、自然と歴史をテーマにいたしまし
て、訪れる人々の心を深い感動で満たす観光拠点づくりを提言いたし
ております。 その主なものは、一つには、山人の暮らしをしのぶ場として、五家荘の歴史、平家落人伝説にまつわる資料、昔の人々の生活を伝える道具などを展示します「山びとの生活館」といったような資料館を建設すること。二には、この地域に残っ
ておりますつり橋の周辺に、茶屋、駐車場、休憩所などを整備しまし
て、周遊できる散策コースを整備すること。三に、五家荘の各集落に、建物や料理でそれぞれ特色を出す民宿を育成し、周辺に自然探勝道を設けるなど宿泊拠点として整備すること。四に、歴史、史跡の発掘や古くから伝わっ
ております祭りの活性化のほか、五家荘らしい心のこもったサービスにより観光客の期待に十分こたえる体制をつくり上げること等
が提案され
ております。 これまで県といたしまし
ては、この地域の幹線道路の整備のほか、園地、遊歩道、展望所、そのほか各地の観光標識など観光基盤施設の整備を進め
てまいったところでございます。 本年五月、この地域
が九州中央山地国定公園に指定されましたのを契機といたしまし
て、国定公園施設整備五カ年計画によりまして、野営場、遊歩道、駐車場、園地など利用施設の整備を一層推進し
てまいることといたし
ております。本年度は、その中でも観光客の利用
が多い「せんだん轟」の駐車場の整備を、国定公園施設整備事業といたしまし
て進めますほか、車の通行
がスムーズになりますように単県事業として観光関連道路の整備に着手することといたし
ております。 いずれにいたしまし
ても、今後この地域の魅力
ある観光地づくりを進めるに当たりましては、観光関係者はもとより地元の人々で構成され
ております「創る会」を中心に、五木・五家荘地域観光振興計画調査の提言等をも十分参考にしながら、創意工夫をこらし、みずからの力で観光地づくりを進め
ていただきますとともに、県といたしまし
ても地元と十分連携をとりながら、この地域の観光振興に積極的に取り組んでまいる所存でございます。 〔
岩永米人君登壇〕
◆(
岩永米人君)
土木部長さん、それにまた
商工観光労働部長さんの御答弁に心から感謝を申し上げる次第でございます。 もちろん最後に取り上げました八代郡内の各町村の諸問題は、ほんの一例でございます。まだまだたくさんし
ていただかなければならないところ多々ございまし
て、どうかそういう意味合いからも、きょう特に取り上げましたその問題につきまし
ては、鋭意今後とも御努力をくださるように切にお願いを申し上げる次第でございます。 本日は、終始ローカル問題になりまし
て、議員各位におかれまし
ては本当に御協力をいただきありがとうございました。また執行部の方々にも、そしてこの議場内におられるすべての皆様方に心から感謝をいたしまし
て、第四回目の
一般質問を終わらせ
ていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○議長(幸山繁信君) 以上で本日の
一般質問は終了いたしました。 明十三日は日曜日のため休会で
ありますので、会議は明後十四日午前十時から開きます。日程は、議席に配付の議事日程第四号のとおりといたします。 本日はこれをもって散会いたします。 午前十一時三十七分散会...